JP2573328B2 - ポリアミド - Google Patents

ポリアミド

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JP2573328B2 JP63228006A JP22800688A JP2573328B2 JP 2573328 B2 JP2573328 B2 JP 2573328B2 JP 63228006 A JP63228006 A JP 63228006A JP 22800688 A JP22800688 A JP 22800688A JP 2573328 B2 JP2573328 B2 JP 2573328B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規で光学活性なウンベリフェロン二量体
を構成成分とするポリアミドに関するものであり、さら
には、前記ウンベリフェロン二量体又はそのラセミ体と
ジアミンとから合成されるポリアミドに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
ウンベリフェロン二量体のラセミ体は知られているが
(J.Org.Chem.,38,957(1973))、そのキラル体は知ら
れていない。
また、ウンベリフェロン二量体を用いたポリアミドは
知られていない。
本発明者は、新規な成形材料、特に光学分割剤などに
有用な機能材料を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
即ち本発明は、下式(I)又は(II)で示される光学
活性なウンベリフェロン二量体を構成成分とするポリア
ミドに関するものであり、 さらに詳しくは本発明は、下記一般式(III)及び/
又は(IV)の構成単位からなるポリアミドに関するもの
である。
式中、Rは次のようなものである。
R1は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜14
のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。
R2は炭素数2〜40の直鎖又は枝分かれを有するアルキ
レン基、炭素数6〜30の二価芳香族基、炭素数4〜30の
二価脂環族基を示す。
nは2〜6の整数を示す。
本発明の光学活性なウンベリフェロン二量体の合成法
は実施例で例示する。
次に、キラルな又はラセミ体のウンベリフェロン二量
体とジアミンとから合成されるポリアミドについて詳述
する。
ここで用いるジアミンとは下式 H−R−H で示されるものである。
具体的には、下式で示されるジアミンが例示できる。
一般式(V)′で示されるジアミンとしては、脂肪族
系ジアミン、脂環族系ジアミン、芳香族系ジアミンが例
示できる。
ここで、R1は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基を
示す。炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基や
エチル基が例示できるが、枝分かれを有しても良い。炭
素数6〜14のアリール基としては、フェニル基 が例示できる。また、炭素数7〜15のアラルキル基とし
ては などが例示できる。好ましいR1としては、水素、メチル
基などである。
R2は炭素数2〜40の直鎖又は枝分かれを有するアルキ
レン基、炭素数6〜30の二価芳香族基、炭素数4〜30の
二価脂環族基を示す。炭素数2〜40の直鎖又は枝分かれ
を有するアルキレン基の場合、好ましい炭素数は2〜12
である。具体的には、ヘキサメチレンジアミド、ドデカ
ンジアミンが例示できる。また、炭素数6〜30の二価芳
香族基の場合、好ましい炭素数は6〜12である。具体的
な二価芳香族基としては、次のものが例示できる。
また、炭素数4〜30の二価脂環族基の場合、好ましい
炭素数は4〜10である。具体的な二価脂環族基として
は、次のものが例示できる。
一般式(VI)′で示されるジアミンは、nが2〜6の
ものであり、具体的には次のものが例示できる。
本発明のポリアミドの重合度は、0.30g/dl、DMAc又は
DMF 30℃で測定したインヘレント粘度ηinh(dl/g)が
0.1以上最大1.5のものである。
本発明のポリアミドのフェノール性OHに二量体当り1
〜4個の置換基を導入しても良い。導入方法は、モノマ
ーの段階でも、又はポリマーにしてから導入しても良
い。具体的には、脂肪族基や芳香族基をカルバメートな
どの結合を介して導入することができる。
本発明のポリアミドの合成法は実施例で例示した。
〔発明の効果〕
本発明のポリアミドは、成形材料や機能材料として有
用なものであり、特に光学活性なポリアミドはラセミ体
の光学分割剤とか強誘電性液晶などとして有用なもので
ある。
〔実 施 例〕
製造例−1 光学活性なウンベリフェロン二量体 合成スキームは次のようである。
・(±)− 2.86g(7.00mmol)に(−)− 2.99g
