JP2571442B2 - 可変ばね定数型回転軸振動ダンパー - Google Patents

可変ばね定数型回転軸振動ダンパー

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JP2571442B2
JP2571442B2 JP1276479A JP27647989A JP2571442B2 JP 2571442 B2 JP2571442 B2 JP 2571442B2 JP 1276479 A JP1276479 A JP 1276479A JP 27647989 A JP27647989 A JP 27647989A JP 2571442 B2 JP2571442 B2 JP 2571442B2
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torsional
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進 沼尻
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Mitsubishi Motors Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は可変ばね定数型回転軸振動ダンパーに関す
る。
【従来の技術】
例えば自動車エンジンにおいては、出力及び回転数が
大きくなると、クランクシャフトの捩り振動,曲げ振動
が増大するので、従来、クランクシャフトの軸端にラバ
ータンパーを付設することにより、その捩り振動,曲げ
振動をそれぞれ制振している。 例えば、第7図に示すようなシングルマストーショナ
ルダンパーにより、クランクシャフトの捩り振動を制振
する場合は、その捩り振幅は、第8図に示すように、ば
ね定数の大小により大きく異なり、ばね定数が大きい場
合は破線で示すように、ばね定数が小さい場合は鎖線で
示すように分布する。 そのため、ダンパーを付設しない場合の大きな振幅
(同図点線)に比べるならば、大きく制振することがで
きるが、ばね定数が大きい場合は高回転数域では制振効
果は大きいが低回転数NL付近で大きく振動し、ばね定数
が小さい場合は低回転数域では制振効果は大きいが、高
回転域NHでは大きく振動する。 また、第9図に示すようなダブルマスダンパーを付設
し、外側ダンパーで捩り振動を制振するとともに内側ダ
ンパーで曲げ振動を制振するものも知られている。 しかしながら、この種のダンパーでは外側ダンパーに
よる捩り振動制振効果,内側ダンパーによる曲げ信号制
振効果はともに、第8図に示したような特性を示すもの
であるから、それぞれ特性の回転数における捩り振動の
制振,曲げ振動の制振には効果的であるが、自動車エン
ジンのように広い回転数の範囲で回転する回転軸に適用
した場合、ほぼ一様の制振効果を発揮することはできな
い。
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、
低回転数から高回転数にわたる広範囲の回転数域でほぼ
一様の捩り振動及び又は曲げ振動を制振する高性能かつ
長寿命の可変ばね定数型回転軸振動ダンパーを提供する
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、回転軸に同軸的に突設されたダ
ンパーディスクの外周部に円環状慣性体をラバーを介し
て同心的に弾性支持してなる捩り又は曲げダンパーにお
いて、上記慣性体又は上記ダンパーディスクの一方に等
間隔で一端がそれぞれ固定されるとともに他端に磁性体
が固着された複数のばねと、上記慣性体又は上記ダンパ
ーディスクの他方に等間隔でそれぞれ配設される励磁コ
イルとを具え、設定回転数で一斉に上記励磁コイルを励
磁することにより上記各ばねの他端を固定することを特
徴とする。
【作用】
このような構成によれば、ばね端固着手段が全回転数
域にわたって作動しないときは、小ばね定数の慣性のシ
ングルマスダンパーと同様に、慣性体はラバーによりダ
ンパーディスクに弾性支持されているので、慣性体の質
量とラバーのばね定数とにより定まる比較的高回転数に
おける比較的大きな振幅ピークと比較的低回転数におけ
る比較的小さい振幅ピークとを有する振幅特性を発揮す
