JP2571620B2 - 耐食性亜鉛合金被覆鋼線の製造方法 - Google Patents

耐食性亜鉛合金被覆鋼線の製造方法

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JP2571620B2 JP1066557A JP6655789A JP2571620B2 JP 2571620 B2 JP2571620 B2 JP 2571620B2 JP 1066557 A JP1066557 A JP 1066557A JP 6655789 A JP6655789 A JP 6655789A JP 2571620 B2 JP2571620 B2 JP 2571620B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、海岸地帯のような激甚腐食雰囲気において
すぐれた耐食性能を有する亜鉛合金被覆鋼線の製造方法
に関するものである。
[従来の技術と問題点] アルミ被覆鋼線がすぐれた耐食性能を有していること
は知られる通りであり、その耐食挙動には表面に生成さ
れるAl2O3皮膜が大きな役割を果していることも広く確
認されているところである。
しかし、Al2O3の保護皮膜としての役割は、通常の腐
食雰囲気においてのことであり、海岸地帯のような激甚
雰囲気においては、必ずしも十分なものとはいえない。
すなわち、アルマイト処理のように厚い人為的な皮膜が
形成されるならいざ知らず、自然の表面酸化により形成
されたAl2O3皮膜には部分的に皮膜の形成が不十分なと
ころが生じ、これがいわゆるピッティング腐食といわれ
る深い部分腐食を形成する原因となっている。
亜鉛めっき鋼線は、耐食性鋼線として早くより世に現
われ、電源分野においても架空地線あるいは鋼心アルミ
撚線の鋼心などに広く使用されてきた。この耐食挙動は
いわゆる亜鉛の自己犠牲によるものであり、鋼線に対し
て陽極となる亜鉛皮膜が選択的に腐食され、内部の鋼線
自体を腐食から防止する世にいう陰極防食としての作用
を果すものである。従って、その腐食挙動は全面腐食で
あって、その挙動は海岸地帯のような激甚雰囲気におい
ても変るところはない。これを前記ピッティング腐食と
対比すると、ピッティング腐食は局部的な進行であり、
早期に局部腐食が進行し局部的に大きなダメージを与え
る。しかし、亜鉛めっき鋼線は全面腐食であるから、腐
食は全体的に進行し局部的進行はないから、結果的には
その腐食は前記ピッティング腐食に比較して経時的に緩
やかなものとなり、激甚雰囲気においてもよりすぐれた
耐食性能を発揮することになるのである。
しかしながら、従来は鋼線への亜鉛被覆はもっぱらめ
っき法にのみ頼られており、その皮膜厚さも精々50μm
どまりであって、より厚い皮膜への要請があってもこれ
を形成する術がなかった。元より、この皮膜形成には、
めっき法以外のクラッド法や押出法が考えられぬ訳では
ないが、亜鉛は独特の塑性変形能を有しており、従来よ
りそのような加工は困難なものとの固定観念に支配され
てきた。事実、亜鉛を圧延ないし押出すことは、予想以
上に困難であることは知られる通りである。これが今日
まで亜鉛被覆鋼線の製造がもっぱらめっき法に委ねられ
てきた大きな理由である。
[発明が解決しようとする課題] 近年、耐食性複合線への要請はとみに高まり、鋼線に
Zn−Al合金を押出方式で被覆しめっき方式では得られな
い肉厚を有する複合線材を製造する技術が開発されつつ
ある。この被覆層の耐食性は、Al濃度の増加とともに向
上する。しかし押出方式においては複合化のための加工
法は、Al量の増大とともに低下する。そのため押出方式
ではAl含有量に上限が有り、耐食性をさらに向上させる
ためにはなんらかの改善策を開発することが必要になっ
てきた。
Zn−Al合金の耐食性を改善するための第3元素添加の
影響に関しては既にSi、Mg、Na等の種々の元素について
の研究が行なわれ、Mgを代表とする耐食性改善効果が認
められる元素が見出されている。しかし耐食性改善効果
を得るための第3元素の添加量が数%におよぶ場合が多
く、機械的特性の変化も顕著であり、材料自体の加工性
が損なわれる。また、このような合金系では、本発明の
対象とする鋼線被覆材料には適用することができないた
め、接合線用としての加工性を損なわず耐食性を向上し
得る合金系を広範囲に探索し、新合金組成を見出すこと
が求められている。
本発明の目的は、上記したような実情にかんがみ、Al
の含有量を増大させても鋼線への十分な押出加工性を保
