JP2575164B2 - 異常電流に対するサーボシステム保護装置 - Google Patents

異常電流に対するサーボシステム保護装置

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JP2575164B2 JP63001811A JP181188A JP2575164B2 JP 2575164 B2 JP2575164 B2 JP 2575164B2 JP 63001811 A JP63001811 A JP 63001811A JP 181188 A JP181188 A JP 181188A JP 2575164 B2 JP2575164 B2 JP 2575164B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はサーボモータを使ったロボットの駆動制御シ
ステムに関し、特にサーボシステムの正常な制御に基づ
いていない異常電流を検出すると共に通電を遮断するサ
ーボシステム保護装置に関する。
〔従来の技術〕
サーボモータの電流制御をソフトウェアで行なうサー
ボシステムにおいて、システムの正常な制御のもとに通
電されていない電流や制御不能状態の電流等の異常電流
を検出する事は特に考えられていない。例えば電流ルー
プが発振した場合、該電流の大きさが許容電流値を超え
れば過電流検出機能が作動するが、許容電流値以下であ
れば位相が正常でなくてもサーボシステムは作動を継続
する。この場合も通常は指令位置と検出された回転角度
位置情報との差が許容値を超えると誤差過大検出機能が
作動してシステムを停止させる様構成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
然しながら、通電電流の位相が正常でない場合にはサ
ーボモータのマグネットは減磁され易い。特に位相が電
気角でπ/2だけずれると減磁作用は最も大きくなる。こ
の防止のためには指令位置と回転角度位置との誤差が過
大となるまでサーボシステムを作動させるべきではな
く、更には過電流を未然に防止するためにも即座に電流
を遮断することが望まれる。もし過電流が発生した場合
は、従来方法ではマイクロコンピュータとホストコンピ
ュータとのコミュニケーション周期(10ms程度)毎に過
電流検出が行なわれるため、過電流が流れてから実際に
電流がオフされるまでに同程度の時間を要し、サーボモ
ータのマグネットの減磁の様に位相の異常状態や過電流
状態の下で1ms以下で発生する現象に対して防止効果が
ない。
依って本発明は正常な制御に基づいておらず、体相に
異常をきたした異常電流を検出した場合即座に電流を遮
断することを目的とする。
更には異常電流の検出を1ms以下の周期で行ない、電
流の位相がずれた場合や過電流時のマグネシットの減磁
を防止することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図に本発明の基本構成を示す。本実施例では、位
置指令とサーボモータの有する回転角度位置検出器から
送信される回転角度位置情報に応じて電流を指令する電
流指令手段10と該電流指令を受けてPWM信号を発生させ
る電流制御手段12と、該PWM信号を受信して前記サーボ
モータへ通電する駆動電流を制御する通電制御手段14
と、該駆動電流を検出する電流検出手段18と、該検出さ
れた駆動電流情報と前記サーボモータの回転角度位置情
報とを受けて前記駆動電流の位相が該回転角度位置と対
応しているか否かを判定すると共に対応していない場合
には前記PWM信号を遮断する位相監視手段20とを具備
し、前記電流制御手段は前記電流指令の他、前記駆動電
流情報とを受けて前記PWM信号を発信させる異常電流に
対するサーボシステム保護装置を提供する。
〔作 用〕
上記位相監視手段は流れている駆動電流の位相を実際
に回転しているサーボモータの回転角度位置情報と対比
させて異常な場合は通電を遮断させるため、システムを
常に保護できる。更には位相監視手段の監視周期を1ms
以下にすれば、電流の位相がずれた場合、又は過電流が
生じた時のマグネット減磁の防止が達成される。
〔実施例〕
第2図に本発明に係る異常電流に対するサーボシステ
ム保護装置を図示している。二点鎖線30内はソフトウェ
ア制御であり、内部の矢線は処理の流れを表示したもの
