JP2573370B2 - 電子写真感光体およびその製法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製法

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JP2573370B2
JP2573370B2 JP25158789A JP25158789A JP2573370B2 JP 2573370 B2 JP2573370 B2 JP 2573370B2 JP 25158789 A JP25158789 A JP 25158789A JP 25158789 A JP25158789 A JP 25158789A JP 2573370 B2 JP2573370 B2 JP 2573370B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、複写機等の画像形成装置に使用される電
子写真感光体およびその製法に関するものである。
〈従来の技術〉 近時、いわゆるカールソンプロセスを利用した、複写
機等の画像形成装置においては、光照射により電荷を発
生させる電荷発生材料と、発生した電荷を輸送する電荷
輸送材料とを併用することにより、電荷発生機能と電荷
輸送機能とを分離した、いわゆる機能分離型のものが、
高感度化が容易であるため、多用されている。この機能
分離型の感光体としては、上記電荷発生材料を含有した
電荷発生層と、電荷輸送材料を含有した電荷輸送層とを
備えた積層型の感光層を、導電性基体の表面に形成した
積層型のものと、電荷発生材料および電荷輸送材料を含
有した単層型の感光層を、導電性基体の表面に形成した
単層型のものとがある。
また、上記機能分離型の感光体においては、導電性基
体の表面に形成された単層型または積層型の感光層の全
体を、上記電荷発生材料や電荷輸送材料等の機能成分を
結着樹脂中に含有させた有機の層とした有機感光体が、
上記積層型の感光層の一部を、上記有機の層とした複合
型感光体が、材料の選択幅が広く、生産性に優れ、且つ
機能設計の自由度が高いために好適に用いられている。
また、最近では、帯電、露光、除電等の画像形成プロ
セスを繰り返し行った際に、上記有機感光体や複合型感
光体中の有機の層が疲労して帯電量低下や感度低下等を
生じることを防止するため、通常の電荷輸送材料に加え
て、上記帯電量低下や感度低下等の防止作用に優れた、
電荷輸送材料としてのm−フェニレンジアミン系化合物
を、機械的強度等の物性に優れた、結着樹脂としてのポ
リカーボネート中に含有させた感光体が提案されてい
る。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところが、上記m−フェニレンジアミン系化合物を含
有する感光体は、特に、画像形成装置の運転時等、感光
体が加熱された状態(通常は60℃前後)において、蛍光
灯やキセノンランプ、或いは太陽光等が照射されると、
これらの光の中に含まれる紫外線により、感度低下を起
こすという問題があった。
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、画像形成プロセスを繰り返し行った際の、帯電量低
下や感度低下等の防止作用に優れたm−フェニレンジア
ミン系化合物を含有し、しかも紫外線照射による感度低
下(紫外線劣化)を起しにくい電子写真感光体およびそ
の製法を提供することを目的としている。
〈課題を解決するための手段および作用〉 上記課題を解決するため、発明者らは、形成された層
のガラス転移温度と、感度低下との関係を検討した。
すなわち、前記紫外線劣化は、m−フェニレンジアミ
ン系化合物が、自身の紫外線吸収、或いは、電荷発生材
料等の紫外線吸収物質からのエネルギー伝達によって励
起し、二量化反応もしくは分解反応を生じて、感光体の
感度を低下させるキャリアトラップとなる物質に変化す
ることが原因であると考えられているが、ポリカーボネ
ートを主体とする層のガラス転移温度が、運転時等にお
ける電子写真感光体の加熱温度(60℃)よりも低いと、
上記加熱状態において、層がガラス転移して、この層を
構成するポリカーボネートが上記励起エネルギーを伝達
しやすい状態となり、m−フェニレンジアミン系化合物
の二量化反応、分解反応を助長するのではないかと推測
して検討を行ったのである。
また、上記のように、層がガラス転移温度以上に加熱
されると、層と下地との間で熱膨張率等の物性の差が大
きくなり、層の下地への密着性が低下して、この層と下
地との間の導電率が低下することも、感度低下の原因の
1つであると考えられる。
そして、上記検討の結果、ポリカーボネートを主体と
する層のガラス転移温度が62℃以上であれば、前記加熱
状態においても層がガラス転移する虞がなく、実用上問
題のない画像が得られることを見出し、この知見に基づ
いて、この発明を完成するに至った。したがって、この
発明の電子写真感光体は、結着樹脂としてのポリカーボ
ネート中に、電荷発生材料としてのアンサンスロン系化
合物と、電荷輸送材料としてのm−フェニレンジアミン
系化合物とを含有する層を備えた電子写真感光体におい
て、上記層のガラス転移温度が62℃以上であることを特
