JP2573076Y2 - フレキシブルプリント基板の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、プリント基板にフレキ
シブルプリント基板（以下ＦＰＣという。）を取りつ
け、端子どうしをハンダ付けして電気接続する場合の構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、プリント基板とＦＰＣとの取付構
造においては、図７や図８のような構造のものがあっ
た。図７においては、ＦＰＣ１１の係着部１１ａが、マ
ザーボードとなるプリント基板１２の被係着部１２ａに
係着した状態でプリントパターンの端子どうしをハンダ
付けするものである。また図８は、マザーボードとなる
プリント基板１５に設けた嵌合用突起１５ａに、ＦＰＣ
１４の嵌合用穴１４ａを嵌合させ、その後プリントパタ
ーンの端子どうしをハンダ付けするものである。なお、
１３，１６はＦＰＣを補強するための硬質板である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記の取付構造は接続
部の位置決めは確実にできるが、接続部をハンダ付けし
プリント基板を所定の位置に固定した後、ＦＰＣが動く
こと、特にパターン面に垂直方向に動くことが長期間続
くと、機械的ストレスによってハンダが割れて、ＦＰＣ
とプリント基板が離れたり接触不良になったりして、動
作しなくなったり、不安定になったりする可能性があっ
た。

【０００４】本考案は、上記の問題点にかんがみて、Ｆ
ＰＣとプリント基板の端子間のハンダ付け部分にかかる
機械的ストレスを軽減して、ハンダ割れ等による接触不
良を防止することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本考案のフレキシブルプリント基板取付構造におい
ては、フレキシブルプリント基板をプリント基板の端部
所定箇所に垂直に当接させ、ハンダ付けによって電気接
続させて取り付けるフレキシブルプリント基板の取付構
造において、フレキシブルプリント基板の端部の両側を
折り曲げて折り曲げ部を形成すると共に、前記折り曲げ
部とプリント基板とを固定する固定手段を設けるという
手段を用いた。

【０００６】また、前記固定手段は、折り曲げ部に設け
られた切り欠き部と、該切り欠き部が取りつけられるプ
リント基板の端部とから構成するという手段を用いた。
また、前記固定手段は、折り曲げ部に設けられた切り欠
き部と、プリント基板に設けられて、前記切り欠き部に
嵌合する切り込み部とから構成するという手段を用い
た。

【０００７】また、前記固定手段は、折り曲げ部の折り
曲げ軸に平行に設けられた舌片と、プリント基板に設け
られて前記舌片に嵌合する孔とから構成するという手段
を用いた。

【０００８】

【作用】上記のフレキシブルプリント基板の取付構造に
よれば、先ず、フレキシブルプリント基板の端子のパタ
ーンとプリント基板の端子のパターンが電気接続できる
位置に合わせ、フレキシブルプリント基板の折り曲げ部
の端部または切り欠き部をプリント基板の端子部に取り
付けて固定する。

【０００９】フレキシブルプリント基板の折り曲げ部の
切り欠き部または舌片に嵌合する切り込み部または孔を
もつものにあっては、前記の端子位置合わせは不要で、
切り欠き部または舌片を切り込み部または孔に嵌合して
固定する。

【００１０】

【実施例】以下に本考案を、実施例を示した図面に基づ
いて詳細に説明する。

【００１１】（実施例１） 図１は本考案のＦＰＣ取付構造の実施例１の分解斜視
図，図２はその取付斜視図，図３は図２のＡＡ’線断面
図，図４は図２のＢＢ’線断面図である。図中、符号１
はＦＰＣ，２はマザーボードとして両面にパターンが描
かれたプリント基板，３はＦＰＣ１のパターン面の裏に
接着されたＦＰＣ１補強のための水平方向の断面がコの
字状のガラスエポキシ製の硬質板である。

