JP2572963B2 - ソマトトロピンの可溶化と復元 - Google Patents

ソマトトロピンの可溶化と復元

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Description

【発明の詳細な説明】 組み換えDNA技術により大腸菌などの宿主細胞中で異
種蛋白の発現が可能になつた。しかしソマトトロピン
(成長ホルモン)などのある種の異種蛋白は、発現後程
度の差はあるが宿主細胞の細胞質中の屈折体に封じ込ま
れてしまうことが報告されている。
蛋白内の非共有結合性分子間引力を破壊するのに、塩
酸グアニジン、チオシアン酸ナトリウム、尿素及び種々
の界面活性剤などのカオトロピツク剤が使用されてき
た。例えば蛋白をカオトロピツク剤に接触させることに
より、蛋白は「開かれることが証明された。(ストライ
ヤー(Stryer)著、バイオケミストリー(Biochemistr
y)(第2版、1981年)34−35頁、ダブリユウ・エイチ
・フリーマン アンド カンパニー(W.H.Freeman and
Cpmpany出版参照)。同様に複数のサブユニツトを有す
る蛋白はカオトロピツク剤に接触させることにより各サ
ブユニツトに分解されることが証明されている。
異種蛋白は強カオトロピツク剤(例えば塩酸グアニジ
ン、界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)及び
チオシアン酸塩)を用いて屈折体から可溶化し得ること
が最近ヨーロッパ特許出願第114,506A号(特開昭59-161
321号に相当)に報告された。比較的弱いカオトロピツ
ク剤である尿素は屈折体の可溶化には無効であると報告
されている。また塩酸グアニジンのような強い変性剤は
きわめて高価である。さらに異種蛋白を強い変性剤中で
可溶化した時は、後のイオン交換による精製過程を妨害
しない弱い変性剤と交換しなければならない。
従つて本発明の目的は、宿主細胞の屈折体からの異種
ソマトトロピン蛋白の可溶化とその後の復元の改良法を
提供することである。
本発明の別の目的は、容易に入手可能で比較的安価な
媒体を用いる方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、復元段階を比較的多高濃
度のソマトトロピン中で実施可能な方法を提供すること
である。
本発明のさらに別の目的は、ソマトトロピンの可溶化
及び/又は復元を、還元剤の存在下で又は存在しないと
ころで実施可能な方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、従来法で使用されている
媒体よりも生態学的により安全な媒体を用いる方法を提
供することである。
本発明のこれら及び他の目的および利点は、以下の説
明や実施例から当業者には明白であろう。
発明の説明 略述すれば本発明は、宿主細胞の屈折体からのソマト
トロピン蛋白の可溶化とその後の復元法を提供せんとす
るものである。さらに詳しくは本発明は、尿素水溶液は
ソマトトロピン蛋白を含有する屈折体の可溶化に有効で
あるということを見出したことにもとづく。驚くべきこ
とに、一旦可溶化されればこのソマトトロピン蛋白は、
該蛋白の本来の構造中に存在するジスルフイド結合を生
成させるのに十分な時間緩和な酸化剤を接触させること
により、尿素溶液中で復元させることが可能であること
を見出した。高濃度の蛋白の存在下でも、純粋でない調
製物中でもそして還元剤の存在じないところでも、復元
は効率的に起こり得る。
本発明においては次の用語は以下に記載する如き意味
を有する。
「ソマトトロピン」とは、ヒト、羊、豚及び牛のよう
な哺乳動物のソマトトロピン、そして鳥類のような他の
種のソマトトロピンを含有するが、これらに限定される
ものではない。本発明は、上記のような天然に存在する
配列を有するソマトトロピンに好適である以外に、ソマ
トトロピン様の生物活性を有する天然に存在する蛋白の
類似体及び同族体を含有する系にも同様に適応可能であ
る。プロラクチンや胎盤性ラクトゲンのように化学的性
質の似ているソマトトロピン様蛋白は、精製と言う目的
では実質的にソマトトロピンと同じであることは当業者
にとつては自明のことであろう。従つて、精製という目
的で同じであるという程度に、これらの蛋白も本発明の
技術的範囲に包含されるものである。
「異種」蛋白とは、通常の宿主細胞により産生されな
い蛋白をいう。組み換えDNA技術により、形質転換した
宿主細胞から比較的多量の異種蛋白を発現することが可
能になつた。しかし原因はよくわかつていないが、これ
らの異種蛋白はしばしば宿主細胞の細胞質の不溶性の光
屈折体中に封じ込められる。
「屈折体」とは、回収すべき異種ソマトトロピンを少
なくとも部分的に含有する封入体又は細胞質凝集物であ
る。これらの凝集物は位相差顕微鏡で明るい点として現
れる。
「宿主細胞」とは、異種ソマトトロピンを発現するよ
うに形質転換させた微生物(例えば細菌や酵母)細胞又
は他(例えば動物や植物)の細胞を意味する。本発明に
おいて意味している宿主細胞とは、発現後屈折体の中に
