JP2573836B2 - 転轍機出力信号極性検出回路 - Google Patents

転轍機出力信号極性検出回路

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、転轍機の転換状態を示す出力信号を検出
するための極性検出回路に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、転轍機は、定位側制御条件または反位側制御
条件によって定位(一方の軌道が形成された状態)また
は反位(転換されて他方の軌道が形成された状態)の各
状態に制御される。そして、転轍機が定位に制御された
ときは、転轍機から正極の直流電圧信号(例えば+24
V)が処理装置に出力され、反位に制御されたときは負
極の直流電圧信号(例えば−24V)が処理装置に出力さ
れる。なお、定位と反位の間の切り換え期間中は電圧信
号が出力されない。
処理装置では、転轍機が定位にあるのか、反位にある
のか、または転換中かの状態を検出して、転轍機の制御
条件と転轍機が制御されて実際に動作した結果の状態と
が一致していることを確認して、列車に対する進行信号
を表示するなどの動作を行っている。
従来では、転轍機から入力される定位、反位および転
換中を示す信号を検出するのに、3位の有極継電器が用
いられていた。この有極継電器は、電磁石のコイルが順
方向に電流が流れて励磁された場合には中位にあった可
動片が所定の方向に移動してN接点が形成され、逆方向
に電流が流れて励磁された場合には可動片が反対方向に
移動してR接点が形成され、電流が流れずに無励磁の場
合には可動片が中位にあってN,Rいずれの接点も形成さ
れない。このように、有極継電器によって転轍機の定
位,反位および転換中の3位の状態が検出できる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来では、このように転轍機の出力信号を検出するの
に有極の継電器を用いているため、雑音吸収用のダイオ
ードを使用することができない。一般に、継電器は励磁
用のコイルを使用しているために誘導負荷となり、励磁
電流をオフしたときに電流制御用の接点間に大きな逆起
電力が発生し、これによりスパークを生じて雑音の原因
になったり、接点を劣化させたりする。そのため、電流
方向と逆方向の極性のダイオードをコイルに並列に接続
して、コイルに発生した逆起電力をこのダイオードに流
して吸収し、スパークの発生を抑止することが一般的に
行われている。
しかしながら、有極の継電器ほ場合は、励磁コイルに
は一方向だけでなく両方向に流れるために、このような
逆起電力吸収用のダイオードを使用することはできな
い。このため、従来の有極継電器を使用した極性検出回
路では、高いレベルの雑音電圧が発生するという問題が
あった。
また、有極継電器は形状が大きく、価格も高価である
という問題も有していた。
〔問題点を解決するための手段〕
このような問題を解決するためにこの発明は、転轍機
からの出力信号を入力する端子間にダイオードによりブ
リッジ回路を構成し、ブリッジの対角点間をオン・オフ
制御する第1フォトカップラと、ブリッジに正極性信号
が流れるときにその電流を検出する第2のフォトカップ
ラと、ブリッジに負荷性信号が流れるときにその電流を
検出する第3のフォトカップラとを設けたものである。
〔作用〕
第1のフォトカップラがオンのとき、転轍機が転換中
の場合は第2,第3のフォトカップラはともにオフとな
り、転轍機が定位の状態の場合は第2のフォトカップラ
のみがオンとなり、転轍機が反位の状態の場合は第3の
フォトカップラのみがオンとなる。また、第1のフォト
カップラがオフのときは、転轍機がいかなる状態であっ
ても第2,第3のフォトカップラはともにオフとなる。
〔実施例〕
第1図なこの発明の1つの実施例を示す回路図であ
る。
図において、入力端子A、Bには転轍機から出力信号
が入力されようになっている。転轍機が定位のときは入
力端子Bに対して入力端子Aが正極電圧(例えば+24
V)になる正極性信号が入力され、転轍機が反位のとき
は入力端子Bに対して入力端子Aが負極電圧(例えば−
24V)になる負極性信号が入力される。転轍機が転換中
のときは入力端子A,Bとも電圧が入力されない。
なお、入力端子AとBの間には抵抗R1が接続されてい
る。
ブリッジ回路は4つのダイオードD1、D2、D3、D4によ
り構成されており、ブリッジ回路の入力端となるノード
aとノードbとの間には、ダイオードD1とD2の直列体
と、ダイオードD3とD4の直列体とが並列に接続されてい
る。ダイオードD1とD2の直列体は、各ダイオードがアノ
ードを突き合わせてノードdに接続して構成され、ダイ
オードD1のカソーゾはノードaに、ダイオードD2のカソ
ードはノードbにそれぞれ接続されている。また、ダイ
オードD3とD4の直列体は、各ダイオードがカソードを突
き合わせてノードcに接続して構成され、ダイオードD3
のアノードはノードaに、ダイオードD4のアノードはノ
ードbにそれぞれ接続されている。
そして、ノードcとdの間、すなわちブリッジの対角
点間にはフォトカップラPC3のフォトトランジスタのコ
レクタ、エミッタがそれぞれ接続されている。
さらに、ダイオードD1にはフォトカップラPC1のフォ
トダイオードが同極性になるように直列に接続され、ダ
