JP2573954B2 - 紡糸口金 - Google Patents

紡糸口金

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JP2573954B2
JP2573954B2 JP62177285A JP17728587A JP2573954B2 JP 2573954 B2 JP2573954 B2 JP 2573954B2 JP 62177285 A JP62177285 A JP 62177285A JP 17728587 A JP17728587 A JP 17728587A JP 2573954 B2 JP2573954 B2 JP 2573954B2
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浩幸 逢坂
祥哲 脇
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、紡糸口金の改良に関するものである。
[従来技術] 従来、溶融紡糸用の紡糸口金はステンレス鋼,白金,
白金合金等の材料にて口金表面を出来るだけ平滑な鏡面
状態となるように作られているが、ポリマーが吐出面で
大きく広がり、ポリマー流の一部が口金吐出孔のまわり
に残り、酸化劣化等によりゲル化し、リング状茶褐色の
固型異物が堆積してくる(以下、口金汚れという)。そ
のため紡出糸条の曲り、ピクツキが発生するようにな
り、その曲り方がひどい口金表面に糸条が接するまでに
なって糸が切れる現象が起こる。そこで通常はこのよう
な状態になった口金面を清掃したり、あるいは固型異物
の清掃除去が困難な場合には紡糸口金を交換するなどし
て口金面の更新を行い、紡糸工程調子を良好に維持して
いる。しかしこの操作は多大の人手を要し、その間の生
産の中断,屑の発生など生産効率を著しく低下させるた
め、口金面の清掃や交換周期を少しでも延長することが
古くから望まれていた。
[発明の目的] 本発明は斯かる欠点を解消すべくなされたものであ
り、紡糸面でのポリマーの濡れを抑えてポリマーの広が
りを抑制すると共に、口金吐出孔のまわりに残った固形
異物の清掃除去を容易とし、生産性,作業性の改善を図
る紡糸口金を提供せんとするものである。
[発明の構成] すなわち、本発明は溶融紡糸口金において、該紡糸口
金の吐出側表面が中心線平均粗さ(Ra)で2.0〜5.0μm
の仕上面に形成され、かつその仕上げ面がTiN,Si3N4,Al
2O3のいずれかの蒸着薄膜で1〜2μmの膜厚に被覆さ
れていることを特徴とする紡糸口金である。
以下、本発明を図面に基いて説明する。第1図は本発
明の具体例を示す要部断面図である。
図において、1は紡糸口金の本体で該本体1には多数
の紡糸孔2が穿孔されている。紡糸孔2は導入孔3とこ
れに続く吐出孔4を有している。5は本体1の吐出側の
表面であり該表面5は中心線平均粗さ(Ra)で2.0〜5.0
mμに仕上げられると共にその仕上面にはTiN,Si3N4,Al2
O3のいずれかが蒸着により被覆され薄膜6を形成してい
る。
ここで本発明にあってはTiN,Si3N4,Al2O3を被覆する
前の吐出側表面5が2.0〜5.0μmRaの粗度に仕上げられ
ていることが必要である。
吐出側表面5が5.0μmRaより大きくなると吐出孔4と
の境界部(エッジ部)7における凹凸差が点線で示す如
く大きくなってポリマーの吐出形態が不整済になり、口
金表面に付着し易く口金汚れが短期間に急激に生じる。
また2.0μmRaより小さいと上記のようなエッジ部の凹凸
差は小さくなって好ましいが、口金表面に付着した固形
異物の除去がきわめて面倒で手間を要するようになる。
又、このように吐出側表面5を2.0〜5.0μmRaの粗度
に仕上げることによって蓮の葉が水をはじくが如くポリ
マーの濡れが極力抑えられると共に、表面5で固化した
ポリマーの固形異物の付着強度は低くなり、口金汚れが
抑制され、かつ掃除除去するのが極めて容易となる。
さらに、この2.0〜5.0μmRaの粗度に仕上げられた表
面5が化合物TiN,Si3N4,Al2O3のいずれかの薄膜6で被
覆された場合、その表面8の硬度が著しく高くなり口金
面清掃等により吐出孔4の表面に傷をつけたりすること
がなく耐久性が向上するのはもちろん、ポリマーの濡れ
は極めて抑えられる。
さらに固化したポリマーの固形異物の付着強度も被覆
前に比べ著しく低くなり、口金汚れも大幅に抑制され
る。このように2.0〜5.0μmRaの粗度に仕上げられた表
面5が化合物TiN,Si3N4,Al2O3の薄膜6で被覆された場
合に効果が大きくなる理由として定性的ではあるが以下
の事を確認している。すなわち、発明者らは表面の仕上
状態に着目し電子顕微鏡で表面状態を調査した結果、上
記化合物の薄膜を2.0〜5.0μmRaの粗度に仕上げられた
表面に被覆する事により凹凸面がまるみをおびた形状に
仕上げられる事を確認した。
このまるみをおびた形状により、ポリマーとの接触面
積が抑えられポリマーの濡れは抑えられて付着強度も低
くなり、その結果口金汚れも大幅に抑制されるものと考
えられる。
この場合、化合物TiN,Si3N4,Al2O3の薄膜6の厚さ
は、通常1〜2μmあれば十分であり、これ以上厚くし
ても効果はそれほど変らない。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
溶融紡糸装置を使用し極限粘度(O−クロロフェノール