異種ソマトトロピンが封じ込められるものをいう。宿主
細胞の例としては、牛ソマトトロピンを発現するように
形質転換させた大腸菌K12(W3110/pB-GH-1)株がある。
「復元」とは、ソマトトロピン蛋白を生物活性のある
天然の構造になるように、折り畳み酸化することを意味
する。
「折り畳む」とは、正しく酸化することができるよう
に蛋白の全体の構造が戻ることを意味する。必要な場合
は尿素を適当な濃度にして尿素の変性効果を減少させ
て、蛋白のアミノ酸配列に相互作用をさせ本来の二次及
び三次構造にすることにより折り畳みが完成する。
「酸化」とは、生物活性のある安定な本来の構造を得
るために分子内ジスルフイド結合を生成させることを意
味する。
「穏和な酸化剤」とは、スルフヒドリル基の酸化を促
進し、そうすることにより分子内ジスルフイド結合を生
成させるが、目的の蛋白の他の置換基は酸化しないよう
な媒体を意味する。過酸化水素のような穏和な媒体を用
いることも可能であり、空気と接触させることは許容さ
れかつ好ましい。
「生物活性」とは、所期の生体内(in vivo)の生理
学的な応答が可能なソマトトロピンを意味する。生物活
性は特定の種でバイオアツセイにより生体内(in viv
o)の試験をしなくても測定可能である。本発明に含ま
れるソマトトロピンの適当なバイオアツセイは、「ラツ
ト重量増加バイオアツセイ」である。このバイオアツセ
イでは、投与した種々の量のソマトトロピン調製物に対
する下垂体切除ラツトの体重の増加量を、既知の調製物
(抽出した本来のソマトトロピン)と比較することによ
り、ソマトトロピン調製物の生物活性を求める。
ソマトトロピンは腺下垂体(脳下垂体前葉)による分
泌されるホルモンであり、骨格筋の成長速度や体重増加
に影響を与えることが知られている。乳汁分泌性の動物
(例えば乳牛及びヤギ)にソマトトロピンを投与する
と、乳汁産出が増加することが証明されている。典型的
にはソマトトロピン約191個のアミノ酸残基を有し分子
量は約22,000ダルトンである。その完全なアミノ酸配列
は幾つかの種(例えばヒト、そして鳥、羊、豚、及び牛
などの動物)で確率された。「保存的」アミノ酸置換を
考慮すると、上記の種のアミノ酸配列の比較からは、比
較的高い全体の類似性が見られる。一般的には「保存
的」置換は、蛋白の全体の化学的性質を実質的に変化さ
せることなく存在する。その置換の例としては、脂肪族
疎水性残基(イソロイシン、バリン、ロイシン及びメチ
オニン)間の相互置換と、極性残基(アルギニンに対し
てリジン、グリタミンに対してアスパラギン、及びグル
タミン酸に対してアスパラギン酸)の置換がある。反対
の電荷を有するイオン性残基(例えばアルパラギン酸又
はグルタミン酸に対してリジン)は相互に置換すること
も証明されている。さらに置換の位置が構造に対して決
定的ではなく置換の程度が広範囲で無い時、「ラジカ
ル」(種々の側鎖を示している)である置換基は、機能
又は化学的性質が実質的に変化させることなく存在し得
る。
下記の第1表に、報告されている種々の動物のソマト
トロピンの一次構造を示す。第1表では以下の省略語を
使用している:BGH(牛ソマトトロピン);PGH(豚ソマト
トロピン);OGH(羊ソマトトロピン);AGH(鳥ソマトト
ロピン);HGH(ヒトソマトトロピン)。記号「X」は配
列中の空白を示しており、代表的なソマトトロピンの配
列を示すために挿入したものである。特定の配列に番号
を付けることによりこの空白の挿入は不用になるであろ
う。例えばBGHでは126位はLeu(又は実施例10で示した
対立遺伝子の変化ではVal)である。
報告されている配列に基づく特定のアミノ酸の相対量
を下記の第2表に示す。
ソマトトロピン蛋白中のジスルフイド結合の数は全て
2個であると報告されている。しかし哺乳動物のソマト
トロピンが比較的均一な蛋白群を形成するということは
文献では十分支持されていない。
大腸菌で発現されるほとんどの異種蛋白は発現後、大
腸菌の細胞質内の屈折体中に種々の程度で封じ込められ
ると報告されている。原因は十分理解されていないが、
これは少なくとも一部は、宿主細胞中で異種蛋白が過剰
生産されるためであると考えられている。大腸菌細胞の
酸化還元電位が比較的高いため、異種ソマトトロピンは
実質的に還元型(ジスルフイド結合がない形)で屈折体
の中に存在していると考えられている。
多くのソマトトロピンが大腸菌内で発現されている。
例えば米国特許明細書第4,342,832号に記載のヒトソマ
トトロピン(大腸菌K12 株W3110/p107):ヨーロッパ特
許出願出願第76,444A号(米国特許出願第303,689号、19
81年9月18日出願)に記載の牛ソマトトロピン(大腸菌
K12 株W3110/pBGH−1):ヨーロッパ特許出願第111,38
9A号(米国特許出願第439,977号、1982号11月8日出
願)記載の豚ソマトトロピン;PCT出願公開番号W084/011
50(1983年9月13日出願)に記載の鳥ソマトトロピンな
どである。
本発明で使用するためには屈折体は標準的な生物学的
方法で回収し得る。例えばトルエン及びフエノール中0.
