JP2574574B2 - 自動車用トランクリッドの閉扉装置制御回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用トランクリ
ッドの閉扉装置制御回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車のトランクリッドは、手動
によって閉められる外に、例えば、実開平２−１１３６
７５号公報に示すように自動閉成装置によって閉めるこ
とができるものが公知となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記した如くトランク
リッドは、手動による閉扉操作の外に自動閉成装置によ
る閉扉操作が行なえるようになる。この場合、自動閉成
装置による閉扉動作にあっては、スイッチの場所まで動
かねばならないことに併せて手荷物などを持っている場
合には操作しずらい面があり操作性の面で望ましくなか
った。

【０００４】そこで、この発明は、開扉中のトランクリ
ッドを容易に閉めることができるようにした操作性のよ
い自動車用トランクリッドの閉扉装置制御回路を提供す
ることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、トランクロックのロック解除時に、ト
ランクリッドを上方へ回動させる付勢手段と、全開状態
のトランクリッドを駆動源により閉扉操作可能にする自
動閉扉装置を備えた自動車のトランクリッドにおいて、
トランクルーム内に設けられトランクリッドの全開位置
を検知する検知スイッチと、トランクリッドの全開状態
を前記検知スイッチが検知し、その検知信号が入力され
ると指令信号の出力を待機状態とする回路と、前記検知
スイッチがトランクリッドの全開状態を２回検知した時
に、その２回目の信号が所定時間をおいて入力されると
指令信号を出力し、自動閉扉装置を駆動可能にする回路
とを備えていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】かかる閉扉装置制御回路によれば、トランクロ
ックのロック解除を行えば、トランクリッドは付勢手段
によって上方へ回動し全開するようになる。

【０００７】次に全開状態のトランクリッドを、手によ
り一旦途中まで下降させて、手を離せば、トランクリッ
ドは再度全開する。このため、一定時間をおいて検知ス
イッチによる検知が２回行なわれ、この結果、制御部か
ら閉扉装置を作動させる指令信号が出力され、閉扉動作
に入り全閉状態が得られる。この場合、手荷物等を持っ
ていても容易に閉扉操作が行なえるようになる。

【０００８】

【実施例】以下、図１乃至図４の図面を参照しながらこ
の発明の一実施例を詳細に説明する。

【０００９】図３において１は自動車３のトランクルー
ム、５は左右一対のヒンジアーム７を支点として開閉可
能なトランクリッドをそれぞれ示している。トランクリ
ッド５は、トランクロック９によって拘束されたロック
状態と、上方への回動が許されるロック解除状態とが得
られるようになり、ロック解除時において、ヒンジアー
ム７とヒンジアーム７とに渡架されたトーションバー等
の付勢手段１１によって全開状態が確保されるようにな
っている。

【００１０】トランクロック９は、トランクリッド５側
に設けられたラッチ１３と、トランクルーム１側の車体
パネル１５に設けられたストライカ１７とから成る電動
式のクロージャタイプとなっている。トランクロック９
のストライカ１７はロック時に噛み合うラッチ１３と一
緒に約１０ｍｍ下降し、ロック解除時に約１０ｍｍ上昇
しラッチ１３を開放するようになっており、ロック解除
状態は、ラッチ１３側に設けられたロックスイッチ１９
により検知される。即ち、ラッチ１３と一体に作動する
作動アーム２１が、ロック時にロックスイッチ１９のス
イッチ端子１９ａを叩くことで検知され、その検知信号
は後述する制御部２３に入力されるようになる。

【００１１】また、トランクリッド５には、後端縁にオ
ン・オフ可能なタッチスイッチ２５が巾方向に沿って設
けられ、そのタッチスイッチ２５に手でタッチすること
で、そのオン信号が制御部２３にキャンセル信号として
入力されるようになる。

【００１２】一方、トランクルーム１のヒンジアーム７
の領域には、閉扉装置２７とトランクリッド５の全開位
置を検知する検知スイッチ２９が設けられていて、カバ
ー３１により目隠しされている。検知スイッチ２９はト
ランクリッド５の全開完了時に、ヒンジアーム７が検知
スイッチ２９のスイッチ端子を叩くことで検知するよう
になり、その検知信号は制御部２３に入力されるように
なる。

