JP2571928Y2 - フォークリフトのプッシャ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、フォークリフトのプッ
シャ装置に係り、詳しくはパレットを回収する上で有効
なプッシャ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的なフォークリフトのプッシ
ャ装置では、フォーク上の荷物をパレットごと前方へ押
し出してトラックの荷台等に積み込むのが普通である。
そのため、高価なパレットを回収するには、荷物だけを
手積みするか又は出荷先から返還してもらうことにな
る。しかしながら、このようなパレット回収方式では、
回収のためのコストが高く付くいう点に問題がある。

【０００３】このような事情に鑑み、パレットをフォー
ク上に残して荷物のみを前方へ押し出すことができるよ
うにしたプッシャ装置が提案されている。このようなパ
レット回収式のプッシャ装置としては、例えば実開昭５
１−１４９５７２号公報を挙げることができる。上記公
報に記載されたプッシャ装置は、要するに、フェースプ
レートによりパレット上の荷物を前方へ押し出しに際し
て、シリンダにて上下動される押圧アームによりパレッ
トの積載面の後側略中央部を上方から押さえ込むように
したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上述した公
報記載の押圧アームによる押さえ込み方式のプッシャ装
置では、パレット上に荷物を積み込む場合、予め押圧ア
ームによる押さえ込み用のスペースを確保して荷物を積
載しなければならず、煩わしい上にパレットの積載効率
が低下するという問題がある。しかも、アームによる押
さえ込み方式のプッシャ装置は、パレットの積載面の後
側中央部を押圧アームが押さえ付けることで、パレット
を制止させる関係上、パレットの前後、左右方向の揺れ
を確実に制止することが困難である。すなわち、袋詰め
された穀物類のような比較的滑りにくい荷物を前方に押
し出すに際して、パレットが荷物とともに前に移動して
しまったり、横に揺れたりする等して、場合によっては
荷崩れを起こす可能性があり、パレットを確実に制止さ
せるという点においても問題がある。

【０００５】そこで本考案は、上述の問題に鑑み、パレ
ット上の荷物を押し出すに際して、パレットをフォーク
側に確実に制止することができ、しかもパレットの積載
効率を低下させることのないプッシャ装置を提供するこ
とを、解決すべき技術的課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案は次のように構成したものである。すなわ
ち、フォークにて支持されたパレット上の荷物を前方へ
押し出すための前後移動可能なフェースプレートを備え
たフォークリフトのプッシャ装置において、前記左右の
フォークがシフトシリンダにより互いに接離方向に移動
可能とされるとともに、左右のフォーク先端には外張出
状の掛止部が形成されていることを特徴とするものであ
る。

【０００７】

【作用】上述のように構成された本考案に係るプッシャ
装置においては、フォークにて支持されたパレット上の
荷物をフェースプレートにより押し出しに際して、シフ
トシリンダにより左右のフォークを離間方向に移動さ
せ、該フォークの側面をパレットのフォーク差込口の側
端面に当接又は接近させる。この状態でフェースプレー
トにより荷物を前方へ押し出すと、パレットの前端縁が
フォークの掛止部に掛止され、該パレットの前方への移
動が制止される。従って、荷物のみがパレット上から前
方へ押し出されてパレットがフォーク上に残留される。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図１の斜視図及び図２の側面図には本実
施例に係るフォークリフトのプッシャ装置の全体が示さ
れ、また図３にはフォークのシフト態様が、また図４に
はフォークによるパレットの制止態様がそれぞれ示され
ている。図１及び図２に示すように、フォークリフトの
マスト１に沿って昇降可能なリフトブラケット２に固着
された上下一対のフィンガーバー３には左右一対のフォ
ーク４がフック５を介して左右方向に移動可能に装着さ
れている。

【０００９】また、フィンガーバー３の前面左右端部に
は、それぞれ溝付き柱状のホルダー６が直立状に固着さ
れ、該ホルダー６にはフォーク４上の荷物を前方へ押し
出すための格子状をなすフェースプレート７が左右一対
のパンタグラフ８を介して取付けられるとともに、左右
一対のプッシャシリンダ９の伸縮動作により前後移動さ
れるようになっている。

【００１０】なお、パンタグラフ８を構成するリンクの
ホルダー側端部は、その上端側がホルダー６内を転動す
るローラ１１を介して上下動可能に取付けられ、下端側
がホルダー６にピン１０により回動自在に取付けられて
いる。また、リンクのフェースプレート側端部は、その
上端側がフェースプレート７の背面側の左右端部に直立
状に固着された溝付き柱状のレール部材１２内を転動す
るローラ１４を介して上下動可能に取付けられ、下端部
がレール部材１２にピン１３により回動可能に取付けら
れている。