25重量%の溶液であらかじめ殺した宿主細胞を、マント
ン−ゴウリン(Manton−Gaulin)ホモゲナイザー又はフ
レンチプレス等の通常の機械的手段を用いて破壊させ
る。宿主微生物の細胞破片が低速遠心分離で沈降しない
ように十分破壊することが好ましい。低速遠心分離では
屈折体はホモゲネート溶液から沈降する。好ましくは屈
折体をもう一度再浮遊し、洗滌し、遠心分離する。上澄
液を捨てて実質的に純粋な調製物を得る。本発明の実施
にとつて必須ではないが、屈折体調製物はもう一度ホモ
ゲナイズして、凝集した屈折体を含まない完全に分散し
た調製液とすることが好ましい。この調製液を好ましく
はマントル−ゴウリン(Manton−Gaulin)ホモゲナイザ
ー中で3000-5000フサイでホモゲナイズする。
尿素は、蛋白を開く複数のサブユニツトからなる蛋白
を各サブユニツトに分解するのに効果的な媒体であると
これまで報告されてきたが、この従来の考え方に反し
て、屈折体を有効量及び有効濃度の尿素に接触させるこ
とにより宿主細胞の屈折体からソマトトロピンを効率的
に可溶化できることがわかつた。特定の濃度及びpHにお
いて尿素は有効な可溶化剤であることは以下の記述から
明らかであろう。
尿素の必要濃度及び絶対量はpH、ソマトトロピンの種
類及び可溶化する量に依存する。尿素は、容易に入手で
き比較的安価であり、強いカオトロピツク剤により生態
学的に安全であり、以後の精製工程を実質的に妨害しな
いため、経済的に好ましい。
説明を明瞭かつ簡潔にするため、以下尿素について説
明する。
ソマトトロピン蛋白を含有する大腸菌の屈折体は、中
性pHの近辺で約8−10Mの尿素を含有する水溶液中で種
々の程度に可溶化された。中性pH近辺の尿素による短時
間の処理では、比較的少量の実質的に純粋な屈折体調製
物を部分的に可溶化するだけである。尿素濃度が下がる
につれて、可溶化の程度も低下する。約8Mよりずつと低
い濃度で中性pH近辺の尿素ではほとんど可溶化されな
い。
一般的に低温では疎水性蛋白の方が水溶液に溶解しや
すい。本発明では、ソマトトロピン様蛋白は、低温(代
表的には4℃)の方が室温(代表的には20-25℃)より
可溶化の程度が大きいことがわかつた。低温での可溶化
は溶解度が大きいこと以外に、尿素溶液の安定性が増加
し、屈折体調製物中に混在する可能性のあるプロテアー
ゼ活性に対する阻止も増大する。前記の利点は低温で操
作することに帰因するが、この操作は本発明にとつて必
須ではない。蛋白が不可逆的に変性することがなけれ
ば、高い温度を使用してもよい。しかし多くの場合、25
℃以下の温度でかつ溶液の凝固点より高い温度が、有利
でありかつ好ましいと考えられる。
本発明では尿素水溶液のpHを上昇又は低下させること
により相当量のソマトトロピン蛋白を可溶化した。下記
の例から明らかなように溶液のpHをより酸性又はアルカ
リ性にすることにより予期せざる効果が得られるが、復
元段階(具体的には還元型モノマーの酸化)は塩基によ
り触媒されるため、アルカリ性のpHに調整することが好
ましい。適当な塩基(例えば水酸化ナトリウム)を添加
することにより溶液のpHをよりアルカリ性にすることが
できる。屈折体が溶解するにつれて溶液のpHが低下する
ため、アルカリ状態の維持するには定期的に塩基を添加
する必要がある。第2図のデータから例証される如く、
溶液のpHは9よりも高く、例えば、9.5またはそれより
も高く、好ましくは9.5から12、最も好ましくは10から1
1である屈折体は60mg/mlという高濃度でも完全に可溶化
した。また、1.0Mという低い尿素濃度でも、また第2図
に示す如く7.5Mでも第1図に示す如く10Mという高い尿
素濃度でも屈折体は可溶化した。可溶化に必要な条件
(即ち尿素濃度、屈折体の量に対して使用する尿素溶液
の量及び溶液のpH)は、可溶化すべき屈折体の組成と量
に依存する。
本発明においては決定的な因子とは言えないが、可溶
化段階での溶液のpHの変化を防ぐため、適当な非妨害性
の緩衝剤を使用してもよい。適当な緩衝剤としては、ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びエタノール
アミンがあるが、これらに限定されない。トリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン(以下「トリス」と記載)
は安価であり容易に入手できるため好適である。約10〜
90mMのトリス濃度では、ソマトトロピンの収率に有意な
影響を与えることはないようである。新に調製した50mM
