JP2573693B2 - 画像入力装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は画像入力装置に関し、特に被検査対象物の被
照合パターンを光学的に入力する画像入力装置に関す
る。

〔従来の技術〕

一般に、指紋には、「万人不同」および「終生不変」
の性質がある。このため、画像処理およびパターン認識
技術を用いて、入力指紋と予め登録されている登録指紋
との同一性を照合して個人を同定する指紋照合システム
は極めて高い信頼性を有するものとなり、従来より各種
のシステムが提案されている。

かかる指紋照合システムにおいては、指紋照合の対象
となる指紋のパターンを光学的に検出して電気信号に変
換することが必要となるが、この種の画像入力装置とし
ては、例えば特開昭54−85600号公報に見られるよう
に、プリズムの載置面上に載置された指に対して、その
載置面の裏面から光学的境界変化を利用して、光源とIT
V（Industrial Television）等の撮像装置とにより指紋
パターンの光電変換像を発生する画像入力装置が知られ
ている。

第５図（Ａ）は、かかる画像入力装置におけるプリズ
ム10と、被検査対象物である指８との配置関係を示す平
面図であり、第５図（Ｂ）はその正面図で、図示しない
光源からの光路も併せて図示したものである。

プリズム10は、光の入射面11と、指８を載置する載置
面である反射面12と、この反射面12からの反射光を導出
する導出面13との三面を独立に有する。

第５図（Ｃ）は導出面13から得られる指紋パターンの
一例である。なお、指紋パターンの登録は第５図（Ｃ）
に示す如き状態の指紋パターンを使って行われる。

ところで、上述した従来の画像入力装置の場合、指８
の載置に際して何ら制約を施さないと、利用者の勝手な
向き等で指がプリズム10上に載置されることになる。そ
して、例えば第６図（Ａ），（Ｂ）に示す如く指８が真
っ直ぐでなく或る角度をもってプリズム10上に載置され
ると、得られる指紋パターンは第６図（Ｃ）の如く第５
図（Ｃ）の指紋パターンを或る角度回転したものとな
る。また、例えば第７図（Ａ），（Ｂ）に示す如く指８
が所定の位置より行き過ぎて載置されると、得られる指
紋パターンは第７図（Ｃ）の如く第５図（Ｃ）の指紋パ
ターンを平行移動したものとなり、最悪時には一部欠落
してしまう。以上のような形で入力指紋が採取される
と、事前に登録してある第５図（Ｃ）の如き指紋パター
ンとの照合には、両パターンどうしの平行移動，回転等
を考慮した複雑な位置合わせ処理が前処理として必要に
なる。

そこで、本発明者は先の特許出願（特願昭61−271328
号）において、プリズムの反射面上に被検査対象物たる
指の少なくとも両側部と端部とに沿うガイドを設けた画
像入力装置を提案した。この画像入力装置によれば、第
６図（Ａ），（Ｂ）の如き形態の指の載置や、第７図
（Ａ），（Ｂ）の如き形態の指の載置がガイドによって
防止できて指の載置条件を或る程度同一にすることが可
能となり、その分、入力指紋パターンと登録パターンと
の位置合わせ処理を簡略化することが可能となった。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、被検査対象物たる指の少なくとも両側
部と端部とに沿うガイドは、指の太さのバラツキ等を考
慮して大きめに作る必要がある為、細い指の場合にはガ
イドが無いときに比べては少ないものの或る程度指紋パ
ターンの回転，横方向への平行移動が生じる。

