JP2574270B2 - 一酸化炭素分離精製装置 - Google Patents

一酸化炭素分離精製装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、製鉄所の副生ガス,コークス炉ガスおよ
びプロパン,ブタン等を酸化させて製造された一酸化炭
素製造用ガス等から一酸化炭素を分離する一酸化炭素分
離精製装置に関するものである。
〔従来の技術〕
一酸化炭素(CO)は反応性に富んでいるため、合成化
学の原料として使用されており、特に近年では、C1化学
の中でも最も重要な炭素源と考えられている。上記CO
は、製鉄所をはじめ工場の副生ガス中に多量に含まれて
いるものであり、従来は、せいぜい燃料として熱エネル
ギーが回収されているにすぎない。しかし、近年のCOに
対する需要の高まりから上記工場副生ガスからCOを分離
回収する装置が開発されている。また、最近では、上記
のようなCOの重要性に鑑み、プロパン,ブタン等を酸化
してつくられたCO原料ガスからCOを分離回収する装置も
提案されている。これらの装置には主として、ゼオライ
ト等の吸着剤を使用し、この吸着剤によってCOを濃縮し
て回収する装置と、COを選択的に吸収するコソーブ(CO
SORB)液を使用する装置の2種類の装置が用いられてい
る。しかしながら、上記吸着剤を使用する吸着分離装置
(PSA法に基づく)は、装置自体に多数の弁を必要とす
ると同時に、吸着剤を弁操作によつて切り換え、再生使
用する必要があり、装置全体が複雑になるうえ、煩雑な
弁操作を必要とするという難点がある。また、原料ガス
からのCOの回収率が低いため、廃ガスを再度原料ガスに
混合してCOの分離回収を図らなければならず、ランニン
グコストが高くなり製品COのコストが高くなるという欠
点も有している。そのうえ、純度が99.5%程度の製品CO
しか得られず高純度品が得られないという難点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
コソーブ法を実施する装置は、上記PSA装置のような
多数の弁を要しないという利点を備えており、例えば、
転炉ガス等の製鉄所副生ガスを対象としてCOの分離回収
を実現する。上記転炉ガスの組成は、CO;68〜72vol%,C
O2;13〜17vol%,N2;11〜16vol%,H2;0.8〜1.3vol%,O2;
0.3〜0.5vol%であり、それ以外に、アンモニア,硫化
水素,二酸化硫黄等の微量成分と、ダストならびに7%
程度の水分を含んでいる。このようなガスを対象とする
コソーブ装置の一例を第3図に示す。図において、60は
転炉ガスからなる原料ガスの供給源、61は圧縮機で、上
記原料ガスを圧縮し昇圧させる。この圧縮機61におい
て、ダストは圧縮機61の油に捕集され、この油を冷却す
るための油循環系に設置されているフイルタによつて除
去される。62はブライン冷却器で、昇圧された原料ガス
を予備脱湿する。63は活性炭を充填した吸着筒で原料ガ
ス中の硫黄,アンモニアを吸着除去する。64は合成ゼオ
ライトを充填した2個1組の吸着筒で、水分および炭酸
ガス等を吸着除去する。この2個1組の吸着筒64は交互
に切り換え使用される。65は吸収塔で、上記不純物除去
および脱湿された原料ガスを、塔上部から流下するコソ
ーブ液と向流接触させて原料ガス中のCOをコソーブ液に
選択的に吸収させるようになつている。上記コソーブ液
はトルエンにCuAlCl4を溶解したもので、つぎのような
反応により、低温下でCOを選択的に吸収し、高温下にお
いてCOを放散する。
66は熱交換器で、上記吸収塔65内でCOを選択吸収し塔
65の底部から送出されたコソーブ液を、放散塔67を底部
から送出される液と熱交換させて加熱する。上記放散塔
67は、塔頂から上記CO吸収コソーブ液を流下させ、リボ
イラ68の加熱により発生したトルエン蒸気と接触させ、
CO吸収コソーブ液中のCOを放散させる。ここで、COを放
散したコソーブ液は、放散塔67の底部から熱交換器66お
