JP2572002B2 - フルオレノンの製造方法 - Google Patents

フルオレノンの製造方法

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JP2572002B2
JP2572002B2 JP5008038A JP803893A JP2572002B2 JP 2572002 B2 JP2572002 B2 JP 2572002B2 JP 5008038 A JP5008038 A JP 5008038A JP 803893 A JP803893 A JP 803893A JP 2572002 B2 JP2572002 B2 JP 2572002B2
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光昭 山田
克英 沖見
敏 遊津
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OOSAKASHI
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフルオレンを分子状酸素
含有ガスにより液相酸化してフルオレノンを製造する方
法に係り、例えばコールタール等から回収されるフルオ
レン原料から高収率でフルオレノンを製造できる方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】フルオレノンは、農薬、医薬、機能性高
分子、染料、顔料、感光剤等の原料として有用な物質で
ある。そして、フルオレンを酸化することによってフル
オレノンを製造できることが知られている。一方、フル
オレンは主にコールタール中にかなりの量が含まれてお
り、コールタールからフルオレンを分離して有効利用す
ることは、工業的にも、資源の有効利用の点からも価値
がある。すなわち、フルオレンからのフルオレノンの工
業的な製造技術は、フルオレンの有効利用のためにも重
要である。
【0003】従来より知られているフルオレンからフル
オレノンを製造する方法として、触媒としてジメチルス
ルホオキシドを用いてフルオレンを液相空気酸化する方
法がある(米国特許3875237明細書)。しかし、
実際のところ、この方法には、重質分が生成しやすくて
フルオレノンを高収率で得ることが容易でない、ジメチ
ルスルホオキシドは高沸点溶媒であって反応液からの分
離が困難である等の問題点があるため経済的な工業的製
造方法とは言えない。
【0004】また、触媒としてクロムイオン及び/又は
コバルトイオン供与体を用い、溶媒としてN,N−ジア
ルキル低級飽和脂肪酸アミドを用いてフルオレンを酸化
する方法がある(特開昭56−32430号公報)。し
かし、この方法にも、転化率が低く押さえられるため高
純度の精製フルオレノンを高収率で得ることが容易でな
い、クロムイオン及び/又はコバルトイオン供与体を用
いるため排水管理上高度な処理を必要とする等の問題点
があるため経済的な工業的製造方法とは言えない。
【0005】さらに、触媒としてトリトンB(トリメチ
ルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド)及びNa
OH水溶液を用い、溶媒としてαメチルナフタリン、キ
ノリン等を用いてフルオレンを触媒的に酸化する製造方
法がある(特開昭53−98948号公報)。しかし、
この方法も、触媒の活性が低く反応に長時間を要するた
め経済的な工業的製造方法とは言えない(後出の比較例
1)。
【0006】さらにまた、相間移動触媒の存在下で、フ
ルオレンを自動酸化する方法も報告されている〔テトラ
ヘドロンレターズ(Tetrahedoron Letters)No.24 p211
7 〜2118, 1977〕。しかし、この文献内に具体的に記載
されている例、即ち、相間移動触媒としてジエチルジヘ
キサデシルアンモニウムクロライドを用いてフルオレン
を酸化する方法においては、純酸素を用いても、フルオ
レノン以外の副生物が9%生成しており、また、この文
献内に示されているテトラエチルアンモニウムハイドロ
オキサイド(Et4 + OH- )も、本発明者が試験を
行った範囲では、反応時間的に触媒として十分満足の行
くものではなかった(後出の比較例2)。
【0007】すなわち、上記公知技術は何れも反応系又
は触媒の成分が異なるため、以下に詳細に説明する本発
明とは別のものである。そして、フルオレンを分子状酸
素含有ガスにより液相酸化して高純度のフルオレノンを
高収率で製造できる工業的に経済的な製造方法を確立す
るという点からすると、必ずしも十分満足の行くもので
はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に経済的なフルオレノンの製造方法を提供することに