のトリス溶液のpHは約11.5である。しかし4℃における
PKが8.8であるトリスはこの高いpHでは緩衝力が弱い。
少量のトリスの使用でる程度の緩衝力を得るためには、
約40−60mMの濃度が好ましい。
屈折体中にもしソマトトロピンば凝集型及び/又は酸
化型で存在する場合は、分子内及び分子間ジスルフイド
結合の切断を促進するため、尿素水溶液中に外来性の還
元剤(例えばβ−メルカプトエタノール又は1,4ジチオ
スレイトール)を加えることが好ましい。この過つて折
り畳まれたモノマー又は凝集ソマトトロピンが存在する
場合でも、還元剤は生物活性のあるソマトトロピンの回
収率を一般的に上昇させる。還元剤とスルフヒドリル基
は尿素溶液中で同時に酸化作用を示し、正しく酸化され
たモノマー性ソマトトロピンが高収率で得られ、ソマト
トロピンの酸化の前に必ずしも除去する必要はないこと
が明らかになつた。大腸菌宿主細胞中で発現されるN−
メチオニル牛ソマトトロピン及びN−メチオニル豚ソマ
トトロピンは、実質的に還元型(ジスルフイド結合を持
たない形)で屈折体の中に封じ込められていることが明
らかになつた。従つてこれらの調製物には還元剤を使用
する必要はない。
本発明の方法の別の側面において、このようなソマト
トロピンは一旦可溶化されると容易に本来の形に戻るこ
とが明らかになつた。本来の形のソマトトロピンは4個
のシステインを残基間に2個の分子内ジスルフイド結合
を有する。還元型から酸化型へ変化するときは、3個の
組合わせの内任意の1つの組合わせで、システイン残基
は一緒になつて2個の分子内結合を形成するが、不幸に
してこの内1つの組合わせのみがソマトトロピンの本来
の形である。同様に1つのソマトトロピン分子のシステ
イン残基は別の分子のシステイン残基とジスルフイド結
合を形成してダイマー、トリマー及びさらに数の多いオ
リゴマーを産出する。正しい形のモノマーと過つた形の
モノマー及びオリゴマーの比率は、ソマトトロピン蛋白
が折り畳まれ、酸化され条件により変化する。
本発明以前の標準的方法では蛋白を復元するとき、変
性溶液中(即ちカオトロピツク溶液)の蛋白を還元剤の
存在下で、その蛋白に適したpHの、許容される緩衝液
(例えば炭酸水素ナトリウム)に移した。ストライヤー
(Stryer)著、バイオケミストリー(Biochemistry)
(第2版、1981年)32-35頁、ダブリユウ エイチ フ
リーマン アンド カンパニー(W.H.Freeman and Comp
any)出版、及びビューレー(Bewley)ら、「ヒト下垂
体成長ホルモン−その還元と再酸化」(“Human Pituit
ary Growth Hormone-The Reduction and Reoxidation o
f the Hormone")アーカイブス オブ バイオケミスト
リー アンド バイオフイジツクス(Archives of Bioc
hemistry and Biophysics)第138巻、338-346頁(1970
年)参照。使用された緩衝液の量は、蛋白濃度が非常に
低くなるような(通常約1.5mg/ml以下)量であり、次に
その溶液を空気にさらして蛋白の酸化を行つた。
蛋白中のジスルフイド結合の生成は、塩基触媒性フリ
ーラジカル機構により起きると提唱されている(例えば
マーチ著(March)、アドバンシーズ インオーガニツ
ク ケミストリー(Adv.Organic Chemistry)、マツク
グロウヒル社(McGraw Hill)(1977年)出版)。塩基
で触媒されるため、この反応はアルカリ性pH中で行うこ
とが好ましい。ジスルフイド結合を生成する酸化反応は
約7以上のpHで進行するため、使用するpHは蛋白のスル
フジドリル基のpK(〜8.4)より高いことが好ましい。
以下の実施例においてはpH10.5及び11.0での本発明を実
施した場合の例を示す具体的には使用するpHは約9−12
が好ましい。従って、例えば9.5又はそれ以上のpHを使
用することができる緩衝液を使用する場合はトリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタンが好ましい。
従来法とは反対に、ソマトトロピンは、尿素溶液に溶
解させたまま、分子内ジスルフイド結合を形成するスル
フヒドリル基を酸化するのに十分な時間、穏和な酸化剤
(過酸化水素又は空気)に接触させることにより効率的
に復元できることが明らかになつた。さらに30mg/ml以
上の高いソマトトロピン濃度でも、しかし好ましくは約
30mg/ml以下そしてさらに好ましくは約20mg/mlより低い
濃度で還元できることが明らかになつた。還元剤の存在