よび水冷却器69を経て冷却され再生されて吸収塔65の塔
頂へ戻される。吸収塔65の上部からは廃ガスが送出さ
れ、ブライン冷却器70で−10℃まで冷却されてトルエン
を回収され、高炉ガス等の配管系へ送出される。そし
て、上記放散塔67の上部からは製品CO(ガス)が取り出
される。この場合、コソーブ液中には少量のCO2,N2,H2,
O2が溶解されるため、上記放散塔67から得られる製品CO
には、これらが混入されている。71は水冷却器であり、
上記製品COを冷却しトルエンを回収する。72はコンプレ
ツサーで、上記製品COを昇圧させる。73はブライン冷却
器で、上記製品COを−10℃まで冷却してトルエンを回収
する。74は製品COの貯槽であり、適宜に製品COを送出す
る。
しかしながら、上記の装置では、必然的に微量の不純
分が製品CO中に混入するため、超高純度の一酸化炭素の
回収は実質的に不可能であり99.5%程度のものしか得ら
れない。また、この装置も製品COの回収率が低いという
欠点を有している。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、
超高純度の一酸化炭素を高回収率で回収しうる一酸化炭
素分離精製装置の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の一酸化炭素分
離精製装置は、一酸化炭素を含む原料ガスを圧縮する圧
縮手段と、上記圧縮手段に連接され加熱反応により上記
原料ガス中の酸素を除去する除去手段と、この酸素が除
去された原料ガスを冷却する熱交換手段と、上記原料ガ
ス中の水分および炭化水素を吸着除去する除去手段と、
上記原料ガス中の炭酸ガスを吸着除去する除去手段と、
上記酸素,水分および炭酸ガスが除去された原料ガスを
冷却するための熱交換手段と、沸点の差により原料ガス
中の一酸化炭素を液化して内部に溜め不純分ガスを分離
して排出する精留塔と、上記熱交換手段から上記精留塔
に原料ガスを導く原料ガス供給路と、装置外から低温液
化ガスの供給を受けこれを貯蔵する低温液化ガス貯蔵手
段と、この低温液化ガス貯蔵手段内の低温液化ガスを一
酸化炭素液化の寒冷源として上記精留塔に導く導入路
と、上記精留塔内で寒冷源としての作用を終え気化され
た低温液化ガスを取り出す取出路と、上記精留塔内の貯
溜液化一酸化炭素を液体のまま製品液化一酸化炭素とし
て取り出す取出路および上記貯溜液化一酸化炭素の気化
物を製品一酸化炭素ガスとして取り出す取出路とを備
え、上記精留塔に、精留前の原料ガスの一部を液化して
内部に溜め沸点の差により原料ガス中の水素ガスを分離
除去する凝縮器が設けられているという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この装置は、深冷液化分離法を応用したも
のであり、圧縮手段,それぞれの除去手段を経た原料ガ
スを、熱交換手段に導入して超低温に冷却し、これを精
留塔に導き、その内部においてさらに低温液化ガス貯蔵
手段から供給される低温液化ガスの冷熱で冷却して、原
料ガス中のCOを液化するとともに、不純ガスを気体のま
ま製品ガスおよび廃ガスに分離して除去し、これを精留
塔から個々に排出すると同時に、液化COをそのまま取り
出すようにするため、超高純度の一酸化炭素を回収する
ことが可能になる。また、排出される不純分ガス中のN2
は製品ガスとして取り出すことが可能になる。このよう
に、この装置は、上記コソーブ装置のようなコソーブ液
の加熱,冷却によるCOの吸収,放散を利用したり、PSA
装置のような吸着剤による吸収を利用するものではない
ため、コソーブ液中にCO2,N2等の微量不純ガスが溶解し
たり、吸着剤の吸着不良に起因する不純ガスの混入等を
生じない。したがつて、それら不純溶解分に起因する製
品一酸化炭素の純度阻害現象を生じない。
さらに、この装置は、精留塔に、精留前の原料ガスの
一部を液化して内部に溜め沸点の差により原料ガス中の
水素ガスを分離除去する凝縮器が設けられているため、