ある。すなわち、酸化反応において、重質分等の副生物
の生成がなく高い転化率でフルオレンからフルオレノン
を生成させること及び系内(反応液)から分離しやすい
安価な触媒を用いることを満足するフルオレノンの製造
方法を提供することにある。さらに、工業的に経済的な
精製方法によって、具体的には、安価な溶媒を用いた再
結晶、精密蒸留等によって高純度の精製フルオレノンを
高収率で回収するためのフルオレノン(粗フルオレノ
ン)を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、フルオレンを
分子状酸素含有ガスにより液相酸化してフルオレノンを
製造するにあたり、フルオレンを塩基性有機溶媒若しく
は中性有機溶媒に溶かし、一般式1:
【0010】
【化2】
【0011】で表される4級アンモニウム塩〔一般式1
中、R1 はCn 2n+1(但し、4≦n≦18)であり、
且つ、R2 、R3 及びR4 はそれぞれCH3 、C
2 5 、C37 又はC4 9 であり(但し、R2 、R
3 及びR4 が相互に同じである必要は無い)、且つ、X
はハロゲン原子又はOHである〕及びアルカリ水溶液の
存在下で酸化するフルオレノンの製造方法にある。
【0012】本発明において原料として用いるフルオレ
ンについては特に限定はない。ただし、高純度のものを
用いるのが好ましく、コールタール又は脱アルキル法ベ
ンゼン製造プロセスより副生する残油から得られるもの
を原料として用いる場合、不純物としてアセナフテン、
ジベンゾフラン等を含有するものであっても問題はない
が、フルオレン含有量が70重量%以上のもの、好まし
くは85重量%以上のものとして用いるのがよい。
【0013】本発明において用いる4級アンモニウム塩
は、前記一般式1で表わされる化合物であり、例えば、
(a)トリメチルn−ブチルアンモニウムブロマイド、
トリメチルn−ペンタシルアンモニウムブロマイド、ト
リメチルn−ヘキシルアンモニウムブロマイド、トリメ
チルn−オクチルアンモニウムブロマイド、トリメチル
n−デシルアンモニウムブロマイド、トリメチルn−ド
デシルアンモニウムブロマイド、トリメチルn−テトラ
デシルアンモニウムブロマイド、トリメチルn−ヘキサ
デシルアンモニウムブロマイド、トリメチルn−オクタ
デシルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラブチルエチルアンモニウムブロ
マイド等の4級アンモニウムブロマイド、(b)トリメ
チルn−ブチルアンモニウムクロライド、トリメチルn
−ペンタシルアンモニウムクロライド、トリメチルn−
ヘキシルアンモニウムクロライド、トリメチルn−オク
チルアンモニウムクロライド、トリメチルn−デシルア
ンモニウムクロライド、トリメチルn−ドデシルアンモ
ニウムクロライド、トリメチルn−テトラデシルアンモ
ニウムクロライド、トリメチルn−ヘキサデシルアンモ
ニウムクロライド、トリメチルn−オクタデシルアンモ
ニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルエチルアンモニウムクロライド等の4
級アンモニウムクロライド、(c)トリメチルn−ブチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルn−ペ
ンタシルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチル
n−ヘキシルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメ
チルn−オクチルアンモニウムハイドロオキサイド、ト
リメチルn−デシルアンモニウムハイドロオキサイド、
トリメチルn−ドデシルアンモニウムハイドロオキサイ
ド、トリメチルn−テトラデシルアンモニウムハイドロ
オキサイド、トリメチルn−ヘキサデシルアンモニウム
ハイドロオキサイド、トリメチルn−オクタデシルアン
モニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド、テトラブチルエチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド等の4級アンモニウムハイドロオ
キサイド等をあげることができる。
【0014】4級アンモニウム塩は、フルオレンの酸化
反応の触媒として作用するものであり、その使用量は、
原料として用いるフルオレン1mol当り0.1〜10
0g、好ましくは1〜20gとするのがよい。4級アン
モニウム塩の使用形態については特に限定はなく、例え
ば、取扱上必要であれば水溶液又はアルコール溶液の形
で使用してもよい。
