JP2574506B2 - テープカセット - Google Patents

テープカセット

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JP2574506B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高密度磁気記録に適した金属薄膜型磁気テ
ープを収納するテープカセットに関するものである。
従来の技術 現在隆盛を見ている磁気記録は、慈束微分型を基本と
するもので、信号のやり取りを行なう磁気テープ・磁気
ヘッド系の進歩を軸に発展してきたといっても過言では
ない。
今後も磁気記録を発展させていくためには、一層の記
録密度の向上が不可欠であり、テープ・ヘッド系は従来
の酸化物系から金属系へ移行が前提となっており、各方
面で活発な開発が進められている。
金属薄膜型磁気テープは、磁気記録層として、Co−Ni
−O斜め蒸着膜を高分子フィルム状に配したもので、い
わゆるMEテープと呼ばれ、8ミリビデオ用として高密度
化の一翼を担い始めている。
更に、かかる金属薄膜型の磁気テープはアナログ記録
からディジタル記録の高密度化のために不可欠の物とし
て大いに期待され、記録信号の波長短縮がもたらす諸問
題の解決と、材料自体の持つ宿命的な課題に対し、より
高水準での解決に向けての検討が続けられている。
上記した中で、重要な課題は短波長信号で大きく問題
となるスペーシング損失を極力小さくするための平滑性
の良好な磁気記録層へ、いかにして耐久性を付与するか
といった、いわゆるトライボロジー上の課題と、薄膜化
して短波長特性を改善した時に、いかにして総慈束を確
保し、かつ、腐蝕による経時劣化問題に対策を加えるか
である。
今までに、かかる課題解決のためになされた提案は、
下記のからに集約される。
すなわち、 磁気記録層に微小突起を配し摩擦,摩耗などを改善
する〔例えば、アイイーイーイートランザクションズ
オン マグネティクス(IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETI
CS)vol.MAG−21 No.5,1524〜1526(1985),特開昭59
−207422号公報,特開昭61−284829号公報など参照〕、 磁性を担う金属部分を露出させずに、耐蝕性,耐摩
耗性などを改善するために部分酸化層を有効利用する
〔例えば、特公昭57−2391号公報,特公昭57−29770号
公報,特開昭61−153856号公報など参照〕、 磁気記録層の材料構成自体を硬くして、耐蝕性の良
好なものにする〔例えば、特開昭59−119532号公報,特
開昭61−139920号公報など〕、 磁気記録層と磁気ヘッドなどとの直接摺動を避け、
磁気記録層自体の本質的役割と、摺動に対する耐久性の
確保は、別の保護潤滑層を配することで役割分担する
〔例えば、特開昭60−93635号公報,特開昭61−131231
号公報,特開昭61−142525号公報,特開昭61−151830号
公報,特開昭61−242323号公報,特開昭61−250825号公
報,特開昭61−280019号公報,特開昭62−8325号公報,
特公昭61−61444号公報など参照〕、 上記提案の組み合わせのいずれかが採用されてい
る。
上記した技術で改善された磁気テープは、一般にテー
プカセット内に配設され実用に供される。
現在実用化されているテープカセットは、合成樹脂の
成形加工部品を組立てたものが圧倒的多数を占め、各種
の規格に定めるところに従って、材料,デザイン,組立
性,機械特性,耐候性などについて適宜工夫がなされて
いるが、特に最近の高密度記録用途には、外部からの異
物混入を防ぎ、ドロップアウトや目づまりなどの不具合
が生じないようにする目的で、必要な密閉性の確保が前
提となっている〔例えば、実公昭57−9983号公報,実開
昭58−109875号公報,特開昭61−5487号公報,実開昭61
−48481号公報,特開昭61−162290号公報,実開昭61−1
18175号公報など参照〕。
上記した密閉性の良好な、具体的には、市販の8ミリ
ビデオ,R−DAT,放送用フォーマットなどのカセットは、
金属薄膜型の磁気テープの耐候性を改善する面でも好ま
しいもので、磁気テープ自体の改善を側面から助け、実
用化を可能ならしめたと見られているものである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、近年のビデオの普及には著しいものが
有り、民生用,業務用を問わず録画対象が拡大し、単に
高温多湿,高温低湿などの環境条件の厳しさに耐えられ