そこで本発明の目的は、指の太さにかかわらず常にほ
ぼ一定の載置状態を得ることができる画像入力装置を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するために、光の入射面お
よびこの入射面を経た光を反射する反射面ならびにこの
反射光を導出する導出面の三面を独立に有するプリズム
の前記反射面上に載置された被検査対象物の有する被照
合パターンを、前記導出面からの光を用いて入力する画
像入力装置において、 前記プリズムの反射面上に設けられ、互いに対向する
面に半指型加工面を有する左ガイド部材および右ガイド
部材と、 前記左ガイド部材に連結され左右方向に進退自在な左
歯車連結プレート，前記右ガイド部材に連結され左右方
向に進退自在な右歯車連結プレート，前記左歯車連結プ
レートと前記右歯車連結プレートとの対向する辺に各々
設けられた歯形成部に噛み合う歯車および前記左ガイド
部材と前記右ガイド部材とを互いに引き合う方向に引っ
張るバネから構成され、前記双方の半指型加工面で挟ま
れた空間に被検査対象物が挿入されていないときには前
記空間の幅が被検査対象物の幅より小さくなるまで前記
左ガイド部材と前記右ガイド部材とを接近させ、前記空
間に被検査対象物が挿入されるのに従って、前記空間の
幅が被検査対象物の幅より小さくなっている最接近状態
から互いに離れる方向に、前記右ガイド部材および前記
左ガイド部材を左右に同じ量だけ移動させる機構とを備
えている。

〔作用〕

本発明の画像入力装置においては、被検査対象物が載
置されていない状態では、プリズムの反射面上に設けら
れたガイドを構成する一対のガイド部材が互いに引き合
う方向に付勢されており、双方の半指型加工面で挟まれ
る空間は比較的狭くなっている。この状態で、指の第１
関節部分が双方の半指型加工面から突設する位置決め用
ガイド辺に載るように、被検査対象物たる指を双方の半
指型加工面で挟まれる空間に挿入して両ガイド部材を左
右に押し広げるようにすると、左側のガイド部材は左
へ、右側のガイド部材は右へ、それぞれ同じ量だけ移動
して空間が広げられ、指が所定の載置状態でプリズムの
反射面上に載置される。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。

第１図，第２図および第３図を参照すると、本発明の
画像入力装置の一実施例は、第５図乃至第７図で説明し
たプリズム10の反射面上に、右ガイド部材１と左ガイド
部材２とから構成されるガイドが設けられている。右ガ
イド部材１と左ガイド部材２との対向する面は、半指型
加工面1b,2bに加工されており、図示する如く両ガイド
部材1,2が最も接近している状態では、両半指型加工面1
b,2bで囲まれた空間の幅は被検査対象物たる指の幅より
十分に狭くなっている。また、双方の半指型加工面1b,2
bの所定の箇所には、図示の如き形状の薄板の関節載置
片1a,2aが突設されている。さらに、右ガイド部材１は
略逆Ｌ字型の右歯車連結プレート３に連結され、左ガイ
ド部材２は略Ｌ字型の左歯車連結プレート４に連結され
ている。

他方、レール部5a,5bを有する台座５があって、右歯
車連結プレート３はその下部に設けられた溝部3bにレー
ル部5aが緩挿された状態で台座５上に載置され、左歯車
連結プレート４はその下部に設けられた溝部4bにレール
部5bが緩挿された状態で台座５上に載置されている。ま
た、右歯車連結プレート３の内側と左歯車連結プレート
４の外側とには歯形成部3a,4aがあり、台座５に取り付
けられた歯車７とそれらの歯形成部3a,4aとが噛み合っ
ている。そして、右歯車連結プレート３と左歯車連結プ
レート４とはバネ６により互いに引き合う方向に付勢さ
れている。

本実施例の画像入力装置は、上述した如き構成を有す
る為、被検査対象物たる指の第１関節部が関節設置片1
a,2aに載るようにして指を双方の半指型加工面1b,2bで
囲まれた空間に挿入し押し下げると、双方のガイド部材
1,2がその押し下げられた指から左右への力を受け、第
４図に示すように、歯車７の回転により右歯車連結プレ
ート３は右方向に、左歯車連結プレート４は左方向に、
それぞれ同量だけレール部5a,5bに案内されて移動し、
各々のプレート3,4に連結されている右ガイド部材1,左
ガイド部材２が左右に同量だけ移動し、指を挟み込むに
足りる空間をプリズム10の反射面上に作る。そして、押
捺後、指を離すと、バネ６により歯車７が反対方向に回
転し、右ガイド部材１が左方向に、左ガイド部材２が右
方向にそれぞれ同量だけ移動して、元の閉じた状態とな
る。