下で又は存在しないところで、宿主細胞の蛋白が混在し
ていても、復元は効率的に進行する。ソマトトロピンモ
ノマーの量は、任意の適当な生化学的方法(例えばラジ
オイムノアツセイ(RIA)、分子排除クロマトグラフイ
ー及び高速液体クロマトグラフイー(HPLC)により測定
できる。
外来性の還元剤(例えばβ−メルカプトエタノール及
び1,4−ジチオスレイトール)が存在しないとき、又は
酸素を排除する注意を払わないとき、可溶化によりソマ
トトロピン蛋白の酸化が始まる。尿素濃度は生物活性の
あるソマトトロピンモノマーの収率に影響を与える最も
重要なパラメータと思われる。実際に、ソマトトロピン
が可溶化状態に維持される任意の尿素濃度で、実質的に
酸化が起きる。一旦可溶化されるとソマトトロピンは、
低温で1M又はそれ以下の尿素濃度中では溶液中に存在す
る。従つて、モノマーの産生を最大にするために、尿素
濃度を可溶化に使用した濃度から復元過程に最適の濃度
に調整しなければならない。この最適な濃度はソマトト
ロピンの種類により異なる。可溶化後に尿素濃度を下げ
たいときは、蒸留水又は緩衝液を添加して希釈してもよ
い。尿素濃度の調整による急激な作用を緩和するため、
還元剤を使用してもよい。還元剤が存在しないとき可溶
化に7.5Mの尿素を用いた場合、N−メチオニル牛ソマト
トロピンでは尿素濃度の希釈前に各1時間経過するたび
に約5重量%モノマーの収率が低下する。N−メチオニ
ル牛ソマトトロピンの場合、復元には4M-6Mの間特に第
3図のデータに例示する如く、約4−5Mの尿素濃度が好
ましい。復元の最適濃度は約4.5Mにあるようで、これ以
上及び以下の濃度では、モノマーの回収率が低下し凝集
物の生成が増加する。従って、可溶化に7.5Mの尿素濃度
を使用した場合は、この高い非最適濃度における酸化を
避けるため、還元剤が存在しない場合は蒸留水又はトリ
スなどの適当な緩衝液で4.5Mまで速やかに希釈すること
が好ましい。可溶化に4M-6Mの尿素濃度を使用した場
合、そのような希釈化は必要としない。
N−メチオニル豚ソマトトロピン(N−メチオニル牛
ソマトトロピンとはアミノ酸が18個異なる)の場合は、
再活性化時の尿素濃度は2.5-3.5Mが好ましい。復元の最
適尿素濃度は約3Mにあるらしく、これ以上及び以下の濃
度では、モノマーの回収率が低下し凝集物の生成が増加
する。同様にこの高い非最適尿素濃度における変性を避
けるため、還元剤が存在しない場合はトリスなどの適当
な緩衝液で7.5Mから3Mまで速やかに希釈することが好ま
しい。2.5M-6Mの尿素濃度を使用した場合、そのような
希釈化は必要としない。
上記のような方法が可溶化し復元したソマトトロピン
は、次に標準的なクロマトグラフイー法で精製した。生
物活性はラツト成長バイオアツセイに対する応答で示し
た。この方法では異種ソマトトロピンの生物活性は、種
々の量のソマトトロピンを投与した下垂体切除ラツトの
示す体重増加量を、既知ロツトのソマトトロピン(例え
ば牛、又は豚下垂体ソマトトロピン)と比較して求め
た。特定のソマトトロピンの投与量に対する体重の増加
の回帰直線の傾きを、既知の標準品(すなわち下垂体性
物質)と比較し、異種ソマトトロピンの相対的生物活性
剤(単位(U)/mg成長ホルモン)を計算した。
本発明の方法により、可溶化し復元した後精製したN
−メチオニル牛ソマトトロピンを、次に乳牛に投与し
た。この調整物を投与した乳牛は、対照牛より10-40
(重量)%多くの牛乳を産生した。(エパード(Eppar
d)ら、「乳汁分泌中の乳牛に対する成長ホルモンの長
期投与の影響」(“The Effect of Long-term Administ
ration of Growth Hormone on Performance of Lactati
ng Dairy Cows")、コーネル栄養学会1984年会議演集を
参照。) 本発明をさらに明らかにするため以下に実施例を示
す。以下の実施例は例示の為のみであり、本発明を限定
するものではない。
実施例1 本発明を大腸菌で発現させたN−メチオニル牛ソマト
トロピン(MBS)の可溶化により説明する(シーバーグ
(Seeburg)ら、デイーエヌエー(DNA)第2巻(1):3
7-45頁(1983年)に一般的に記載)。個々の詳細な操作
は、ゲデル(Goeddel)ら、ネーチヤー第281巻(1979年
10月):デボート(DeBoert)ら、「プロモーター:構
造と機能」(“Promoters:Structure and Functio
n")、462-481頁、プレーガーサイエンテイフイツク出