るだけでなく、各種の腐蝕性ガス、例えば、H2S,SO2,Cl
2,NOXなどが加わる、より苛酷な条件での実用に耐える
ことが求められてきている。
一般的な使用条件下であれば、まったく実害のないテ
ープカセット系であっても、上記ガスが高濃度に存在す
る特殊な環境では、短時間の暴露であっても、信号欠落
や、目づまりを誘発するといった問題点が発生し、改善
が望まれていた。
本発明は上記した事情を鑑みなされたもので、腐蝕性
の強い特殊な環境条件下でも高密度記録の信頼性の確保
を可能にする改良されたテープカセットを提供するもの
である。
課題を解決するための手段 上記した問題点を解決するために、本発明のテープカ
セットは、アミド基を有する樹脂成分からなるトラップ
層を少なくともカセットの両リール間に架張された磁気
テープの近傍の一部に配するようにしたものである。
作用 本発明のテープカセット内に配設された金属薄膜型の
磁気テープは、保存状態のテープカセットに存在する間
隙より拡散侵入してくる腐蝕性ガスがトラップ層に吸着
反応することで捕獲され、次々侵入して来るガスが濃度
勾配支配の拡散により、トラップ層に向かって流れるこ
とにより保護されるため、高腐蝕性ガス雰囲気に於いて
も、磁気テープ側の受ける劣化は実用上、差し支えのな
い状態に保てることになる。上記した作用はカセットが
密閉されている度合いが高く、内部の気体が拡散で移動
することから特に強く現われているものである。
実施例 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について
説明する。第5図は、本発明の一実施例のテープカセッ
トに配設し、実用性を評価したMEテープの拡大断面図で
ある。第5図で、1はポリエチレンテレフタレート,ポ
リエチレンナフタレート,ポリフェニレンサルファイド
などの高分子フィルムで、2はAl2O3,SiO2,Eu2O3,CaO,Z
rO2などの微粒子を塗布した微粒子塗布層で、3はCo−
O,Co−Ni,Co−Cr,Co−Ti,Co−Si,Co−Cr−Nb,Co−Ni−
Oなどの強磁性金属薄膜からなる磁気記録層で、4はSi
O2膜,プラズマ重合膜,BN膜,硬質炭素膜などの保護膜
をスペーシング損出を勘案しながら、最適膜厚構成で配
したもので、5は潤滑層で高級脂肪酸,パーフルオロカ
ルボン酸およびそのエステル,パーフルオロポリエーテ
ルなどの潤滑剤である。6は走行性改善のために配した
カーボンブラック,炭酸カルシウムなどのフィラー類を
樹脂中に分散固定した、いわゆるバックコート層であ
る。
上記した構成の磁気テープは1/2インチ,8ミリ,3.8ミ
リのいずれか、又は必要であれば他の所定の幅に裁断さ
れ、リーダテープ,トレーラテープを介して、リールに
必要な長さ巻回された後、カセット内に組み込まれる。
本発明の一実施例で対象となるテープカセットは、比
較的密閉性の良好なもので、現在大量に利用されている
1/2インチの家庭用ビデオテープのテープカセットのよ
うに、後述する裏蓋のないような密閉度では十分な作用
効果が得難いことから、詳しく説明するのは、第6図,
第7図に外観図を挙げて示したように、8ミリビデオ
用,R−DAT用に代表される程度に密閉された構造を前提
としている物である。
第6図は、8ミリビデオ用のテープカセットを示す外
観図で、7は磁気テープ、8は本体ケースで、9はケー
スA(以下、下ハーフと称す)、10はケースB(以下、
上ハーフと称す)、11は上ハーフ10に開閉可能に枢支さ
れて、本体ケース8の前面を蓋する前蓋である。12は引
き出しに供せられる磁気テープ7を保護するための後蓋
である。第7図はR−DAT用のテープカセットの外観図
で、13は上ハーフ、14は下ハーフ、15は前蓋、16は後蓋
である。
以下、更に具体的な一実施例について詳しく説明す
る。本実施例の効果を調べるのに用いたMEテープは、厚
み10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に粒
径100ÅのSiO2微粒子を1μm2当たり平均50ヶ塗布した
後、直径1mの円筒キャンに沿わせて、5×10-5(Torr)
〜1×10-4(Torr)の酸素中で最小入射角45度でCo−Ni
(Ni;20重量%)を0.1μm蒸着し、その上に、メタンガ
スのDCプラズマ重合によって、厚み100Åの硬質炭素膜
を形成し、更に、その上に、パーフルオロポリエーテル
系カルボン酸として市販されているデュポン社製の“KR
YTOX−157,FS−M"を約50Å配し、又、磁性層と反対側の
面にカーボンブラックと炭酸カルシウムを重量比1:4に