【００１１】しかして、上述の如きプッシャ装置におい
て、図１及び図４に示すように、前記左右のフォーク４
の先端部にはパレットＰの前端縁に掛止可能な外張出状
の掛止部１５が設けられている。また、前記上下のフィ
ンガーバー３間には、左右のフォーク４を互いに接離方
向に移動させるシフトシリンダ１６が水平状に配置され
ている。このシフトシリンダ１６は図３に示すように、
ダブルピストンタイプのシリンダであって、本体側がフ
ィンガーバー３にブラケット１７を介して固定され、両
ロッドの端部が左右のフォーク４の背面にブラケット１
８を介して固定されている。

【００１２】なお、シフトシリンダ１６はオイルコント
ロールバルブ１９を介して油圧ユニット２０と接続さ
れ、運転席において操作可能に構成される。また、両ピ
ストン間にはフォーク４の最小間隔を設定するためのス
トッパロッド２１が介在されている。

【００１３】本実施例のプッシャ装置は上述のように構
成したものであり、従って、フォーク４でパレットＰ上
の荷物Ｗを取り上げるための荷取り作業は、図３に実線
で示すように、シフトシリンダ１６の左右の油室に作動
油を供給し、該シフトシリンダ１６を縮小させて左右の
フォーク４の間隔を狭めた状態で行う。つまり、フォー
ク４をパレットＰのフォーク差込口Ｐ１に差し込むに際
しては、フォーク先端の掛止部１５がパレットＰの後端
縁に当接しないようにフォーク間隔を調整する。

【００１４】そして、フォーク４の差し込み直後におい
て、又は荷物を運搬してトラックの荷台等にパレットＰ
上の荷物Ｗを積み降ろすに際して、シフトシリンダ１６
の中央の油室に作動油を供給して該シフトシリンダ１６
を伸長させると、図３に仮想線で示すように、左右のフ
ォーク４が離間方向に移動され、その側面がパレットＰ
のフォーク差込口Ｐ１の側端面に当接又は接近する。

【００１５】このことにより、フォーク４の掛止部１５
がパレットＰの前端縁に対向することになるため、この
状態でプッシャシリンダ９を伸長作動させて、パンタグ
ラフ８を介してフェースプレート７を前進させることに
より荷物Ｗを前方へ押し出せば、図４に示すように、前
記フォーク４の掛止部１５がパレットＰの左右の前端縁
に掛止してその移動を制止する。そのため、パレットＰ
がフォーク４側に残留され、荷物Ｗのみがトラックの荷
台等に積み込まれる。

【００１６】この場合、パレットＰは左右両端部を制止
されるため、横振れ等の無用な動きが抑えられ、安定し
た姿勢に保持される。このことは、荷崩れの発生を防止
する上で効果的である。このようにしてパレットＰを回
収後は、前述の如く左右のフォーク４を接近方向に移動
させて掛止部１５をパレットＰの前端縁から外し、フォ
ーク４をパレットＰから抜き取ることができる。

【００１７】なお、本実施例のプッシャ装置において
は、フォーク４の先端に形成される掛止部１５を外張出
状に形成したことにより、フォーク間隔を広げる方向に
移動させてパレットＰに掛止させるため、仮に掛止部１
５を内張出状に設定してフォーク間隔を狭める方向へ移
動させてパレットＰに掛止させる場合に比べると、パレ
ットＰの左右安定度が低下しないという利点がある。

【００１８】

【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば、
プッシャ装置による荷物の押し出しに際して、フォーク
先端の掛止部をパレットの前端縁に掛止させてパレット
を回収できるようにしたので、パレットの上面全面を荷
物積載面として使用することが可能となる。このこと
は、パレット上に荷物を乗せる際に、パレット載置面の
一部に押圧アームの押さえ込み用スペースを確保する必
要のあった従来とは異なり、パレット上への荷物を積み
込む際の煩わしさが解消され、しかも積載効率を高める
ことができる。

【００１９】また、本考案にあっては、フォークの掛止
部をパレットの左右の前端縁に引っ掛けて制止する方式
であるため、パレットに横振れ等の無用の動きを生じさ
せることなく安定状態でフォーク側に残留させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るフォークリフトのプッシ
ャ装置を示す斜視図である。

【図２】同じくプッシャ装置を示す側面図である。

【図３】フォークのシフト態様を示す説明図である。

【図４】パレットの制止態様を示す説明図である。

【符号の説明】

４…フォーク ６…ホルダー ７…フェースプレート １５…掛止部 １６…シフトシリンダ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォークにて支持されたパレット上の荷
   物を前方へ押し出すための前後移動可能なフェースプレ
   ートを備えたフォークリフトのプッシャ装置において、 前記左右のフォークがシフトシリンダにより互いに接離
   方向に移動可能とされるとともに、左右のフォーク先端
   には外張出状の掛止部が形成されていることを特徴とす
   るフォークリフトのプッシャ装置。