イオードD3にはフォトカップラPC2がフォトダイオード
が同極性になるように直列に接続されている。
このブリッジ回路は、ノードaが電流制限用の抵抗RS
を介して入力端子Aに接続され、ノードbが入力端子B
に直接接続されている。
フォトカップラPC1のフォトトランジスタはエミッタ
が接地され、コレクタは端子Rに接続され、フォトカッ
プラPC2のフォトトランジスタはエミッタが接地され、
コレクタは端子Nに接続されている。また、、フォトカ
ップラPC3のフォトダイオードはカソードが接地され、
アノードは端子CHKに接続されている。
各端子R,N,CHKは抵抗を介して「1」レベルの+5電
源にプルアップ接続されており、端子R、Nの出力信号
はインバータを介してレベルが反転されてR信号、N信
号として出力されるようになっており、また、端子CHK
には「1」レベルと「0」レベルで制御されるCHK信号
がバッファを介して入力されるようになっている。
第5図は転轍機と極性検出回路と連動装置との関係を
示すブロック図である。転轍機1からは上記のような定
位、反位、転換中を示す転換状態表示出力信号11が出力
され、第1図に示すような極性検出回路2の入力端子
A、Bに入力されるようになっている。電子回路からな
る処理装置3からはCHK信号(回路チェック信号)31が
極性検出回路2に入力され、これに基づいて極性検出回
路2からはR信号21、N信号22(転換状態検出信号)が
処理装置3に出力されるようになっている。
以下、第1図に示す極性検出回路の動作について説明
する。転轍機が定位、反位、転換中の各状態のときの動
作説明を順次行う。
〔転轍機が定位の状態のとき〕
入力端子A,B間に入力端子Aが正電圧になるような正
極性信号が入力されると、ブリッジ回路のノードab間
に、ノードaが正電圧になる直流電圧が供給される。
このとき、フォトカップラPC3は、CHK信号が「0」レ
ベルのときは端子CHKは「0」レベルになり、フォトカ
ップラには電流は流れずフォトトランジスタはオフ状態
になっている。このため、ブリッジ回路には電流は流れ
ず、端子R,Nとも「1」レベルになっており、R信号,N
信号はともに「0」レベルになっている。
ここで、CHK信号が「1」レベルになると、端子CHKは
「1」レベルのオン信号が供給されて「1」レベルにな
るため、フォトカップラPC3のフォトダイオードに電流
が流れ、フォトトランジスタはオン状態になる。この結
果、ノードcとdの間に電流が流れる流路が形成され、
ノードa→フォトカップラPC2とフォトダイオード→ダ
イオードD3→ノードc→フォトカップラPC3のフォトト
ランジスタ→ノードd→ダイオードD2→ノードbの回路
に電流が流れる。
この通電により、フォトカップラPC2のフォトダイオ
ードが発光してフォトトランジスタはオン状態になり、
端子Nは「0」レベルになる。これにより、N信号は
「1」レベルになる。
なお、端子Rは「1」レベルのままで、R信号は
「0」レベルである。
〔転轍機が反位の状態のとき〕
入力端子A,B間に入力端子Aが負電圧になるような負
極性信号が入力されると、ブリッジ回路のノードab間
に、ノードaが負電圧になる直流電圧が供給される。
この場合、CHK信号が「0」レベルであるとフォトカ
ップラPC3のフォトトランジスタがオフになり、ブリッ
ジ回路に電流が流れず、端子R,Nは上記と同様にともに
「1」レベルになっており、R信号,N信号は「0」レベ
ルになっている。
そして、CHK信号が「1」レベルになってフォトカッ
プラPC3がオン状態になったときは、ノードb→ダイオ
ードD4→ノードc→フォトカップラPC3のフォトトラン
ジスタ→ノードd→ダイオードD1→フォトカップラPC1
のフォトダイオード→ノードaの回路に電流が流れる。
これにより、フォトカップラPC1はオン状態になり、
端子Rは「0」レベルになる。これにより、R信号は
「1」レベルになる。
なお、端子Nは「1」レベルのままで、N信号は
「0」レベルである。
〔転轍機が転換中のとき〕
入力端子A,B間には直流電圧は供給されないので、ブ
リッジ回路には電流は全く流れない。したがって、CHK
信号が「0」でも「1」でも、端子R,Nは常に「1」レ
ベルであり、R信号,N信号は「0」レベルになってい
る。
転轍機が定位で入力端子Aの極性が正のときと、反位
で入力端子Aの極性が負のときに、CHK信号の「1」、
「0」に対応してN信号、R信号のレベルは下記の真理
値表に示すようになる。
したがって、CHK信号に対応してN信号とR信号のレ
ベルをチェックすれば、転轍機が現在定位にあるのか反
位にあるのかの状態を検出することができる。
このように、この極性検出回路は従来の有極継電器と
全く同じに転轍機の状態検出を行うことができる。
また、この極性検出回路は、素子の異常も検出でき
る。
回路の各素子が正常であれば、CHK信号を「1」,
「0」レベルに制御することにより、転轍機が定位の場
合にはN信号がこれに対応して「1」,「0」レベルに
なり、転轍機が反位の場合にはR信号がこれに対応して
「1」,「0」レベルになる。
しかしながら、回路の素子のうちいずれかが故障して
いるとこのような関係が成立しなくなる。例えば、フォ
トカップラPC2が故障してダイオードに電流が流れても
トランジスタがオンしなくなったとする。このような場