徴とし、この発明の電子写真感光体の製法は、結着樹脂
としてのポリカーボネート中に、電荷発生材料としての
アンサンスロン系化合物と、電荷輸送材料としてのm−
フェニレンジアミン系化合物とを含有する層を110℃以
上の温度で30分以上熱処理して、上記層のガラス転移温
度を62℃以上にすることを特徴としている。
以下に、この発明を詳細に説明する。
上記単層型の感光層に含有される電荷発生材料として
は、アンサンスロン系化合物があげられる。かかるアン
サンスロン系化合物の具体例としては、たとえば4,10−
ジブロモ−ジベンゾ[def,mno]クリセン6,12−ジオ
ン、すなわち2,7−ジブロモアンサンスロンが、好適な
ものとしてあげられる。また、m−フェニレンジアミン
系化合物は、下記一般式〔I〕で表される。
(但し、上記式〔I〕中R1〜R5は、それぞれ、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子および水素原子からな
る群より選ばれた同一または異なる基を表す) 上記m−フェニレンジアミン系化合物としては、式
〔I〕中のR1〜R5が、水素、炭素数1〜6の低級アルキ
ル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基、またはハロゲ
ンである化合物が、好ましいものとして挙げられる。上
記低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、ノル
マルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基が例示され、低級アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が例示
される。
具体的には、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,3−フ
ェニレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(3−ト
リル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N,N′,N′−テト
ラフェニル−3,5−トリレンジアミン、N,N,N′,N′−テ
トラキス(3−トリル)−3,5−トリレンジアミン、N,
N,N′,N′−テトラキス(4−トリル)−1,3−フェニレ
ンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−トリル)
−3,5−トリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス
(3−エチルフェニル)−1,3−フェニレンジアミン、
N,N,N′,N′−テトラキス(4−プロピルフェニル)−
1,3−フェニレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラフェニ
ル−5−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、N,N−ビ
ス(3−トリル)−N′,N′−ジフェニル−1,3−フェ
ニレンジアミン、N,N′−ビス(4−トリル)−N,N′−
ジフェニル−1,3−フェニレンジアミン、N,N′−ビス
(4−トリル)−N,N′−ビス(3−トリル)−1,3−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ビス(4−トリル)−N,N′
−ビス(3−トリル)−3,5−トリレンジアミン、N,N′
−ビス(4−エチルフェニル)−N,N′−ビス(3−エ
チルフェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N′−ビ
ス(4−エチルフェニル)−N,N′−ビス(3−エチル
フェニル)−3,5−トリレンジアミン、N,N,N′,N′−テ
トラキス(2,4,6−トリメチルフェニル)−1,3−フェニ
レンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2,4,6−トリ
メチルフェニル)−3,5−トリレンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラキス(3,5−ジメチルフェニル)−1,3−フ
ェニレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(3,5−ジ
メチルフェニル)−3,5−トリレンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラキス(3,5−ジエチルフェニル)−1,3−フ
ェニレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(3,5−ジ
エチルフェニル)−3,5−トリレンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラキス(3−クロロフェニル)−1,3−フェニ
レンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(3−ブロモ
フェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N,N′,N′−
テトラキス(3−ヨードフェニル)−1,3−フェニレン
ジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(3−フルオロフ
ェニル)−1,3−フェニレンジアミン等が好ましいm−
フェニレンジアミン系化合物として挙げられる。そし
て、上記各化合物の中でも、前記一般式〔I〕中の基R1
〜R5が、各ベンゼン環のうち、チッ素原子が結合された
炭素に対してメタ位の炭素に結合した化合物、または、
基R1,R5が、ベンゼン環のうち、チッ素原子が結合され
た炭素に対してパラ位の炭素に結合し、基R2, R4が、ベンゼン環のうち、チッ素原子が結合された炭素
に対してメタ位の炭素に結合した化合物は、分子の非対
称性が大きく、分子間の相互作用が小さくて結晶化し難
いので、結着樹脂中に容易に分散させることができ、こ
の発明に、より好ましいものとして挙げられる。具体的
には、N,N,N′,N′−テトラキス(3−トリル)−1,3−
フェニレンジアミン、N,N′−ビス(4−トリル)−N,
N′−ビス(3−トリル)−1,3−フェニレンジアミン等
の化合物が、より好ましいものとして例示される。
また、上記アンサンスロン系化合物およびm−フェニ
レンジアミン系化合物と共に単層型の感光層を構成する
ポリカーボネートとしては、下記一般式〔II〕で表され
るビスフェノールZ型のポリカーボネートが使用できる
他、下記一般式〔III〕で表される、通常のビスフェノ
ールA型のポリカーボネート等を使用することもでき
る。
また、上記単層型の感光層には、当該感光層のガラス
転移温度に影響を与えない範囲で、他の結着樹脂を併用
することもできる。上記他の結着樹脂としては、例えば
熱硬化性シリコーン樹脂;エポキシ樹脂;ウレタン樹
脂;硬化性アクリル樹脂;アルキッド樹脂;不飽和ポリ
エステル樹脂;ジアリルフタレート樹脂;フェノール樹
脂;尿素樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;メラミン樹脂;
スチレン系重合体;アクリル系重合体;スチレン−アク
リル系共重合体;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、アイ
オノマー等のオレフィン系重合体;ポリ塩化ビニル;塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポリ酢酸ビニル;飽和
ポリエステル;ポリアミド;熱可塑性ウレタン樹脂;ポ
リアリレート;ポリスルホン;ケトン樹脂;ポリビニル
ブチラール;ポリエーテル等が挙げられる。なお、上記
結着樹脂は、上記単層型の感光層の他、当該感光層の上
に必要に応じて形成される表面保護層を構成するために
も用いられる。
上記ポリカーボネートとアンサンスロン系化合物とm
−フェニレンジアミン系化合物とを含有する単層型の感
光層は、ガラス転移温度が62℃以上である必要がある。
層のガラス転移温度が62℃未満では、光照射時に、m−
フェニレンジアミン系化合物へ伝達される励起エネルギ
ー量が多すぎて、多量のm−フェニレンジアミン系化合
物が二量化反応または分解反応してしまうと共に、層と
下地との密着性が低下して、劣化した部分の感度が著し
く低下し、特に中間調の画像(グレー画像)において、
上記劣化部分が濃くなってムラ等を生じて、実用的な画
像を得ることができなくなる。
上記のように、感光層のガラス転移温度が62℃以上で
あるこの発明の電子写真感光体を製造するには、110℃
以上の温度で30分以上熱処理することにより、感光層中
のポリカーボネートの結晶性を高めて、そのガラス転移
温度を上昇させる、この発明の製法が好適に採用され
る。かかるこの発明の製法によれば、単に加熱するだけ
で特定層のガラス転移温度を62℃以上にできるので、大
掛かりな装置等を必要とせず、簡単に、この発明の電子
写真感光体を製造することが可能となる。
なお、この発明の製法において、感光層の熱処理温度
が110℃以上、熱処理時間が30分以上に限定されるの
は、熱処理温度が110℃未満、または熱処理時間が30分
未満では、感光層中のポリカーボネートの結晶性を十分
に高めることができないからである。
また、上記熱処理温度は、感光層中に含まれる電荷発
生材料や電荷輸送材料等の機能成分の昇華、分解等を防
止するために、130℃以下であることが好ましい。
上記加熱条件による熱処理は、少なくともポリカーボ
ネートとアンサンスロン系化合物とm−フェニレンジア
ミン系化合物とを含有する塗布液を塗布して感光層を形
成する際に、感光層の固化または硬化と同時に行っても
良いし、既に固化または硬化した感光層に対して行って
も良い。
なお感光層には、通常、前記m−フェニレンジアミン
系化合物と共に、従来公知の他の電荷輸送材料(以下、
単に「他の電荷輸送材料」という)が含有されることが
好ましい。m−フェニレンジアミン系化合物と共に感光
層中に含有される他の電荷輸送材料としては、例えばテ