版会社出版(Praeger Scientific Publishing Co)、
(1982年):ミオザリ(Miozzari)ら、ジヤーナルオブ
バクテリオロジー(J.Bacteriology)第133巻、1457-14
66頁(1978年)を参照、集めた細胞はマントン−ゴウリ
ンホモグナイザーに2回通して破砕した。MBSを含有す
る屈折体は低速遠心分離によりホモゲネート溶液からペ
レット化した。上澄液は捨て、屈折体を再浮遊し、洗滌
し、再びペレット化した。再び上澄液を捨て、実質的に
純粋な屈折体調製物を得た。
上記の方法で調整した屈折体を25℃で種々のpHで種々
の濃度の尿素水溶液に加えた。緩衝液は全て100mMトリ
ス塩基を含有していた。HClを添加してpHを調整した。
屈折体の最終濃度は約4mg/mlであつた。屈折体は全て蛋
白であると仮定して、1mg/mlの蛋白の277nm及び光路長1
cmでの吸光係数(ε)0.68を用いて、溶解の程度は分光
光学的に求めた。出発濃度は完全に溶解した試料につい
て分光光学的に集めた。この実験の結果を第1図に示
す。このデータは、pHをアルカリ性にすると実質的に可
溶化の程度が上昇するという意外な発見を支持してい
る。
実施例2 温度4℃に保ちpHを酸性及びアルカリ性に維持したこ
と以外は実施例1の方法に従つた。実施例1と同様に緩
衝液は全て100mMのトリス塩基を含有していた。酸性側
へのpH調整は酢酸で行つた。この実験の結果を第2図に
すめす。特定の尿素濃度及び特定のpHで第1図と第2図
の結果を比較すると、室温(25℃)より低温(4℃)で
可溶化が上昇していることがわかる。
比較例A 実施例1に記載した方法でMBSを含有する屈折体を調
製した。pHを調整せずに屈折体を10Mの尿素と混合し屈
折体の最終濃度が約5.0mg/mlになるようにした。溶液を
混合し4℃で一晩平衡化させた。上記の分光光学的方法
で測定した可溶化の程度は約2.9mg/mlであつた。屈折体
を完全に溶解するために十分な尿素を加えて、完全に溶
解した溶液を分光光学的に測定し、希釈率を補正して屈
折体の出発濃度を求めた。
比較例B 実施例1の方法で調製したMBSを含有する屈折体を、p
Hを調整せずに8.0Mの尿素水溶液と混合し、屈折体の最
終濃度を5.0mg/mlとした。この溶液を混合し4℃で一晩
平衡化させた。上記の分光光学的方法で求めた可溶化の
程度は約2.4mg/mlであつた。屈折体を完全に溶解するた
めに十分な尿素を加えて、完全に溶解した溶液を分光光
学的に測定し、希釈率を補正して屈折体の出発濃度を求
めた。
実施例3 実施例1の方法で調製したMBSを含有する屈折体を、
緩衝化していない4.5Mの尿素水溶液と混合し屈折体濃度
を約66mg/mlとした。希薄NaOHで溶液のpHを7から11に
調整した。溶液が透明になれば完全に可溶化したことを
示している。実施例1の分光光学的方法で求めた屈折体
の濃度は66mg/mlであつた。
実施例4 実施例1の方法で調製したMBSを含有する屈折体を、p
H10.5で100mMのトリスを含有する7.5Mの尿素水溶液で可
溶化した。100mMのトリスを加えて種々の濃度の尿素溶
液を調製し、適当な尿素溶液を添加して全蛋白濃度を約
1mg/ml(完全に溶解した試料の分光光学的分析により定
量)に維持した。24時間溶液を撹拌した状態で空気に接
触させて、溶解しているMBSを酸化させた。結果を第3
図のグラフに示す。モノマーの収率は全MBS含量のパー
セントととして示した。第3図から明らかなように、尿
素濃度約4.5Mで復元効率は最大であつた。
実施例5 実施例4の方法に従い、pH10.5で100mMのトリスを含
有する7.5Mの尿素水溶液中で、MBSを含有する屈折体を
可溶化させた。可溶化した後100mMトリスで溶液を4.5M
尿素とし、pHを10.5-8.5のレベルに調整した。24時間溶
液を撹拌した状態で空気に接触させて、各溶液を酸化さ
せた。MBSモノマー及びオリゴマーの含量はHPLCで測定
した。結果は、酸化中、溶液pHに対する復元効率は比較
的一定であるが、pHが高くなる程収率が良くなることを
示している。さらにこの塩基に触媒される酸化反応は、
よりアルカリ性のpHで速く進む。
実施例6 実施例1に記載した方法により調製した約150mlの屈
折体を、4℃で約850mlの5.3M尿素水溶液に添加した。
こうして得られた4.5M尿素溶液を50重量%のNaOHでpH11
に調整した。屈折体は完全に溶解し、全体のMBS濃度は
約12.4mg/mlとなつた。この溶液を4℃で一晩撹拌してM
BSを酸化させた。酸化した溶液のHPLC分析の結果、MBS
