JP2572759Y2 - 流通構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本考案は、底と壁とを有するボッ
クス形移送トレイと、側壁が相互に平行で端壁に対して
直角に位置する固定可能な作用位置と端壁から幾分広が
る側壁を有する外へ旋回した自由位置との間を旋回可能
な様に構成され端壁にヒンジ結合される側壁および垂直
な端壁を有する型式のものでホイールを備えるワゴンと
を具備する流通構造に関する。 【０００２】 【従来の技術】酪農場から店への酪農物品、例えばミル
クパックの輸送は、上述の型式のワゴンを有する流通構
造の扶助によって屡々行われる。該ワゴンは、酪農場で
問題の物品を充填された後、流通ヴァン上まで転動さ
れ、店へ運ばれる。到着すると、ワゴンは、売場へ直接
に転動され、該売場では、客は、自分で次々にワゴンを
空にする。ワゴンは、空になると新しい一杯のワゴンに
取替えられ、酪農場へ戻されて再度充填される。空間を
節約するように空のワゴンを貯蔵することは、ワゴンに
積載する状態では平行な２つの側壁を自由位置へ向けて
相互に幾分外方に旋回させ、その旋回の後に、幾つかの
同様なワゴンが新たな充填のために酪農場へ戻り輸送さ
れるのを待つ間にそれらワゴンを限られた床面積に貯蔵
可能にするように、それらワゴンを相互に滑り込ませる
ようにすることによって容易になる。 【０００３】移送トレイがあるかまたはない公知の構造
は、幾つかの重大な欠点を有している。例えばワゴンの
側壁が、ワゴンの積載空間内の積荷を一緒に保護して保
持する横サポートとして作用するようになっている。従
って、この機能を満足させるために、物品の積荷が上記
空間を実際上完全に埋めるように全体の積荷体積の寸法
を定めることが必要であった。従って、公知の流通構造
は、積載すべき物品の寸法および形状に応じた幾分「特
製」のワゴンを必要とした。即ち、物品の寸法に関係な
く総ての型式の物品に対して均一のワゴンを使用するの
が不可能であった。 【０００４】公知の流通構造の別の欠点は、ワゴンの旋
回する側壁を作用位置に固定しこれによりワゴンが物品
を積載される際にこれら側壁が不時に相互に離れる様に
旋回するのを防止するため、ワゴンが通常或る種類の機
械的な固定装置、例えば相互に対して可動なワゴンの部
分に相互に係合する要素を有する型式の固定装置を備え
ていたことである。該固定装置は、通常ワゴンの取扱い
の際に発生可能で固定装置を屡々損傷しワゴンを使用不
能にさえする動揺および衝撃の様な機械的影響に非常に
敏感である。 【０００５】しかしながら、本考案により公知の流通構
造のこれ等の欠点の多くは、ワゴンが支持機能および固
定機能の様な特定の従来不可欠な機能から幾分解放され
れば、排除可能なことが判明した。 【０００６】 【考案の要約】従って、本考案の目的は、特にミルクパ
ックの様な酪農物品に対する冒頭に述べた型式のもので
あるが公知の構造とは異なり特定の物品の寸法および形
状に関係なく均一に標準化されたワゴンの使用を可能に
する流通構造を提供することである。他の目的は、敏感
な機械的固定装置を使用することなく作用位置に固定可
能な旋回する側壁を有するワゴンを備える流通構造を提
供することである。更に他の目的は、最小数の可動部分
と、実際上完全に開放する側壁とを有する底なしの手入
れし易い（容易に清掃される）ワゴンを備え安価で容易
に扱われる流通構造を提供することである。更に他の目
的は、トレイのワゴンへの装着を容易に行うことがで
き、従って物品の積載を容易に行える流通構造を提供す
ることである。 【０００７】上記目的を達成するために、本考案は、底
と壁とを有するボックス形移送トレイと、垂直な端壁と
該端壁にヒンジで結合される２つの側壁とを有し且つホ
イールに支持されるワゴンとを備え、２つの前記側壁
は、これら側壁が相互に平行で前記端壁に対して直角に
位置する場合の固定可能な作用位置と、前記側壁が前記
端壁から幾分広がっている外方へ旋回した自由位置との
間で旋回可能になっている流通構造において、前記側壁
は、対で対向して設置される支持部材を備え、これら支
持部材は積載された移送トレイを支持するようになって
おり、該移送トレイは外側部材を備え、これら外側部材
は、前記支持部材と確実に係合して前記ワゴンの側壁を