トラシアノエチレン;2,4,7−トリニトロ−9−フルオレ
ノン等のフルオレノン系化合物;9−カルバゾリルイミノ
フルオレン等のフルオレン系化合物;ジニトロアントラ
セン等のニトロ化化合物;無水コハク酸;無水マレイン
酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフェニルメタン系化
合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;9−
(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチ
リル系化合物;ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカル
バゾール系化合物;1−フェニル−3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物;4,
4′,4″−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニ
ルアミン、3,3′−ジメチル−N,N,N′,N′−テトラキス
−4−メチルフェニル(1,1′−ビフェニル)−4,4′−
ジアミン等のアミン誘導体;1,1−ビス(4−ジエチルア
ミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等
の共役不飽和化合物;4−(N,N−ジエチルアミノ)ベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラ
ゾン系化合物;インドール系化合物、オキサゾール系化
合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合
物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、
ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、トリアゾー
ル系化合物等の含窒素環式化合物;縮合多環族化合物等
が挙げられる。なお、上記他の電荷輸送材料の中でも、
前記ポリ−N−ビニルカルバゾール等の光導電性を有す
る高分子材料は、感光層の結着樹脂としても使用するこ
とができる。
上記他の電荷輸送材料とm−フェニレンジアミン系化
合物との、感光層中における配合比率は特に限定されな
いが、重量比で95:5〜25:75の範囲内、特に、80:20〜5
0:50の範囲内であることが好ましい。他の電荷輸送材料
とm−フェニレンジアミン系化合物との配合比率が95:5
を下回ると、画像形成プロセスを繰り返し行った際の、
帯電量低下や感度低下等の防止効果が不十分になり、逆
に、配合比率が25:75を超えると、感光体の感度が不十
分になる虞がある。
また感光層には、アンサンスロン系化合物と共に、従
来公知の他の電荷発生材料を含有させることもできる。
上記他の電荷発生材料としては、例えばα−Se、α−
As2 Se3、α−SeAsTe等のアモルファスカルコゲン化物
やアモルファスシリコン(α−Si)等の半導体材料の粉
末;ZnO、CdS等のII-IV族微結晶;ピリリウム塩;アゾ系
化合物;ビスアゾ系化合物;α型,β型,γ型等の結晶
型を有するアルミニウムフタロシアニン、銅フタロシア
ニン、メタルフリーフタロシアニン、チタニルフタロシ
アニン等のフタロシアニン系化合物;イソジゴ系化合
物;トリフェニルメタン系化合物;スレン系化合物;ト
ルイジン系化合物;ピラゾリン系化合物;キナクリドン
系化合物;ピロロピロール系化合物が挙げられる。
単層型の有機感光層における、結着樹脂100重量部に
対する電荷発生材料の含有量は、2〜20重量部の範囲
内、特に3〜15重量部の範囲内であることが好ましい。
また、結着樹脂100重量部に対する、他の電荷輸送材料
の含有量は、40〜200重量部の範囲内、特に50〜100重量
部の範囲内であることが好ましい。電荷発生材料の含有
量が2重量部未満、または、他の電荷輸送材料の含有量
が40重量部未満では、感光体の感度が不十分になった
り、残留電位が大きくなったりする虞がある。一方、電
荷発生材料の含有量が20重量部を超えた場合、または、
他の電荷輸送材料の含有量が200重量部を超えた場合に
は、感光体の耐摩耗性が不足する虞がある。
上記単層型の有機感光層の厚みは特に限定されない
が、従来の単層型の有機感光層と同程度、すなわち、10
〜50μm、特に15〜25μmの範囲内であることが好まし
い。
また、上記単層型の感光層の上に形成することができ
る表面保護層は、前記結着樹脂を主成分とし、その他必
要に応じて、導電性付与材やベンゾキノン系紫外線吸収
剤等の添加剤を適宜量含有させることができる。
上記表面保護層の厚みは、0.1〜10μm、特に2〜5
μmの範囲内であることが好ましい。
なお、前記単層型の感光層や、上記表面保護層等に酸
化防止剤を併用すると、酸化の影響を受けやすい構造を
持つ、電荷輸送材料等の機能成分の酸化による劣化を防
止することができる。
上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−
