JP2571772B2 - 耐欠損性のすぐれた表面被覆切削工具 - Google Patents
耐欠損性のすぐれた表面被覆切削工具Info
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- JP2571772B2 JP2571772B2 JP61202861A JP20286186A JP2571772B2 JP 2571772 B2 JP2571772 B2 JP 2571772B2 JP 61202861 A JP61202861 A JP 61202861A JP 20286186 A JP20286186 A JP 20286186A JP 2571772 B2 JP2571772 B2 JP 2571772B2
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- Japan
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- coated cutting
- cutting tool
- hard coating
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた耐欠損性を有し、かつ耐摩耗性
にもすぐれ、特にフライス切削や断続切削に切削工具と
して用いた場合にすぐれた切削性能を発揮する表面被覆
切削工具に関するものである。
にもすぐれ、特にフライス切削や断続切削に切削工具と
して用いた場合にすぐれた切削性能を発揮する表面被覆
切削工具に関するものである。
一般に、炭化タングステン（以下WCで示す）基超硬合
金や炭窒化チタン（以下TiCNで示す）基サーメットから
なる基体の表面に、耐摩耗性を向上させる目的で、周期
律表の4a,5a、および6a族金属の炭化物、同4aおよび5a
族金属の窒化物、同4a族金属の酸化物、並びにこれらの
２種以上の固溶体、さらに酸化アルミニウム（以下Al2O
3で示す）からなる群のうちの１種の単層または２種以
上の複層からなる硬質被覆層を５〜15μｍの平均層厚で
化学蒸着法や物理蒸着法にて形成してなる表面被覆切削
工具は良く知られるところである。
金や炭窒化チタン（以下TiCNで示す）基サーメットから
なる基体の表面に、耐摩耗性を向上させる目的で、周期
律表の4a,5a、および6a族金属の炭化物、同4aおよび5a
族金属の窒化物、同4a族金属の酸化物、並びにこれらの
２種以上の固溶体、さらに酸化アルミニウム（以下Al2O
3で示す）からなる群のうちの１種の単層または２種以
上の複層からなる硬質被覆層を５〜15μｍの平均層厚で
化学蒸着法や物理蒸着法にて形成してなる表面被覆切削
工具は良く知られるところである。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、上記の従来表面被覆切削工具においては、こ
れを例えばフライス切削や断続切削に切削工具として用
いた場合、硬質被覆層にチッピングが発生し易く、比較
的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
れを例えばフライス切削や断続切削に切削工具として用
いた場合、硬質被覆層にチッピングが発生し易く、比較
的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、耐欠
損性にすぐれた表面被覆切削工具を開発すべく研究を行
なった結果、 （ａ）上記の従来表面被覆切削工具においては、硬質被
覆層に、通常0.7〜1.0GPa程度の引張残留応力が存在
し、この引張残留応力が原因で硬質被覆層にチッピング
が発生し易くなること。
損性にすぐれた表面被覆切削工具を開発すべく研究を行
なった結果、 （ａ）上記の従来表面被覆切削工具においては、硬質被
覆層に、通常0.7〜1.0GPa程度の引張残留応力が存在
し、この引張残留応力が原因で硬質被覆層にチッピング
が発生し易くなること。
（ｂ）硬質被覆層の引張残留応力が0.5GPa以下の場合
に、チッピングの発生が著しく抑制されるようになるこ
と。
に、チッピングの発生が著しく抑制されるようになるこ
と。
（ｃ）引張残留応力が0.5GPa以下の硬質被覆層は、内層
を、炭化チタン（以下TiCで示す）、炭窒化チタン（以
下TiCNで示す）、および炭窒酸化チタン（以下TiCNOで
示す）のうちの１種の単層または２種以上の複層で構成
し、かつその平均層厚を1.5〜３μｍとし、さらに外層
をAl2O3で構成すると共に、その平均層厚を0.5〜1.5μ
ｍとすることによって得られること。
を、炭化チタン（以下TiCで示す）、炭窒化チタン（以
下TiCNで示す）、および炭窒酸化チタン（以下TiCNOで
示す）のうちの１種の単層または２種以上の複層で構成
し、かつその平均層厚を1.5〜３μｍとし、さらに外層
をAl2O3で構成すると共に、その平均層厚を0.5〜1.5μ
ｍとすることによって得られること。
以上（ａ）〜（ｃ）に示される知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、WC基超硬合金またはTiCN基サーメットの基体表面
に、 TiC,TiCN、およびTiCNOのうちの１種の単層または２