持することができ、鋼線に亜鉛合金を押出法により厚肉
被覆することを可能とし、激甚腐食雰囲気においても高
い耐食性を維持可能な亜鉛合金被覆鋼線を製造する方法
を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、Alを1〜1.5%、Snを0.01〜0.1%含有する
Zn−Al−Sn合金を、押出温度250〜380℃において140以
上の押出比をもって、前方張力を付加して鋼線の外周に
押出被覆する耐食性亜鉛合金被覆鋼線の製造方法にあ
る。
[作用] Alを上記組成範囲において含有せしめることによりZn
合金の耐食性を顕著に向上させることができる一方、Al
の含有量が多くなるに従い押出加工性が悪くなる。しか
し、Snが上記範囲において添加されると、その押出加工
性は大巾に向上し、さらに耐食性までも格段に改善され
る。
[実施例] 以下に、本発明について実施例に基いて説明する。
第1図は、本発明に係る製造方法により亜鉛合金被覆
鋼線3を製造している様子を示す説明断面図であり、1
はダイス、2は鋼線、4はZn−Al−Sn合金ビレット、5
はコンテナー、6は押出ラム、7はニップル、8は巻取
機である。
ビレット4として使用されるZn−Al−Sn合金のAlの組
成範囲は、Al1〜15%に限定される。このAlの添加は、
前記耐食性能を向上せしめるばかりでなく、結晶粒を微
細化する役目を果す。しかし、1%以下では結晶粒の微
細化効果はなく、15%以上では変形抵抗が大きくなり押
出が困難となるとともに、耐食性改良効果の効率が次第
に減少し飽和傾向を示すために除外される。Znに対し上
記Alが添加されることにより結晶粒の微細化が達成さ
れ、そのために押出によって鋳造組織を破壊することが
容易化され押出法により鋼線2にZn−Al−Sn合金4を被
覆することが可能となるものである。しかし、この鋳造
組織の完全な破壊には押出比140以上での押出が望まし
く、それより小さな押出比では不十分である。
一方、上記範囲のAlの添加にさらにSnを0.01〜0.1%
添加すると、Zn−Al合金の押出における押圧圧力を大巾
に低下させることができ、押出加工性を著しく改善する
ことができる。
第3図は、Zn−13%Al合金の熱間押出圧力に対するSn
添加の影響を示した線図である。
第3図に端的にみられるように、Sn0.01〜0.1%の範
囲では熱間押出圧力が格段低くなるのである。
このようにSnの添加がなされた場合、押出加工後の冷
間加工性への影響について考慮する必要があるが、押出
後の引抜きや曲げなどの冷間加工性に対する影響につい
ては、0.01%Snの添加により若干の伸び率の低下がみら
れる程度で実用上問題はない。上限である0.1%Sn以上
の添加では、冷間加工性の低下度合が大きくなり、押出
材のその後の加工性を妨げることになり、かかる意味か
らしてもそれ以上の添加は好ましくない。
また、上記組成範囲におけるZn−Al−Sn合金の押出の
温度条件については以外に狭く、250〜380℃の範囲に限
定される。250℃以下では、変形抵抗が高すぎて押出が
困難になるし、380℃を越える高温ではいわゆる高温脆
性が生じ、これまた健全な製品を入手できなくなるので
ある。
さらに、本発明に係るZn−Al−Sn合金の押出に際して
は前方張力が付加される。それによって鋼線2と被覆合
金4との界面における十分な冶金学的接合を達成するこ
とができるものである。
第2図は、そのように複合線に前方張力を付加するこ
とにより期待される作用を説明するための説明図であ
る。
押出においては、ビレット4に押出圧力が負荷される
が、その圧力Pは、第2図に示すように鋼線2に静水圧
的な作用として働き、鋼線2をビレット4が把持する恰
好となる。この状態で前方張力Fが付加されると、ビレ
ット4により把持された鋼線2が無理に引取られる形と
なり、ビレット4と鋼線2との間に摩擦圧接的な作用が
生じ、両者の接着を格段に促進せしめ、それによって健
全な被覆層4′を有する亜鉛合金被覆鋼線3を得ること
ができるのである。
実施例1 Zn−1%Al合金にSnを第1表に示す量だけ添加したZn
−Al−Sn合金を溶解して70mm径のビレットを作製し、押
出温度300℃、押出比1500で5mm径の鋼線上に被覆した。
その後300時間の塩水噴霧試験を実施し、試験前後の重
量変化を測定した。
第1表に当該塩水噴霧試験後の各試料の腐食減量を示
す。
第1表からわかるように、Snの添加量が0.01%以下の
比較例では母材合金(Sn0%)と同程度の挙動を示す。
また、Sn添加量が0.1%以上の比較例でも腐食減量の明