p−クレゾール、トリエチレングリコール−ビス[3−
(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレ
ンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N,N′−ヘキ
サメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤が挙げ
られる。
上記感光層が表面に形成される導電性基材は、電子写
真感光体が組み込まれる画像形成装置の機構、構造に対
応して、シート状あるいはドラム状等、適宜の形状に形
成される。
上記導電性基材は、全体を金属等の導電性材料で構成
しても良く、また、基材自体は導電性を有さない構造材
料で形成して、その表面に導電性を付与しても良い。
導電性基材の全体を導電性材料で構成する、前者の場
合に使用される導電性材料としては、表面がアルマイト
処理された、または未処理のアルミニウム、銅、スズ、
白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カド
ミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、
ステンレス鋼、真鍮等の金属材料が好ましく、特に、硫
酸アルマイト法による陽極酸化を行い、酢酸ニッケルで
封孔処理したアルミニウムが好ましく用いられる。
一方、導電性を有さない構造材料からなる基材の表面
に導電性を付与する後者の場合には、合成樹脂製基材や
ガラス基材の表面に、上記例示の金属や、ヨウ化アルミ
ニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性材料から
なる薄膜が、真空蒸着法、湿式めっき法等の公知の膜形
成方法によって形成された構造、上記合成樹脂成形品や
ガラス基材の表面に上記金属材料等のフィルムがラミネ
ートされた構造、または、上記合成樹脂製基材やガラス
基材の表面に、導電性を付与する物質が注入された構造
等を採用することができる。
なお、導電性基材は、必要に応じて、シランカップリ
ング剤やチタンカップリング剤等の表面処理剤で表面処
理を施し、感光層との密着性を高めても良い。
以上で説明した感光層および表面保護層は、前述した
各成分を含有する両層用の塗布液を調整し、これら塗布
液を、各層毎に順次導電性基材上に塗布し、乾燥または
硬化させることで積層形成することができる。
なお、上記塗布液の調製に際しては、使用される結着
樹脂等の種類に応じて種々の溶剤を使用することができ
る。上記溶剤としては、n−ヘキサン、オクタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、キシレン、
トルエン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン、塩化メチレン等のハロゲン化炭
化水素;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、アリルアルコール、シクロペンタノ
ール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ジ
アセトンアルコール等のアルコール類;ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホル
ムアミド;ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が挙げ
られ、これらは一種または二種以上を混合して用いられ
る。また、上記塗布液を調整する際、分散性、塗工性等
を向上させるため、界面活性剤やレベリング剤等を併用
しても良い。
また、上記塗布液は従来慣用の方法、例えばミキサ
ー、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ア
トライター、超音波分散機等を用いて調製することがで
きる。
〈実施例〉 以下、実施例に基づき、この発明をより詳細に説明す
る。
実施例1〜3、比較例1,2 結着樹脂としてのポリ−(4,4′−シクロヘキシリデ
ンジフェニル)カーボネート(三菱瓦斯化学社製、商品
名Z-200)100重量部、電荷発生材料としての4,10−ジブ
ロモ−ジベンゾ[def,mno]クリセン6,12−ジオン(2,7
−ジブロモアンサンスロン)5重量部およびX型メタル
フリーフタロシアニン(大日本インキ社製)0.2重量
部、電荷輸送材料としての3,3′−ジメチル−N,N,N′,
N′−テトラキス−4−メチルフェニル(1,1′−ビフェ
ニル)−4,4′−ジアミン70重量部およびN,N,N′,N′−
テトラキス(3−トリル)−1,3−フェニレンジアミン3
0重量部、酸化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−
p−クレゾール(川口化学社製、商品名アンテージBH
T)5重量部を、所定量のテトラヒドロフランと共に超
音波分散器で混合分散させて単層型感光層用塗布液を調
製した。この塗布液を外径78mm×長さ344mmのアルミニ
ウム素管上に塗布し、常温で乾燥させた後、暗所におい