る。 また、ばね端固着手段が全回転数域にわたって作動す
るときは、慣性体はラバー及びばねの両者による比較的
大きなばね定数の合成ばねにより弾性支持されることと
なるので、本発明ダンパーは比較的低回転数における比
較的大きな振幅ピークと、比較的高回転数における比較
的小さな振幅ピークとを有する振幅特性を示す。 そこで、設定回転数以下では、ばね端固着手段を作動
せず設定回転数以上でのみ作動すると、比較的低回転
数,比較的高回転数にそれぞれ同程度に低い振幅ピーク
を有するとともに、回転数の全域にわたってほぼ一様に
低い振幅の特性パターンを発揮することができ、また、
慣性体自体の振幅もほぼ同様のパターンで小さくなるの
で、ラバーの耐久性は大きく向上する。
【実施例】
本発明の実施例を図面について説明すると、第1図は
本発明をダブルマストーショナルダンパーに適用した第
1実施例を示す部分縦断面図で、同図(A)は低中速回
転時,同図(B)は高速回転時をそれぞれ示す。第2
図,第3図はそれぞれ第1図のダンパーによるクランク
軸の捩り振幅,ダンパー自体の捩り振幅を示す線図、第
4図は本発明を捩り及び曲げダンパーに適用した一実施
例を示す部分縦断面図で、同図(A)は低速回転時,同
図(B)は高速回転時をそれぞれ示す。 第5図,第6図はそれぞれ第4図のクランク軸曲げ振
幅,ダンパー自体の曲げ振幅をそれぞれ示す線図であ
る。 上図において、ダンパーディスク2aの前面には前部ラ
バー3aを介して前部リング状慣性体1aを支持し、ダンパ
ーディスク2の後面には後部ラバー3bを介して後部リン
グ状慣性体1bを支持するとともに、コイルスプリング4
の外端に磁性体6を固着し、前部慣性体1aの内周側に磁
性体6を吸着するための励磁コイル7を埋設している。 このような構造において、低中速回転時は、第1図
(A)に示すように、励磁コイル7は通電されていない
ので、磁性体6に磁力は作用せず、両者間にはすきまδ
が存在し、前部慣性体1aは比較的小さいばね定数の前部
ラバー3aのみにより弾性支持される。 従って、この場合のクランク軸の捩り振幅,前部慣性
体の捩り振幅はそれぞれ第2図,第3図の破線で示すよ
うになり、比較的高速回転数NHで大きなピークを有する
3山カーブとなる。 また、高速回転時は、第1図(B)に示すように、励
磁コイル7は図示省略の回転数センサーの作用で励磁さ
れるので、磁性体6は励磁コイル7に吸着されるから、
前部慣性体1aは前部ラバー3a及びコイルスプリング4よ
りなる大きい等価ばね定数を有する合成ばねにより弾性
支持されることとなる。 従って、この場合のクランク軸の捩り振幅,前部慣性
体の捩り振幅はそれぞれ第2図,第3図の鎖線に示すよ
うになり、比較的低回転数NLで大きなピークを有する3
山カーブとなる。 このような関係で、エンジンの回転数が低速回転から
高速回転に増加する際は、回転数が設定回転数NS以下の
間はほぼ第2図破線に沿ってクランク軸の捩り振幅は変
化し、NS以上ではほぼ鎖線に沿って変化し、全回転数域
にわたって見れば実線に示すように、比較的高低の少な
い3山曲線に沿って変化し、その際のピーク値は破線の
ピーク,鎖線のピークのいずれよりも小さくなる。 なお、第1図に示したコイルスプリングの電磁吸着手
段は、励磁電流を要するが、その作動回転数を容易に変
更することが可能である。 次に、第4〜6図に示す第2実施例において、第1実
施例と同一の符番はそれぞれ第1実施例と同一の部材を
示し、1cは長方形断面を有する比較的小径の内側環状慣
性体で、環状ラバー3cを介してダンパーディスク2cの円
板部の外周寄りに弾性支持されている。1dは偏平長方形
断面を有する比較的大径の外側短円筒状慣性体で、環状
ラバー3dを介してダンパーディスクの外周面に加硫接着
されている。また、コイルスプリング4の内端,外端は
それぞれ第1実施例と同一手段により、内側慣性体1cに
固着,ダンパーディスク2cに電磁力により固定され、内
側ラバー3c及び内側慣性体1cよりなる内側ダンパーは曲
げダンパーとして、外側ラバー3d及び外側慣性体1dより
なる外側ダンパーは捩りダンパーとしてそれぞれ作用す
る。 このような構造において、第1実施例と同様に、低速
回転時は、第4図(A)に示すように、励磁コイル7と
コイルスプリング4との間にはすきまδが存在し、内側
