JP2575435Y2 - 磁気記録再生装置のカセット装着機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はDAT等の回転磁気ヘッド式磁気記録再生装
置に係わり、特に、そのカセット装着機構のカセットグ
リップ機構に関する。

［従来の技術］ 従来のカセットグリップによりカセットをカセットコ
ンテナに引込む方式のカセット装着機構において、カセ
ットグリップの爪をカセットのグリップ穴に掛けた状態
でローディングを開始するものは、アンローディング動
作の終了時にカセットグリップの爪をカセットのグリッ
プ穴から外す機構を必要とした。

また、カセットが正規位置に挿入されたことを検出す
るスイッチが設けられたものは、そのスイッチがカセッ
トグリップ機構の外に取付けられていた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記した従来のものにおいては、アンローディング動
作の終了時にカセットグリップの爪をカセットのグリッ
プ穴から外す機構を必要とするため全体の機構が複雑と
なり製造コストが高くなるという欠点があった。

また、カセットが正規位置に挿入されたことを検出す
るスイッチがカセットグリップ機構の外に設けられたも
のは、動作精度上バラツキが大きく、また、グリップの
爪がカセットから外れたことを検出できないという欠点
があった。

この考案は上記した点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的とするところは、カセットグリップの爪を
カセットのグリップ穴から外す特別の機構を必要としな
い磁気記録再生装置のカセット装着機構を提供すること
にある。

さらにこの考案の他の目的は、動作精度が高くまたカ
セットグリップがカセットから外れたことを検出するこ
とのできるカセット挿入検出スイッチを備えた磁気記録
再生装置のカセット装着機構を提供することである。

［課題を解決するための手段］ この考案の磁気記録再生装置のカセット装着機構は、
水平移動可能なカセットグリップによりカセットをカセ
ットコンテナに引込み、カセットの挿入されたカセット
コンテナを下降させてカセットを再生位置に装着する回
転磁気ヘッド式磁気記録再生装置のカセット装着機構に
おいて、カセットグリップをグリップホルダーに回動自
在に保持するとともにばねでカセットグリップの爪がカ
セットのグリップ穴に突入する方向に付勢し、カセット
グリップに斜面を設け、ローディング時にはカセットグ
リップを押しあげてカセットを進めたあとカセットグリ
ップの爪をばねの弾力でグリップ穴に突入させてカセッ
トに係合させカセットグリップによりカセットをカセッ
トコンテナに引込み、アンローディング時にはグリップ
ホルダーによりカセットをカセットコンテナから押出
し、カセットをカセットグリップから外すときはカセッ
トを後退させることによりグリップ穴に係合しているカ
セットグリップを後退させカセットグリップの前記斜面
がグリップホルダー支持部材に設けた固定部分に乗上げ
カセットグリップが回動してカセットグリップの爪がグ
リップ穴から外れるように構成するとともに前記グリッ
プホルダーにカセットを検出するスイッチを設けたもの
である。

さらに、この考案の磁気記録再生装置のカセット装着
機構は、水平移動可能なカセットグリップによりカセッ
トをカセットコンテナに引込み、カセットの挿入された
カセットコンテナを下降させてカセットを再生位置に装
着する回転磁気ヘッド式磁気記録再生装置のカセット装
着機構において、カセットグリップをグリップホルダー
に回動自在に保持するとともにばねでカセットグリップ
の爪がカセットのグリップ穴に突入する方向に付勢し、
カセットグリップに斜面を設け、ローディング時にはカ
セットグリップを押しあげてカセットを進めたあとカセ
ットグリップの爪をばねの弾力でグリップ穴に突入させ
てカセットに係合させカセットグリップによりカセット
をカセットコンテナに引込み、アンローディング時には
グリップホルダーによりカセットをカセットコンテナか
ら押出し、カセットをカセットグリップから外すときは
カセットを後退させることによりグリップ穴に係合して
いるカセットグリップを後退させカセットグリップの前
記斜面がグリップホルダー支持部材に設けた固定部分に
乗上げカセットグリップが回動してカセットグリップの
爪がグリップ穴から外れるように構成するとともにアン
ローディング時において前記グリップホルダーがカセッ
ト前面中央を押すときカセットが変形することを規制す
る延在部をカセットコンテナに設けたものである。