原料ガスである転炉ガス中に通常1%程度含まれ、しか
もコソーブ法では完全な除去が困難であつたH2ガスを精
留の前段階で除去することができ、製品COに不純物とし
てH2ガスが混入することがないため、一層高純度の製品
COが得られるようになる。
そのうえ、この装置では、加熱反応により原料ガス中
の酸素を除去する除去手段を圧縮手段に連接しているた
め、上記圧縮手段での昇圧による原料ガスの加熱を、そ
の後の加熱反応の予熱として利用することができる。し
たがつて、特別に加熱反応の予熱手段を設ける必要がな
く、工程が簡略化するとともに、装置自体も小型で安価
なものになる。また、原料ガス中の水分および炭化水素
を吸着除去する除去手段を備えているため、製鉄所の副
生ガス等から得られる原料ガスに含まれがちなエタン,
プロパン,アセチレン等の炭化水素を効果的に除去する
ことにより、さらに高純度の一酸化炭素が得られるよう
になる。さらに、製品一酸化炭素を一酸化炭素ガスとし
てだけでなく、液化一酸化炭素としても利用することが
できるため、一酸化炭素をより広い用途で利用できるよ
うになる。
つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳しく説明す
る。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例を示している。図におい
て、1は原料ガスの吸入貯蔵タンク、2は原料ガス中の
塵埃を捕集し除去するフイルター、3は原料ガスを圧縮
し昇圧させる圧縮機である。4はPt触媒を内蔵する触媒
塔であり、圧縮機3により圧縮された原料ガスに水素を
添加し、この水素と原料ガス中の酸素とを250℃程度の
温度雰囲気中で加熱反応させ水として原料ガス中から除
去する。このとき、上記圧縮機3での昇圧による原料ガ
スの加熱を、上記加熱反応の予熱として利用するように
している。5は原料ガス(250℃)を後述する廃ガス
(低温)と接触させ冷却する再生用熱交換器、6は水冷
により原料ガスを冷却する水系熱交換器、7は原料ガス
中の水分を分離除去するドレン分離器である。このドレ
ン分離器7にはドレン排水を排出する排出パイプ8が連
結されている。9は排出パイプ8に設けられた開閉弁で
ある。10は酸素および水が除去された原料ガスを水分吸
着筒(ドライヤー)11に送る原料ガス送入パイプであ
り、開閉弁12a,12bを備えている。吸着筒11は2個1組
からなり、内部に吸着剤としてのアルミナゲルが充填さ
れ、内部を通過する原料ガス中の残存水分およびエタ
ン,プロパン,アセチレン等の炭化水素を吸着除去する
ようになつている。13aは吸着筒11で水分が吸着除去さ
れた原料ガスを送出する原料ガス送出パイプで開閉弁12
c,12dを備えている。この2個1組の吸着筒11は開閉弁1
2a,12b,12c,12dを切り換えることにより8時間ごとに交
互に使用できるようになつている。38cは上記吸着筒11
に廃ガスからなる再生ガスを送入する送入パイプで弁12
g,12hを備えている。また、38dは開閉弁12e,12fを備え
た排出パイプで廃ガス放出パイプ38bに連通しており、
再生処理済の再生ガスを大気中に放出するようになつて
いる。この場合、上記2個1組の吸着筒11は、一方が水
等の吸着動作をしているときは、他方が上記開閉弁12g,
12h,12e,12fの開閉により再生される。21は合成ゼオラ
イト(モレキユラシーブ)内蔵の2個1組の吸着筒であ
り、パイプ13aから送入される原料ガス中のCO2等の不純
ガス分を吸着除去する。22aは上記のようにしてO2,H2O,
CO2等が吸着除去された原料ガスを熱交換器23に送る原
料ガス供給パイプである。上記熱交換器23は上記原料ガ
スを超低温に冷却し低温原料ガス送入パイプ22bを介し
て精留塔24に送入する。上記精留塔24は、凝縮器25内蔵
の分縮器部26と、中圧の塔部27と、下部凝縮器部28とか
らなり、中圧の塔部27内には多数の精留棚29が配設され
