JP2574387B2 - 石炭焚ボイラ制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、石炭を燃焼する石炭焚ボイラにおける燃料
の特性変化を的確に考慮する制御方法に関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来のボイラ制御は、第２図に示すようにMWD（発電
機の出力指令）１をインデックスとしてボイラ制御装置
２の制御パラメータを決定してボイラ３の制御を行なっ
ている。

一方、石炭焚ボイラにおいて、供給する炭種が変化す
るとボイラの特性が変化するので、炭種が変った場合に
は、その都度燃焼炭特性を把握するための試験を実施
し、ボイラ制御装置２の制御パラメータの調整を行うよ
うにしている。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、石炭焚ボイラへ供給する石炭は、同一産地の
石炭でも性状が変化し、又同一種の石炭でも雨水の影響
などによって経時的に大きくその燃焼特性に差異を生じ
る。

このため、前記従来のように、炭種が変化したときの
み燃焼炭の試験を実施し、ボイラ制御装置２の制御パラ
メータの修正を行う方式では、前記したように同一炭種
での性状変化や経時的な性状変化等が生じた場合に、そ
れに対応することができなく、よって適切な制御パラメ
ータの調整が行われず、制御が不安定となって制御性の
悪化を来す問題を生じていた。

本発明は、燃料の性状変化に伴なうボイラ特性の変化
をボイラ状態量と燃料性状値からの予測特性とで比較推
定し、、それに基づいて演算した制御パラメータ修正信
号により、ボイラ制御回路の制御パラメータを自動的に
最適状態に調整することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記技術的課題を解決しようとしたもの
で、石炭の性状を検出した性状分析値から予測ボイラ特
性を演算し、ボイラ制御装置に入力されているボイラ各
部の圧力、温度から求めたボイラ各部の収熱信号、及び
燃料量、NOx値等の検出信号からボイラ状態量を演算
し、該ボイラ状態量と前記予測ボイラ特性とを比較し
て、ボイラ状態の変化を推定し、その推定結果をもとに
パラメータ修正信号を演算して該パラメータ修正信号に
よりボイラ制御装置の制御パラメータを修正することを
特徴とするボイラ制御方法、に係るものである。

［作用］ 従って、本発明では、燃料の性状に基づいて予測した
予測燃焼炭特性と、実測された情報に基づいて常時演算
を行って求めたボイラ状態量とを比較して、ボイラ状態
の変化を予測し、その予測結果に基づいて求めたパラメ
ータ修正信号により制御パラメータを自動的に修正す
る。

［実 施 例］ 以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は本発明の方法を実施する石炭焚ボイラの制御
装置の一例を示すもので、図中第２図と同一の符号を付
したものは同一物を表わしている。

図示するように、あらかじめ分析された石炭の性状分
析値５を用い予測演算回路６で演算して求めた予測燃焼
炭特性７（予測ボイラ特性）を制御パラメータ修正演算
回路８に入力する。

一方、ボイラ制御装置２には、制御のための種々の情
報が入力されているので、この情報のうち、ボイラ３の
状態量を把握する上で重要な、エコノマイザー入口の給
水温度及び圧力、火炉パス出口の温度及び圧力、主蒸気
温度及び圧力等の情報を入力してボイラ各部の収熱計算
を行うボイラ各部収熱演算回路９を設け、該回路９によ
って求めたボイラ各部収熱信号10をボイラ状態量演算回
路11に導入する。

又、前記ボイラ制御装置２に入力されている情報のう
ち、ボイラ状態量の把握に必要な燃料量、NOx値等の検
出信号12を前記ボイラ状態量演算回路11に入力する。

ボイラ状態量演算回路11では、前記ボイラ各部収熱信
号10及び検出信号12からボイラ状態量を演算し、その信
号13を前記制御パラメータ修正演算回路８に入力する。

制御パラメータ修正演算回路８では、前記予測燃焼炭
特性７と実測した情報に基づいてボイラ状態の変化を推
定し、該推定結果をもとにパラメータ修正信号14を演算
してボイラ制御装置２で制御パラメータの修正を行うよ
うにしている。

石炭焚ボイラ３に供給される石炭の種類が変化する
と、その石炭の性状分析値５を演算回路６に入力するこ
とにより予測燃焼炭特性７を演算して制御パラメータ修
正演算回路８に入力し、該回路８により前記炭種に応じ
たパラメータ修正信号14を演算してボイラ制御装置２に
入力することにより、制御パラメータの修正を行う。

一方、ボイラ状態量が、ボイラ各部収熱演算回路９か
らのボイラ各部収熱信号10及び検出信号12が入力されて
いるボイラ状態量演算回路11によって常時把握されてお
り、このように経時的に変化するボイラ状態量信号13と
前記予測燃焼炭特性７とが制御パラメータ修正演算回路
８に入力されて比較されることにより、ボイラ状態の変
化が推定され、該推定結果に基づいて演算、調整された
パラメータ修正信号14がボイラ制御装置２に入力され
て、制御パラメータが修正される。

上記により、同一炭種での性状の変化及び経時的な性
状の変化に対しても、ボイラ状態量の変化からそれを検
出してパラメータ修正信号14を適正に調整するようにし
ているので、制御性の向上を図ることができる。

尚、本発明は上記実施例にのみ限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得る。

［発明の効果］ 上記したように、本発明の石炭焚ボイラ制御方法によ
れば、燃料の性状に基づいて予測した予測燃焼炭特性
（予測ボイラ特性）と、実測された情報に基づいて常時
演算を行って求めたボイラ状態量とを比較して、ボイラ
状態の変化を予測し、その予測結果に基づいて求めたパ
ラメータ修正信号により制御パラメータを自動的に修正
するようにしているので、燃料の性状の計測誤差、同一
燃料での性状のばらつきや経時的変化等があっても、常
に最適パラメータとなるように制御パラメータを修正し
て、常に安定した制御性を確保できる優れた効果を奏し
得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施する装置の一例を示す説明
図、第２図は従来装置の一例を示す説明図である。 １は発電機出力指令、２はボイラ制御装置、３はボイ
ラ、５は燃料性状分析値、６は予測演算回路、７は予測
燃焼炭特性（予測ボイラ特性）、８は制御パラメータ修
正演算回路、９はボイラ各部収熱演算回路、10はボイラ
各部収熱信号、11はボイラ状態量演算回路、12は検出信
号、13はボイラ状態量信号、14はパラメータ修正信号を
示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾上 利彦 北海道勇払郡厚真町字浜厚真615番地 北海道電力株式会社苫東厚真発電所内 (72)発明者 中山 信弥 東京都江東区豊洲３丁目２番16号 石川 島播磨重工業株式会社豊州総合事務所内 (72)発明者 宇佐美 優 東京都江東区豊洲３丁目２番16号 石川 島播磨重工業株式会社豊州総合事務所内 (56)参考文献 特開 昭61−70304（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−280504（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】石炭の性状を検出した性状分析値から予測
   ボイラ特性を演算し、ボイラ制御装置に入力されている
   ボイラ各部の圧力、温度から求めたボイラ各部の収熱信
   号、及び燃料量、NOx値等の検出信号からボイラ状態量
   を演算し、該ボイラ状態量と前記予測ボイラ特性とを比
   較してボイラ状態の変化を推定し、その推定結果をもと
   にパラメータ修正信号を演算して該パラメータ修正信号
   によりボイラ制御装置の制御パラメータを修正すること
   を特徴とする石炭焚ボイラ制御方法。