［作用］ この考案の磁気記録再生装置のカセット装着機構によ
れば、カセット装着前にはカセットグリップの爪はカセ
ットの上面より低い位置にあるがカセットを挿入すると
きカセットの前面の傾斜面で押し上げられカセット上面
を滑ってグリップ穴に突入する。アンローディング終了
時にはカセットグリップの爪はグリップ穴に係合してい
るがカセットを引出すと、カセットグリップはカセット
挿入口方向に移動し、カセットグリップの斜面がグリッ
プホルダー支持部材に設けた固定部分に乗上げカセット
グリップが回動してカセットグリップの爪がグリップ穴
から外れる。

グリップホルダーにカセットを検出するスイッチが設
けられているので、カセットグリップがカセットを引込
む途中でカセットから外れると前記スイッチによりそれ
が検出される。

［実施例］ この考案の実施例である磁気記録再生装置のカセット
装着機構を図面に基づいて説明する。

第１図に示すように、コンテナベース１にコンテナベ
ース側板２が締着されて機構の両側面および上面を覆う
コンテナベースが形成されている。

第２図、第３図および第４図に示す昇降板４は後部に
架橋部を有する断面コ字形状をしておりコンテナベース
の内側に配置されている。

昇降板４の両側面に立設されたピン4a,4a,…はコンテ
ナベース１のガイド溝1a,1aとコンテナベース側板２の
ガイド溝2a,2aを挿通しており、昇降板４はコンテナベ
ースに前後方向摺動自在に支持されている。

第２図に示すように、コンテナベース１に立設された
軸1cに回動自在に支持されたレバー５の長孔5aに昇降板
４に立設されたピン4cが挿通し、レバー５に立設された
ピン5bはカムギヤ６の下面のカム溝6aと係合している。

カムギヤ６はコンテナベース１に回動自在に支持され
ており、モータ７によりギヤ列を介して回転され、レバ
ー５を介して昇降板４を前後方向に移動させる。

第２図および第５図に示すカセットコンテナ３は、そ
の両側面に立設されたピン3a,3a…が第３図および第４
図に示すようにコンテナベース１のガイド溝1b,1bとコ
ンテナベース側板２のガイド溝2b,2bおよび昇降板４の
斜めのガイド溝4b,4b…挿通しており、昇降板４が前後
方向に移動するとカセットコンテナ３は上下方向に移動
する。

第５図に示すように、カセットコンテナ３の左右上面
には板ばね8,8がはと目8a,8a…により固定されている。

板ばね８には前後に突起8b,8bが固着され、突起8b,8b
はカセットコンテナの孔3b,3bから突出している。

板ばね８の後端には突出部8cが形成されており、右側
の突出部8cはカセットコンテナ３に形成された膨らみ3c
の下に延びている。

第５図（ｂ）に示すように、カセットコンテナ３の側
面後部にはテープエンドを検出する光束を通過させる凹
みが上下に設けられその中間部には突出部3dが形成され
ている。

第３図に示すように、コンテナベース１に立設された
軸1dにリッド開閉板９が回動自在に支持されており、リ
ッド開閉板９に立設されたピン9aは昇降板４に形成され
たカム4dに臨んでいる。

第１図および第２図に示すコンテナベース１のガイド
溝1eには第６図に示すカセットグリップ機構が摺動自在
に保持される。

第６図（ａ）および（ｂ）に示すように、カセットグ
リップ10はグリップホルダー11にねじ12を介して回動自
在に支持され、圧縮コイルばね13により反時計方向に付
勢されている。

グリップホルダー11の上面にはピン14が立設され、そ
の前後に取付け用のねじ孔11a,11aが設けられている。

グリップホルダー11の裏面にはスイッチ15が締着さ
れ、スイッチ15の作動突子はグリップホルダー11の前面
11b,11bより前に突出している。

カセットグリップ10の先端にはカセットのグリップ穴
に突入する爪10aが形成されその両側に斜面10bが設けら
れている。

第３図に示すように、カラー16,16をコンテナベース
１のガイド溝1eに挿通し、カラー16,16を挿通したねじ1
7,17をグリップホルダー11のねじ孔11a,11aに締付ける
ことによりグリップホルダー11が摺動自在に支持され
る。

第１図に示すように、カセット送りアーム18はコンテ
ナベース１に立設された軸1fに回動自在に支持されてい
る。

レバー19および20は夫々カセット送りアーム18に立設
された軸18aおよび18bに回動自在に支持され、その間に
掛けられたねじりコイルばね21により付勢されカセット
送りアーム18に設けられたストッパー18c,18dに圧接さ
れている。