【００１３】閉扉装置２７は、制御部２３から出力され
る指令信号によりトランクリッド５を閉扉される作動状
態と、指令信号の出力停止時に非作動状態とに制御され
るもので、第１・第２モータ３１・３３と、接・離可能
なクラッチ３５を有する回転ドラム３７とから成ってい
る。

【００１４】回転ドラム３７は、トランクリッド５のヒ
ンジアーム７に連結されたワイヤ３９を有し、このワイ
ヤ３９を巻取り矢印イ方向へ牽引することでトランクリ
ッド５の閉扉が可能となる。なお、ワイヤ３９は回転ド
ラム３７内に設けられた巻取りばね（図示していない）
により常に回転ドラム３７に対して巻取られるようにな
っている。

【００１５】第１モータ３１は前記クラッチ３５を断・
接するクラッチ制御用となっていて、オフの時には前記
クラッチ３５は断の状態におかれている。

【００１６】即ち、第１モータ３５の減速機構４１を介
して回転するピニオンギヤ４３に上下動可能なセクタギ
ヤ４５が噛み合い、そのセクタギヤ４５のアーム部４７
に、取付けブラケット４９を支点として矢印ロ方向に揺
動可能なアーム５１が連動連繋している。揺動アーム５
１の先端には、クラッチ３５から延長された作動ロッド
５３が連結された構造となっている。これにより、セク
タギヤ４５のアーム部４７が上下動すると揺動アーム５
１が矢印ロ方向に揺動し、作動ロッド５３を軸線方向ハ
に沿って移動させることで、断の状態にあるクラッチ３
５の接状態が得られるようになる。

【００１７】第２モータ３３は回転ドラム３７の駆動用
となっている。即ち、第２モータ３３の減速機構５５を
介して回転するピニオンギヤ５７に、クラッチギヤ５９
が噛み合う構造となっている。これにより、クラッチ３
５が接の時に、第２モータ３３からの回転動力が回転ド
ラム３７に伝達されることでワイヤ３９を巻取るように
なっている。

【００１８】図１は閉扉装置制御回路のブロック図を示
したものである。図において、２３は前記した制御部を
示しており、制御部２３の入力側には、前記した検知ス
イッチ２９，タッチスイッチ２５，ロックスイッチ１９
の外に、運転席近傍に設けれたメインスイッチ６１から
の各信号が入力されるようになる。

【００１９】制御部２３は、第１ステップ発信回路６
３、第２ステップ待機回路６５、第３ステップ起動回路
６７、タイマー回路６９を有し、第１ステップ発信回路
６３は、検知スイッチ２９及びロックスイッチ１９から
の信号が入力されると第２ステップ待機回路６５と、タ
イマー回路６９へ信号を送り続けるよう機能する。

【００２０】第２ステップ待機回路６５は、ロックスイ
ッチ１９からのロック解除信号及び検知スイッチ２９か
らの検知信号が入力され、さらに、第１ステップ発信回
路６３からの信号が入力されてもタイマー回路６９から
の信号が入力されている所定時間は、待機中にあって、
タイマー回路６９からの信号が停止すると、第３ステッ
プ起動回路６５へ信号を送るように機能する。

【００２１】第３ステップ起動回路６７は、ロックスイ
ッチ１９からのロック解除信号が入力され、さらに第２
ステップ待機回路６５からの入力信号と、メインスイッ
チ６１からの入力信号に基づいて閉扉装置２７を作動状
態とする指令信号を出力するよう待機する。

【００２２】タッチスイッチ２５は、リセット回路７１
を構成し、タッチスイッチ２５から出力されるオン信号
はリセット信号となって前記第２ステップ待機回路６５
及び第３ステップ起動回路６７に入力される。これによ
り、リセット信号が入力されることで各待機回路６５，
起動回路６７はリセットされ、閉扉装置２７の作動停止
が得られるようになる。