混合し、ポリエステル樹脂に対し、100重量%分散さ
せ、溶剤に混合し、塗布乾燥し、0.5μmのバックコー
ト層を配した8ミリ層のテープを用いた。このテープを
ME−Aとする。
次に、本発明の要件であるアミド基を有する樹脂につ
いて詳しく説明する。
アミド基としては、−CONH−または−CONH2など活性
なN−H結合を持っているものが有効である。
このようなアミド基を有する樹脂としては、主鎖にア
ミド基を有するナイロン樹脂、例えば、4−ナイロン,6
−ナイロン,66−ナイロン、およびそれらの変性体,共
重合体がある。側鎖にアミド基を有する樹脂として、ポ
リアクリルアミド,ポリメタクリルアミド、及びその共
重合体がある。又、アクリル酸、あるいはメタアクリル
酸を含むビニル重合体とアミン系化合物との反応体など
がある。
上記アミド基を有する樹脂は、単独または、他の樹脂
と混合して用いることができる。
テープカセットに、これらの樹脂成分を含むトラップ
層を形成する方法としては、上記樹脂の溶液を必要な部
位に塗布し、カセット表面に薄膜を形成する方法、また
は、上記樹脂成分を単独、あるいは、他の樹脂と混合し
たものをカセット材料として用い、カセットそのものの
表面をトラップ層とすることができる。
低分子のアミド系化合物、例えば、ステアリン酸アミ
ドなども、腐蝕性ガスのトラップ剤として有効である
が、単独で薄膜形成をした場合、又、樹脂に添加した場
合においても、十分なトラップ効果を示す組成に於いて
は、樹脂表面から欠落し易く、実用性の乏しいものであ
った。
(実施例1) 第1図は、本発明の第1の実施例に用いた8ミリテー
プ用カセットの要部の縦断側面図である。
第1図で、17はMEテープで、18は蒸着法で得られたCo
−Ni−O磁性層である。19はリールフランジ、20は上ハ
ーフ、21は下ハーフ、22は前蓋、23は後蓋である。24,2
5はトラップ層である。
すなわち、本実施例では、カセット材料としてABS樹
脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を
用い、トラップ層を配した部位は、図示したように前
蓋,後蓋の内側及び一部の側面とし、コーティング法に
より、各種材料について形成した時の効果について述べ
る。使用した材料を次に示す。
変性ナイロン:メトキシメチル化ナイロン(商品名,ト
レジンM,帝国産業(株)製) ナイロン共重合体:ナイロン6/66/610(商品名,アミラ
ンCM,(株)東レ製) ポリアクリルアミド,ポリメタクリルアミド:ラジカル
重合法により合成 トラップ剤を配したこれらのカセット部品を用いてME
−Aテープを組み込んだものとトラップ層を持たないカ
セットに組み込んだ比較例を各2巻ずつ35℃,85〜90%R
H,HCl,3ppmのデシケータ内に4時間放置した後、市販の
8ミリビデオ(ソニー製,EV−S900)により、テープ引
き出し部に当たる位置の前後各1mの範囲の記録再生を行
なった。
条件と結果については表−1にまとめて示した。表に
は、ドロップアウトは増加率で、目づまりは、トータル
時間で評価し、2巻の内悪い方の値を示した。一部のカ
セットについては硬質炭素膜を配さない以外はME−Aと
同条件で作成したMEテープ(ME−Bとする)についても
組み合わせを実施した。
表−1の結果からわかるように、テープ5,6に比べて
トラップ層を配したカセット内で使用されるMEテープ
(テープカセット1〜4)は腐蝕性の強い環境でも保護
されることがわかる。
しかし、硬質炭素膜のないMEテープ7,8の場合には、
トラップ層を配したカセットの場合でも、ドロップアウ
ト,目づまりは、増加しており、トラップ層の効果が十
分でなく、満足できる結果が得られていない。
これは、トラップ層が持つ吸着反応性と硬質炭素膜の
ないMEテープの吸着反応性に大きな差がなく、腐蝕性ガ
スが選択的にトラップ層に吸着反応しないためと考え
る。すなわち、本発明は、トラップ層よりも吸着反応性
がある程度低い、保護膜を有するMEデープに於いて使用
した場合に大きな効果が得られるものである。
(実施例2) 実施例1で用いた変性ナイロンをコーティング法にて
10ミクロンの厚みで異なる部位に配し、硬質炭素膜から
なる保護膜を持つテープME−Aを組み込んで、20℃,65
〜70%RHでCl2ガス,3.8ppmの環境と、35℃,90%RHでSO2
ガス1.6ppmの環境に24時間暴露し、記録再生特性を調べ
た結果をカセットのコーティング条件毎に表−2にまと
めて示した。
表−2でカセット2Aは、第2図で前蓋22のa部,b部,c