レバー19に設けられた長孔19aにはグリップホルダー1
1に立設されたピン14が挿通している。

アーム22はコンテナベース１に立設された軸1gに回動
自在に支持されている。アーム22に立設されたピン22a
はカセット送りアーム18に設けられた長孔18eに挿通し
ており、アーム22に立設されたピン22bはカムギヤ６の
上面に設けられたカム溝6bに係合している。

カムギヤの上面のカム溝6bと下面のカム溝6aとは一方
の半径が変化する位置で他方の半径が一定となる関係に
あり、グリップ機構とカセットコンテナは同時に移動さ
れることはない。

コンテナベース１に固定されているスイッチ23はカセ
ット送りアーム18の突出部で作動される。

上記構成において、第７図に示すように、カセット30
がカセットコンテナ３に挿入される前はカセットグリッ
プ10はばねに付勢されて反時計方向に回動して、爪10a
はカセットコンテナ３の上面より下の位置にある。

カセット30が押込まれると、カセット30のリッド30a
の斜面30bはカセットグリップ10を押上げる。

カセット30が定位置まで押込まれると、カセットグリ
ップ10の爪10aはカセット30のグリップ穴30cに突入し、
第８図に示す状態となる。

爪10aがカセット30のグリップ穴30cに突入した後、グ
リップホルダー11に設けられたスイッチ15が作動し、モ
ータ７がローディング方向に回転する。第１図におい
て、カセット送りアーム18は反時計方向に回動し、カセ
ットグリップ10は右方向に送られ、カセット30をカセッ
トコンテナ３内に引込む。

このとき、カセット送りアーム18のオーバドライブは
レバー19がねじりコイルばね21を変形させて時計方向に
回動することにより吸収される。

カセット30がカセットコンテナ内を移動するとき、そ
の上面が板ばね８の突起8bに押さえられており上下方向
のガタはない。また、板ばね８の圧力は小さく摺動抵抗
は小さい。

カセット30が引込まれているときにカセットグリップ
10が外れると、カセットはスイッチ15から離れ、カセッ
トグリップ10の外れがスイッチ15により検出され、モー
タ７が逆転される。

カセット30がカセットコンテナ内に引込まれた後も、
モータ７はさらにローディング方向に回転し、昇降板４
を介してカセットコンテナ３を下降させる。

カセットコンテナ３に保持されたカセット30のリッド
30aは下降しながらリッド開閉板９により上方向に回動
される。

カセット30は再生位置で板ばね８により位置決めピン
に圧接される。

このときカセットコンテナ３はカセット30よりもさら
に沈みこみ、板ばね８の突出部8cを押さえ板ばね８の押
圧力は増大しカセットのすわりがよくなる。

カセットを排出するときはモータ７がアンローディン
グ方向に回転し、カセットコンテナ３とカセットグリッ
プ10は上記と逆の動作をする。

カセットコンテナ３が上昇した後、カセットがカセッ
トコンテナ３から押出されるときは、グリップホルダー
11の前面11bがリッド30aを押す。

このとき、リッド30aを変形させる力が作用するがリ
ッド30aの側面はカセットコンテナの突出部3dに規制さ
れカセットコンテナ３の外にはみでることはない。

カセット排出行程の終端はスイッチ23で検出されてモ
ータ７が停止する。

このとき、カセット送りアーム18のオーバドライブは
レバー20がねじりコイルばね21を変形させて反時計方向
に回動することにより吸収される。なおこのとき、ピン
22aの力はレバー20の側面に作用している。

モータ７が停止した時、カセット30とカセットグリッ
プ10は第８図に示す状態であり、カセットグリップ10は
カセット30のグリップ穴30cに突入している。

カセット30を手で引出すと、カム溝6bのガタの分だけ
カセットグリップ10は前進し、カセットグリップ10の斜
面10bはコンテナベースに設けられた斜面1gに乗り上げ
てカセットグリップ10がカセットから外れる。

［考案の効果］ この考案の磁気記録再生装置のカセット装着機構によ
れば、カセットの取り残しがなく、円滑にカセットを装
着することができ、装着時の位置決めピンへの圧力が大
きく再生位置でのカセットのすわりがよい。

