JP2575689B2 - 熱交換器用アルミニウム合金フイン材 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金フイン材

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐高温座屈性に優れた熱交換器妖アルミニウ
ム合金フィン材に関する。
(従来の技術) 自動車クーラー用コンデンサー、エバポレーターなど
のアルミニウム合金からなる熱交換器は押出多穴チュー
ブとコルゲートフィンから構成されている。
従来、押出多穴チューブにはJISA1050(99.5wt%以上
のAl)(以下合金組成におけるwt%を単に%と略記す
る)やA3003(Al−0.15%Cu−1.1%Mn)合金が用いら
れ、フィンとしてはA3003あるいはA3203(Al−1.1%M
n)を芯材とし、これの両面もしくは片面に皮材としてA
l−Si系合金、例えばA4343(Al−7.5%Si)やA4004(Al
−10%Si−1.5%Mn)をクラッドした、いわゆるブレー
ジングシートが用いられてきた。また一部ではフィンと
して、皮材があらかじめクラッドされていないベアー材
を用いることもあり、この場合ベアー材としては前記の
芯材と同様なアルミニウム合金が用いられてきた。
(発明が解決しようとする問題点) 熱交換器の組立工程においては押出多穴チューブとフ
ィンをろう付けするために590〜620℃に数分間加熱する
必要がある。しかし、フィン材の厚みは通常0.16mm程度
と薄く、ろう付け加熱時にフィンの強度が低下し、その
結果フィンが変形し潰れる現象、いわゆる座屈が起り易
く、現在熱交換器の軽量化及びコストダウンのために望
まれているフィン材の薄肉化は従来のフィン材では困難
であった。
本発明は上述したような従来の技術の欠点に鑑み、高
温度のろう付け加熱によっても潰れが生じ難い、耐高温
座屈性に優れ、薄肉化の可能な熱交換器用アルミニウム
合金フィン材を提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上記の問題点を解決するため種々検討を重
ねた結果、Al−Fe−Si−Mn系合金においてろう付け加熱
時のフィン材の変形には芯材中の金属間化合物の分布状
態(粒子径および体積率)が大きく影響し、これを所定
状態に制御すれば変形を防止できることを見いだした。
本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、Fe0.3%以下、Si0.6%以下、Zn0.
5〜2.0%及びMn0.6〜2.0%を含有し残部がAlと不可避不
純物からなる組成を有し、かつ0.1〜0.3μmの粒子径の
金属間化合物を0.5〜5体積%としたアルミニウム合金
板を芯材とすることを特徴とする熱交換器用アルミニウ
ム合金フィン材である。
本発明のフィン材においてアルミニウム合金中の各成
分の作用及び組成限定理由は次の通りである。
Feは0.3%以下の含有量とする。FeはAl、Mnとの共存
によってAl−Mn−Fe系の金属間化合物を生成する。この
金属間化合物の分布状態を調整することによりろう付け
時の高温加熱における耐高温座屈性を向上させることが
できる。Fe含有量が0.3%を越えると巨大晶出物が生成
しやすくなって、フィン材としての成形性が悪くなり、
また再結晶粒が非常に微細となり、耐高温座屈性が低下
する。
Siは0.6%以下の含有量とする。SiはAl−Mn−Si系の
微細な金属間化合物を生成する。その分布状態を調整す
ることによってろう付け時の高温加熱における耐高温座
屈性を向上させることができるが、0.6%を越えると晶
出物の効果で再結晶粒が非常に微細となり耐高温座屈性
が低下する。
Mnは0.6〜2.0%の含有量とする。Mnは合金の強度を向
上させるとともに、Al−Mn−FeまたはAl−Mn−Si系の金
属化合物を生成する。その分布状態を調整することによ
ってろう付け時の高温加熱における耐高温座屈性を向上
させることができる。その量が0.6%未満ではその効果
が小さく、2.0%を越えると巨大晶出物が生じ易く、フ
ィン材としての成形性が悪くなる。
本発明においてはZnは0.5〜2.0%の範囲で添加するの
が好ましい。Znは耐高温座屈性には、ほとんど影響を与
えないで、フィン材の電位を卑にし、犠牲陽極効果でチ
ューブ等の作動流体通路の孔食を防ぐ働きがあるので添
加することが望ましい。その量は0.5%未満では効果は
なく2.0%を越えると自己腐食が高くなるとともに、ろ
う付け性が低下する。
他の合金元素は、含有量0.2%以下であれば、後述す
る金属間化合物の分布の条件を満たす限り、添加を行う
ことができる。例えば、鋳塊の結晶粒微細化のためにT
i、Bを添加したり、又強度、耐熱強度を更に向上する
ためにCu、Zr、Cr等を添加したり、ろう付け時のZnの拡
散を防止するためにCaとLiを添加しても何らさしつかえ
はない。
上述のような理由により合金組成を定めるが、この条
件だけではろう付け時における優れた耐高温座屈性は得
られない。合金組成に加えて金属間化合物の分布状態を
調整することにより初めて優れた耐高温座屈性を有する
フィン材が得られる。
すなわち、金属間化合物の分布状態として粒子径0.1
〜0.3μmの金属間化合物を0.5〜5体積%とする必要が
ある。その理由は次の通りである。
ろう付け時の高温加熱によりフィン材の座屈が生じる
原因は 材自体の高温強度不足のため、 加熱時に微細な再結晶粒が生じ、皮材のSiがその粒界
に拡散し、かつ粒界に液相を生じるため、 加熱時に亜結晶粒組織や転位によるセルが残存し、皮
材中のSiの拡散を生じるため の3つに大別できる。
このうちの原因である強度不足は合金組成にMn、Z
r、Crのような高温強度向上金属を加えることにより解
消することができる。
及びの原因となる微細な再結晶粒や再結晶粒の生