モノマーの収率は約80重量%であつた。
実施例7 実施例1において列挙した文献記載の一般的な方法に
従い、大腸菌中でN−メチオニル豚ソマトトロピン(MP
S)を発現させた。前記の方法を用いて、MPSを含有する
屈折体を回収した後、7.5M尿素、90mMトリス(pH11.0)
中で4℃で可溶化させた。上記尿素溶液1mlにつき113mg
(湿重量)の屈折体のペレツトが溶解した。試料を90mM
のトリス及び/又は尿素を用いて希釈し、MPS濃度が4mg
/ml(屈折体ペレツトの湿重量の基づく)で4.5M、3.0
M、2.0Mの尿素濃度を得た。撹拌条件下で一晩試料を空
気に接触させて、試料を酸化させた。HPLCで測定した結
果、MPS収率が最大の最適な尿素濃度は3Mであつた。
実施例8 実施例1に記載した方法に従い、4℃で7.5M尿素水溶
液、90mMトリス(pH11)中で3つの異なる濃度(上記尿
素溶液1mlにつき20、40、80mg(湿重量)のペレツト)
でMPSを可溶化した。この溶液試料を90mMのトリス及び
/又は尿素を用いて希釈して、尿素濃度3M及びMPS濃度1
mg/mlを得た。希釈したMPS溶液を4℃で撹拌条件下で56
時間空気に接触させた。HPLCで測定した結果、MPSモノ
マーの平均収率は69重量%であつた。
実施例9 0.1mMの1,4−ジチオスレイトールの存在下で可溶化と
復元を実施した以外は、実施例8の方法に従つた。HPLC
で測定した結果、MPSモノマの平均収率は66重量%であ
つた。
実施例10 クリビ(G.G.Krivi)が1985年2月22日に出願した米
国特許出願第704,362号(発明の名称「原核生物の蛋白
の生産」(“Production of Proteins in Procaryote
s")に記載の方法に従い、BGHの3変種(すなわちAl
a-1,Ala-1V126及びMer-1Val126)を大腸菌で発現させ
た。実施例1に記載の一般手順に従い、BGH変種を可溶
化し復元した。
各BGH変種を含有する屈折体を実施例1の方法で回収
した。約300mg(湿重量)の屈折体を水に浮遊させて、
1リツトルのスラリーを得た。このスラリーを約5リツ
トルの9M尿素、108mMのトリスを含む溶液約5lに添加し
て、4℃で7.5Mの尿素と90mMのトリス(pH10.5)濃度で
各BGH変種を含む可溶化溶液を得た。数時間撹拌するこ
とにより、完全に溶解した。4リツトルの冷水をゆつく
り添加することにより、4℃で4.5Mの尿素と54mMのトリ
ス(pH10.5)濃度で各BGH変種を含む復元溶液を得た。
この溶液を撹拌し、約48時間この溶液を空気に接触させ
て各BGH変種を酸化させた。酸化したBGH変種溶液をHPLC
で測定しところ、3つのBGH変種いずれについてのモノ
マー収率が約60-70重量%で得られた。
実施例11 上記に記載の方法で得られたソマトトロピン蛋白の構
造の類似性を、ビユーレイ(Bewley)、「ホルモン研究
の最近の進歩」(Recent Progress in Hormone Researc
h),第35巻、155-210頁、アカデミツク プレス(Acad
emic Press)社出版に記載の円偏光二色性分光分析法に
より測定した。具体的にはMBSとBGHのAla-1変種を牛下
垂体性ソマトトロピンと比較した。50mMの炭酸水素ナト
リウム(pH9.5)に試料を溶かし、上記の方法で分析し
た。その結果、ここに記載の方法で得られた組み換えソ
マトトロピンは、復元後本来の立体構造を有しているこ
とが確認された。
実施例12 実施例1に記載の方法で調製したMBSを含有する屈折
体を、4℃で緩衝化していない1.0Mの尿素溶液と混合し
た。水酸化ナトリウムでpHを12.1に調整しかつ維持し
た。溶液は透明になり完全に可溶化されていることを示
していた。実施例1の分光光学的方法で測定したこの屈
折体の濃度は約10mg/mlであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、25℃におけるN−メチオニル牛ソマトトロピ
ンの可溶化に対するpHと尿素濃度の撮影を示す。 第2図は、4℃におけるN−メチオニル牛ソマトトロピ
ンの可溶化に対するpHと尿素濃度の撮影を示す。 第3図は、N−メチオニル牛ソマトトロピンのモノマー
の収率に対する尿素濃度の影響を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スチーブン ブラツドリイ ストーズ アメリカ合衆国ミズリー州クルーブ ク ール,プレイリー フオーリスト ドラ イブ 12355 (72)発明者 グラント ツヨシ シマモト アメリカ合衆国ミズリー州メリーランド ハイツ,コリダ コート 12239

