JPH0657515A - 紡糸口金 - Google Patents

紡糸口金

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JPH0657515A
JPH0657515A JP21514492A JP21514492A JPH0657515A JP H0657515 A JPH0657515 A JP H0657515A JP 21514492 A JP21514492 A JP 21514492A JP 21514492 A JP21514492 A JP 21514492A JP H0657515 A JPH0657515 A JP H0657515A
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JP
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spinneret
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polymer
spinning
nickel
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JP21514492A
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Masaharu Taniguchi
雅春 谷口
Mototada Fukuhara
基忠 福原
Kazuhiko Nishimura
一彦 西村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶融紡糸の際に、紡糸生産工程の阻害要因であ
る紡糸口金のポリマ吐出孔周辺部の汚れの発生、堆積を
抑制して紡糸生産工程を安定化させる紡糸口金を提供す
る。 【構成】クロム、ニッケルおよびコバルトから選ばれた
1種以上の金属からなる鍍金層において、鍍金層に含ま
れる粒子が平均粒径が10μm以下であるフッ化グラフ
ァイト粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子の少な
くとも1種を金属成分100重量部に対して1〜25重
量部を含み、鍍金層をポリマ吐出面もしくはポリマ吐出
面とポリマ吐出孔内面に、0.5〜20μmの厚みで設
けたことを特徴とする紡糸口金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性重合体の溶融
紡糸口金に関するものであり、さらに詳しくは、溶融紡
糸の際に、紡糸生産工程の阻害要因である紡糸口金のポ
リマ吐出孔周辺部の汚れの発生、堆積を抑制して紡糸生
産工程を安定化させる紡糸口金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融紡糸において、溶融した重合体に繊
維形態を付与するために多数の小径のポリマ吐出孔を備
えた紡糸口金により大気中に押し出すことは製糸操作の
第一歩である。従って用いる重合体の性質、また所望の
最終製品の形態に応じ、多種多様の形状寸法の紡糸口金
が提案され、使用されている。さらに、直径が10μm
を下回る極細繊維や、多数の突起を有する複雑な形状の
異形断面繊維、または引き取り速度が5000m/分を
上回る高速紡糸技術などの採用、実用化においても、ど
の様な紡糸口金を用いるかは極めて重要な技術的要素で
ある。
【0003】従来、合成繊維の溶融紡糸に使用される紡
糸口金は、耐腐食性に優れ、加工性も良好なステンレス
鋼から構成されるのが一般的である。ステンレス鋼から
構成される紡糸口金は、長時間高温にさらされるため、
吐出される溶融重合体に含まれる添加物やモノマ、オリ
ゴマ、または熱分解生成物が紡糸口金ポリマ吐出孔周辺
に付着し、これが熱、空気中の酸素等の影響を受けて複
雑に変化しつつ蓄積される。このため吐出ポリマの離型
性が悪くなり、糸の曲がり、ピクツキ、糸切れ等をもた
らし、製糸性が不安定になる。口金ポリマ吐出孔周辺の
汚れの堆積量が多くなった場合には、紡糸を中断し、紡
糸口金のポリマ吐出孔周辺を洗浄するか、もしくは紡糸
口金を交換しなければならない。紡糸口金の洗浄時や交
換時には当然のことながら生産は中断され、また多大の
労力を必要とし製造コストに大きな影響を与える。
【0004】紡糸口金のポリマ吐出孔周辺部の汚れを抑
制するために、例えば酸化防止剤を添加したポリオルガ