前記作用位置に固定するようになっており、前記移送ト
レイの底が、該移送トレイの対向して設置された端壁を
越えて突出する端縁部分を有し、該端縁部分がその下側
に配置された下方へ開放するチャンネルを有して前記外
側部材を形成しており、前記支持部材は、前記ワゴンの
側壁に装着されて前記チャンネルに嵌合可能なＬ形で水
平のレールによって形成されており、これによって、前
記チャンネルを前記レールに嵌合させて前記移送トレイ
を前記ワゴンの開いた前面から前記端壁に向かって押す
ことにより、前記移送トレイを前記レールに沿って滑動
させて前記ワゴンに装着するようになっていることを特
徴とする流通構造を提供する。 【０００８】 【実施例】図１に示されるワゴン１は、後方の垂直な端
壁２（部分的に隠される）と、２つの側壁３，４とを有
している。ワゴン１は、作用位置、即ち、物品６で充満
される移送トレイを積載されるかまたは積載される様に
準備される位置にあり、このとき、２つの側壁３，４
は、相互に平行であって、端壁２に対して直角に位置決
めされる。２つの側壁は、相互に幾分広がる図示されな
い外方へ旋回される自由位置へ作用位置から旋回可能な
態様で垂直なヒンジ７によって端壁２に結合される。従
って、この位置では、幾つかの同様なワゴンは、相互に
滑り込んで空間を節約する態様において収納されるのが
可能である。 【０００９】本考案によるワゴン１の壁２，３，４は、
積載される物品６のサポートとして作用する必要がない
ため、比較的簡単かつ開放された構造を持つことが可能
であり、これは、総ての４方向から物品を明らかに可視
かつ近接可能にする。壁２，３，４の各々は、図１に示
す様に、好適に矩形金属フレームから成ってもよく、側
壁３，４は、それを形成する金属フレームの安定性を増
大する様に、好ましくは、対に対向して設置される幾つ
かの付加的な好ましくは高さを自由に調節可能な横棒８
−１５を備えてもよい。 【００１０】更に、ワゴン１は、旋回可能な前後の対の
ホイール１６，１７を底に有している。本考案による移
送トレイ５の一例は、図２に示される。該移送トレイ
は、底１８および端縁と、夫々対で対向して設置される
側壁１９，２０とを有し頂上で開放される矩形ボックス
として構成されてもよい。図２によって明らかな様に、
底１８は、側壁２０よりも僅かに長く、夫々の端壁１９
において突出する端縁部分１８ａを備えている。端縁部
分１８ａは、端壁１９の全長に沿って端壁１９に平行に
延び底において開放するチャンネル２１を有している。 【００１１】図３から明らかな様に、水平なＬ形レール
２２は、ワゴン１の夫々の横棒１４の内側に装着され、
その垂直な脚と横棒との間に連続的なガイドチャンネル
２３を形成する様に実際上横棒の全長に沿って延びる。
ワゴン１が物品６で充満される移送トレイ５を積載され
るべきとき、その手順は、次の通りである。最初に、ワ
ゴンの側壁３，４は、相互に平行に端壁２に対して直角
に設置されることにより作用位置に調節され、次に、移
送トレイ５は、図３に示す様に相互に確実に係合する端
縁部分１８ａおよびレール２２を伴ってワゴンに挿入さ
れ、その結果、側壁３，４は、作用位置で固定される。
端縁部分１８ａとレール２２との間の該確実な係合を可
能にするため、移送トレイの底１８のチャンネル２１の
間の距離は、相互に対向して位置する２つのレールの垂
直な脚の間の距離に相当せねばならない。 【００１２】初めに述べた様に、実際の物品の寸法およ
び形状に関係なく移送トレイ５に充填される物品６の移
送のために同一のワゴンを使用することが、本考案によ
って可能になる。既知のワゴンの寸法（即ち、ワゴンの
利用可能な積載面積）を積荷体積に適合させることは、
従来不可欠であったが、本考案においては、その適合
を、移送トレイの端縁及び夫々の側壁１９，２０の内側
の面積（即ち、移送トレイの利用可能な積載面積）で行
えば充分である。移送トレイ５の底１８の外側寸法は、
一定でよく、従って、均一な流通構造を得ることが、本
考案によって可能になる。 【００１３】移送トレイ５は、図２に破線によって示す
様に、移送トレイの側壁２０から横方向の外方へ突出す
る側片２４を端縁部分１８ａ間の底１８に備えてもよ
い。該側片は、物品の積荷の上部のまわりを掴むことに
よって直ぐ下に位置するかまたはワゴン１に挿入される
移送トレイの物品の積荷の軸方向変位を防止する様に意