(14.00mmol)と溶媒の1,4−ジオキサン23mlを加え、塩
化カルシウム管をつけたフラスコ中、室温で18.5時間か
きまぜを続ける。析出した沈殿を濾過して集め、50℃で
真空乾燥を12時間行ったところ、Less polarのみが2.09
g(2.51mmol,72%)得られた。また、濾液は溶媒を留去
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコー
ゲルC−300;溶出液:ベンゼン/酢酸エチルacetate=2
/1(v/v)でLess polarを流出し終わったのちベンゼン
/酢酸エチル=1/1(v/v)に変更)によって分離した。
先に得た沈殿とあわせて収率はLess polar 92%,More p
olar 96%であった。
・4M HCl水溶液250ml及び2−プロパノール250mlの混合
物にN2ガスを1時間吹き込み、溶媒中の酸素を追い出
す。これにLess polar 6.68g(8.00mmol)を加え、N2
き込みを続けながら、反応容器内に外気が入らないよう
にして24時間還流する。
冷却後、溶媒を留去し乾固させる。これに水200ml、
エタノール100mlを加えると懸濁液となる。
これに陽イオン交換樹脂(DOWEX 50WX−Z,H型,約350
ml使用)を加え数分間かきまぜる。樹脂を濾過した後、
さらに樹脂を水50ml/エタノール100mlの混合物でよく洗
う。洗液と濾液を一緒にした後、溶媒を留去する。これ
に水約500mlを加えて酢酸エチルで抽出を行う。酢酸エ
チル層は無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥させた後、減圧
下濃縮乾固する。これにN2を1時間吹き込んだ氷酢酸80
mlを加え、N2吹き込みを続けながら30時間還流する。放
冷後、酢酸を減圧下留去し乾固させる。これに酢酸エチ
ル50mlを加え溶解させた後、酢酸を除くためにヘキサン
500ml中に滴下し再沈させる。これを濾過によって集
め、真空乾燥して、粗(+)−が2.38g(7.32mmol)
得られた。
上記のようにして得た粗(+)− 500mgを2−プロ
パノール45mlに室温で溶解し、微量の不溶分を濾過した
後、ドライアイス/エタノール中で冷却し、沈殿を析出
させた。これを濾過によって集めた後、室温で真空乾燥
して201mgの(+)−1/2H2Oを得た。濾液は減圧下
濃縮乾固した後、再び2−プロパノール8mlに溶解し、
同様の再結晶操作を行ったところ、84mgの二次晶を得
た。合計285mg。
More polarからの(−)−1/2H2Oの合成も同様に
行った。結果を下表にまとめる。
その他の物性値 (+)−1/2H2O; IR(KBr)3000−3650,1758,1626,1598,1508,1456,1302,
1280,1156,1116,842,830,810,794cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6) ラセミ体と同じ 計算値(C18H12O61/2H2O); C 64.87%;H 3.93% 測定値:C 64.73%:H 3.78% 例−1 ラセミ二量体からのポリアミドウンベリフェロ
ン二量体の合成 まず文献(J.Org.Chem.,38,957(1973))に従って0
−アセチルウンベリフェロン二量体()を合成した。
再結晶溶媒は文献記載のもの(CHCl3/CCl4)では収率が
悪く、また大量合成にもむかないので酢酸を用いること
とした。再結晶収率は二次晶までとって90%であった。
次に4M HCl水溶液450mlとエタノール450mlとの混合物
に窒素ガスを2時間吹き込み、液体中の酸素を追い出し
た後、 24.50g(60.0mmol)を加えた。窒素の吹き込
みを続けながら約4時間還流し、冷却後溶媒を留去し
た。これに水250mlを加えた後、酢酸エチル(約900ml)
で抽出を行った。抽出液は飽和食塩水とともに振とうし
て洗浄した後分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥後、酢酸エチルを留去し、得られた固体に酢酸100m
lを加え、アルゴン雰囲気下加熱して溶解し、そのまま1
1時間還流した。酢酸中に析出してきた固体を濾過した
後、減圧下60℃で約24時間乾燥し、ウンベリフェロン二
量体()17.59g(54.2mmol)を得た(収率90%)。
ポリアミドの合成 上記の方法で合成したは微量の酢酸を含み、再結晶
その他の方法でこれを除くことは困難であった。とジ
アミンとの開環重付加反応において、系中に酢酸が存在
することは好ましくない。しかしに含まれる酢酸の量
を400MHz 1H−NMRによって決定し、酢酸と等モルのトリ
エチルアミンを重合系に加えることによって好結果を得
た。
ポリアミド6cの合成 p−フェニレンジアミン0.324g(3.00mmol)と(1.