ノシロキサンを紡糸口金の吐出側の面に塗布することが
一般に行われている。しかし、酸化防止剤を添加したと
してもポリオルガノシロキサンは次第に熱変性し、汚れ
が堆積してくるので、紡糸口金のポリマ吐出孔周辺の汚
れをヘラ様の道具で時々かき取り、ポリオルガノシロキ
サンを再度塗布するいわゆる口金修正作業が必要であ
る。紡糸口金の修正周期を延長せしめる方法として、紡
糸口金の吐出面を窒素やヘリウムもしくは水蒸気等の不
活性ガスでシールし、付着した汚れの成長を抑制する方
法が一般に知られているが、この方法では多額の投資が
必要であり、且つシール用に使う不活性ガスの費用がか
かるため運転コストが高くなり、パックの脱着や紡糸口
金面修正時の作業性が悪く、更に紡出される糸の物性制
御のための管理が複雑になる等の問題点がある。
【0005】汚れの付着しにくい、または付着したとし
ても清掃しやすい紡糸口金として各種の表面改質技術が
提案されている。中でも例えば、特開昭53−5271
3号公報、特開昭57−193509号公報、特開昭6
3−105105号公報、特開昭63−270807号
公報等には紡糸口金のポリマ吐出面を各種の金属やセラ
ミックでコーティングすることが提案されている。しか
しながらこれら従来技術では、確かに処理の効果が認め
られるもののいまだ満足すべき紡糸口金ではないのが現
状である。また、特開昭51−19812号公報には、
紡糸口金のポリマ吐出側の面にポリオルガノシロキサン
を塗布した後、フッ化グラファイトを塗布した紡糸口金
を用いる方法が提案されているが、依然として紡糸口金
ポリマ吐出孔周辺部に短時間で汚れが発生する。また、
特開昭63−50511には紡糸口金面に直接、平均粒
径5μm以下のフッ化グラファイト粒子を高圧スプレー
を用いて吹き付け、次いで乾熱下で乾燥させる操作を繰
り返すことによって、厚さ50〜500μmの層状に固
着させる紡糸方法が提案されている。この方法について
本発明者らが検討したところ、紡糸口金の吐出孔周辺部
の汚れの成長の抑制に効果が認められたが、フッ化グラ
ファイトの塗布厚を50μm以上とする必要があるた
め、ポリマ吐出孔を精度よく加工することが難しく、ま
たフッ化グラファイト皮膜の欠落等による紡出糸のばら
つきが大きくなる問題があった。
【0006】本発明者らは、鋭意検討の結果、紡糸口金
のポリマ吐出面にフッ化グラファイト粒子もしくはポリ
テトラフロルエチレン粒子の少なくとも1種と特定の金
属とを共析鍍金することで紡糸口金のポリマ吐出孔周辺
部の汚れを防止できることを見い出し、本発明に到達し
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記従
来技術における課題を解決し、製糸性を長期にわたって
安定化させ、清掃作業の頻度を減少させることの可能な
紡糸口金を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、クロム、ニッケルおよびコバルトから選ばれた1種
以上の金属からなる鍍金層において、鍍金層に含まれる
粒子が平均粒径が10μm以下であるフッ化グラファイ
ト粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子の少なくと
も1種を金属成分100重量部に対して1〜25重量部
を含み、鍍金層をポリマ吐出面もしくはポリマ吐出面と
ポリマ吐出孔内面に、0.5〜20μmの厚みで設けた
ことを特徴とする紡糸口金によって達成できる。
【0009】本発明の紡糸口金に用いられるフッ化グラ
ファイトの化学式は、(C2 F)nまたは(CF)n
あり、これら混合物でも良い。また、ポリテトラフロル
エチレンの化学式は(C2 4 n であり、n=3〜1
0であることが好ましい。さらにフッ化グラファイト粒
子もしくはポリテトラフロルエチレン粒子の末端基をフ
ッ素化したものが好ましい。紡糸口金をフッ化グラファ
イト粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子をさらに
フッ素化したものをもって構成すると、特に製糸性の安
定した紡糸口金となる。
【0010】フッ化グラファイト粒子はグラファイト粒
子を300〜600℃でフッ素またはHF等のフッ素化
合物と反応させることにより製造され、市販されてい
る。フッ化グラファイト粒子やポリテトラフロルエチレ
ン粒子は表面エネルギーが極めて低く、水や油さらには
溶融ポリマとの濡れ性が極めて低い物質である。従っ
