JP2575182Y2 - パチンコ機の入賞玉誘導カバー体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、遊技盤の裏面に取り付
けられ且つ遊技盤に設けられる入賞口に入賞した入賞玉
を誘導する誘導通路が形成されたパチンコ機の入賞玉誘
導カバー体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、遊技盤の裏面には、遊技盤に設け
られる入賞口に入賞した入賞玉を誘導する誘導通路が形
成された入賞玉誘導カバー体が取り付けられていた。こ
の入賞玉誘導カバー体の誘導通路は、遊技盤の裏面に密
着する側が開放した断面コ字状に形成されるものが一般
的であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、遊技盤に
は、入賞口や入賞装置の他に、ランプやスイッチ等を内
蔵した風車や入賞装置等も配設されるが、これらの風車
や入賞装置に内蔵されるランプやスイッチ等の接続端子
が遊技盤の裏面に臨むようになっている。しかして、こ
のような接続端子が臨んでいる位置に誘導通路が通る場
合には、誘導通路内を流下する入賞玉が接続端子に接触
してショートしてしまう虞があるため、接続端子を避け
るように誘導通路を湾曲状に形成したり、あるいは風車
や入賞装置に内蔵されるランプやスイッチ等の接続端子
の遊技盤上での配置が制限されたりして誘導通路又は遊
技盤の設計の自由度がないという欠点があった。本考案
は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とす
るところは、誘導通路や遊技盤の設計の自由度を増すこ
とが可能なパチンコ機の入賞玉誘導カバー体を提供する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本考案においては、遊技盤の裏面に取り付けら
れ且つ遊技盤に設けられる入賞口に入賞した入賞玉を誘
導する誘導通路が形成されたパチンコ機の入賞玉誘導カ
バー体において、前記誘導通路は、遊技盤の裏面に密着
する側が開放した断面コ字状に形成されていると共にそ
の開放側の面を閉塞し且つパチンコ玉の直径よりも小さ
い間隔で複数本の閉塞片を一体的に形成したことを特徴
とするものである。

【０００５】

【作用】断面コ字状に形成された誘導通路の開放側の面
を閉塞し且つパチンコ玉の直径よりも小さい間隔で複数
本の閉塞片を一体的に形成したので、誘導通路を流下す
る入賞玉が誘導通路の開放側に流出することはないた
め、遊技盤の裏面に臨むランプやスイッチ等の接続端子
に入賞玉が接触することがない。したがって、誘導通路
を湾曲状に形成する必要がないばかりでなく、ランプや
スイッチ等の接続端子の配置関係を考慮する必要もな
く、自由にそれらを形成し又は配置することができる。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。まず、図５を参照して実施例に係る入賞玉
誘導カバー体３０が適用されるパチンコ機１の全体の構
成について説明する。図５は、パチンコ機１の正面図で
ある。図５において、パチンコ機１は、周知のように額
縁状に形成された前面枠２を有し、該前面枠２の開口に
周設される金枠３には、ガラス扉枠４と前面板５とが開
閉自在に設けられている。ガラス扉枠４の後方には、遊
技盤１０が設けられ、また、前面板５の表面には、入賞
の対価として払い出される賞品玉を貯留する上皿６が設
けられている。また、前面枠２の下方には、打球の発射
勢を調節する操作ハンドル７と前記上皿１０に貯留し切
れない賞品玉を貯留する下皿８が設けられている。

【０００７】上記した遊技盤１０には、各種の遊技装置
が取り付けられているが、その詳細な構造について説明
すると、遊技盤１０の表面には、ほぼ円状に誘導レール
１１が取り付けられ、該誘導レール１１に囲まれる範囲
が遊技領域１２を構成している。遊技領域１２には、以
下に説明する遊技装置が配置されている。まず、遊技領
域１２の中央には、図柄表示装置１３が配置され、該図
柄表示装置１３の下方に変動入賞装置１４が配置されて
いる。また、図柄表示装置１３と変動入賞装置１４との
間には、図柄表示装置１３を変動表示せしめる始動入賞
口１５が設けられている。更に、遊技領域１２には、図
柄表示装置１３の上部に入賞口１８が、左右側方に入賞
口１６ａ，１６ｂがそれぞれ配設され、変動入賞装置１
４の左右側方上部にも入賞口１７ａ，１７ｂが配置され
ている。また、上記した入賞口以外に図柄表示装置１３
の左右側方上部には、次に説明する大当り状態となった
ときに点滅又は点灯するランプを内蔵するランプ付風車
２０ａ，２０ｂも設けられている。