【0015】また、4級アンモニウム塩とともにアルカ
リ水溶液を用い、4級アンモニウム塩とアルカリ水溶液
との存在下でフルオレンを酸化する必要がある。本発明
において用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ
金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液をあげる
ことができる。そして、高濃度の水溶液、具体的には3
0wt%以上の水溶液として用いるのがよい。アルカリ
水溶液の使用量は、原料として使用するフルオレン1m
ol当りアルカリとして0.1〜10当量、好ましくは
0.2〜2当量とするのがよい。また、4級アンモニウ
ム塩とアルカリ水溶液とををあらかじめ激しく攪拌した
後に、静置分離することによって得られる上層を調製触
媒として用いてもよい。
【0016】さらに、4級アンモニウム塩を又は4級ア
ンモニウム塩とアルカリ水溶液とを若しくは前記調製触
媒を時間的間隔を置いて少量ずつ分割投入してもよい。
この方法によれば、反応温度を精密に制御しやすくな
り、結果として、4級アンモニウム塩の使用量を減らす
こともできる。
【0017】本発明において用いることができる塩基性
有機溶媒及び中性有機溶媒としては、いずれも、特に限
定されるものではないが、例えば、塩基性有機溶媒とし
ては、キノリン、ピリジン等をあげることができ、中性
有機溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン等をあげ
ることができる。そして、工業的に実施する場合には、
工業的に安価に供給されるトルエンが好ましい。塩基性
有機溶媒乃至中性有機溶媒の使用量は、原料として使用
するフルオレン1mol当り150〜5000cc、好
ましくは450〜1800ccとするのがよい。
【0018】分子状酸素含有ガスによるフルオレンの液
相酸化は、例えば、フルオレン、4級アンモニウム塩、
塩基性有機溶媒乃至中性有機溶媒等を含有する反応系に
分子状酸素含有ガスを流通させてフルオレンと接触させ
ることによって行うことができる。この場合、分子状酸
素含有ガスの流量は、触媒濃度、反応温度等によって異
なるが、通常、原料として用いるフルオレン1mol当
り酸素換算で50〜3000Nl/min、好ましくは
100〜1500Nl/minとするのがよい。また、
フルオレン、4級アンモニウム塩、塩基性有機溶媒乃至
中性有機溶媒等とともに、分子状酸素含有ガスを回分式
のオートクレーブに張り込んで反応させることもでき
る。なお、本発明で用いる分子状酸素含有ガスは、酸素
分子を含有するガスであれば特に限定されるものではな
く、例えば、空気及び酸素ガス並びにこれらとアルゴン
ガス、窒素ガス等の不活性ガスとの混合ガスをあげるこ
とかできる。
【0019】分子状酸素含有ガスによるフルオレンの液
相酸化の反応温度は25〜100℃、好ましくは30〜
60℃とするのがよい。反応圧力は特に限定されるもの
ではなく常圧でも十分である。
【0020】フルオレンの液相酸化によって得られるフ
ルオレノンを含有する反応液を、必要に応じて、酸洗浄
又は水洗浄した後、用いた塩基性有機溶媒乃至中性有機
溶媒を蒸発させる等して除去することによってフルオレ
ノンを高収率で回収することができる。そして、得られ
たフルオレノン(粗フルオレノン)を、更に、アルコー
ル、ケトン、エーテル類等を用いて再結晶させるか又は
精密蒸留を行うかすることによって、高純度の精製フル
オレノンを経済的に回収することができる。このとき、
触媒として用いた4級アンモニウム塩は、酸洗浄又は水
洗浄によって水相側に、また、再結晶によっては再結晶
溶媒中に除去される。なお、触媒として用いた4級アン
モニウム塩は、一般の固体酸、イオン交換樹脂等を用い
て吸着分離させることによっても除去することができ
る。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に経済的な方法
によってフルオレンを無駄にすることなく高収率で且つ
効率的に短時間でフルオレノンを製造できる。また、本
発明によって製造したフルオレノンを再結晶乃至精密蒸
留することによって、高純度の精製フルオレノンを経済
的に得ることができる。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕攪拌器、分子状酸素含有ガス(空気)吹込
管、廃ガス管(冷却器付)を備えた容器内で、純度9
8.5重量%のフルオレン16.62g(0.0985
mol)をトルエン300mlに溶かし、得られた溶液
にトリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド0.