て、本発明の紡糸口金では溶融ポリマの離型性が高く、
紡糸口金のポリマ吐出孔周辺部への汚れの付着が大幅に
抑制される。本発明の紡糸口金におけるフッ化グラファ
イト粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子は平均粒
径が10μm以下であることが必要である。フッ化グラ
ファイト粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子の平
均粒径が10μmを越えると紡糸口金のポリマとの離型
性が悪くなり、吐出孔周辺部の汚れを防止する効果が軽
減し、また均一な皮膜を得るのが困難である。フッ化グ
ラファイト粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子の
粒子径は現有技術で製造可能な限りで細かいものを用い
る方が本発明の効果は大きいが、粒子径を小さくすると
製造コストが高くなるため、実用的には0.1〜2μm
の平均粒子径を持つフッ化グラファイト粒子もしくはポ
リテトラフロルエチレン粒子を使用することが好まし
い。
【0011】本発明の紡糸口金における鍍金層にはクロ
ム、ニッケルおよびコバルトから選ばれた1種以上の金
属が使われる。フッ化グラファイトのような粒子を容易
に共析可能なニッケルを使うことが好ましい。本発明の
紡糸口金はクロム、ニッケルおよびコバルトから選ばれ
た1種以上の金属からなる鍍金層にフッ化グラファイト
粒子およびポリテトラフロルエチレン粒子の少なくとも
1種が分散含有していることにより、通常のクロム、ニ
ッケル、コバルト等の鍍金やフッ化グラファイト粒子の
塗布では十分得られない紡糸口金のポリマとの離型性と
加工精度が得られれる。
【0012】本発明の紡糸口金におけるスチール鋼は特
に限定されるものではなく、SUS430のようなフェ
ライト系スチール鋼、SUS316やSUS304のよ
うなオーステナイト系スチール鋼、SUS440Cのよ
うなマルテンサイト系スチール鋼、SUS630やSU
S631のような析出硬化系スチール鋼等が使われる。
本発明の紡糸口金における鍍金層の厚みは通常0.5
〜20μmであり、好ましくは1〜5μmである。鍍金
層の厚みが0.5μm未満である場合には、紡糸口金に
おけるポリマとの離型性が十分ではないためポリマ吐出
孔周辺部の汚れ抑制効果は少なく、20μmを越える
と、鍍金層を均一にすることが難しく、また紡出糸のば
らつきが大きくなる。
【0013】本発明における特徴はクロム、ニッケルお
よびコバルトから選ばれた少なくとも1種以上の金属か
らなる鍍金層中に特定の粒子を含有しているものであ
る。粒子はフッ化グラファイト粒子もしくはポリテトラ
フロルエチレン粒子からなる少なくとも1種の粒子であ
って、かかる粒子の含有量は、前記金属100重量部に
対して1〜25重量部とする。フッ化グラファイト粒子
およびポリテトラフロルエチレン粒子が1重量部よりも
少ないと、紡糸口金のポリマとの離型性が十分ではない
ため紡糸口金ポリマ吐出孔周辺部の汚れ抑制効果は少な
く、一方、25重量部よりも多すぎると鍍金層が不均一
となる傾向が増大し、紡出糸のばらつきが大きくなる。
より好ましくは6〜15重量部である。
【0014】本発明の紡糸口金はステンレス鋼からなる
紡糸口金を予め脱油処理した後、水洗いし、希硫酸もし
くは希塩酸で処理し、フッ化グラファイト粒子もしくは
ポリテトラフロルエチレン粒子の少なくとも1種を懸濁
させたクロム、ニッケルおよびコバルトから選ばれた1
種以上の金属からなる鍍金浴中で電気鍍金または無電解
鍍金を行うことによってつくることができる。鍍金浴に
は、通常のクロム、ニッケルおよびコバルトから選ばれ
た1種以上の金属からなる鍍金浴にフッ化グラファイト
もしくはポリテトラフロルエチレンの微粉末を懸濁させ
たものを使用する。フッ化グラファイトもしくはポリテ
トラフロルエチレンの微粉末を懸濁させるにはカチオン
系界面活性剤を使用することが好ましい。鍍金時の条件
としては、通常のニッケル鍍金の条件と同様で十分であ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 常法に従い三酸化アンチモンを重合触媒として用い、テ
レフタル酸とエチレングリコールから極限粘度(o−ク
ロルフェノール中で25℃で測定)0.65のポリエチ
レンテレフタレートを得た。この製造時に、艶消し剤と
して平均一次粒径0.2μmの酸化チタンを6重量%添