部と第3図に示したように下ハーフの側面で、架張され
たテープと対向する面のj部で長さ10mmだけコーティン
グした物である。カセット2Bは第3図のj部のコーティ
ング長さを30mmとした以外はカセット2Aと同じ条件の物
である。カセット2Cは、前蓋22のa部,b部,c部とj部の
コーティング長さを30mmと上ハーフのj部に相当する側
面30mmにコーティングしたものである。カセット2Dは、
カセット2Cの条件に加えて、上ハーフのg部と下ハーフ
のd部にコーティングをした物である。カセット2Eは前
蓋22のa部,b部と、下ハーフのe部,d部にコーティング
した物である。カセット2Fは、リールフランジのテープ
巻回部側h部,i部(これは両リール共)にのみコーティ
ングした物である。カセット2Gは、上ハーフ,下ハーフ
のd,e,f,g部にコーディングした物である。カセット2H
は上ハーフ,下ハーフのd部,g部にのみコーディングし
た物である。
表−2よりコーティング部位によっては変性ナイロン
をコーティングしても十分な効果が得られないことがわ
かる。かなわち、テープカセット6〜8は、コーティン
グ無のテープカセット9に対しては、かなり改善されて
いるものの、両リール間に架張されたる磁気テープに近
い部位には、コーティング層、すなわち、トラップ層が
配されていることが好ましいことは、表−2より明らか
である。
(実施例3) 実施例1と同様にカセット材料としてABS樹脂を用
い、同じ部位に変性ナイロンのコーティング膜を形成
し、かつ、コーティングした前蓋,後蓋の表面積を変化
させた時の効果について説明する。カセット3Aは平面構
成の標準的なものに15ミクロンの塗膜を形成したもの
で、カセット3Bは1mm当たり10本の深さ100ミクロン幅50
ミクロンの溝を配した面に、上記と同様15ミクロンの塗
膜を形成したもの、カセット3Cは1mm2当たり10ヶの直径
50ミクロンの凹部を配した面に同じく15ミクロンの塗膜
を形成したものである。
上記したカセットに硬質炭素膜からなる保護膜を持つ
テープME−Aを組み込んで、30℃,80%RHで亜硝酸ガス
(NO2)を10ppmと2ppm含む腐蝕性雰囲気に1時間暴露
し、記録再生特性を調べた結果を表−3にまとめて示し
た。
表−3に示した代表実施例の範囲では、トラップ層の
構成表面積の差は殆ど見られないが、当然、面積が小さ
くなり過ぎると効果が弱まる。
目安としては、巻回されずに開放状態にある磁気テー
プの表面積と同程度の表面積を考えて、設計すればよ
い。
なお、これはカセットの密閉度、現実に暴露を受ける
雰囲気,暴露時間,テープが送られて開放部の位置が変
化することなどから、あくまでも大まかな目安であり、
トラップ層の材料,トラップ剤の配設部位,カセットの
構造,密閉度などに応じて適宜、経済性をも加味して最
適化すればよいのである。
なお、表面積を変化させる方法として、カセット部品
の表面粗さを変える方法、微細なリブを補強をかねて配
する方法、トラップ剤の塗膜中に微細な充填剤を入れる
方法などが好ましい方法として適宜採用可能で、その効
果も十分であることが確かめられている。
(実施例4) 第4図に第4の実施例に用いた8ミリ用カセットの要
部の縦断側面図を示した。第1図と同じ部位は同一番号
を付して示す。本実施例では、カセット部品自身をトラ
ップ効果の持つ材料を使用した場合について詳細に述べ
る。カセット材料としてABS樹脂(アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン樹脂)・ナイロン樹脂(ナイロン
6)の混合ポリマーを用いて成形し、異なる部位に配
し、カセットに硬質炭素膜からなる保護膜を持つテープ
ME−Aを組み込んで、35℃,80〜85%RHで亜硝酸ガス(N
O2)を6ppm含む腐蝕性雰囲気、および亜硫酸ガス(S
O2)9ppmに2時間暴露し、記録再生し特性を調べた結果
をカセットの条件毎に表−4にまとめて示した。表−4
でカセット4Aは、第7図で前蓋,カセット4Bは前蓋,後
蓋,カセット4Cは前蓋,後蓋,上ハーフ,下ハーフに上
記樹脂を用い、その他の部品は実施例1と同様のABS樹
脂を用いた。又、比較例として、ABS樹脂を用いたカセ
ットを4Dとする。
表−4からわかるように、テープカセット3は、前
蓋,後蓋,上ハーフ,下ハーフに用いているが、前蓋だ
け、または、前蓋,後蓋の両方に用いた場合より大きな
差はなく、コスト,寸法,機械特性などの物性との兼合
いで、設計的範囲のものである。
又、トラップ効果を持つ樹脂成分の組成についても、
保存特性,規格への適応,物理特性など設計的思想によ