00molに対して0.0715molの酢酸を含む)0.986g(3.00mm
ol)を反応容器に入れ、容器内をアルゴン雰囲気にし
た。これにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を3ml
1mmolに対して1ml)を加え、さらにトリエチルア
ミン29.9μ(0.215mmol)を加えた後、アルゴン雰囲
気下50℃で36時間かきまぜを続けた。反応後、反応液を
適量のDMAcで希釈して、約500mlの酢酸エチル中に滴下
した。沈殿を濾過し、減圧下室温で18時間乾燥させた。
得られたポリアミド6cはかなりの量のDMAc及び酢酸エチ
ルを含むので、400MHz 1H−NMRの測定により、その量を
補正した(収率92%)。
ポリアミド6dの合成 6cと全く同様の方法で合成できた。
ポリアミド6bの合成 6bは溶解性が悪いため、 1mmolに対して2mlのDMAc
を使用したが、それでも反応液は不均一状態であった。
その他の操作は6cの場合と同様である。
ポリアミド6aの合成 高粘度のポリアミド6aを得るためには 1mmolに対し
て2mlのDMAcを使用し、室温で反応させることが必要で
あった。その他の操作は6cの場合と同様である。
得られたポリアミド6a6b6c6dの性状を表−2に
示した。
物 性 値 (±)−; IR(KBr)3000−3560,1745,1635,1604,1516,1458,1302,
1282,1160,1120,876,834,820,798cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=3.63(2H,pseudo d,J=7.9Hz) 3.83(2H,dd,J=7.6Hz,2.1Hz) 6.46(2H,d,J=2.1Hz) 6.63(2H,dd,J=8.2Hz,2.1Hz) 7.14(2H,d,J=8.2Hz) 9.83(2H,s) 計算値(C18H12O6+0.07CH3COOH); C 66.33%;H 3.77% 測定値;C 66.18%;H 3.91% 分解温度;290℃6a ; IR(KBr)3000−3650,2930,1620,1520,1460,974,840cm
-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=0.83(4H),0.93(4H),2.66(2H),2.87(2H),3.
42(2H),4.44(2H),6.03(2H),6.20(2H),6.74(2
H),7.08(2H),8.90(2H),9.18(2H) 計算値(C24H28N2O6+DMAc+1.5H2O)n; C 60.64%;H 7.27%;N 7.58% 測定値;C 60.69%;H 6.83%;N 7.45%6b ; IR(KBr)3000−3650,1610,1520,1460,1436,974,840cm
-1 1 H−NMR(DMF−d7) δ=1.80(2H),2.57(2H),3.21(2H),3.73(2H),3.
97(2H),4.75(2H),6.25(2H),6.44(2H),7.02(2
H),9.24(2H),9.71(2H) 計算値(C22H22N2O6+DMAc+1.5H2O)n; C 59.53%;H 6.53%;N 8.01% 測定値;C 59.22%;H 6.26%;N 7.47%6c ; IR(KBr)3000−3650,1620,1512,1456,1402,972,840cm
-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=3.72(2H),4.58(2H),6.03(2H),6.19(2H),6.