加した。得られた重合体を紡糸温度300℃、引取り速
度1500m/分で溶融紡糸を行い、75デニール36
フィラメントの繊維とした。
【0016】使用した口金は0.27mmφの円形吐出
孔が36穿孔された、厚さ15mm、直径100mmの
ステンレス(SUS316)製の紡糸口金でポリマ吐出
面を、苛性ソーダ40g/l、炭酸ソーダ20g/lお
よびアニオン系界面活性剤10g/lからなる温水で脱
脂した後、水洗し、5%硫酸で洗浄し、再度水洗いを施
した後、スルファミン酸ニッケル350g/l、硼酸4
0g/l、カチオン系界面活性剤9g/l、塩化ニッケ
ル50g/l、平均粒径1μmのフッ化グラファイト粉
末300g/lを含む鍍金浴にて、鍍金浴温度50℃、
陰極電流2A/dm2 で電気鍍金を施した。紡糸口金の
ポリマ吐出面にはニッケル100重量部に対して12重
量部のフッ化グラファイト粒子からなる複合鍍金層が4
μmの厚みで形成されていた。
【0017】4日間口金面を清掃することなく連続的に
紡糸を行い、紡糸口金を取り外した後、吐出孔周辺に堆
積している汚れを顕微鏡で観察し、その平均高さを読み
とり、口金汚れの評価を行なった。また、紡糸開始4日
後に得られた糸の単糸繊度を測定し、CV%を求めて糸
特性の指標とした。このときCV%は、紡糸口金吐出孔
周りの加工精度と汚れの発生量の双方を反映している。
なお、表1に結果をまとめて示す。4日間の連続紡糸後
に紡糸口金孔周りに付着した汚れの平均堆積高さは8μ
mであった。また、紡糸開始4日後に得られた糸の単糸
繊度のCV%は0.6であった。
【0018】比較例1 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金を鍍金処理を
施すことなしに用い、紡糸吐出前にジメチルシロキサン
を主体とする離型剤を塗布して紡糸を行った。3日目に
糸切れが発生したが、そのまま清掃することなく4日間
紡糸を続け、口金を取り外し汚れを観察したところ、汚
れの平均堆積高さは36μmであった。また、紡糸開始
4日後に得られた糸の単糸繊度のCV%は2.0であっ
た。
【0019】実施例2 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金に、実施例1
と同様の前処理を施し、スルファミン酸ニッケル350
g/l、硼酸40g/l、カチオン系界面活性剤9g/
l、塩化ニッケル50g/l、平均粒径1μmのフッ化
グラファイト粉末300g/lを含む鍍金浴にて、鍍金
浴温度50℃、陰極電流5A/dm2 で電気鍍金を施し
た。紡糸口金のポリマ吐出面には、ニッケル100重量
部に対して12重量部のフッ化グラファイト粒子からな
る複合鍍金層が10μmの厚みで形成されていた。4日
間の連続紡糸後に紡糸口金孔周りに付着した汚れの平均
堆積高さは5μmであった。また、紡糸開始4日後に得
られた糸の単糸繊度のCV%は0.9であった。
【0020】実施例3 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金に、実施例1
と同様の前処理を施し、スルファミン酸ニッケル350
g/l、硼酸40g/l、カチオン系界面活性剤9g/
l、塩化ニッケル50g/l、平均粒径5μmのフッ化
グラファイト粉末300g/lを含む鍍金浴にて、鍍金
浴温度50℃、陰極電流2A/dm2 で電気鍍金を施し
た。紡糸口金のポリマ吐出面には、ニッケル100重量
部に対して12重量部のフッ化グラファイト粒子からな
る複合鍍金層が5μmの厚みで形成されていた。4日間
の連続紡糸後に紡糸口金孔周りに付着した汚れの平均堆
積高さは11μmであった。また、紡糸開始4日後に得
られた糸の単糸繊度のCV%は1.2であった。
【0021】比較例2 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金に、実施例1
と同様の前処理を施し、スルファミン酸ニッケル350
g/l、硼酸40g/l、カチオン系界面活性剤4g/
l、塩化ニッケル50g/l、粒径約20μmのフッ化
グラファイト粉末350g/lを含む鍍金浴にて、鍍金
浴温度50℃、陰極電流5A/dm2 で電気鍍金を施し
た。紡糸口金のポリマ吐出面には、ニッケル100重量
部に対して5重量部のフッ化グラファイト粒子からなる
複合鍍金層が平均80μmの厚みで形成されていた。4
日間の連続紡糸後に紡糸口金孔周りに付着した汚れの平
均堆積高さは16μmであった。また、紡糸開始4日後