中35℃で測定)が0.635のポリエチレンテレフタレート
を紡糸温度285℃,紡糸速度1200m/分にて溶融紡糸し50
デニール/36フイラメントの糸条を得た。
この時用いた口金は第1図に示す如くステンレス鋼よ
り成る厚さ15mm,直径64mmの円形の紡糸口金本体1に36
個のポリマー導入孔3及びそれに連なって孔径270μm,
長さ600μmのポリマー吐出孔4を穿設し、表面5の粗
度をRaで2.5μm,3.5μm,4.5μmに仕上げ、さらに表面
5に厚さ2μmのTiN,Si3N4,Al2O3のいずれかの薄膜6
で被覆されたものである。
又、比較例として、第1図の口金において、表面5の
粗度をRaで0.5μm,1.5μm,6.0μmに仕上げ、さらに表
面5に厚さ2μmのTiNの薄膜で被覆された口金、およ
び表面5の粗度をRaで0.5μm,1.5μm,2.5μm,3.5μm,4.
5μm,6.0μmとなるように仕上げた口金を用いた。
以上の条件による結果は次表に示す通りである。
ここで、紡糸工程調子のうち、口金面堆積異物の調査
は3日間紡糸を行った口金を紡糸パックより取外し吐出
孔を顕微鏡にて観察し吐出孔周辺に堆積した異物の口金
面からの平均高さ(単位:μm)を測定し数値で表わ
す。
又、紡糸断糸が8時間に2回以上発生すると口金面を
清掃することとし、平均の口金清掃周期(単位:日)で
表わす。
ポリマーの各種表面粗度、コーティングとの濡れ角
度,付着強度の調査は、以下の方法で測定した。
<濡れ角度> 各種口金に、溶融前のポリマー(たて4mm,横4mm,高さ
2mmの直方体。以下チップと称す)を置き、口金を300℃
に加熱しチップが完全に溶けた後、第2図の如くこの溶
融チップ9とノズル面との濡れ角θ(単位:度)を測定
した。この濡れ角θが小さい程、口金表面に対しポリマ
ーが濡れにくく、吐出面での広がりが小さいと判定。
<付着強度> 各種ノズルにチップを置き、口金2分間300℃で加熱
し1時間自然冷却した後、ロードセルでこのチップに応
力を与え、チップが剥離するのに要する応力を付着強度
(単位:g)として測定した。この付着強度が小さいもの
程、ポリマーが剥離し易い、すなわち口金吐出孔のまわ
りに残った固形異物の清掃除去が容易であると判定。
以上の結果より、溶融紡糸口金の吐出側表面が2.0〜
5.0μmRaの粗度に仕上げられ、さらにその仕上げられた
表面が化合物TiN,Si3N4,Al2O3のいずれかの薄膜で被覆
されている紡糸口金を使用することによって、紡糸調子
を従来方法に比べ著しく向上せしめることがわかる。さ
らに、付着強度が著しく、低下することより、口金面堆
積異物の清掃除去が容易となり、作業性が向上するのが
明確となった。
<発明の効果> 以上詳述した如く、本発明によれば紡糸口金のノズル
周囲に堆積する異物の発生,成長を抑制し紡糸工程調子
を向上せしめると共に、口金面清掃作業が容易となり、
生産性,作業性を著しく向上させることが可能になると
いう顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の具体例を示す要部断面図,第2図はポ
リマーの濡れ角を説明するための該略図である。 1……紡糸口金の本体,4……吐出孔,5……吐出側の表
面,6……薄膜
フロントページの続き (72)発明者 長井 宏行 松山市北吉田町77番地 帝人株式会社松 山工場内 (56)参考文献 特開 昭53−52713(JP,A) 特開 昭57−193509(JP,A) 特開 昭61−63706(JP,A) 特開 昭63−165105(JP,A) 特開 昭62−57905(JP,A) 実公 昭51−27287(JP,Y2) 実公 昭51−27286(JP,Y2) 「機械工学便覧」改訂第6版、日本機 械学会編1977第5章17−190〜17−191

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融紡糸口金において、該紡糸口金の吐出
    側表面が中心線平均粗さ(Ra)で2.0〜5.0μmの仕上面
    に形成され、かつその仕上げ面が化合物TiN,Si3N4,Al2O
    3のいずれかの蒸着薄膜で1〜2μmの膜厚に被覆され
    ていることを特徴とする紡糸口金。
JP62177285A 1986-12-08 1987-07-17 紡糸口金 Expired - Lifetime JP2573954B2 (ja)

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JP62177285A JP2573954B2 (ja) 1986-12-08 1987-07-17 紡糸口金

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JP29055486 1986-12-08
JP61-290554 1986-12-08
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JPS63270807A JPS63270807A (ja) 1988-11-08
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「機械工学便覧」改訂第6版、日本機械学会編1977第5章17−190〜17−191

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