87g(2.50mmol)及び50重量%の苛性ソー
ダ水溶液10gを加えた後、温度25〜40℃の条件下
に200ml/minで空気を吹き込みながら4時間激
しく攪拌した。得られた反応液を、約10%の塩酸10
0mlで洗浄し、更に、pH=7になるまで水洗を繰り
返した後、トルエンを蒸発させた。得られた反応物(粗
フルオレノン)中のフルオレン含有量は0重量%であ
り、フルオレノン純度は98.5重量%であった(転化
率100%、選択率98.7%、粗フルオレノン収率9
8.7%)。次いで、メタノール30mlを用いて再結
晶を行い、固形分を乾燥させた。得られた固形分(精製
フルオレノン)の重量は15.4gであり、純度は9
9.2重量%であった(精製フルオレノン収率86.1
%)。
【0023】但し、転化率、選択率と各収率は以下の計
算式で求めた値である。
【0024】転化率(%)=(消費したフルオレンのモ
ル数)÷(原料中のフルオレンのモル数)×100 選択率(%)=(生成したフルオレノンのモル数)÷
(消費したフルオレンのモル数)×100 粗フルオレノン収率(%)=(生成したフルオレノンの
モル数)÷(原料中のフルオレンのモル数)×100 精製フルオレノン収率(%)=(再結晶後のフルオレノ
ンのモル数)÷(原料中のフルオレンのモル数)×10
0 〔実施例2〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0025】反応条件 原料フルオレン 16.62g(純度9
8.5重量%) 4級アンモニウム塩 50重量%テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド水溶液 0.87g(1.3
5mmol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 10g 溶媒 トルエン 300ml 反応時間 4h 反応温度 25〜40℃ 空気量 200ml/min 再結晶溶媒 メタノール 30ml反応結果 粗フルオレノン純度 98.3重量% 転化率 100% 選択率 98.7% 粗フルオレノン収率 98.7% 精製フルオレノン純度 98.9% 精製フルオレノン重量 15.9g 精製フルオレノン収率 88.7% 〔実施例3〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0026】反応条件 原料フルオレン 166.2g(純度9
4.8重量%) 4級アンモニウム塩 50重量%トリメチル
n−オクチルアンモニウムクロライド水溶液 5.22
g(12.6mmol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 50g 溶媒 トルエン 1660m
l 反応時間 4h 反応温度 25〜50℃ 空気量 2500ml/min 再結晶溶媒 メタノール 330m
反応結果 粗フルオレノン純度 95.0重量% 転化率 100% 選択率 98.2% 粗フルオレノン収率 98.2% 精製フルオレノン純度 98.6% 精製フルオレノン重量 141.7g 精製フルオレノン収率 81.9% 〔実施例4〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0027】反応条件 原料フルオレン 16.62g(純度9
8.5重量%) 4級アンモニウム塩 エチルジメチルヘキサ
デシルアンモニウムブロマイド 0.95g(2.50
mmol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 10g 溶媒 トルエン 300ml 反応時間 4h 反応温度 25〜40℃ 空気量 300ml/min 再結晶溶媒 メタノール 30ml反応結果 粗フルオレノン純度 98.3重量% 転化率 99.9% 選択率 98.4% 粗フルオレノン収率 98.3% 精製フルオレノン純度 99.0% 精製フルオレノン重量 15.6g 精製フルオレノン収率 86.9% 〔実施例5〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0028】反応条件 原料フルオレン 16.62g(純度9
8.5重量%) 4級アンモニウム塩 トリメチルヘキサデシ
ルアンモニウムブロマイド 0.91g(2.50mm
ol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 10g 溶媒 トルエン 300ml 反応時間 4h 反応温度 25〜50℃ 空気量 300ml/min 再結晶溶媒 メタノール 30ml反応結果 粗フルオレノン純度 98.3重量% 転化率 99.8% 選択率 98.3% 粗フルオレノン収率 98.1% 精製フルオレノン純度 98.9% 精製フルオレノン重量 15.5g 精製フルオレノン収率 86.3% 〔実施例6〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0029】反応条件 原料フルオレン 16.62g(純度9
8.5重量%) 4級アンモニウム塩 30重量%トリメチル
ヘキサデシルアンモニウムハイドロオキサイドメタノー
ル溶液 5.03g(5.0mmol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 10g 溶媒 トルエン 300ml 反応時間 6h 反応温度 25〜40℃ 空気量 300ml/min 再結晶溶媒 メタノール 30ml反応結果 粗フルオレノン純度 98.0重量% 転化率 99.5% 選択率 98.3% 粗フルオレノン収率 97.8% 精製フルオレノン純度 98.5% 精製フルオレノン重量 15.3g 精製フルオレノン収率 85.0% 〔実施例7〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0030】但し、第4アンモニウム塩は、反応開始時