【００１２】ここでＦＰＣ１は、図１のように硬質板３
と共に端子部１ｃの両側をパターン面が内側になるよう
直角に折り曲げ、さらにその折り曲げ部１ａにプリント
基板２の厚さと同じ幅の、切り欠き部１ｂを設けたもの
である。

【００１３】ＦＰＣ１のパターン面をプリント基板２の
端子部２ａに向け、切り欠き部１ｂで、プリント基板２
の端部としての接触部２ｂをはさむように、ＦＰＣ１を
プリント基板２に垂直に奥まで差し入れる。端子部２ａ
とＦＰＣ１の端子部１ｃが当接したら、両基板の電気接
続すべき端子どうしの位置を合わせる。ここで、切り欠
き部１ｂと接触部２ｂが固定手段に対応している。

【００１４】図２のように正確に端子どうしが合えば、
図３の縦断面図に見るようにプリント基板２の表面と裏
面から端子部２ａの端子とそれに対応する端子部１ｃの
端子とをハンダ付けする。端子どうしの電気接続が終わ
れば、最後に折り曲げ部１ａの内側のパターン面とプリ
ント基板２の接触部２ｂのパターン面とをプリント基板
２の表面と裏面からハンダ付けし、取付が終了する。

【００１５】ここで、図３の縦断面図，図４の横断面図
に見るように、プリント基板２の端子は裏と表で互い違
いの位置に設けられ、ＦＰＣ１の端子部１ｃのパターン
ピッチｐ１は、プリント基板２の片面の端子のパターン
ピッチｐ２の２分の１に構成されている。そのため、ハ
ンダ付けはプリント基板２の表と裏から交互にすること
になり、隣の端子にハンダが流れてショートすることも
なくなり作業が楽である。その上、プリント基板２の表
と裏をハンダで固定するので、片面のみをハンダ付けす
る場合よりも取付部が堅固になる。

【００１６】（実施例２） 図５は本考案のＦＰＣ取付構造の実施例２の分解斜視図
である。実施例１の取付構造のプリント基板に位置決め
のための嵌合用の切り込みを設けたものである。ＦＰＣ
４の切り欠き部４ｂの奥行きを折り曲げ部４ａの幅の２
分の１に、プリント基板５の端子部５ａにはＦＰＣ４の
位置決めのために、切り欠き部４ｂの奥行きと同じ奥行
きの切り込み部５ｂを設ける。切り込み部５ｂの幅は、
硬質板６とＦＰＣ４の厚みを合計した大きさである。

【００１７】ここで、切り欠き部４ｂと切り込み部５ｂ
が固定手段に対応している。

【００１８】切り込み部５ｂに切り欠き部４ｂを差し入
れ、端子部５ａと端子部４ｃを当接させてから、実施例
１と同様の場所にハンダ付けをする。

【００１９】（実施例３） 図６は本考案のＦＰＣ取付構造の実施例３の分解斜視図
である。ＦＰＣ７には、折り曲げ部７ａを折り曲げ軸に
平行に切り欠いて作った舌片７ｂが設けられ、プリント
基板８には前記の舌片７ｂが挿入する孔８ｂが設けられ
ている。また、ＦＰＣ７には補強のために硬質板９が当
てられている。

【００２０】なお、孔８ｂは、そこに舌片７ｂが挿通し
た時に端子部８ａが端子部７ｃに当接するような位置に
設けられている。また、舌片７ｂの長さは、プリント基
板８の厚みより大きくする。ここで、舌片７ｂと孔８ｂ
が固定手段に対応している。

【００２１】プリント基板８の垂直方向から孔８ｂに舌
片７ｂを挿入し、充分押し込んでからＦＰＣ７の端子部
７ｃをプリント基板８の端子部８ａに、ＦＰＣ７の舌片
７ｂの先端側面をプリント基板８の裏面の対応する場所
にハンダ付けする。