ている。そして、上記下部凝縮器部28に、上記熱交換器
23から延びる低温原料ガス送入パイプ22bが開口してお
り、超低温に冷却された原料ガスを送入するようになつ
ている。この下部凝縮器部28内において、O2,H2O,CO2
除去され殆どがCOガスとなつている原料ガス(不純分と
してN2,H2を含む)は、CO分の殆どが液化され、またN2
分も液化され貯溜液34となるが、それらよりも低沸点の
H2は液化されず気体状態で残存する。このH2ガスは、下
部凝縮器部28の上部に連結されたH2取出パイプ30を介し
て外部へ放出される。一方、液化N2を含む液化CO(貯溜
液34)は、導入パイプ31を介して塔部27内の上部側に送
入されるようになつている。32は導入パイプ31に設けら
れた膨脹弁である。33は液面計であり、上記下部凝縮器
部28における貯溜液34の液面が一定レベルを保つようそ
の液面に応じて膨脹弁32を開閉,開度制御するようにな
つている。塔部27内においては、液化COを主成分とする
貯溜液34が気液混合状態で吹き込まれ、塔部27内の精留
作用により、沸点の高いCOが液化されて塔部27内を下方
に流下し、塔部27の下側に製品液化COとして貯溜され、
H2,N2等の不純ガスとCOの残部が混合気体状態で塔部27
の上方に上昇する。35は上記塔部27の上部と分縮器部26
内の凝縮器25とを接続する第1の還流液パイプであり、
上記塔部27の上方に上昇した混合ガスを凝縮器25内に送
入するようになつている。36は遮蔽板であり、上記混合
気体を第1の還流液パイプ35に導く流路を形成し、この
流路を流れる混合ガスの移動により塔部27の塔頂に溜る
不純ガス(H2,N2)を混合ガスに随伴させ不純ガスの塔
頂滞留を防止する。上記凝縮器25内においては、沸点の
差によりCOが液化され、N2,H2等が気体状態で凝縮器25
から上方に延びる廃ガスパイプ37aを経て除去されるよ
うになつている。この廃ガスパイプ37aは、廃ガスパイ
プ37cに連通しており、廃ガスを熱交換器23を経由させ
て加熱し常温近傍の温度にしたのち、さらに再生用熱交
換器5に送るようになつている。そして、上記再生用熱
交換器5でさらに加熱された廃ガス(N2ガスが主成分)
は、パイプ38aを経て、2個1組の吸着筒11のうちの再
生側の吸着筒11に、内蔵吸着剤の水分を除去し吸着剤を
再生させるパージガスとして吹き込まれ、吸着剤の再生
後は廃ガス放出パイプ38bから大気中に放出される。39
は上記精留塔24の凝縮器25の下部から塔部27の上部内に
延びる第2の還流液パイプであり、上記凝縮器25の底部
に溜る液化COを塔部27内の受け皿40内に還流液として流
下させるようになつている。この受け皿40内に流下した
液化COは溢流して塔部27内を還流液として下方に流れ
る。41aは取出パイプで、塔部27の下部側に連通され、
塔部27の底部の貯溜液体COの気化により生成した超低温
気体COを製品COガスとして取り出す。このパイプ41aはC
Oガス取出パイプ41cに連通しており、上記製品COガス
を、熱交換器23を経由させ熱交換させ常温に昇温させた
のち、COガス取出パイプ41cから外部に製品として供給
するようになつている。42は装置外から液体窒素の供給
を受け、これを貯蔵する液体窒素貯槽であり、内部の液
体窒素を導入路パイプ43を経由させて精留塔24の分縮器
部26内に送入し、分縮器部26内における凝縮器25の寒冷
源とする。44は送入液体窒素である。45aは精留塔24の
分縮器部26内において寒冷としての作用を終え気化した
窒素を送出する送出パイプであつて、N2ガス取出パイプ
45cと連通しており、気化した窒素を、熱交換器23を経
由させて熱交換させたのち、N2ガス取出パイプ45cから
外部に送出し使用に供するようになつている。46は上記
精留塔24の塔部27における底部に溜まつた液化CO47を、
液体のまま製品液化COとして取り出す取出パイプであ
る。48は上記製品液化COの貯蔵タンクであり、この貯蔵