て、表1に示す熱処理条件で熱処理して、同表中に示す
ガラス転移温度を有する、厚み約22μmの単層型感光層
を備えたドラム型の電子写真感光体を作製した。なお、
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC法)により
測定した。
上記各実施例並びに比較例で作製した電子写真感光体
について、下記の各試験を行った。
初期表面電位測定 上記各電子写真感光体を、静電複写試験装置(ジェン
テック社製、ジェンテックシンシア30M)に装填し、そ
の表面を正に帯電させて表面電位V1s.p.(V)を測定し
た。
半減露光量、残留電位測定 上記帯電状態の各電子写真感光体を、上記静電複写試
験装置の露光光源であるハロゲンランプを用いて露光
し、前記表面電位V1s.p.(V)が半分となるまでの時間
を求め、半減露光量E1/2(μJ/cm2)を算出した。
また、上記露光開始時から0.19秒経過後の表面電位
を、残留電位V1r.p.(V)として測定した。
紫外線照射後の表面電位変化値および残留電位変化値測
定 上記各電子写真感光体上の2個所の地点で、上記各測
定と同様にして、表面電位V1as.p.、V1bs.p.、並びに、
残留電位V1ar.p.、V1br.p.[以上、単位(V)]を測定
した後、この電子写真感光体を、暗所で60℃に予熱して
20分間保管し、次いで、60℃に保温しつつ、上記2個所
の地点のうちのV1b側を遮光体でマスキングして、上記
電子写真感光体の表面に、白色蛍光灯(商品名ナショナ
ルハイライトFL、15W)を用いて、1500 luxの、紫外線
を含む白色光を20分間露光した。そして、露光後の電子
写真感光体を、暗所において、室温で30分間放置、冷却
した後、静電複写試験装置(ジェンテック社製、ジェン
テックシンシア30M)に装填し、その表面を正に帯電さ
せて、上記2個所の表面電位V2as.p.(露光側)、V2bs.
p.(遮光側)、並びに、残留電位V2ar.p.(露光側)、V
2br.p.(遮光側)[以上、単位(V)]を測定した。
以上の各測定値を元に、下記式(a)を用いて紫外線
照射後の表面電位変化値ΔV1-2s.p.(V)を算出し、下
記式(b)を用いて紫外線照射後の残留電位変化値ΔV
1-2r.p.(V)を算出した。
ΔVs.p.= (V2as.p.−V1as.p.)−(V2bs.p.−V1bs.p.)…(a)
ΔVr.p.= (V2ar.p.−V1ar.p.)−(V2br.p.−V1br.p.)…(b)
実用試験 紫外線照射後の各電子写真感光体を複写機(三田工業
社製、DC-1655型機)に装填して中間調の原稿を複写処
理し、画像の濃度ムラを目視で観察して、濃度ムラの発
生しなかったものを○、濃度ムラの発生したものを×で
評価した。
以上の結果を次表に示す。
上記表の結果より、単層型感光層のガラス転移温度が
62℃以上である実施例1〜3の電子写真感光体は、何れ
も、ガラス転移温度が上記値を下回る比較例1,2に比べ
て、紫外線照射による表面電位の変化量が20V以下、残
留電位の変化量が20V以下と小さく、このことから、実
施例1〜3の電子写真感光体は、紫外線劣化しにくいも
のであることが判明した。
〈発明の効果〉 この発明の電子写真感光体は、以上のように構成され
ており、電荷発生材料であるアンサンスロン系化合物
と、画像形成プロセスを繰り返し行った際の、帯電量低
下や感度低下等の防止作用に優れたm−フェニレンジア
ミン系化合物とを含有する感光層のガラス転移温度が62
℃以上になっているので、特に、画像形成装置の運転時
等、感光体が加熱された状態において、蛍光灯やキセノ
ンランプ、或いは太陽光等の紫外線を含む光が照射され
ても、感度低下し難いものとなる。
また、この発明の電子写真感光体の製法によれば、上
記感光層を単に加熱するだけで、当該感光層のガラス転
移温度を62℃以上にできるので、簡単に、この発明の電
子写真感光体を製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 木元 恵三 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−142642(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂としてのポリカーボネート中に、
    電荷発生材料としてのアンサンスロン系化合物と、電荷
    輸送材料としてのm−フェニレンジアミン系化合物とを
    含有する層を備えた電子写真感光体において、上記層の
    ガラス転移温度が62℃以上であることを特徴とする電子
    写真感光体。
  2. 【請求項2】結着樹脂としてのポリカーボネート中に、
    電荷発生材料としてのアンサンスロン系化合物と、電荷
    輸送材料としてのm−フェニレンジアミン系化合物とを
    含有する層を110℃以上の温度で30分以上熱処理して、
    上記層のガラス転移温度を62℃以上にすることを特徴と
    する電子写真感光体の製法。
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