に得られた糸の単糸繊度のCV%は3.4であった。
【0022】実施例4 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金に、実施例1
と同様の前処理を施し、スルファミン酸ニッケル350
g/l、硼酸40g/l、カチオン系界面活性剤4g/
l、塩化ニッケル50g/l、平均粒径1μmのフッ化
グラファイト粉末70g/lを含む鍍金浴にて、鍍金浴
温度50℃、陰極電流2A/dm2 で電気鍍金を施し
た。紡糸口金のポリマ吐出面には、ニッケル100重量
部に対して4重量部のフッ化グラファイト粒子からなる
複合鍍金層が5μmの厚みで形成されていた。4日間の
連続紡糸後に紡糸口金孔周りに付着した汚れの平均堆積
高さは12μmであった。また、紡糸開始4日後に得ら
れた糸の単糸繊度のCV%は0.8であった。
【0023】比較例3 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金に、実施例1
と同様の前処理を施し、スルファミン酸ニッケル350
g/l、硼酸40g/l、カチオン系界面活性剤0.5
g/l、塩化ニッケル50g/l、平均粒径1μmのフ
ッ化グラファイト粉末10g/lを含む鍍金浴にて、鍍
金浴温度50℃、陰極電流2A/dm2で電気鍍金を施
した。紡糸口金のポリマ吐出面には、ニッケル100重
量部に対して0.2重量部のフッ化グラファイト粒子か
らなる複合鍍金層が6μmの厚みで形成されていた。4
日間の連続紡糸後に紡糸口金孔周りに付着した汚れの高
さは平均30μmであった。また、紡糸開始4日後に得
られた糸の単糸繊度のCV%は1.8であった。
【0024】実施例5 実施例1と同一材質、同一形状の紡糸口金に、実施例1
と同様の前処理を施し、スルファミン酸ニッケル350
g/l、硼酸40g/l、カチオン系界面活性剤10g
/l、塩化ニッケル50g/l、平均粒径1μmのポリ
テトラフロルエチレン粉末350g/lを含む鍍金浴に
て、温度50℃、陰極電流5A/dm2で電気鍍金を施
した。紡糸口金のポリマ吐出面には、ニッケル100重
量部に対して18重量部のポリテトラフロルエチレン粒
子からなる複合鍍金層が4μmの厚みで形成されてい
た。4日間の連続紡糸後に紡糸口金孔周りに付着した汚
れの平均堆積高さは9μmであった。また、紡糸開始4
日後に得られた糸の単糸繊度のCV%は0.9であっ
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明の紡糸口金は、ポリマ吐出孔周辺
部の汚れの堆積が極めて低いため、紡糸口金の洗浄周期
を従来の紡糸口金よりも延長することが可能である。ま
た製品のロスの減少、労力の減少が可能となり、且つ糸
の断面形状や太さが均一に保たれ、糸品質が安定する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム、ニッケルおよびコバルトから選ば
    れた1種以上の金属からなる鍍金層において、鍍金層に
    平均粒径が10μm以下であるフッ化グラファイト粒子
    およびポリテトラフロルエチレン粒子の少なくとも1種
    を金属成分100重量部に対して1〜25重量部を含
    み、該鍍金層をポリマ吐出面、もしくはポリマ吐出面と
    ポリマ吐出孔内面に、0.5〜20μmの厚みで設けた
    ことを特徴とする紡糸口金。
  2. 【請求項2】フッ化グラファイト粒子およびポリテトラ
    フロルエチレン粒子の平均粒径が2μm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の紡糸口金。
JP21514492A 1992-08-12 1992-08-12 紡糸口金 Pending JPH0657515A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010021300A (ko) * 1999-08-19 2001-03-15 김정식 방사 노즐, 방사 노즐을 장착한 방사 니플, 그리고 이들의제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010021300A (ko) * 1999-08-19 2001-03-15 김정식 방사 노즐, 방사 노즐을 장착한 방사 니플, 그리고 이들의제조방법

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