タンク48から製品液化COが適宜取り出される。上記取出
パイプ46には、調節弁49が設けられている。50は液面調
節計であり、上記精留塔塔部27における底部の貯留液化
CO47の液面が一定レベルを保つよう、その液面に応じて
調節弁49を制御するようになつている。また、上記導入
路パイプ43に設けられた調節弁51も、上記精留塔24の分
縮器部26内の液体窒素の液面が一定レベルを保つよう、
液面調節計52で制御されるようになつている。なお、上
記吸着筒21および上記熱交換器23,精留塔24は、それぞ
れ図示の一点鎖線で示すように、真空断熱容器53および
54内に収容されている。
この装置は、例えば、CO;70.0vol%,CO2;17.0vol%,N
2;11.5vol%,H2;1.0vol%,O2;0.5vol%の組成の、転炉
ガスからなるCO原料ガスを対象としてつぎのようにして
製品COを製造する。すなわち、原料ガスの吸入貯蔵タン
ク1から送られる原料ガスをフイルター2で除塵したの
ち、圧縮機3により圧縮し、この昇圧の際の加熱により
予熱された原料ガスを、加熱反応により触媒塔4でその
圧縮原料ガス中のO2を除去し、このO2が除去された原料
ガスを再生用熱交換器5および水系熱交換器6で冷却
し、ドレン分離器7で水を除去したのち、さらに、吸着
筒11で残留水分およびエタン,プロパン,アセチレン等
の炭化水素を吸着除去する。ついで、原料ガスは吸着筒
21に送り込まれ、原料ガス中のCO2ガスを吸着除去され
る。このようにして、O2,H2O,CO2が除去された原料ガス
(主成分がCOガスでN2ガス,H2ガスを不純分として含
む、温度約−50℃)を、熱交換器23に送り込んで超低温
(約−172℃)に冷却する。そして、超低温に冷却され
た原料ガスを、精留塔24の下部凝縮器部28内に送入し、
周囲の貯溜製品液化COで冷却されている凝縮パイプ28a
内で原料ガス中のCOおよびN2を液化分離し、H2を気体状
態でH2取出パイプ30を経て外部に放出する。そして、液
化N2を含む液化COを膨脹弁32を介して精留液24の塔部27
内に気液混合状態で導入し、塔部27の精留作用により、
気液混合状態の原料中からCOを液化し塔部27の底部に製
品液化CO47として溜める。この時、上記原料中の不純
H2,N2ガスは、沸点の差により液化せず塔部27を上方に
上昇する。また、上記原料中のCOの一部も液化されず
に、気体のまま上記H2,N2ガス等に随伴して上昇する。
上記上昇H2,N2,COの混合ガスは、第1の還流液パイプ35
から精留塔24の凝縮器25に送入され、ここで、COガスの
みが沸点の差によつて液化され、還流液として第2の還
流液パイプ39を介して精留塔24における塔部27の受け皿
40内に戻る。他方、H2,N2ガスは凝縮器25の上部から廃
ガスパイプ37aによつて取り出される。この廃ガスは、
廃ガスパイプ37aに連通した廃ガスパイプ37cを通過する
間に熱交換器23内で原料ガスと熱交換して再生用熱交換
器5に送られる。そして、上記再生用熱交換器5により
加熱されて送出され、再生作動中の吸着筒11の吸着剤を
再生したのち大気中に放出される。精留塔24における塔
部27の底部に溜まつた製品液化CO47は、製品液化CO取出
パイプ46から液体のまま液化製品として取り出され、貯
蔵タンク48内に一旦貯蔵されたのち適宜使用に供され
る。また、上記製品液化CO47の気化で生成し、上記塔部
27の貯溜製品液化CO47の液面上に滞留するCOガスは、取
出パイプ41a,COガス取出パイプ41cを経由し、その間に
熱交換器23で熱交換されて製品COガスとして外部に取り
出される。また、液体窒素貯槽42から分縮器部26内に送
入された液体窒素は凝縮器25の寒冷作用を終えたのち気
化されて送出パイプ45a,N2ガス取出パイプ45cを経由
し、上記COガスと同様に熱交換器23で熱交換されて外部
に取り出される。
このように、この装置は、上記フイルター2,触媒塔4,
ドレン分離器7,吸着筒11,吸着筒21で不純分が除去され