また、部品点数が少なく組立てコストが削減され、し
かも誤作動がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例である磁気記録再生装置のカ
セット装着機構を示す平面図、第２図は同カセット装着
機構の一部部品を取除いて示す平面図、第３図は同カセ
ット装着機構を示す右側面図、第４図は同カセット装着
機構を示す左側面図、第５図（ａ）は同カセット装着機
構のカセットコンテナを示す平面図、第５図（ｂ）は同
カセット装着機構のカセットコンテナを示す側面図、第
５図（ｃ）は同カセット装着機構のカセットコンテナを
示す正面図、第５図（ｄ）は第５図（ａ）におけるＡ−
Ａ断面図、第６図（ａ）は同カセット装着機構のカセッ
トグリップ機構を示す平面図、第６図（ｂ）は同カセッ
ト装着機構のカセットグリップ機構を示す側面図、第６
図（ｃ）は同カセット装着機構のカセットグリップ機構
を示す底面図、第７図は同カセット装着機構のカセット
グリップ機構を示す部分断面図、第８図は同カセット装
着機構のカセットグリップ機構の作動状態を示す部分断
面図、第９図は同カセット装着機構のカセットグリップ
機構の作動状態を示す部分断面図である。 １……コンテナベース、２……コンテナベース側板、３
……カセットコンテナ、４……昇降板、５……レバー、
６……カムギヤ、７……モータ、８……板ばね、９……
リッド開閉板、10……カセットグリップ、11……グリッ
プホルダー、12……ねじ、13……圧縮コイルばね、14…
…ピン、15……スイッチ、16……カラー、17……ねじ、
18……カセット送りアーム、19,20……レバー、21……
ねじりコイルばね、22……アーム、22a,22b……ピン、2
3……スイッチ、30……カセット、30a……リッド。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−239363（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−194737（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−149444（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G11B 15/675 101

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平移動可能なカセットグリップによりカ
   セットをカセットコンテナに引込み、カセットの挿入さ
   れたカセットコンテナを下降させてカセットを再生位置
   に装着する回転磁気ヘッド式磁気記録再生装置のカセッ
   ト装着機構において、カセットグリップをグリップホル
   ダーに回動自在に保持するとともにばねでカセットグリ
   ップの爪がカセットのグリップ穴に突入する方向に付勢
   し、カセットグリップに斜面を設け、ローディング時に
   はカセットグリップを押しあげてカセットを進めたあと
   カセットグリップの爪をばねの弾力でグリップ穴に突入
   させてカセットに係合させカセットグリップによりカセ
   ットをカセットコンテナに引込み、アンローディング時
   にはグリップホルダーによりカセットをカセットコンテ
   ナから押出し、カセットをカセットグリップから外すと
   きはカセットを後退させることによりグリップ穴に係合
   しているカセットグリップを後退させカセットグリップ
   の前記斜面がグリップホルダー支持部材に設けた固定部
   分に乗上げカセットグリップが回動してカセットグリッ
   プの爪がグリップ穴から外れるように構成するとともに
   前記グリップホルダーにカセットを検出するスイッチを
   設けた磁気記録再生装置のカセット装着機構。
2. 【請求項２】水平移動可能なカセットグリップによりカ
   セットをカセットコンテナに引込み、カセットの挿入さ
   れたカセットコンテナを下降させてカセットを再生位置
   に装着する回転磁気ヘッド式磁気記録再生装置のカセッ
   ト装着機構において、カセットグリップをグリップホル
   ダーに回動自在に保持するとともにばねでカセットグリ
   ップの爪がカセットのグリップ穴に突入する方向に付勢
   し、カセットグリップに斜面を設け、ローディング時に
   はカセットグリップを押しあげてカセットを進めたあと
   カセットグリップの爪をばねの弾力でグリップ穴に突入
   させてカセットに係合させカセットグリップによりカセ
   ットをカセットコンテナに引込み、アンローディング時
   にはグリップホルダーによりカセットをカセットコンテ
   ナから押出し、カセットをカセットグリップから外すと
   きはカセットを後退させることによりグリップ穴に係合
   しているカセットグリップを後退させカセットグリップ
   の前記斜面がグリップホルダー支持部材に設けた固定部
   分に乗上げカセットグリップが回動してカセットグリッ
   プの爪がグリップ穴から外れるように構成するとともに
   アンローディング時において前記グリップホルダーがカ
   セット前面中央を押すときカセットが変形することを規
   制する延在部をカセットコンテナに設けた磁気記録再生
   装置のカセット装着機構。