成は合金板の製造工程条件(熱処理、圧延等)に由来す
る。すなわち前記合金組成のフィン材は、その製造工程
により分布状態は違うが、Mn(Fe、Si)を含有した金属
間化合物を晶出物または析出物として含んでいる。本発
明者の検討の結果、このような金属間化合物のうち大き
なサイズ(約3μm以下)のものはろう付け時の高温加
熱の際に再結晶の核となり、大きなサイズの金属間化合
物が数多く存在した場合再結晶の核発生数が多くなり結
晶粒は微細となることがわかった。これは上記した高温
座屈性が生じる原因にあたり、耐高温座屈性が低下す
る。本発明で0.1〜0.3μmの粒子径の金属間化合物の量
の下限を0.5体積%以上としたのはこのためである。さ
らに詳しく説明すると次の通りである。
大きなサイズの金属間化合物は、圧延により分断され
た晶出相か粗大化した析出物のいずれかである。前者の
晶出相は前述の様に合金組成、特にFeの上限を定めるこ
とにより耐高温座屈性を低下させないようにすることが
できる。後者の粗大化した析出物の量は、0.1μm以上
0.3μm以下の粒子径の金属間化合物の量と逆比例関係
にあり、析出物が粗大化するにつれ、0.1〜0.3μmとい
う微細な粒子は減少する。よって、0.1〜0.3μmの粒子
径を持つ金属間化合物が0.5体積%以上とすれば、析出
物の粗大化は十分に進んでおらず、耐高温座屈性を低下
させるだけの粗大析出物は存在しない状態にすることが
できる。
また、逆に微細な金属間化合物が所定量以上数多く存
在すると、加熱時に転位や粒界やピン止めし、前記の
を生じる。したがって、0.1〜0.3μmの粒子径の金属間
化合物は5体積%以下とする。
なお、従来はこのような析出粒子と高温座屈性との関
係は解明されていなかったが本発明者の検討によれば従
来のフィン材は大きな金属間化合物(約3μm以上)を
数多く含有し、かつ、0.1〜0.3μmの粒子が0.5体積%
より少なく、高温加熱で座屈しやすい。
(発明の効果) 本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は従来
品より一段と耐高温座屈性に優れ、かつ耐孔食性、成形
性にも優れるという利点を有しているので熱交換器のコ
ストダウンおよび軽量化を目的とした薄肉フィン材とし
て極めて好適である。
(実施例) 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例 第1表に示すA〜Cの組成を持つ鋳塊(厚さ70mm、幅
160mm、長さ600mm)をそれぞれ3分割し、均質化処理後
面削し、Al−7.5%Siの皮材をクラッド率片面12%で両
面にクラッドした。その後、厚さ3mmまで熱間圧延(通
常の条件)した後2分割し、冷間圧延、焼鈍を行い、厚
さ0.12mmのフィン材試料を作製した。各試料の均質化処
理条件、冷間圧延条件及び焼鈍条件等の製造工程条件及
び得られたフィン材試料の0.1〜0.3μmの粒子径の金属
間化合物の体積率は第2表に示す通りである。体積率は
皮材を王水で除去し、歪を除去するため500℃で10秒間
の処理を行った後透過型電子顕微鏡を用いて測定した。
すなわち、等厚干渉縞を用い試料膜厚を決定し、視野範
囲中にある析出粒子のうち0.1〜0.3μmのものの総体積
を画像処理により求め、次式によって計算した。
このような18種のフィン材試料の耐高温座屈性を試験
した。またクラッド材については耐孔食性も試験した。
この結果を第2表に示す。
(a)耐高温座屈性試験 厚さ0.12mmの各フィン材試料から幅22mm長さ60mmの試
料(11)を作成し、これを第1図(イ)(ロ)のように
台(12)上に固定具(13)を用いて長さ50mmを片持ちで
保持し、610℃、10分間大気中で加熱する。第1図
(ハ)に示す加熱後の垂下量の大小で耐高温座屈性を評
価する。この評価法において、垂下量が15mm以下であれ
ば実際のコンデンサーを組みたて、ブレージングをした
際に問題がないことを確認した。
したがって垂下量15mm以下を合格と判定する。
(b)耐孔食性試験 第2図示すようにフィン材をコルゲート加工(21)し
た後、両側に厚さ0.8mm、幅20mm、長さ100mmのA3003板
(22)を非腐食性フラックスブレージング法でろう付け
した。
この試片を塩水噴霧(JIS Z 2371に準じる)4000時間
のテストを行いA3003板に生じた孔食を調べた。
第2表から明らかなように、本発明によるフィン材は
厚さが0.12mmと通常品よりも薄いにもかかわらず垂下量
は何れも15mm以下で、耐高温座屈性が優れている。ま
た、ろう付けした場合のチューブ材の孔食も0.2mm以下
で貫通孔なく、耐孔食性も優れている。これに対し比較
例は垂下量が何れも15mmより大であり、耐高温座屈性が
劣る。なお比較例では耐孔食性は認められるが成形性が
不可のものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)、(ロ)、(ハ)は耐座屈性の試験方法の
説明図、第2図は耐孔食性試験の説明図である。 符号の説明 11、21……試料フィン材、 12……台、 13……固定具、 22……チューブ材薄板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe0.3%以下、Si0.6%以下、Zn0.5〜2.0%
    及びMn0.6〜2.0%(以上重量%)を含有し残部がAlと不
    可避不純物からなり、かつ粒子径0.1〜0.3μmの金属間
    化合物が0.5〜5体積%であるアルミニウム合金板を芯
    材とすることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金
    フィン材。
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