にまず3gを加え、次いで2時間後に3g、4時間後に
2g、6時間後に2gをそれぞれ加えて、計12gを使
用した。また洗浄は水洗のみとした。
【0031】反応条件 原料フルオレン 332.4g(純度9
4.8重量%) 4級アンモニウム塩 50重量%テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド水溶液 12g(18.6m
mol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 50g 溶媒 トルエン 1330m
l 反応時間 6h 反応温度 25〜55℃ 空気量 5000ml/min 再結晶溶媒 メタノール 330m
反応結果 粗フルオレノン純度 94.8重量% 転化率 99.6% 選択率 98.7% 粗フルオレノン収率 98.3% 精製フルオレノン純度 98.6% 精製フルオレノン重量 278.4g 精製フルオレノン収率 81.1% 〔実施例8〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0032】但し、第4アンモニウム塩は、反応開始時
にまず2gを加え、次いで1時間後に2g、3時間後に
2g、4時間後に2g、5時間後に2g、7時間後に2
gをそれぞれ加えて、計12gを使用した。また洗浄は
水洗のみとした。
【0033】反応条件 原料フルオレン 332.4g(純度9
0.3重量%) 4級アンモニウム塩 50重量%テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド水溶液 12g(18.6m
mol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 50g 溶媒 トルエン 1000m
l 反応時間 9h 反応温度 25〜55℃ 空気量 5000ml/min 再結晶溶媒 メタノール 330m
反応結果 粗フルオレノン純度 91.0重量% 転化率 99.1% 選択率 98.4% 粗フルオレノン収率 97.6% 精製フルオレノン純度 98.8% 精製フルオレノン重量 266.8g 精製フルオレノン収率 81.1% 〔比較例1〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0034】反応条件 原料フルオレン 16.62g(純度9
8.5重量%) 4級アンモニウム塩 50重量%トリトンB
水溶液 4.51g(1.35mmol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 10g 溶媒 トルエン 300ml 反応時間 4h 反応温度 25〜40℃ 空気量 200ml/min 再結晶溶媒 メタノール 30ml反応結果 粗フルオレノン純度 52.8重量% 転化率 53.5% 選択率 98.7% 粗フルオレノン収率 52.8% 精製フルオレノン純度 45.9% 精製フルオレノン重量 11.8g 精製フルオレノン収率 30.5% 〔比較例2〕実施例1と同様の方法によって以下に示す
反応条件で行った。
【0035】反応条件 原料フルオレン 16.62g(純度9
8.5重量%) 4級アンモニウム塩 50重量%テトラエチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液 3.98g
(1.35mmol) 50重量%苛性ソーダ水溶液 10g 溶媒 トルエン 300ml 反応時間 4h 反応温度 25〜40℃ 空気量 200ml/min 再結晶溶媒 メタノール 30ml反応結果 粗フルオレノン純度 91.5重量% 転化率 92.7% 選択率 98.6% 粗フルオレノン収率 91.4% 精製フルオレノン純度 92.2% 精製フルオレノン重量 15.1g 精製フルオレノン収率 78.5%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖見 克英 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 遊津 敏 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 須田 康裕 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオレンを液相酸化してフルオレノン
    を製造するにあたり、フルオレンを塩基性有機溶媒若し
    くは中性有機溶媒に溶かし、一般式1: 【化1】 で表される4級アンモニウム塩〔一般式1中、R1 はC
    n 2n+1(但し、4≦n≦18)であり、且つ、R2
    3 及びR4 はそれぞれCH3 、C2 5 、C37
    はC4 9 であり(但し、R2 、R3 及びR4 が相互に
    同じである必要は無い)、且つ、Xはハロゲン原子又は
    OHである〕及びアルカリ水溶液の存在下で分子状酸素
    含有ガスを用いて酸化することを特徴とするフルオレノ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】 4級アンモニウム塩を時間的間隔を置い
    て分割投入する請求項1記載のフルオレノンの製造方
    法。
JP5008038A 1993-01-21 1993-01-21 フルオレノンの製造方法 Expired - Lifetime JP2572002B2 (ja)

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