【００２２】また、図４の実施例１のＦＰＣ取付構造の
横断面図において、ＦＰＣ１の端子部１ｃが当接してい
るプリント基板２の部分を、幅をＦＰＣ１の幅ｗで、奥
行きをＦＰＣ１と硬質板３の厚みの和ｄだけ削り取り、
ＦＰＣ１を取りつけることによって、ＦＰＣ１と硬質板
３が平面視でプリント基板２の枠におさまるので、プリ
ント基板２を実装する時、狭いスペースでも納めること
ができる。この方法は他の実施例２，３に行っても同様
の効果がある。

【００２３】上記の実施例にあたっては、ハンダ付けで
電気接続する必要のある場合を除いては、接着剤等を使
ってもよい。

【００２４】

【考案の効果】以上説明したように、本考案のフレキシ
ブルプリント基板取付構造は、フレキシブルプリント基
板を折り曲げた折り曲げ部をプリント基板に固定手段で
固定するという手段を用いたので、プリント基板とフレ
キシブルプリント基板の接続部分に機械的ストレスが加
わらず、ハンダ割れや接続不良が生じる可能性がなくな
る。

【００２５】また、フレキシブルプリント基板に切り欠
き部を作り、それによって、プリント基板を挟んで固定
するという手段を用いたので、プリント基板にフレキシ
ブルプリント基板を取り付けることが簡単かつ確実にな
る。さらに、フレキシブルプリント基板の切り欠き部ま
たは舌片に嵌合する切り込み部または孔を、プリント基
板に設けたので、フレキシブルプリント基板の位置合わ
せが簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＦＰＣ取付構造の実施例１の分解斜視
図である

【図２】本考案のＦＰＣ取付構造の実施例１の取付斜視
図である。

【図３】図２のＡＡ’線断面図である。

【図４】図２のＢＢ’線断面図である。

【図５】本考案のＦＰＣ取付構造の実施例２の分解斜視
図である

【図６】本考案のＦＰＣ取付構造の実施例３の分解斜視
図である

【図７】従来のＦＰＣ取付構造の一例の分解斜視図であ
る。

【図８】従来のＦＰＣ取付構造の一例の分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

１，４，７ ＦＰＣ １ａ，４ａ，７ａ 折り曲げ部 １ｂ，４ｂ 切り欠き部（固定手段） １ｃ，２ａ，４ｃ，５ａ，７ｃ，８ａ 端子部 ２，５，８ プリント基板 ２ｂ 接触部（端部）（固定手段） ５ｂ 切り込み部（固定手段） ３，６，９ 硬質板 ７ｂ 舌片（固定手段） ８ｂ 孔（固定手段） ｄ 幅 ｗ 厚み ｐ１，ｐ２ パターンピッチ

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレキシブルプリント基板をプリント基板
   の端部所定箇所に垂直に当接させ、ハンダ付けによって
   電気接続させて取り付けるフレキシブルプリント基板の
   取付構造において、 フレキシブルプリント基板の端部の両側を折り曲げて折
   り曲げ部を形成すると共に、 前記折り曲げ部とプリント基板とを固定する固定手段を
   設けたこと、を特徴とするフレキシブルプリント基板の
   取付構造。
2. 【請求項２】前記固定手段は、折り曲げ部に設けられた
   切り欠き部と、 該切り欠き部を取りつけるプリント基板の端部とから構
   成されていることを特徴とする請求項１に記載のフレキ
   シブルプリント基板の取付構造。
3. 【請求項３】前記固定手段は、折り曲げ部に設けられた
   切り欠き部と、 プリント基板に設けられ、前記切り欠き部に嵌合する切
   り込み部とから構成されていることを特徴とする請求項
   １に記載のフレキシブルプリント基板の取付構造。
4. 【請求項４】前記固定手段は、折り曲げ部の折り曲げ軸
   に平行に設けられた舌片と、 プリント基板に設けられて前記舌片に嵌合する孔とから
   構成されていることを特徴とする請求項１に記載のフレ
   キシブルプリント基板の取付構造。