【０００８】上記した遊技装置によって奏される遊技内
容について簡単に説明すると、まず、操作ハンドル７を
操作することにより発射された打球が遊技領域１２に到
達して落下する途中で始動入賞口１５に入賞すると、後
述する始動入賞玉検出器１５ａをＯＮせしめる。始動入
賞玉検出器１５ａがＯＮすると、図柄表示装置１３の表
示器が変動を開始し、所定時間（例えば、６秒）経過後
停止する。そして、停止時に表示される図柄の組合せが
予め定めた大当り図柄であるときには、大当り状態とな
って変動入賞装置１４の開閉部材が所定の態様で開閉駆
動される。この大当り状態における変動入賞装置１４の
駆動態様は、以下の通りである。即ち、大当り状態にな
ると変動入賞装置１４の開閉部材が一定時間（例えば、
２９秒）が経過するまで又はその一定時間が経過する前
に所定個数（例えば、１０個）の入賞玉が発生するまで
（これを検出するために図４に示すように変動入賞装置
１４には、カウント検出器１４ｂが設けられている）開
放する。ただし、その開放中に開閉部材の内部に設けら
れるＶ入賞領域に入賞玉が入賞してＶ検出器１４ａ（図
４参照）をＯＮすると継続権が成立して上記した開放動
作を再度繰り返す権利が留保される。そして、このよう
な繰り返し回数は、継続権が成立していることを条件と
して所定回数（例えば、１６回）許容されている。

【０００９】なお、大当り状態となったときには、ラン
プ付風車２０ａ，２０ｂに内蔵されるランプ２７（図２
参照）が点灯又は点滅してその旨を報知するものであ
る。また、大当り状態を報知するランプとしては、ラン
プ付風車２０ａ，２０ｂに内蔵されるランプ２７だけで
なく、図示しないが、入賞口１６ａ，１６ｂ、１７ａ，
１７ｂ、図柄表示装置１３、変動入賞装置１４に内蔵さ
れるランプやＬＥＤ等によっても報知されるようになっ
ている。

【００１０】ここで、ランプ付風車２０ａ，２０ｂの構
造について図２及び図３を参照して説明する。図２は、
ランプ付風車２０ａを遊技盤１０に取り付けた状態での
平面断面図であり、図３は、ランプ付風車２０ａを遊技
盤１０に取り付けた状態での側方断面図である。なお、
図２及び図３においては、ランプ付風車２０ａ部分だけ
は、断面図ではなく、平面図及び側面図である。図にお
いて、ランプ付風車２０ａは、前記遊技盤１０の表面に
取り付けられる取付板２１を有し、該取付板２１の中心
に遊嵌される軸２２の取付板２１の前方に打球の衝突に
よって回転する２つの回転部材２３が回転自在に挿通さ
れている。なお、取付板２１の中央部分は、光を透過す
る膨出状の透過装飾板２４で構成されている。このた
め、前記軸２２は、正確には透過装飾板２４に遊嵌さ
れ、取付板２１には、透過装飾板２１が止着されてい
る。また、取付板２１の後方に突設される取付ボス２５
には、ランプ２７を有するランプ基板２６が止着されて
いる。ランプ２７は、ランプ基板２６に植立される接続
端子２９に嵌入されるゴム製の支持部材２８に支持され
ており、支持部材２８を接続端子２９に嵌入したとき
に、ランプ２７がランプ基板２６に形成される穴（図示
しない）を貫通してその先端が前記膨出状の透過装飾板
２４の内部にまで到達するようになっている。また、支
持部材２８を接続端子２９に嵌入したとき、接続端子２
９の先端が支持部材２８から僅かに外側に出た状態とな
っている。

【００１１】上記のように構成されるランプ付風車２０
を遊技盤１０の取付穴１０ａに取り付けたときには、支
持部材２８の後端が遊技盤１０の裏面に臨むようになっ
ており、これがため、接続端子２９も遊技盤１０の裏面
にも臨むようになっているため、２本の接続端子２９に
導電部材が接触してショートさせる可能性がある。パチ
ンコ機１における導電部材としては、パチンコ玉がある
が、本実施例においては、接続端子２９部分にパチンコ
玉が侵入しないように次に説明する入賞玉誘導カバー体
３０に閉塞片３３が形成されている。

【００１２】一方、遊技盤１０の裏面には、入賞玉誘導
カバー体３０が取り付けられているが、この入賞玉誘導
カバー体３０の構造について図１及び図４を参照して説
明する。図１は、入賞玉誘導カバー体３０の前方から見
た斜視図であり、図４は、遊技盤１０の背面図である。
入賞玉誘導カバー体３０は、その中央に前記図柄表示装
置１３の後方突出部を貫通させるための中央開口３１が
形成されると共に、遊技盤１０に設けられる入賞口１
５、１６ａ，１６ｂ、１７ａ，１７ｂ、１８に入賞した
入賞玉を誘導する誘導通路３２ａ〜３２ｄが中央開口３
１の周囲に形成されている。誘導通路３２ａ〜３２ｄ
は、遊技盤１０の裏面と密着する側が開放した断面コ字
状に形成されている。より具体的には、誘導通路３２ａ
は、前記入賞口１８に入賞した入賞玉を下方に向けて誘
導するもので、その途中で前記入賞口１６ａに入賞した
入賞玉を誘導する誘導通路３２ｂと合流し、更にその合
流点部分で前記入賞口１７ａに入賞した入賞玉をも下方
に向けて誘導するようになっている。また、誘導通路３
２ｃは、前記入賞口１６ｂ，１７ｂに入賞した入賞玉を
下方に向けて誘導するものであり、誘導通路３２ｄは、
前記始動入賞口１５に入賞した入賞玉を下方に向けて誘
導するものである。この始動入賞口１５に対応する誘導
通路３２ｄの途中には、始動入賞玉を検出するための始
動入賞玉検出器１５ａが着脱自在に取り付け得るように
なっている。なお、誘導通路３２ａ〜３２ｄの末端は、
前記変動入賞装置１４の両側側方に形成されることにな
るが、変動入賞装置１４自体に入賞した入賞玉は、変動
入賞装置１４から直接下方に落下するようになってい
る。