って、決められるものである。
(実施例5) 本実施例では、実施例4と同様に、カセット部品自身
をトラップ効果の持つ変性ABS樹脂を使用した場合につ
いて詳細に述べる。
変性ABS樹脂は以下の条件のものを使用した。アクリ
ロニトリル/ブタジエン=10/90(重量比)の組成を有
する共重合体ゴム60部の存在下にスチレン/アクリロニ
トリル=70/30からなる単量体混合物40部を重合して得
られたグラフト共重合体30部とスチレン/アクリロニト
リル/アクリル酸=65/32/3(重量比)共重合体42部と
ポリエチレングリコールジアミン(平均分子量400)28
部とを反応して得られたアミド基を有する重合体を用い
形成した。カセットに硬質炭素膜からなる保護膜を持つ
テープME−Aを組み込んで、23℃,70%RHでSO2ガス1ppm
の腐蝕環境と40℃,83%RHでC2lガス2ppmの腐蝕環境に45
時間暴露し、記録再生特性を調べた結果をカセットの材
料使用部位条件毎に表−5にまとめて示した。
カセット5Aは前蓋、カセット5Bは前蓋と後蓋、カセッ
ト5Cは前蓋と後蓋と上ハーフと下ハーフ、カセット5Dは
上ハーフとしたハーフに上記した組成の材料を使用し
た。比較例として、ABS樹脂を用いたカセットを5Eとす
る。
表−5より明らかなように、使用部位によっては、十
分な効果が得られないことがわかる。上下ハーフにのみ
トラップ効果を有する材料を使用したテープカセット4
の場合には、かなり改善されているものの改善効果は小
さく、両リール間に架張されたる磁気テープに近い部位
に、トラップ層が配されていることが好ましいことは、
表−5からも明らかである。
(実施例6) 第7図に外観図で示したR−DATで実施した例につい
て詳述する。第7図の前蓋15と後蓋16の部分に異なる条
件でトラップ層を配したカセットに硬質炭素膜からなる
保護膜を持つテープME−Aを組み込んで、30℃,80%RH,
硫化水素(H2S)4ppm,塩化水素(HCl)3ppmの腐蝕性環
境に4時間暴露した後、ブロックエラーレイトの変化率
を計測した。
カセット6Aは前蓋に変性ナイロンを塗工した場合で、
カセット6Bは前蓋と後蓋にABS・ナイロンの混合樹脂を
使用した場合で、カセット6Cは前蓋と後蓋に実施例5で
使用した変性ABS樹脂を使用した場合である。比較例と
して、ABS樹脂を用いたカセットを6Dとする。
上記したカセットと比較例との対比結果については表
−6にまとめて示した。計測に用いたR−DATは市販品
と同等の機能を有する試験機で、ヘッドのクリーニング
を容易にして、測定毎に初期化しやすくして、測定順序
による誤差のないようにして、評価したものである。
表−6よりわかるように、テープカセット1〜3は、
殆ど変化なしといえるレベルであり、本発明がR−DAT
においても効果があることがわかる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、腐蝕性ガスの存在する
厳しい環境に於いても保護膜を有する強磁性金属薄膜型
磁気記録媒体による高密度磁気記録を実用化できるもの
であり、本発明の工業的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例に用いた8ミリテープ用
カセットの要部の縦断側面図、第2図は他の実施例の8
ミリテープ用カセットの要部の縦断側面図、第3図はそ
の下ハーフの要部斜視図、第4図は他の実施例の8ミリ
テープ用カセットの要部縦断側面図、第5図は本発明に
用いたMEテープの拡大断面図、第6図は8ミリビデオ磁
気テープカセットの外観図、第7図はR−DAT用磁気テ
ープカセットの外観図である。 1……高分子フィルム、3……強磁性金属薄膜からなる
磁気記録層、4……保護膜、7……磁気テープ、8……
本体ケース、11,15,22……前蓋、12,16,23……後蓋、13
……上ハーフ、14……下ハーフ、17……MEテープ、24,2
5……トラップ層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのリール間に配された強磁性金属薄膜
    を磁気記録層とし、更に、その磁気記録層の上に保護幕
    を有する磁気テープとその磁気テープの巻回したリール
    とを収納するテープカセットであって、少なくとも両リ
    ール間に架張された磁気テープ近傍の一部に、アミド基
    を有する樹脂成分からなるトラップ層を設けたことを特
    徴とするテープカセット。
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