た原料ガスを精留塔24で深冷液化分離して液化COを製造
するため、得られる液化CO製品の純度が超高純度とな
る。さらに、下部凝縮器部28で、原料ガスである転炉ガ
ス中に通常1%程度含まれるH2ガスを、精留の前段階で
除去することができ、製品COに不純物としてH2ガスが混
入しないため、一層高純度の製品COが得られるようにな
る。しかも、原料ガスの成分組成が変動して精留塔24の
下部凝縮器部28へ送入される原料ガス中のCO分が変動し
その液化量が変動しても、液面計33による膨脹弁32の制
御,液面調節計52による液化窒素供給用導入路パイプ43
の調節弁51の制御および液面調節計50による製品液化CO
取出パイプ46の調節弁49の制御により自動的に対応でき
る。したがつて、原料ガスの成分組成が変動しても常時
一定の純度の高純度製品液化CO,製品COガスを製造しう
る。原料ガスの流入量の変動にも同様に対応できる。ま
た、この装置は、精留塔24における分縮器部26の凝縮器
25内に、精留塔24内の原料ガスの一部を常時案内して液
化するため、凝縮器25内へ液化COが所定量溜まつたのち
は、それ以降生成する液化COが還流液として常時精留塔
24の塔部27内に戻るようになる。したがつて、凝縮器25
からの還流液の流下供給の断続に起因する製品純度のば
らつき(還流液の流下の中断により精留棚では還流液が
なくなりガスの吹き抜け現象を招いて製品純度が下が
り、流下の再開時には純度が回復する)を生じず、常時
安定した純度の製品液化COを供給することができる。さ
らに、この装置は、上記のようにCOガスおよびN2ガスを
製品として供給しうるという効果を奏する外、廃ガスを
水分吸着筒の吸着剤の乾燥再生に使用できるという効果
も有する。
第2図はこの発明の他の実施例を示している。すなわ
ち、第2図の装置は第1図の装置のように製品液化COお
よび製品COガスの双方を製造するのではなく、製品COガ
スのみを製造しうるようにし、その際、製品COガスの需
要量の増加等に対応できるようにバツクアツプライン55
を設けている。上記バツクアツプライン55は、液化CO蒸
発器56,これに製品COの貯蔵タンク48から液化COを供給
するパイプ55a,上記液化CO蒸発器56で気化生成したCOガ
スを製品COガス取出パイプ41cに送入する案内パイプ55
b,この案内パイプ55bに設けられた圧力調節弁57から構
成されている。上記圧力調節弁57は、2次側(使用側)
の圧力が設定圧力より下がると、弁を開き、または弁の
開度を調節し、2次側の圧力が設定圧力を保つよう作用
する。このバツクアツプライン55では、精留塔ラインが
故障したり、または製品COガスの需要量が大幅に増加し
たりして製品COガス取出パイプ46内の圧力が下がると、
上記圧力調節弁57が開成作動するため、上記製品COの貯
蔵タンク48から液化COが液化CO蒸発器56に流れて気化
し、その生成気化COガスが製品COガスとして上記取出パ
イプ41c内に流入するようになつている。それ以外の部
分は第1図の装置と同じである。
この装置は、上記のようにバツクアツプライン55を設
けることにより、精留塔ラインの故障時もしくは精留塔
だけで対応できないような製品COガスの需要量の大幅な
増加時に、上記液化CO蒸発器56を作動させ、上記製品CO
の貯蔵タンク48の液化COを製品COガスとして気化させう
るため、製品COガスの供給がとぎれたり、需要量の大幅
増加時における製品COガスの純度低下が生じない。
なお、第1図の装置において、製品COガス取出パイプ
41aを除去し、製品一酸化炭素の全てを液化COにするこ
ともできる。
また、上記の実施例では、一酸化炭素液化の寒冷源と
して、液体窒素貯槽42の液体窒素を用いているが、寒冷
源はこれに限定されるものではない。上記液体窒素以外
に、液体酸素,液体水素,液化メタン(LNG)等の低温
液化ガスを適宜に用いることができる。場合によつて
は、他の装置で製造された液化COを寒冷源として用いる
ことも可能である。これらの低温液化ガスは、上記実施
