JP2574319B2 - プリント基板移送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子部品回路を構成するプリント基板を前
部ステーションから後部ステーションへ搬入したり、後
部ステーションから次のステーションへ搬出し、かつ電
子部品をプリント基板に挿入する位置決めも兼ねたプリ
ント基板移送装置に関するものである。

従来の技術 以下図面を参照しながら、従来の搬入搬出位置決めテ
ーブルについて第10図から第13図までを用いて説明す
る。

プリント基板67を保持した搬送位置決めテーブル63
は、数値制御により、あらかじめプログラムされた順番
にしたがって電子部品の挿入位置で位置決めが行なわ
れ、挿入完了時には、前部ステーション（ローデング
側）62より搬送位置決めテーブル63内に新プリント基板
66が搬入され、同時に完成したプリント基板67を搬送位
置決めテーブル63から後部ステーション65に搬出するよ
うになっている。

かかるプリント基板移送装置における搬入・搬出・位
置決めの１サイクルの動作について、第10図〜第13図を
用いて説明する。前後部ステーション62,65と搬送位置
決めテーブル63の各装置は一枚のベース部68に取り付け
られている。

第10,11図の搬送位置決めテーブル63のＸ軸移動範囲6
4は前後部ステーション62,65の下まで移動する。そのた
め、前後部ステーション62,65は搬送位置決めテーブル6
3の位置上にある。第12,13図の搬入搬出は前後部ステー
ション62,65のローダーが下降して搬送位置決めテーブ
ル63と一体になった時点に搬入シリンダ61が新プリント
基板66を押し、搬送位置決めテーブル63内に新プリント
基板66が搬入され、同時に新プリント基板66が完成プリ
ント基板67を後部ステーション65へと搬出し、１サイク
ルの動作完了後に前後部ステーション62,65のローダー
が上昇し定位置にもどる。

第14図〜第17図は他の例の１サイクルの動作説明図で
ある。前後部ステーション71,73と搬送位置決めテーブ
ル72の各取付ベース部は別装置となっている。第14,15
図に示す搬送位置決めテーブル72は３枚のプリント基板
82,83,84を乗せ、それぞれ異なった４種の電子部品が挿
入できる搬送位置決めテーブルになっている。前後部ス
テーション71,73へのプリント基板81,84の搬入搬出は本
体ベース部77上に取付けてある送り棹74の搬入搬出フッ
ク75,76で行なわれる。送り棹74は前部ステーション71
の下から完成プリント基板84搬出位置手前下までに位置
している。

第16,17図に示すプリント基板の搬入搬出は、送り棹7
4の前進移動によりその送り棹74の先端に取付けてある
搬入搬出フック75,76が上昇して、前部ステーション71
の新プリント基板81が搬送位置決めテーブル72に搬入さ
れ、同時に完成プリント基板84が後部ステーション73へ
と搬出され、１サイクル完了後に送り棹74が復帰しはじ
めるとほぼ同時に搬入搬出フック75,76が下降し定位置
にもどる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来のプリント基板移送装
置は、次の様な問題点が有った。

（１） 第10,11図の様に搬送位置決めテーブル63全体
が移動するものでは、大きくＸ軸移動範囲64を設けてお
り、したがって機械装置本体のスペースも大きくなって
しまう。

（２） 第12,13図の様にプリント基板66,67を搬送位置
決めテーブル63の内外から前後部ステーション62,65へ
搬入搬出するための装置が必要になる。

（３） 第14,15図の例は、プリント基板82,83,84を搬
送位置決めテーブル72に保持させる方法で挿入位置決め
するため、機械装置本体を大きく取っている。

（４） 第16,17図の様に前後部ステーション71,73へプ
リント決板81,84を搬入搬出する方法の送り棹74が長い
ため、曲がったり搬入搬出フック75,76が上昇しなかっ
たり等のミスが多く、従って搬入搬出移動の信頼性がと
ぼしい。

（５） 第14,15図の様に一台の装置でそれぞれ異なっ
た電子部品を挿入する搬送位置決めテーブル72になって
いるため、自動化ラインでの各装置とのタクトタイムが
合わなくロスが発生する。また、この搬送位置決めテー
ブル72を分離して使用することはできないため、電子回
路部品の構成上のデットスペースを考慮して挿入するこ
とはまったくできないために自動機での挿入率が低いと
いう問題点があった。

本発明は上記従来の問題点に鑑み、電子部品回路を構
成するプリント基板を搬送位置決めテーブル内外の各ス
テーションに完全に搬入搬出させるとともに、プリント
基板に電子部品を挿入する位置が正確に出る搬送位置決
めも兼ねそなえていて、構造は簡単なコンパクトでしか
も安価で信頼性の高い装置を提供することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため本発明のプリント基板移送装
置は、電子部品回路を構成するプリント基板を搬送位置
決めテーブルに１枚保持させ、しかも、Ｘ軸移動は搬送
位置決めテーブル内に駆動源とガイド軸を設け、このガ
イド軸にそって移動可能にかつ回転可能にフック取付板
を取付け、このフック取付板にはプリント基板の搬入時
に引張り力の強弱によって独立して回転する搬入用フッ
クと、プリント基板に部品を挿入す挿入位置にプリント
基板を位置決めする位置決め用フック、およびプリント
基板を搬送位置決めテーブル外に出す搬出用フックを取
付け、これらの３種の異なった各フックがＸ軸往復移動
することによって搬入搬出挿入位置決め機能を果す様に
構成されたことを特徴とする。