らかな増大がみられる。
これに対し、Sn0.01〜0.1%を添加している本発明に
係る試料においては、いずれの場合も腐食減量が母材合
金のそれより小さく、耐食性の改善されていることがわ
かる。
すなわち、Sn0.01〜0.1%の添加は、先にみたように
押出圧力の低下による押出加工性の向上ばかりでなく耐
食性の向上効果をも発揮するのである。
実施例2 Zn−13%Al合金およびSn−15%Al合金に、Snをそれぞ
第2表に示す量だけ添加した合金を溶解鋳造してビレッ
トを作製し、実施例1と同じ条件で鋼線上に押出被覆し
てZn合金被覆鋼線とした。これらについて実施例1同様
に300時間の塩水噴霧試験を行ない、それぞれの腐食減
量について測定した。
第2表に測定結果を示す。
この結果は、いずれも実施例1と同様であり、Snを0.
01〜0.1%添加した本発明に係るZn合金被覆鋼線は、押
出加工性の向上ばりでなく耐食性の改善効果の大きいこ
とがわかる。
また、Alの添加量が多い方が耐食性の改善効果も大き
いことを示している。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、Zn−Alの2元系合金を
被覆する場合よりも被覆押出圧力が低く加工が容易とな
る上耐食性を格段に向上させることができ、しかも微量
のSnの添加でこの効果が得られるため、製造工程上の諸
条件を大巾に変更する必要がないなど、本発明に係る耐
食性亜鉛合金被覆鋼線は実用性が高く、苛酷な腐食雰囲
気中での耐久性の高い線材として非常に有用な材料であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る製造方法により亜鉛合金被覆鋼
線を製造している様子を示す説明断面図、第2図は前方
張力付加押出の作用について説明するための説明図、第
3図は、Zn−13%Al合金の熱間押出圧力に対するSn添加
の影響を示した線図である。 1:ダイス、 2:鋼線、 3:亜鉛合金被覆鋼線、 4:亜鉛合金ビレット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大貫 光明 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社金属研究所内 (72)発明者 山口 健司 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社金属研究所内 (72)発明者 杉沼 敏 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社金属研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−127310(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Alを1〜15%、Snを0.01〜0.1%含有するZ
    n−Al−Sn合金を、押出温度250〜380℃において、140以
    上の押出比をもって、前方張力を付加して鋼線の外周に
    押出被覆する耐食性亜鉛合金被覆鋼線の製造方法。
JP1066557A 1989-03-17 1989-03-17 耐食性亜鉛合金被覆鋼線の製造方法 Expired - Lifetime JP2571620B2 (ja)

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DK173514B1 (da) * 1998-11-03 2001-01-22 Bac Corrosion Control As Zinkbaseret legering, dens anvendelse som offeranode, offeranode samt fremgangsmåde til katodisk beskyttelse af korrosionst
RU2007127912A (ru) * 2004-12-23 2009-01-27 Нв Бекаэрт Са (Be) Армированная структура, включающая цементирующую матрицу и оцинкованные металлические элементы
JP5995438B2 (ja) * 2011-12-28 2016-09-21 株式会社クボタ 外面防食体の製造方法

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