である。ホストコンピュータであるNC制御装置100から
サーボモータ22の回転位置の指令32が周期Tp毎に発信さ
れる。これを図示していないRAMを介して受信すると共
にサーボモータ22の回転位置検出器から送信される回転
位置帰還信号38を受信する位置制御部102はRAMを介して
速度制御部104に対して速度指令信号34を送信する。こ
れを速度制御部104は周期Tv毎に取り込むと共に、サー
ボモータ22の有する回転速度検出器から送信される回転
速度帰還信号40を受信して、電流制御部106にRAMを介し
て電流指令信号36を送信する。これを電流制御部106は
周期Ti毎に取り込むと共に後述の駆動実電流検知帰還信
号44をも受信してD/A変換器98を通して、PWM信号110へP
WM信号42を送信する。
一方、電源からはMCC(マグネチックコンダクタ)11
8、全波整流回路120、パワートランジスタブリッジ11
6、電流検出用抵抗124、及び非常時短絡回路128を介し
てサーボモータ22へ駆動電流46を供給している。上述の
PWM回路110はフォトカプラ112とFET(フーリエ変換器)
114を介してパワートランジスタブリッジ116を通過する
電流を制御する。
電流検出用抵抗124を介して電流検出回路126によって
駆動実電流46を検出し、A/D変換器96を介して電流制御
部106に電流検知帰還信号44を送ると共に位相監視部28
にも入力させる。この位相監視部28の処理フローを第3
図に示す。この処理は時間割り込みルーチン50によって
速度制御部104の出力する電流指令信号36をRAMを介して
電流制御部106が取り込むのと同一の周期Tiにて行なわ
れる。ステップ52において駆動電流と、サーボモータ22
の回転角度位置を回転位置検出器によって検知した回転
位置帰還信号38(第1図)とを取り込み、ステップ54に
おいて駆動電流の位相と回転位置帰還信号の位相とが対
応しているか否かを判定する。対応していればリターン
し、対応していなければステップ56において電流制御部
106の出力するPWM信号をオフすると共にMCC118をオフす
る指令を出力する。更にはNC装置100へアラーム表示の
指令を出す。
NC制御装置100から位置制御部102のルーチンへ位置指
令32を割り込ませる周期Tpは通常10ms程度であり、速度
制御部104のルーチンが速度指令34を取り込む周期Tv
例えばTP/8であり1ms程度である。また電流制御部106の
ルーチンが電流指令36を取り込む周期Tiは例えばTv/4で
あり250μs程である。位相監視部28のルーチンが電流
検知帰還信号44と回転位置帰還信号38とを取り込み、駆
動電流の位相と回転位置帰還信号38の位相が対応してい
るか否かを判定する周期もTiである。従って異常電流が
流れ始めてからその異常電流状態を示す電流検知帰還信
号44を取り込むまでの最大時間はTiであり、PWMをオフ
する指令を出してから実際に電流が零となるまでは数μ
s程度の時間遅れで済む。このため異常電流状態になっ
てから通電をオフするまでは数百μsであり、サーボモ
ータ22内のマグネットの減磁を回避することができる。
更にステップ56においてはMCC118のオフ指令と、NC制御
装置100へアラーム指令をも出している。MCC118は反応
が遅く、実際に電源がオフとなるまでの時間は数+msを
要する。このMCC118がオフされた後にサーボモータ22の
各相の巻線を非常時短絡回路128によって短絡させ、上
記PWMオフ指令による電流遮断後のサーボモータ22の惰
走をダイナミックブレーキの作用によって停止させる。
上記MCC118がオフされることによりパワートランジスタ
の保護も可能となる。一方アラーム指令は、マイコン30
とNC制御装置100とのコミュニケーション周期Tpが10ms
程度であること、並びにNC制御装置内のシステムに基づ
きランプ点燈等のアラーム表示は遅れる。然しながら既
にサーボモータ22への異常電流はPWMオフ指令により数
百μsの遅れ時間内でオフされているため特に問題はな
く十分である。
第4図は第3図における位相の対応を判定する演算方
法の説明を図示している。これは三相交流同期サーボモ
ータに関するものであり、曲線U,V,Wは理想的な電流検
知帰還信号、即ち正弦波状駆動電流を表わし、矩形曲