作 用 かかる構成によれば、Ｘ軸移動は搬送位置決めテーブ
ル内に駆動源とガイド軸を設け、このガイド軸にそって
移動及び回転可能にフック取付板に挿入位置決めフック
を設けることにより、Ｘ軸移動範囲が搬送位置決めテー
ブルの範囲内だけで、プリント基板の挿入位置決めが可
能となり、シンプルな装置となる。さらにフック取付板
にはプリント基板を搬送位置決めテーブル内に搬入する
ための搬入フックと搬送位置決めテーブル外に搬出する
ための搬出フックを有し、上記の搬入フックはプリント
基板を安定搬入させるため、引張り力の強弱によって自
動的にプリント基板から搬入フックが抜けることによ
り、搬入時の移載保証ができる。さらにまた構造的に上
記の様な３種の異なった各フックがＸ軸往復移動によっ
て搬入、挿入位置決め、搬出機能を兼ね備えることによ
り構造は簡単でコンパクトである利点を有する。

実施例 以下本発明の一実施例について、第１図〜第９図を用
いて説明する。図中、12と10は各フック1,2,3をＸ軸往
復移動させる駆動源を構成するDCサーボモートルとボー
ルネジ、９は各フック1,2,3をガイド軸６を中心に上下
回転させる回転リンク部で、シリンダを有する。11は駆
動源12,10の数値指令で移動するボールネジナット、８
はスライドブロック７とボールネジナット11を連結する
ジョイント板、６はフック取付板５を回定しているスラ
イドブロック７の移動をガイドするガイド軸、５は搬入
フック１、挿入位置決めフック２、搬出フック３を取付
けているフック取付板、４は駆動源12,10とガイド軸６
とフック取付板５と各フック1,2,3等を内蔵しプリント
基板51の搬送位置決めレールになる搬送位置決めテーブ
ル、３は搬送位置決めテーブル４内から後部ステーショ
ン54に完成プリント基板51を搬出する第３のフックであ
る搬出フック、２は搬送位置決めテーブル４内でプリン
ト基板51の挿入場所を位置決めする一対の第２のフック
である挿入位置決めフック、１は前部ステーション53か
ら搬送位置決めテーブル４内に新プリント基板52を搬入
する第１のフックである搬入フックである。21は搬入フ
ック１を反転移動させるリンク、22はフック取付板５に
リンク21を連結しているピン、23はリンク21を常時復帰
させるスプリング、24はリンク21を平行にさせる押え
板、25はスプリング23を止めている止め板である。また
26は搬入フック１が引張り力の強弱によって新プリント
基板52から抜けた時点での回転状態を示している。41は
ガイド軸６を固定しているガイド軸固定金具、42はガイ
ド軸６用のベアリング、43はスライドブロック７を移動
されるボールベアリング、44はボールベアリング43とス
ライドブロック７を連結させる回転止めキー、45は回転
止めキー44を押さえるキー押え板、39はベアリング42を
押さえるカラー、31〜38は回転リンク部９のブロック部
品であり、31はガイド軸６を上下回転させる反転リン
ク、32は反転リンク31とコネクタ33を接続している継手
リンク、34はコネクタ33のロックナット、35はシリンダ
36を取付るシリンダ取付金具、38はシリンダ36とエアー
ホースを接続するクイック継手、37は反軸リンク31の当
りを調整する上昇ストッパー、55は新プリント基板52を
定位置に止める回転ストッパーである。

次にかかる構成の動作を説明する。前部ステーション
53から第６図の様に搬入されたプリント基板51は搬送位
置決めテーブル４内の挿入原点位置で一対の挿入位置決
めフック２に保持される。挿入位置決めフック２（フッ
ク取付板５）の移動は第１図の駆動源12,10の数値制御
であらかじめプログラムされた順番にしたがって行わ
れ、電子部品の挿入位置決めが行なわれる。第７図の様
にプリント基板51を保持した挿入位置決めフック２が搬
出定位置までＸ軸方向に移動して挿入位置決めサイク
ルは完了する。その時すでに前部ステーション53内で新
プリント基板52が回転ストッパー55によって搬入位置決
めされた状態で待機している。第１図の回転リング部９
が動作してこれに連動されているフック取付板５並びに
各フック1,2,3がガイド軸６を中心に下降回転する（以
後説明は各フック1,2,3上昇下降とする）。次に第８図
の様にフック取付板５及び各フック1,2,3がＸ軸方向
に移動し搬入搬出原点に復帰する。その時、各フック1,
2,3が回転上昇し復帰して搬入フック１が新プリント基
板52の孔に挿入係止すると同時に連動された様に回転ス
トッパー55が回転を行ない新プリント基板52から外れ
る。次に第９図の様にフック取付板５と各フック1,2,3
が搬出定位置までＸ軸方向に移動し、新プリント基板
52が搬送位置決めテーブル４内に搬入され、同時に搬送
位置決めテーブル４内の完成プリント基板51を後部ステ
ーション54へと搬出し、搬入搬出サイクルは完了する。