合、CHK信号の制御とは無関係にN信号は「0」レベル
に固定されてしまう。また、フォトカップラPC2が故障
してダイオードに電流が流れなくてもトランジスタがオ
ンしてしまうような場合は、CHK信号の制御とは無関係
にN信号は「1」レベルに固定されてしまう。フォトカ
ップラPC2が故障した場合も同様に、CHK信号の制御とは
無関係にR信号が「0」または「1」のレベルに固定さ
れてしまう。ダイオードが故障した場合も、同様にレベ
ルが固定されてしまう。
したがって、N信号,R信号のレベル状態とCHK信号の
レベル状態との関係を処理装置でチェックすることによ
り、回路の素子の故障を検出することができる。
以上の第1図の実施例では、フォトカップラPC1,PC2
はブリッジ回路のダイオードD1,D3に直列にそれぞれ接
続したが、フォトカップラPC1はダイオードD4に直列に
接続することもでき、また、フォトカップラPC2はダイ
オードD2に直列に接続することもできる。
第2図〜第4図は、これらの各組み合わせをした他の
実施例の回路図である。動作は第1図の実施例と同様で
ある。
なお、第2図〜第4図において、各端子N,R,CHKの外
部に接続された+5V電源、プルアップ抵抗、インバー
タ、バッファなどは、第1図と全く同じなので省略し
た。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明は、4つのダイオードか
らなるブリッジ回路に3つのフォトカップラを組み合わ
せ、ダイオードブリッジに流れる正極性電流、負極性電
流を検出することにより、簡単な回路構成で転轍機の転
換状態を検出することができる。このため、従来の有極
継電器に比して、無接点であることにより雑音の発生は
なく、形状も小さく、低コストになるという効果があ
る。
また、CHK信号のレベルを制御することにより、N信
号,R信号の各出力レベルをチェックしてフォトカップラ
など回路素子の故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の1つの実施例を示す回路図、第2図
〜第4図は他の実施例を示す回路図、第5図は極性検出
回路の前後接続を示すブロック図である。 PC1〜PC3……フォトカップラ、D1〜D4……ダイオード、
A,B……入力端子、R,N,CHK……端子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の入力端子(A)、第2の入力端子
    (B)、第1の出力端子(N)、第2の出力端子(R)
    およびチェック端子(CHK)を有し、転轍機が定位の時
    には第1の入力端子(A)が正極性となる直流電圧が供
    給され、転轍機が反位の時には第1の入力端子(A)が
    負極性となる直流電圧が供給され、転轍機が転換中の時
    には第1の入力端子(A),第2の入力端子(B)間に
    直流電圧が供給されないように構成された転轍機出力信
    号極性検出回路において、 第1,第2,第3,第4のダイオードからなるブリッジ回路
    と、第1のフォトカップラ(PC3)と、第2のフォトカ
    ップラ(PC2)と第3のフォトカップラ(PC1)とから構
    成され、 ブリッジ回路は、第1のダイオード(D1)と第2のダイ
    オード(D2)の各アノードがともに第4のノード(d)
    に接続されるとともに、第1のダイオード(D1)のカソ
    ードが第1のノード(a)を経て第1の入力端子(A)
    に、第2のダイオード(D2)のカソードが第2のノード
    (b)を経て第2の入力端子(B)にそれぞれ接続さ
    れ、第3のダイオード(D3)と第4のダイオード(D4)
    の各カソードがともに第3のノード(c)に接続される
    とともに、第3のダイオード(D3)のアノードが第1の
    ノード(a)に、第4のダイオード(D4)のアノードが
    第2のノード(b)にそれぞれ接続されたものであり、 第1のフォトカップラ(PC3)は、チェック端子(CHK)
    にオン信号が供給された時に、ブリッジ回路の第3ノー
    ド(c)から第4ノード(d)へ電流が流れる流路を形
    成するものであり、 第2のフォトカップラ(PC2)は、フォトトランジスタ
    が第1の出力端子(N)に接続されるとともに、フォト
    ダイオードがブリッジ回路の第3のダイオード(D3)ま
    たは第2のダイオード(D2)に同極性に直列に接続され
    るものであり、 第3のフォトカップラ(PC1)は、フォトトランジスタ
    が第2の出力端子(R)に接続されるとともに、フォト
    ダイオードがブリッジ回路の第1のダイオード(D1)ま
    たは第4のダイオード(D4)に同極性が直列に接続され
    るものであり、 第1の出力端子(N)は、第2のフォトカップラ(PC
    2)がオフ状態のときとオン状態のときで異なる論理出
    力(1,0)を出力し、 第2の出力端子(R)は、第3のフォトカップラ(PC
    1)がオフ状態のときとオン状態のときで異なる論理出
    力(1,0)を出力する ことを特徴とする転轍機出力信号極性検出回路。
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