種以上の複層からなる平均層厚:1.5〜３μｍの内層と、 Al2O3からなる平均層厚:0.5〜1.5μｍの外層、で構成
した硬質被覆層を形成することによって、前記硬質被覆
層の引張残留応力を0.5GPa以下とし、もってフライス切
削や断続切削などに切削工具として用いた場合にすぐれ
た耐欠損性と耐摩耗性を発揮せしめるようにした表面被
覆切削工具に特徴を有するものである。
って、WC基超硬合金またはTiCN基サーメットの基体表面
に、 TiC,TiCN、およびTiCNOのうちの１種の単層または２
種以上の複層からなる平均層厚:1.5〜３μｍの内層と、 Al2O3からなる平均層厚:0.5〜1.5μｍの外層、で構成
した硬質被覆層を形成することによって、前記硬質被覆
層の引張残留応力を0.5GPa以下とし、もってフライス切
削や断続切削などに切削工具として用いた場合にすぐれ
た耐欠損性と耐摩耗性を発揮せしめるようにした表面被
覆切削工具に特徴を有するものである。
なお、この発明の硬質被覆層において、内層および外
層の平均層厚をそれぞれ1.5〜３μｍおよび0.5〜1.5μ
ｍと定めたのは、内層:1.5μｍ未満および外層:0.5μｍ
未満では所望の耐摩耗性を確保することができず、一方
内層:3μｍおよび外層:1.5μｍをそれぞれ越えて厚くす
ると、硬質被覆層における引張残留応力が急激に高くな
るという理由によるものである。
層の平均層厚をそれぞれ1.5〜３μｍおよび0.5〜1.5μ
ｍと定めたのは、内層:1.5μｍ未満および外層:0.5μｍ
未満では所望の耐摩耗性を確保することができず、一方
内層:3μｍおよび外層:1.5μｍをそれぞれ越えて厚くす
ると、硬質被覆層における引張残留応力が急激に高くな
るという理由によるものである。
つぎに、この発明の表面被覆切削工具を実施例により
具体的に説明する。
具体的に説明する。
実施例１ 基体として、WC−６重量％の組成、並びにISO規格SNM
N120408の形状をもったWC基超硬合金チップを用意し、
このチップの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、TiC,
TiCN,TiCNOおよびAl2O3の各被覆層を下記の（ａ）〜
（ｄ）の形成条件、 （ａ）TiC層の形成条件 ガス組成：TiCl4:2.0vol％、CH4:6.0vol％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:950℃、 （ｂ）TiCN層の形成条件 ガス組成：TiCl4:2.0vol％、CH4:6.0vol％、N2:20vol
％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:900℃、 （ｃ）TiCNO層の形成条件 ガス組成：TiCl4:2.0vol％、CH4:6.0vol％、N2:5.0vo
l％、CO:1.0vol％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:950℃、 （ｄ）Al2O3層の形成条件 ガス組成：AlCl3:3.0vol％、CO2:9.0vol％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:950℃、 にて形成し、それぞれ第１表に示される組成および平均
層厚の内層および外層か らなる硬質被覆層を形成することによって本発明表面被
覆切削工具（以下本発明被覆切削工具という）１〜４お
よび比較表面被覆切削工具（以下比較被覆切削工具とい
う）１〜７をそれぞれ製造した。
N120408の形状をもったWC基超硬合金チップを用意し、
このチップの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、TiC,
TiCN,TiCNOおよびAl2O3の各被覆層を下記の（ａ）〜
（ｄ）の形成条件、 （ａ）TiC層の形成条件 ガス組成：TiCl4:2.0vol％、CH4:6.0vol％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:950℃、 （ｂ）TiCN層の形成条件 ガス組成：TiCl4:2.0vol％、CH4:6.0vol％、N2:20vol
％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:900℃、 （ｃ）TiCNO層の形成条件 ガス組成：TiCl4:2.0vol％、CH4:6.0vol％、N2:5.0vo
l％、CO:1.0vol％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:950℃、 （ｄ）Al2O3層の形成条件 ガス組成：AlCl3:3.0vol％、CO2:9.0vol％、残りH2、 圧力:50Torr、 温度:950℃、 にて形成し、それぞれ第１表に示される組成および平均
層厚の内層および外層か らなる硬質被覆層を形成することによって本発明表面被
覆切削工具（以下本発明被覆切削工具という）１〜４お
よび比較表面被覆切削工具（以下比較被覆切削工具とい
う）１〜７をそれぞれ製造した。
なお、比較被覆切削工具１〜７は、いずれも内層およ
び外層のうちの少なくともいずれかの層厚がこの発明の