【００１３】ところで、上記した入賞玉誘導カバー体３
０を遊技盤１０の裏面に取り付けたときには、誘導通路
３２ａの一部がランプ付風車２０ａの裏面を通ることに
なる。そこで、本実施例においては、ランプ付風車２０
ａの取付位置に対応する誘導通路３２ａの開放側の面を
閉塞し且つパチンコ玉の直径よりも小さい間隔で複数本
の閉塞片３３を一体的に形成している。この閉塞片３３
を誘導通路３２ａに一体的に形成するため、閉塞片３３
に対応する誘導通路３２ａの後面壁３５には、図２に示
すように、閉塞片３３の大きさに対応する型抜穴３４が
形成されている。これにより、閉塞片３３を含む入賞玉
誘導カバー体３０全体が１つの合成樹脂成形型によって
１ショット成型することができる。なお、入賞玉誘導カ
バー体３０の前面側上部の左右には、図１に示すよう
に、遊技盤１０への取付位置を正確に行うための位置決
め突起３６が形成されている。

【００１４】以上のように構成される入賞玉誘導カバー
体３０においては、図２に示すように、断面コ字状に形
成された誘導通路３２ａの開放側の面を閉塞し且つパチ
ンコ玉の直径よりも小さい間隔で複数本の閉塞片３３を
一体的に形成したので、誘導通路３２ａを流下する入賞
玉Ｐが誘導通路３２ａの開放側に流出することはないた
め、遊技盤１０の裏面に臨むランプ２７の接続端子２９
に入賞玉Ｐが接触することがない。したがって、誘導通
路３２ａを湾曲状に形成する必要がないばかりでなく、
ランプ２７の接続端子２９の配置関係を考慮する必要も
なく、自由にそれらを形成し又は配置することができ
る。なお、上記した実施例においては、閉塞片３３を誘
導通路３２ａのランプ付風車２０ａに対応する部分だけ
に形成したものを示したが、予め閉塞片３３を形成する
範囲を多く（全部でも良い）しておけば、ランプ付風車
２０ａの配設位置を多少変更しても、入賞玉誘導カバー
体３０を新たに設計変更することなくそのまま使用する
ことができる。

【００１５】

【考案の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本考案においては、断面コ字状に形成された誘導通
路の開放側の面を閉塞し且つパチンコ玉の直径よりも小
さい間隔で複数本の閉塞片を一体的に形成したので、誘
導通路を流下する入賞玉が誘導通路の開放側に流出する
ことはないため、遊技盤の裏面に臨むランプやスイッチ
等の接続端子に入賞玉が接触することがない。したがっ
て、誘導通路を湾曲状に形成する必要がないばかりでな
く、ランプやスイッチ等の接続端子の配置関係を考慮す
る必要もなく、自由にそれらを形成し又は配置すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る入賞玉誘導カバー体の斜視図であ
る。

【図２】遊技盤にランプ付風車を取り付けた状態での平
面断面図である。

【図３】遊技盤にランプ付風車を取り付けた状態での側
方断面図である。

【図４】遊技盤の背面図である。

【図５】パチンコ機の正面図である。

【符号の説明】

１ パチンコ機 １０ 遊技盤 ２０ａ，２０ｂ ランプ付風車 ２６ ランプ基板 ２７ ランプ ２８ ランプ支持部材 ２９ 接続端子 ３０ 入賞玉誘導カバー体 ３２ａ〜３２ｄ 誘導通路 ３３ 閉塞片 ３４ 型抜穴 ３５ 後面壁

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技盤の裏面に取り付けられ且つ遊技盤
   に設けられる入賞口に入賞した入賞玉を誘導する誘導通
   路が形成されたパチンコ機の入賞玉誘導カバー体におい
   て、 前記誘導通路は、遊技盤の裏面に密着する側が開放した
   断面コ字状に形成されていると共にその開放側の面を閉
   塞し且つパチンコ玉の直径よりも小さい間隔で複数本の
   閉塞片を一体的に形成したことを特徴とするパチンコ機
   の入賞玉誘導カバー体。