線、即ちオンオフ信号C1,C2,C3及びC4はサーボモータ22
の有する回転位置検出器から送られてくる回転位置帰還
信号である。これらの各信号を使用して、理論的には一
相Uのみの電流を監視すればよい。従って論理式 〔(U相+)AND(C4)〕OR〔(U相−)AND(▲
▼)〕 が常にオン(即ち1)であれば位相が正常であり、それ
以外の場合を異常電流と判定すればよい。しかし実際に
はチョッピングを行なっているため電流帰還信号の質は
悪く、理想的な正弦波ではない。従って電流帰還信号の
ゼロクロス付近は判定の対象からはずすべきであろう。
このため信号C4をπ/6,5π/6、及び3π/2ずつずらした
信号C41,C42、及びC43を作り次の論理式が常にオン(即
ち1)であれば位相が正常であり、それ以外の場合を異
常電流と判定する。
〔(U相+)AND((C41)AND(▲▼))〕OR 〔(V相+)AND((C42)AND(▲▼))〕OR 〔(W相+)AND((C43)AND(▲▼))〕 この方式は各相電流のゼロクロスの前後π/6の領域を
除外したものである。
以上に述べた第3図のステップ54における位相の判定
は論理式演算であるが、他の方法としては、サーボシス
テムが理想的に制御されている場合の各相の電流帰還信
号U,V,Wと、サーボモータの検出器からの回転位置帰還
信号C1,C2,C3,C4との各対応関係テーブルをROMにストア
しておき、現実の各帰還信号を取り込んで位相関係を判
定する際には、U,V,Wをアドレスとしてテーブル(ROM)
にアクセスし、C1,C2,C3,C4を読み出す。該読出値C1,C
2,C3,C4と現実の帰還信号の値C1,C2,C3,C4とを比較して
位相を判定してもよい。このテーブル読み出しによる増
加時間は数百ns以下であり時間遅れが問題になることは
ない。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかな様に本発明によれば、正常な
制御に基づいておらず、位相に異常をきたした異常電流
を検出した場合即座に電流を遮断したサーボシステムを
保護することができる。特に1ms以下の周期で位相のず
れを監視した場合はサーボモータにおけるマグネットの
減磁を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成図、 第2図は本発明の実施例を示す図、 第3図は第2図の位相監視部ルーチンの流れ図、 第4図は第3図における位相判定の説明図。 22……サーボモータ、 28……位相監視部ルーチン、 30……マイクロコンピュータ、 32……位置指令、34……速度指令、 36……電流指令、38……回転位置帰還信号、 42……PWM信号、 44……電流検知帰還信号、 100……NC制御装置、118……MCC、 128……非常時短絡回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位置指令とサーボモータの有する回転角度
    位置検出器から送信される回転角度位置情報に応じて電
    流を指令する電流指令手段(102,104)と、 該電流指令を受けてPWM信号を発生させる電流制御手段
    (106)と、 該PWM信号を受信して前記サーボモータへ通電する駆動
    電流を制御する通電制御手段(110,112,114,116,118,12
    0)と、 該駆動電流を検出する電流検出手段(124,126)と、 該検出された駆動電流情報と前記サーボモータの回転角
    度位置情報とを受けて前記駆動電流の位相が該回転角度
    位置と対応しているか否かを判定すると共に対応してい
    ない場合には前記PWM信号を遮断する位相監視手段(2
    8)とを具備し、 前記電流制御手段は前記電流指令の他前記駆動電流情報
    とを受けて前記PWM信号を発信させる ことを特徴とする異常電流に対するサーボシステム保護
    装置。
  2. 【請求項2】前記位相監視手段は前記回転角度位置情報
    と駆動電流情報とを1ms以下の周期で取り込み、該周期
    毎にPWM信号を遮断するか否かの判断指令を行なう特許
    請求の範囲第1項に記載の異常電流に対するサーボシス
    テム保護装置。
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