図される。更に、移送トレイは、射出成形によって単一
部品として樹脂材料で作られてもよく、これは、トレイ
が軽く安価で取扱い容易なことを意味する。 【００１４】 【考案の効果】以上より明らかなように、本考案は、均
一に標準化することができ、物品を積載していないとき
には側壁を開いて複数のワゴンをコンパクトに積み重ね
ることができ、また、簡単な構成で、トレイをワゴンに
装着したときにワゴンの側壁が旋回しないように固定す
ることができるようになっている流通構造を提供する。
また、本考案の流通構造においては、移送トレイ５の底
１８の端縁部分１８ａが下方へ開放するチャンネル２１
を有し、そのチャンネル２１をワゴン１の側壁３，４に
装着されたＬ形で水平のレール２２に嵌合させ、移送ト
レイ５をレール２２に沿って滑動させることによりワゴ
ン１に装着できるため、トレイのワゴンへの装着、従っ
て物品のワゴンへの積載を容易に行うことができる。ま
た、同様に、トレイのワゴンからの取り出しも容易に行
える。

【図面の簡単な説明】 【図１】作用位置のワゴンを前から斜めに示す斜視図。 【図２】充填された移送トレイを示す斜視図。 【図３】図１に丸で囲んだ部分の拡大斜視図。 【符号の説明】 １ ワゴン ２ 端壁 ３，４ 側壁 ５ 移送トレイ ８−１５ 横棒 １８ 底 １８ａ 端縁部分 １９，２０ トレイの側壁 ２１ チャンネル ２２ Ｌ形レール

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 １．底（１８）と壁（１９，２０）とを有するボックス
   形移送トレイ（５）と、垂直な端壁（２）と該端壁
   （２）にヒンジで結合される２つの側壁（３，４）とを
   有し且つホイールに支持されるワゴン（１）とを備え、
   ２つの前記側壁（３，４）は、これら側壁（３，４）が
   相互に平行で前記端壁（２）に対して直角に位置する場
   合の固定可能な作用位置と、前記側壁（３，４）が前記
   端壁（２）から幾分広がっている外方へ旋回した自由位
   置との間で旋回可能になっている流通構造において、 前記側壁（３，４）は、対で対向して設置される支持部
   材を備え、これら支持部材は積載された移送トレイ
   （５）を支持するようになっており、該移送トレイ
   （５）は外側部材を備え、これら外側部材は、前記支持
   部材と確実に係合して前記ワゴン（１）の側壁（３，
   ４）を前記作用位置に固定するようになっており、前記
   移送トレイ（５）の底（１８）が、該移送トレイ（５）
   の対向して設置された端壁（１９）を越えて突出する端
   縁部分（１８ａ）を有し、該端縁部分（１８ａ）がその
   下側に配置された下方へ開放するチャンネル（２１）を
   有して前記外側部材を形成しており、前記支持部材は、
   前記ワゴン（１）の側壁（３，４）に装着されて前記チ
   ャンネル（２１）に嵌合可能なＬ形で水平のレール（２
   ２）によって形成されており、これによって、前記チャ
   ンネル（２１）を前記レール（２２）に嵌合させて前記
   移送トレイ（５）を前記ワゴン（１）の開いた前面から
   前記端壁（２）に向かって押すことにより、前記移送ト
   レイ（５）を前記レール（２２）に沿って滑動させて前
   記ワゴン（１）に装着するようになっていることを特徴
   とする流通構造。 ２．実用新案登録請求の範囲第１項に記載の流通構造に
   おいて、前記レール（２２）が、前記側壁（３，４）上
   の横棒（８〜１５）に取り付けられ、これら横棒（８〜
   １５）は高さを自由に調節可能であることを特徴とする
   流通構造。 ３．実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の
   流通構造において、前記端縁部分（１８ａ，１８ａ）間
   の前記移送トレイ（５）の底（１８）は、該移送トレイ
   （５）の側壁（２０）から横方向外方へ突出して下方へ
   延びる側片（２４）を有することを特徴とする流通構
   造。 ４．実用新案登録請求の範囲第１項から第３項までのい
   ずれか１つの項に記載の流通構造において、前記移送ト
   レイ（５）が、樹脂材料の射出成形によって一片に形成
   されることを特徴とする流通構造。