慣性体1cは比較的小さいばね定数の内側ラバー3cにより
弾性支持されている。 それ故、この場合のクランク軸の曲げ振幅,内側慣性
体1cの曲げ振幅は、それぞれ第5図,第6図の鎖線で示
すようになり、比較的大きな回転数NHで大きなピークを
生ずる。 また、高速回転時は、第4図(B)に示すように、コ
イルスプリング4の外端は励磁コイル7に吸着されるか
ら、内側慣性体1cは内側ラバー3c及びコイルスプリング
4よりなる大きい等価ばね定数を有する合成ばねにより
弾性支持されることとなる。 それ故、この場合のクランクシャフトの曲げ振幅,内
側慣性体の曲げ振幅はそれぞれ第5図,第6図の鎖線で
示すようになり、比較的低回転数NLで大きなピークを生
ずる。 以上の関係で、エンジンの回転数が低速回転から高速
回転にわたって増速する際は、回転数が設定回転数NS
下の間は第5図の鎖線に沿ってその曲げ振幅は変化し、
NS以上でほぼ破線に沿って変化し、全回転数域にわたっ
て見れば、実線に沿って変化し、その際のピーク値は破
線のピーク,鎖線のピークのいずれよりも小である。 上記各実施例を通じて述べたように、本発明によれ
ば、クランク軸の振幅は全回転数域にわたって大幅に減
少し、またダンパー自体の振幅のピークは一定ばね定数
型ダンパーのそれに比べて大幅に減少するので、ダンパ
ーラバーの耐久性は大きく向上する効果を生ずる。
【発明の効果】
要するに本発明によれば、回転軸に同軸的に突設され
たダンパーディスクの外周部に円環状慣性体をラバーを
介して同心的に弾性支持してなる捩り又は曲げダンパー
において、上記慣性体又は上記ダンパーディスクの一方
に等間隔で一端がそれぞれ固定されるとともに他端に磁
性体が固着された複数のばねと、上記慣性体又は上記ダ
ンパーディスクの他方に等間隔でそれぞれ配設される励
磁コイルとを具え、設定回転数で一斉に上記励磁コイル
を励磁することにより上記各ばねの他端を固定すること
により、低回転数から高回転数にわたる広範囲の回転数
域でほぼ一様の捩り振動及び又は曲げ振動を制振する高
性能かつ長寿命の可変ばね定数型回転軸振動ダンパーを
得るから、本発明は産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明をダブルマストーショナルダンパーに適
用した第1実施例を示す部分縦断面図で、同図(A)は
低速回転時,同図(B)は高速回転時をそれぞれ示す。
第2図,第3図はそれぞれ第1図のダンパーによるクラ
ンク軸の捩り振幅,ダンパー自体の捩り振幅を示す線
図、第4図は本発明を捩り及び曲げダンパーに適用した
一実施例を示す部分縦断面図で、同図(A)は低速回転
時,同図(B)は高速回転時をそれぞれ示す。第5図,
第6図はそれぞれ第4図のクランク軸曲げ振幅,ダンパ
ー自体の曲げ振幅をそれぞれ示す線図である。 第7図は公知のシングルマストーショナルダンパーを示
す縦断面図、第8図は第7図のダンパーを付設したクラ
ンクシャフトの振幅特性図、第9図は公知のダブルマス
ダンパーを示す部分縦断面図である。 1,1a,1b,1c,1d……慣性体,2,2a,2b,2c……ダンパーディ
スク,3,3a,3b,3c,3d……ラバー,4……コイルスプリン
グ,6……磁性体,7……励磁コイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に同軸的に突設されたダンパーディ
    スクの外周部に円環状慣性体をラバーを介して同心的に
    弾性支持してなる捩り又は曲げダンパーにおいて、上記
    慣性体又は上記ダンパーディスクの一方に等間隔で一端
    がそれぞれ固定されるとともに他端に磁性体が固着され
    た複数のばねと、上記慣性体又は上記ダンパーディスク
    の他方に等間隔でそれぞれ配設される励磁コイルとを具
    え、設定回転数で一斉に上記励磁コイルを励磁すること
    により上記各ばねの他端を固定することを特徴とする可
    変ばね定数型回転軸振動ダンパー。
JP1276479A 1989-10-24 1989-10-24 可変ばね定数型回転軸振動ダンパー Expired - Lifetime JP2571442B2 (ja)

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