82(2H),7.16(4H),8.87(2H),9.28(4H) 計算値(C24H20N2O6+DMAc+1.5H2O)n; C 61.53%;H 5.90%;N 7.69% 測定値;C 61.37%;H 5.78%;N 7.85%6d ; IR(KBr)3000−3560,1620,1520,1456,1396,970,840cm
-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=3.55(2H),3.83(2H),4.19(2H),4.60(2H),6.
08(2H),6.25(2H),6.42(2H),6.54(0.5H),6.62
(0.5H),6.81(2H),6.91(2H),7.69(2H),8.96(2
H),9.20(2H) 計算値(C26H24N2O6+2DMAc+1.5H2O)n; C 61.71%;H 6.85%;N 8.47% 測定値;C 61.89%;H 6.40%;N 8.13% 実施例−2 光学活性ポリアミドの合成 製造例−1で得た(−)−1/2H2O150mgをナスフ
ラスコに入れ、真空ポンプで減圧にする。ポンプとフラ
スコの間には五酸化りんのトラップをつける。フラスコ
を150℃に加熱し、減圧下24時間乾燥し、結晶水を抜い
て(−)−を得る。このときフラスコの器壁には昇華
した分解物(ウンベリフェロンのモノマー)が少量つい
ているので、(−)−に混入しないように注意する。
サンプル管(容積5ml)に攪拌子を入れ、これにm−キ
シリレンジアミン46.6mg(0.342mmol)を加える。さら
にDMAc 0.34mlと(−)− 110.9mg(0.342mmol)を加
えたのち、サンプル管内をアルゴンガスで下方置換す
る。サンプル管にフタをして密封したあと、アルミホイ
ルで遮光し、油浴中50℃で攪拌しながら36時間反応させ
る。
室温まで冷却後DMAc 2mlを加えて希釈した後、クロロ
ホルム300ml中に滴下して再沈する。沈殿を濾過して室
温で終夜真空乾燥すると、収率72%で7bが得られる。
得られたポリアミド7bの性状及びその他のポリアミド
の反応条件、性状を表−3に示す。
物 性 値7a ; IR(KBr)3000−3650,2930,1620,1520,1460,974,840cm
-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=0.83(4H),0.93(4H),2.66(2H),2.85(2H),3.
42(2H),4.44(2H),6.03(2H),6.20(2H),6.74(2
H),7.08(2H),8.90(2H),9.18(2H)7b ; IR(KBr)3000−3560,1620,1520,1456,970,840cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=3.55(2H),3.84(2H),4.17(2H),4.58(2H),6.
07(2H),6.24(2H),6.41(2H),6.61(1H),6.81(2
H),6.91(1H),7.69(2H),8.96(2H),9.20(2H)7c ; IR(KBr)3000−3560,1610,1520,1460,1436,974,840cm
-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=1.80(2H),3.72(2H),3.88(2H),4.45(2H),6.
10(2H),6.23(2H),6.80(2H),9.06(2H),9.59(2
H)4H分のピークは溶媒と重なって同定できず7d ; IR(KBr)3000−3650,1610,1512,1460,1404,972,836cm
-1 1 H−NMR(DMSO−d6) δ=3.71(2H),4.56(2H),6.03(2H),6.19(2H),6.
82(2H),7.14(2H),8.88(2H),9.30(2H)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(III)及び/又は(IV)の構
    成単位からなるポリアミド。 式中、Rは次のようなものである。 R1は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜14の
    アリール基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。 R2は炭素数2〜40の直鎖又は枝分かれを有するアルキレ
    ン基、炭素数6〜30の二価芳香族基、炭素数4〜30の二
    価脂環族基を示す。 nは2〜6の整数を示す。
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