もし第８図の前部ステーション53から新プリント基板
52を搬入フック１に保持させ、搬送位置決めテーブル４
内へ搬入する時、トラブルが発生した時は第３図の様に
搬入フック１がピン22を中心に回転状態になり、新プリ
ント基板52から搬入フック１が抜け搬入動作が一時停止
される。

この様にかかる構成によれば、搬送位置決めテーブル
４内に搬入，搬出，位置決めの各フックをもつフック取
付板が移動自在で回動可能に内蔵されているため、Ｘ軸
動作範囲は少スペースですむ。さらに搬送位置決めテー
ブル４内に搬入フック１、搬出フック３を有しているた
め搬入搬出用別装置は不要である。さらに３種の異なっ
た各フック1,2,3のＸ軸往復移動によって搬入，搬出，
挿入位置決めをできる機能を有するため、構成は簡単で
コンパクトで故障を生じないものである。さらに搬入フ
ック１の回転安全機能によってプリント基板52の搬入時
の移載保証が確保でき信頼性が高い。さらに搬送位置決
めテーブル４がコンパクト装置のため自動化ライン編成
が高能率的にでき挿入率が向上するものである。

なお、搬入，搬出サイクルが完了するフック取付板
５、各フック1,2,3が回転下降しＸ軸移動を行ない、
第６図の様に挿入原点位置で挿入位置決めフック２に新
プリント基板51が保持され１サイクルが完了し、上記の
動作が繰り返される。

発明の効果 以上の様な本発明によれば次の様な効果が得られる。

（１） 搬送位置決めテーブル内に挿入位置決め部を内
蔵しているため、Ｘ軸移動範囲が搬送位置決めテーブル
範囲内だけで、プリント基板の挿入位置決めができる。
したがって少スペースで合理化された装置である。

（２） プリント基板を前後部ステーションから搬送位
置決めテーブル内外に搬入搬出する機能をその搬送位置
決めテーブル内に有しているため、特別な搬入搬出用装
置は不要で、したがって装置内で搬入搬出が行なわれる
ためタイミングが容易に設定できる。

（３） 搬送位置決めテーブルの挿入位置決めフックに
プリント基板１枚のみ保持させるため、駆動源の数値制
御プログラムの挿入順番のインプットが簡単に設定で
き、しかも高速度でＸ軸移動ができる。

（４） 搬送位置決めテーブル内の搬入フック、挿入位
置決めフック、搬出フックの３種の異なったフックがＸ
軸往復移動によってプリント基板の搬入，挿入位置決
め、搬出を行なう機能を兼ねそなえる事により、構造は
簡単でコンパクトな故障を生じない、しかも安価で耐用
年数が長い装置である。

（５） 上記の様に搬送位置決めテーブルがコンパクト
で少スペース装置のため、自動化ライン編成は簡単にで
き、しかも電子回路部品の構成上のデットスペースも考
慮した平準化のタクトタイムに編成ができる。したがっ
て高能率的でしかも挿入率の高い自動化ラインシステム
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるプリント基板移送装
置の全体斜視図、第２図は第１図の搬入フック関連要部
の平面図、第３図は第２図の正面図、第４図は第１図の
回転リンク部の関連要部の側面図、第５図は第４図の一
部断面した正面図、第６図，第７図，第８図，第９図は
同装置の搬出，挿入位置決め、搬出の動作説明するため
の平面図第10図は従来のプリント基板移送装置の平面
図、第11図，第12図，第13図は第10図の動作説明するた
めの一部断面した正面図、第14図は従来のプリント基板
移送装置の平面図、第15図，第16図，第17図は第14図の
動作説明するための一部断面した正面図である。 １……搬入フック、２……挿入位置決めフック、３……
搬出フック、４……搬送位置決めテーブル、５……フッ
ク取付板、６……ガイド軸、７……スライドブロック、
８……ジョイント板、９……回転リンク部、10……ボー
ルネジ、11……ボールネジナット、12……DCサーボモー
トル、51,52……プリント基板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板を搭載し搬送する搬送レール
   を備えたテーブル内に駆動源とガイド軸とを設け、この
   ガイド軸に沿って移動可能に，かつ回転可能にフック取
   付板を取付け、前記プリント基板の進行方向の順に、前
   記プリント基板をテーブル内に搬入する搬入フックと，
   前記プリント基板を位置決めする一対の位置決めフック
   と，前記プリント基板を前記テーブルの外に搬出する搬
   出フックとを前記フック取付板に取付け、さらに、前記
   搬入フックを引っ張り力の強弱によって回転可能に構成
   したことを特徴とするプリント基板移送装置。