【００２３】このように構成された制御回路において、
トランクロック９がロック解除になるとトランクリッド
５は付勢手段１１によって上方へ回動する。と同時にロ
ックスイッチ１９がロック解除を検知し、第１ステップ
発信回路６３，第２ステップ待機回路６５，第３ステッ
プ起動回路６７へ検知信号を送り続ける。一方、上方へ
回動したトランクリッド５は全開位置に到達すると、そ
の全開状態を検知スイッチ２９が検知し、その検知信号
は、第１ステップ発信回路６３と第２ステップ待機回路
６５へ入力される。この時、第１ステップ発信回路６３
からタイマー回路６９へ信号が送られ、タイマー回路６
９からは一定時間、第２ステップ待機回路６５へ信号が
送られる。このタイマ回路６９の動作中に、例えばトラ
ンクリッド５が風等にあおられたりして若干下方へ回動
する上下動作が繰返されても、第２ステップ待機回路６
５は、指令信号を出力せずに待機中におかれる。この
時、閉扉装置２７は、非作動状態にあり、クラッチ３５
は断の状態にある。

【００２４】次に、トランクリッド５の全開時に手でト
ランクリッド５を下降させれば、手動による全閉状態が
得られる。この時に、操作力が弱くて不確実なロック状
態となり、再び開いてしまうと、検知スイッチ２９が再
度全開状態を検知し、その検知信号は第２ステップ待機
回路６５に入力される。この時、第２ステップ待機回路
６５に入力されるタイマー回路６９からの信号は停止し
ているため、検知スイッチ２９からの２回目の検知信号
を受けて第３ステップ起動回路６７へ信号を出力する。
これにより、閉扉装置２７は第３ステップ起動回路６７
からの指令信号により作動状態となり、トランクリッド
５の全閉状態が得られるようになる。

【００２５】同様に、全開中のトランクリッド５を手に
よって一旦途中まで下降させた後、手を離すと、トラン
クリッド５は再び全開状態となる。全開位置の検知信号
は第２ステップ待機回路６５に入力される。この時、第
２ステップ待機回路６５に入力されるタイマー回路６９
からの信号は停止しているため、検知スイッチ２９から
の２回目の検知信号を受けて第３ステップ起動回路６７
へ信号を出力する。これにより、閉扉装置２７は第３ス
テップ起動回路６７からの指令信号により作動状態とな
り、トランクリッド５の全閉状態が得られるようにな
る。

【００２６】また、トランクリッド５の全開中に、メイ
ンスイッチ６１をオン操作すると、第３ステップ起動回
路６７に信号が入力され第３ステップ起動回路６７から
閉扉装置２７を作動状態とする指令信号を出力する。こ
れにより、運転席からトランクリッド５の全閉状態が得
られる。

【００２７】一方、閉扉装置２７によるトランクリッド
５の閉扉途中で、タッチスイッチ２５にタッチする。ま
た、手等が挟まれてオン状態になると第３ステップ起動
回路６７にはリセット信号が入力され、そのリセット信
号によりリセット状態となる。この結果、トランクリッ
ド５は緊急停止するようになる。

【００２８】

【発明の効果】以上、説明したようにこの発明によれ
ば、トランクリッドの動きだけで確実な全閉状態が得ら
れるようになり、操作性の大巾な向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の閉扉装置制御回路のブロック図、

【図２】閉扉装置制御回路のタイムチャート、

【図３】閉扉装置を示した概要説明図、

【図４】この発明を、トランクルーム内に実施した自動
車の後部斜視図、

【符号の説明】

５ トランクリッド ９ トランクロック １１ 付勢手段 ２３ 制御部（回路） ２９ 検知スイッチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トランクロックのロック解除時に、トラ
   ンクリッドを上方へ回動させる付勢手段と、全開状態の
   トランクリッドを駆動源により閉扉操作可能にする自動
   閉扉装置を備えた自動車のトランクリッドにおいて、ト
   ランクルーム内に設けられトランクリッドの全開位置を
   検知する検知スイッチと、トランクリッドの全開状態を
   前記検知スイッチが検知し、その検知信号が入力される
   と指令信号の出力を待機状態とする回路と、前記検知ス
   イッチがトランクリッドの全開状態を２回検知した時
   に、その２回目の信号が所定時間をおいて入力されると
   指令信号を出力し、自動閉扉装置を駆動可能にする回路
   とを備えていることを特徴とする自動車用トランクリッ
   ドの閉扉装置制御回路。