範囲から外れるものである。
び外層のうちの少なくともいずれかの層厚がこの発明の
範囲から外れるものである。
つぎに、この結果得られた各種の被覆切削工具につい
て、硬質被覆層の引張残留応力をＸ線を用いて測定する
と共に、 被削材:FC20（硬さ：HB 160）の角材、 切削速度:250m/min 送り:0.2mm/刃、 切込み:2mm、 の条件で鋳鉄の乾式フライス切削試験を行ない、切刃の
逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの切削時間を測定し、
かつ切刃の状態も観察した。これらの結果を第１表に示
した。
て、硬質被覆層の引張残留応力をＸ線を用いて測定する
と共に、 被削材:FC20（硬さ：HB 160）の角材、 切削速度:250m/min 送り:0.2mm/刃、 切込み:2mm、 の条件で鋳鉄の乾式フライス切削試験を行ない、切刃の
逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの切削時間を測定し、
かつ切刃の状態も観察した。これらの結果を第１表に示
した。
実施例２ 基体として、TiCN−12％WC−９％TaC−９％Mo2C−５
％Ni−13％Coの組成（以上重量％）、並びにISO規格SNM
N12408の形状をもったTiCN基サーメットチップを用いる
以外は、実施例１におけると同様な操作で、同じく第１
表に示される組成および平均層厚の内層および外層から
なる硬質被覆層を形成することによって本発明被覆切削
工具5,6と、比較被覆切削工具8,9を製造した。
％Ni−13％Coの組成（以上重量％）、並びにISO規格SNM
N12408の形状をもったTiCN基サーメットチップを用いる
以外は、実施例１におけると同様な操作で、同じく第１
表に示される組成および平均層厚の内層および外層から
なる硬質被覆層を形成することによって本発明被覆切削
工具5,6と、比較被覆切削工具8,9を製造した。
同様に、比較被覆切削工具8,9は、硬質被覆層を構成
する内層および外層の層厚がこの発明の範囲から外れた
ものである。
する内層および外層の層厚がこの発明の範囲から外れた
ものである。
これらの被覆切削工具についても、Ｘ線にて引張残留
応力を測定すると共に、 被削材:JIS・SS41、 切削速度:250m/min、 送り:0.2mm/刃、 切込み:0.5mm、 の条件で鋼の乾式フライス切削試験を行ない、切刃の逃
げ面摩耗幅が0.2mmに至るまでの切削時間を測定し、か
つ切刃の状態も観察した。これらの結果を第１表にまと
めて示した。
応力を測定すると共に、 被削材:JIS・SS41、 切削速度:250m/min、 送り:0.2mm/刃、 切込み:0.5mm、 の条件で鋼の乾式フライス切削試験を行ない、切刃の逃
げ面摩耗幅が0.2mmに至るまでの切削時間を測定し、か
つ切刃の状態も観察した。これらの結果を第１表にまと
めて示した。
第１表に示される結果から、本発明被覆切削工具１〜
６は、いずれもすぐれた耐摩耗性と耐欠損性を示すのに
対して、比較被覆切削工具１〜９に見られるように、内
層および外層のうちのいずれかでも、その層厚がこの発
明の範囲から低い方に外れると所望の耐摩耗性を確保す
ることができず、一方その層厚がこの発明の範囲から高
い方に外れると、硬質被覆層中の引張残留応力が0.5GPa
を越えて高くなり、耐欠損性が低下するようになって、
チッピングや欠損の発生を避けることができないことが
明らかである。
６は、いずれもすぐれた耐摩耗性と耐欠損性を示すのに
対して、比較被覆切削工具１〜９に見られるように、内
層および外層のうちのいずれかでも、その層厚がこの発
明の範囲から低い方に外れると所望の耐摩耗性を確保す
ることができず、一方その層厚がこの発明の範囲から高
い方に外れると、硬質被覆層中の引張残留応力が0.5GPa
を越えて高くなり、耐欠損性が低下するようになって、
チッピングや欠損の発生を避けることができないことが
明らかである。
上述のように、この発明の表面被覆切削工具は、硬質
被覆層における引張残留応力が、0.5GPa以下ときわめて
低いので、これをフライス切削や断続切削などに切削工
具として用いた場合にはすぐれた耐欠損性を示し、かつ
前記硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を具備することと合
まって、著しく長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮す
るものである。
被覆層における引張残留応力が、0.5GPa以下ときわめて
低いので、これをフライス切削や断続切削などに切削工
具として用いた場合にはすぐれた耐欠損性を示し、かつ
前記硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を具備することと合
まって、著しく長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−137460（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−98670（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−29572（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−99678（ＪＰ，Ａ) 特公 昭57−1585（ＪＰ，Ｂ２)