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソマトトロピン蛋白を含有する宿主細胞培
    養物の屈折体から生物学的に活性な牛ソマトトロピン蛋
    白を回収する方法であって、 a) 前記宿主細胞培養物から屈折体を分離回収する工
    程、 b) 前記屈折体を尿素水溶液と接触させて、前記蛋白
    を可溶化させる工程、 c) 前記可溶化した蛋白を含有する溶液を温和な酸化
    剤と接触させて可溶化した蛋白を酸化し、ソマトトロピ
    ン蛋白に含まれるシステイン残基間で分子内ジスルフィ
    ド結合を生成する工程、 d) 前記蛋白を回収する工程、 からなり、前記蛋白の可溶化を1〜7.5Mの尿素濃度で行
    い、前記酸化を4〜6Mの尿素濃度で行い、前記可溶化と
    酸化をそれぞれ9を超えるpHで、可溶化溶液の凝固点を
    超え25℃よりも低い温度で行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】酸化を、ソマトトロピン蛋白を可溶化する
    のに使用した尿素水溶液中にソマトトロピン蛋白がまだ
    溶解している状態で行うことを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】尿素水溶液の尿素濃度が4.5Mであることを
    特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】pHが11であることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の方法。
  5. 【請求項5】温度が4℃であることを特徴とする請求項
    2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】可溶化と酸化を実質的に同一の尿素濃度、
    pHおよび温度条件下で行う請求項1〜5のいずれかに記
    載の方法。
  7. 【請求項7】可溶化と酸化を4.5M濃度の尿素水溶液中、
    4℃の温度、pH11で行う請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】ソマトトロピン蛋白を含有する宿主細胞培
    養物の屈折体から生物学的に活性な豚ソマトトロピン蛋
    白を回収する方法であって、 a) 前記宿主細胞培養物から屈折体を分離回収する工
    程、 b) 前記蛋白を可溶化するのに有効な尿素濃度、温度
    およびpHの条件で尿素水溶液と前記屈折体を接触させる
    工程、 c) ソマトトロピン蛋白に含まれるシステイン残基間
    で分子内ジスルフィド結合を生成するのに十分な時間前
    記可溶化した蛋白を含有する溶液を温和な酸化剤と接触
    させて可溶化した蛋白を酸化する工程、 d) 前記蛋白を回収する工程、 からなり、前記蛋白の可溶化を1〜7.5Mの尿素濃度で行
    い、前記酸化を2.5〜3.5Mの尿素濃度で行い、前記可溶
    化と酸化をそれぞれ9を超えるpHで、可溶化溶液の凝固
    点を超え25℃よりも低い温度で行うことを特徴とする方
    法。
  9. 【請求項9】酸化を、ソマトトロピン蛋白を可溶化する
    のに使用した尿素水溶液中にソマトトロピン蛋白がまた
    溶解している状態で行うことを特徴とする請求項8に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】尿素濃度が3Mであることを特徴とする請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】pHが11であることを特徴とする請求項9
    または10に記載の方法。
  12. 【請求項12】温度が4℃であることを特徴とする請求
    項9〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】可溶化と酸化を実質的に同一の尿素温
    度、pHおよび温度の条件下で行う請求項8〜12のいずれ
    かに記載の方法。
  14. 【請求項14】可溶化と酸化を3M濃度の尿素水溶液中、
    4℃の温度、pH11で行う請求項13に記載の方法。
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