例の液体窒素貯槽42と同様の構造の貯槽を同様に設置し
て精留塔24とパイプ連結することにより用いられる。
〔発明の効果〕
この発明の一酸化炭素分離精製装置は、以上のように
構成されているため、超高純度の一酸化炭素を効率よく
製造することができる。しかも、この装置は、精留塔等
の寒冷源として装置外から低温液化ガス貯蔵手段に供給
された低温液化ガスを使用するため、膨脹タービン等の
回転機器を必要とせず、したがつて、回転機器の運転,
保全等の煩雑な手間が不要となるうえ、装置全体の小形
化をも実現することができるようになる。さらに、原料
ガスである転炉ガス中に通常1%程度含まれ、しかもコ
ソーブ法では完全な除去が困難であつたH2ガスを精留の
前段階で除去することができ、製品COに不純物としてH2
ガスが混入することがないため、一層高純度の製品COが
得られるようになる。そのうえ、圧縮手段での昇圧によ
る原料ガスの加熱を、その後の加熱反応の予熱として利
用することができるため、特別に加熱反応の予熱手段を
設ける必要がなく、工程が簡略化するとともに、装置自
体もさらに小型で安価なものになる。また、製鉄所の副
生ガス等から得られる原料ガスに含まれがちなエタン,
プロパン,アセチレン等の炭化水素を効果的に除去する
ことにより、さらに高純度の一酸化炭素が得られるよう
になる。そのうえ、製品一酸化炭素を一酸化炭素ガスと
してだけでなく、液化一酸化炭素としても利用すること
ができるため、一酸化炭素をより広い用途で利用できる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の構成図、第2図は他の実
施例の構成図、第3図は従来例の構成図である。 3……圧縮機、4……触媒塔、5,23……熱交換器、7…
…ドレン分離器、11……吸着筒、21……吸着筒、22b…
…原料ガス送入パイプ、24……精留塔、28……下部凝縮
器部、37a,37c……廃ガスパイプ、38a……パイプ、41c
……COガス取出パイプ、42……液体窒素貯槽、43……導
入路パイプ、45c……N2ガス取出パイプ、46……取出パ
イプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素を含む原料ガスを圧縮する圧縮
    手段と、上記圧縮手段に連接され加熱反応により上記原
    料ガス中の酸素を除去する除去手段と、この酸素が除去
    された原料ガスを冷却する熱交換手段と、上記原料ガス
    中の水分および炭化水素を吸着除去する除去手段と、上
    記原料ガス中の炭酸ガスを吸着除去する除去手段と、上
    記酸素,水分および炭酸ガスが除去された原料ガスを冷
    却するための熱交換手段と、沸点の差により原料ガス中
    の一酸化炭素を液化して内部に溜め不純分ガスを分離し
    て排出する精留塔と、上記熱交換手段から上記精留塔に
    原料ガスを導く原料ガス供給路と、装置外から低温液化
    ガスの供給を受けこれを貯蔵する低温液化ガス貯蔵手段
    と、この低温液化ガス貯蔵手段内の低温液化ガスを一酸
    化炭素液化の寒冷源として上記精留塔に導く導入路と、
    上記精留塔内で寒冷源としての作用を終え気化された低
    温液化ガスを取り出す取出路と、上記精留塔内の貯溜液
    化一酸化炭素を液体のまま製品液化一酸化炭素として取
    り出す取出路および上記貯溜液化一酸化炭素の気化物を
    製品一酸化炭素ガスとして取り出す取出路とを備え、上
    記精留塔に、精留前の原料ガスの一部を液化して内部に
    溜め沸点の差により原料ガス中の水素ガスを分離除去す
    る凝縮器が設けられていることを特徴とする一酸化炭素
    分離精製装置。
  2. 【請求項2】低温液化ガスが、液体窒素である特許請求
    の範囲第1項記載の一酸化炭素分離精製装置。
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