Claims (1)
- 【請求項１】炭化タングステン基超硬合金または炭窒化
チタン基サーメットで構成された基体の表面に、内層と
外層からなる硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工
具において、 上記内層を、平均層厚:1.5〜３μｍを有する炭化チタ
ン、炭窒化チタン、および炭窒酸化チタンのうちの１種
の単層または２種以上の複層で構成し、 上記外層を、平均層厚:0.5〜1.5μｍを有する酸化アル
ミニウムで構成して、これら内層と外層とで構成される
硬質被覆層の引張残留応力を0.5GPa以下としたことを特
徴とする耐欠損性のすぐれた表面被覆切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61202861A JP2571772B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 耐欠損性のすぐれた表面被覆切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61202861A JP2571772B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 耐欠損性のすぐれた表面被覆切削工具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6360283A JPS6360283A (ja) | 1988-03-16 |
| JP2571772B2 true JP2571772B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=16464408
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61202861A Expired - Lifetime JP2571772B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 耐欠損性のすぐれた表面被覆切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2571772B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03122280A (ja) * | 1989-05-29 | 1991-05-24 | Hitachi Tool Eng Ltd | 被覆超硬質合金工具 |
| CN103787407B (zh) * | 2013-12-25 | 2016-04-20 | 河北科技大学 | 反应球磨法制备纳米TiCN/Al2O3复合粉末的方法 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE2946685C2 (de) * | 1979-11-20 | 1985-06-20 | Degussa Ag, 6000 Frankfurt | Verfahren zur Herstellung eines mit katalyseförderndem Metaloxid beschichteten, in einem Metallmantel angeordneten Verbundkörpers |
| JPS5729572A (en) * | 1980-07-30 | 1982-02-17 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Coated super-hard alloy member |
| JPS5798670A (en) * | 1980-12-10 | 1982-06-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Cutting tool of coated sintered hard alloy |
| JPS57137460A (en) * | 1981-02-18 | 1982-08-25 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Coated superhard alloy tool |
| JPS6199678A (ja) * | 1984-10-22 | 1986-05-17 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 表面被覆焼結硬質合金の製造法 |
-
1986
- 1986-08-29 JP JP61202861A patent/JP2571772B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6360283A (ja) | 1988-03-16 |
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