本実施例の画像入力装置は以上のように構成され且つ
動作するものであり、指を載せる際、右ガイド部材１と
左ガイド部材２との間の空間が狭められているので、細
い指であっても斜め方向に載置されたり左右方向にばら
ついて載置されることがなくなる。また、関節載置片1
a,2aを設けたことにより、指の前後方向のばらつきも少
なくなる。更に、左右のガイド部材1,2がストッパーの
役割を果たす為、第７図（Ａ），（Ｂ）の如き指の行き
過ぎを確実に防止することができる。よって、回転や水
平移動等に極力生じない指紋パターンを入力することが
でき、以後の照合処理に先立って行う位置合わせ処理を
軽減することができる。

以上本発明の一実施例について説明したが、本発明は
以上の実施例にのみ限定されず、その他各種の付加変更
が可能である。例えば、被検査対象指の安定な載置を確
保するために、その両側の指の少なくとも一方あるいは
他の指を、先に出願した特願昭61−271328号添付明細書
および図面に記載された単一指用載置ガイドでガイドす
る構造を採用しても良く、さらに指のみならず掌を載置
する平面を設け、掌を固定した上で本発明にかかるガイ
ドに従い指紋パターンを入力させるうようにしても良
い。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の画像入力装置において
は、被検査対象物たる指を載置する以前のガイドの状態
は両ガイド部材が互いに引き合う方向に付勢されていて
双方の半指型加工面で挟まれた空間が比較的狭くなって
いること、指をその空間に挿入してガイド部材を左右に
押し広げると両ガイド部材が左右に同量だけ移動するこ
と、および指の第１関節部分を載置せしめる位置決め用
ガイド辺を設けたことにより、複数回にわたり繰り返さ
れる指の載置において、指のサイズの大小にかかわらず
指の載置状態を極力均一にすることが可能となる。この
結果、入力指紋パターンと登録指紋パターンとの位置合
わせ処理がより一層簡単なものになるという効果があ
る。また、ガイド部材を左右に押し広げればプリズムの
載置面が広く開放されるので、載置面の清掃も容易とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の平面図、 第２図は本発明の一実施例の正面図、 第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、 第４図は指を載置したときの状態を示す平面図、 第５図は従来の画像入力装置の説明図、 第６図および第７図は従来の画像入力装置の問題点の説
明図である。 図において、 １……右ガイド部材 1a……関節載置片 1b……半指型加工面 ２……左ガイド部材 2a……関節載置片 2b……半指型加工面 ３……右歯車連結プレート 3a……歯形成部 3b……溝部 ４……左歯車連結プレート 4a……歯形成部 4b……溝部 ５……台座 5a,5b……レール部 ６……バネ ７……歯車 ８……指 10……プリズム 11……入射面 12……反射面（載置面） 13……導出面

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光の入射面およびこの入射面を経た光を反
   射する反射面ならびにこの反射光を導出する導出面の三
   面を独立に有するプリズムの前記反射面上に載置された
   被検査対象物の有する被照合パターンを、前記導出面か
   らの光を用いて入力する画像入力装置において、 前記プリズムの反射面上に設けられ、互いに対向する面
   に半指型加工面を有する左ガイド部材および右ガイド部
   材と、 前記左ガイド部材に連結され左右方向に進退自在な左歯
   車連結プレート，前記右ガイド部材に連結され左右方向
   に進退自在な右歯車連結プレート，前記左歯車連結プレ
   ートと前記右歯車連結プレートとの対向する辺に各々設
   けられた歯形成部に噛み合う歯車および前記左ガイド部
   材と前記右ガイド部材とを互いに引き合う方向に引っ張
   るバネから構成され、前記双方の半指型加工面で挟まれ
   た空間に被検査対象物が挿入されていないときには前記
   空間の幅が被検査対象物の幅より小さくなるまで前記左
   ガイド部材と前記右ガイド部材とを接近させ、前記空間
   に被検査対象物が挿入されるのに従って、前記空間の幅
   が被検査対象物の幅より小さくなっている最接近状態か
   ら互いに離れる方向に、前記右ガイド部材および前記左
   ガイド部材を左右に同じ量だけ移動させる機構とを備え
   ることを特徴とする画像入力装置。
2. 【請求項２】前記各々のガイド部材における半指型加工
   面の所定の箇所に位置決め用ガイド辺が突設されてなる
   請求項１記載の画像入力装置。