JP2573349B2 - 連続ダストモニタ - Google Patents

連続ダストモニタ

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JP2573349B2 JP1084528A JP8452889A JP2573349B2 JP 2573349 B2 JP2573349 B2 JP 2573349B2 JP 1084528 A JP1084528 A JP 1084528A JP 8452889 A JP8452889 A JP 8452889A JP 2573349 B2 JP2573349 B2 JP 2573349B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、空気中のダスト放射能濃度を測定する連続
ダストモニタに係り、特に原子力発電所等における事故
時とか、廃炉解体工事の際など、ダスト中の核種の変動
が激しい場合に適する連続ダストモニタに関する。
(従来の技術) 連続ダストモニタの従来方式を第3図に示す。空気中
からポンプ(10)により吸引されたサンプルガスを集塵
器(2)で集塵し、濾紙(4)上にダストを蓄積する。
一方、濾紙(4)は、濾紙送り機(3)により一定時間
毎に一定長さだけ送られる。また、集塵されたダスト
は、集塵器(2)内に配置された放射線検出器(1)に
より測定され、ダストの放射能強度により増減するパル
ス出力としてスケーラ(5)に入力される。スケーラ
(5)は、一定時間の計数値Nをカウントし、計数率nt
を出力する。この計数率ntの時間変化を第4図に示す。
計数率ntと空気中ダスト放射能濃度Cとの関係は次式
で表わされる。
ここに、η:検出効率、Q:サンプルガスの流量、 λ:半減期の逆数、t:時間 λは崩壊定数と呼ばれる。
また、信号処理器(6)はスケーラ(5)の出力と流
量計(9)の流量信号とから次式によってダスト放射能
濃度Cを求める。
信号処理器(6)で求められたダスト放射能濃度Cは、
記録部(7)で記録され、連続モニタされる。なお、
(9)はシーケンサで、各部の順序動作をコントロール
する。また、ダスト放射能濃度Cの時間的変化を第4図
に示す。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の連続ダストモニタの欠点は、(2)式から
わかるように、サンプルガス中のダスト放射能の核種が
変動し、半減期が変化すると、濃度が一定でも見掛け上
濃度演算出力が変動することにある。そこで本発明は、
半減期の変動によるダスト放射能濃度出力の変動を間欠
または連続的に補正し、ダスト放射能濃度を正確に測定
できる連続ダストモニタを実現することを課題とし、本
発明の目的もそこにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段および作用) 本発明の連続ダストモニタは、集塵器内に配置された
第1の放射線検出器から一定距離だけ濾紙移送経路の下
流方向へ離間し濾紙に対向させて第2の放射線検出器を
設けるとともにその出力を計数して計数率を出力する第
2のスケーラを設け、集塵サイクル終了時に移送されて
来た濾紙のそれまで第1の放射線検出器により測定され
ていた集塵ダストの放射能を再度測定するようにし、前
記第1の放射線検出器の出力を計数して第1のスケーラ
から出力された計数率ntと前記第2の放射線検出器の測
定開始後所定時間Δt経過後の出力を計数して第2のス
ケーラから出力された計数率nt+ΔTとから崩壊定数λを
求める演算器を設け、さらに前記第1のスケーラから出
力された計数率ntとサンプルガスの流量Qと前記演算器
から出力された崩壊定数λとからダスト放射能濃度Cを
得る信号処理器を設け、この信号処理器から出力された
ダスト放射能濃度Cを記録部で記録し連続モニタするよ
うに構成される。
(実施例) 以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説
明する。
第1図に本発明一実施例の連続ダストモニタを示す。
第1図において、集塵器(2)は、ポンプ(10)により
空気中から吸引されたサンプルガスを移送可能に配置さ
れた濾紙(4)を透過させ、この濾紙(4)上にダスト
を捕集する。この集塵器(2)内には第1の放射線検出
器(1)が配置され、濾紙(4)上のダストの放射能を
測定する。この第1の放射線検出器(1)から一定距離
だけ濾紙(4)の移送経路の下流方向へ離間させ濾紙
(4)に対向させて第2の放射線検出器(11)が設けら
れている。第1の放射線検出器(1)からのパルス出力
は第1のスケーラ(5)に入力され、この第1のスケー
ラ(5)は、一定時間の計数値をカウントし、計数率を
出力する。また、第2の放射線検出器(11)からのパル
ス出力は第2のスケーラ(12)に入力され、この第2の
スケーラ(12)は、一定時間の計数値をカウントし、計
数率を出力する。
濾紙(4)は、濾紙送り機(3)により、一定時間の
集塵サイクル毎に第1の放射線検出器(1)と第2の放
射線検出器(11)との離間距離だけ移送される。また、
サンプルガスの吸引経路には流量計(9)が設けられて
いる。
さらに、第1のスケーラ(5)からの計数率と第2の
スケーラ(12)からの計数率とが入力され、この両入力
から崩壊定数λを求めて出力する演算器(13)が設けら
れている。また、第1のスケーラ(5)からの計数率と
流量計(9)からのサンプルガスの流量と前記演算器
(13)からの崩壊定数λとが入力され、これらの入力に
演算を施してダスト放射能濃度Cを得る信号処理器
(6)が設けられている。この信号処理器(6)から出
力されたダスト放射能濃度Cは、記録部(7)で記録さ
れ、連続モニタされる。なお、(9)はシーケンサで、
各部の順序動作をコントロールする。
次に、上記のように構成された本発明一実施例の連続
ダストモニタの作用を説明する。
濾紙(4)が一定距離だけ送られ集塵サイクルがスタ
ートした時点では、集塵器(2)内に位置する濾紙
(4)は、ダストが無い新しい状態にあり、第2の放射
線検出器(11)の所に位置する濾紙(4)は、前回の集
塵サイクルの間に捕集され第1の放射線検出器(1)で
測定されたダストが付着している状態にある。この状態
で、第1および第2の放射線検出器は測定を始める。
第1の放射線検出器(1)のパルス出力により第1の
スケーラ(5)において計数率信号ntを得る。また、第
2の放射線検出器(11)は前回の集塵サイクルで捕集さ
れた集塵ダストを測定し、そのパルス出力により第2の
スケーラ(12)において計数率信号nt+ΔTを得る。ここ
に、第1のスケーラ(5)の出力と第2のスケーラ(1
2)の出力の関係は次式で表わされる。
この関係を利用して、ntおよびnt+ΔTを演算器(13)に
入力し、 上記(4)式による演算を行なうことにより、崩壊定数
λを求めることができる。この崩壊定数λは、ダスト中
に含まれる放射性核種の平均半減期の逆数である。
そして、このλを信号処理器(6)の演算式(2) へフィードバックし、流量計(9)からの流量Q、第1
のスケーラ(5)からのntを用いて半減期変動による影
響の補正されたダスト放射能濃度Cを求めることができ
る。
上記の作用を第2図を参照して説明する。いま、ダス
ト放射能濃度Cが一定と仮定する。集塵サイクル1にお
いて完全に補正された平坦な濃度出力C1を得ていたもの
が、途中にて何等からのプラントの状況変化によりダス
トの半減期が短かくなったとすると、濃度出力C1は低下
傾向を生じる。集塵サイクル2でも濃度出力C2は低下傾
向と続けている。そこで、集塵サイクル2のスタート時
刻t0からΔT経過後の(t0+ΔT)時に、第2のスケー
ラ(12)の出力nt0+ΔTによる前記(4)式および
(2)式による補正を行なうと、その時点にて補正がか
かり、C2は低下傾向を生じる前の平坦なC1と同じ平坦な
出力にもどる。
上記のように、本発明一実施例の連続ダストモニタに
おいては、第2のスケーラ(12)の出力nt0+ΔTによる
補正を行なうことにより、精度良くダスト放射能濃度を
測定することができる。
なお、上述した実施例では、一定時間毎に濾紙を送る
方式の場合について説明したが、常に濾紙が微速で送ら
れている方式のダストモニタについても、演算式を変え
ることにより半減期変動に対する補正が可能である。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明によれば、集塵器内に配置
され捕集蓄積していくダストの放射能を測定する第1の
放射線検出器で測定されたダストを濾紙移送後再度測定
する第2の放射線検出器を設け、第1、第2の両検出器
の出力から第1および第2のスケーラでそれぞれ得られ
た各計数率から崩壊定数を求め、この崩壊定数を信号処
理部におけるダスト放射能濃度の演算にフィードバック
するようにしたことにより、捕集されたダストの半減期
の変動によるダスト放射能濃度出力の変動を間欠または
連続的に補正することができ、正確な濃度測定が可能と
なる。
したがって、本発明の連続ダストモニタを用いれば、
事故時または廃炉時におけるサンプルのような不特定多
数の変動のあるダスト放射能を発生する雰囲気中でのダ
スト放射能濃度を正確に測定できる。また、通常時にお
いても、自然界に存在するダスト(ラドン、トロン)は
年、季、月、日の変動は2桁程度存在することが知られ
ているが、このようなバックグラウンドの変動について
も本発明の連続ダストモニタを用いれば、精度良く濃度
測定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例の連続ダストモニタの構成を示
す系統図、第2図は第1図の装置による計数率信号およ
びダスト放射能濃度出力の時間変化を示す図、第3図は
従来の連続ダストモニタの構成を示す系統図、第4図は
第3図の装置による計数率信号およびダスト放射能濃度
出力の時間変化を示す図である。 1……第1の放射線検出器、2……集塵器 3……濾紙送り機、4……濾紙 5……第1のスケーラ、6……信号処理器 7……記録部、8……シーケンサ 9……流量計、10……ポンプ 11……第2の放射線検出器、12……第2のスケーラ 13……演算器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプルガス中のダストを濾紙上に集める
    集塵器と、この濾紙を一定時間毎に一定距離だけ送る濾
    紙送り機と、前記集塵器内に配置され集塵ダストの放射
    能を測定する第1の放射線検出器と、この検出器の出力
    を計数し計数率信号を出力する第1のスケーラと、この
    スケーラの出力と前記サンプルガスの流量を測定する流
    量計の出力とからダスト放射能濃度を演算し求める信号
    処理器と、この信号処理器の出力をモニタする記録部と
    を備えた連続ダストモニタにおいて、前記第1の放射線
    検出器から一定距離だけ濾紙移送経路の下流方向へ離間
    して設けられ前記第1の放射線検出器が測定した集塵ダ
    ストを一定時間後に再度測定する第2の放射線検出器
    と、この検出器の出力を計数し計数率信号を出力する第
    2のスケーラと、前記第1のスケーラの出力および第2
    のスケーラの出力が入力され所定の演算を施して当該ダ
    スト中に含まれる放射性核種の平均半減期の逆数である
    崩壊定数を求める演算器とを具備し、この演算器から出
    力された崩壊定数信号を前記信号処理器の演算にフィー
    ドバックしてこの信号処理器からダスト放射能濃度を得
    ることを特徴とする連続ダストモニタ。
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