JP2571273Y2 - ガス遮断器 - Google Patents

ガス遮断器

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JP2571273Y2
JP2571273Y2 JP1991063633U JP6363391U JP2571273Y2 JP 2571273 Y2 JP2571273 Y2 JP 2571273Y2 JP 1991063633 U JP1991063633 U JP 1991063633U JP 6363391 U JP6363391 U JP 6363391U JP 2571273 Y2 JP2571273 Y2 JP 2571273Y2
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直弘 金万
統 小嶋
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自力消弧形のガス遮断
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自力消弧形のガス遮断器は、アークエネ
ルギーにより圧力が上昇させられる昇圧室を設けて、該
昇圧室から噴出させたガスをアークに吹き付けることに
より消弧させる形式の遮断器である。この形式の遮断器
は、大電流を遮断する際には優れた消弧性能が得られる
が、遮断電流が小さい場合には、昇圧室内の圧力が不足
するため、消弧性能が低下する。
【0003】そこで、自力消弧形の消弧機構と他の方式
の消弧機構とを併用したガス遮断器が種々提案されてい
る。図2に示したものは、アーク回転方式の消弧機構を
併用した自力消弧形のガス遮断器で、同図において1は
導電材料または絶縁材料により円筒状に形成された昇圧
室構成部材、2は昇圧室構成部材1の開口部を気密に閉
じるように設けられた固定接触子側の主回路導電板で、
昇圧室構成部材1と導電板2とにより昇圧室3が構成さ
れている。昇圧室構成部材1の中央には孔1aが設けら
れ、孔1aの周辺には、外側に向かうに従って次第に径
が大きくなる向きのテーパ部1bが設けられいる。孔
1a及びテーパ部1bによりガスを噴出させるノズル部
1nが構成されている。
【0004】昇圧室3内には、固定アーク接触子とアー
ク駆動コイルとを含む固定側エレメント5が収納されて
いる。この固定側エレメントは、導電板2の内面に固定
された支持台6と、支持台6に支持されたチューリップ
形の固定アーク接触子7、支持台6にコイル支持筒体
8を介して一端が接続されたアーク駆動コイル9と、ア
ーク駆動コイル9の他端に接続された環状のアーク走行
板10とからなり、アーク走行板10は固定アーク接触
子7の先端位置とノズル部の孔1aの位置との間に配置
されている。
【0005】固定アーク接触子7と同一の軸線上に可動
アーク接触子11が設けられている。この可動アーク接
触子は、図示しない手段により直線移動自在に支持され
ていて、集電接触子を介して可動接触子側の主回路導体
に接続されている。可動アーク接触子11は図示しない
操作器により操作されて、図示のようにノズル部1nを
貫通して昇圧室3内に進入して固定アーク接触子7に接
した状態になる投入位置と、ノズル部1nから脱して
固定アーク接触子7及び昇圧室3との間に所定の絶縁距
離を隔てた状態になる遮断位置との間を変位させられ
る。
【0006】上記の各部は所定の遮断容器内に収納さ
れ、該遮断部容器内にはSF6 ガスが所定の圧力で封入
されている。
【0007】上記のガス遮断器において、可動アーク接
触子11が固定アーク接触子7から離れて両アーク接触
子間にアークが生じ、該アークがアーク走行板10に接
触すると、アーク駆動コイル9にアーク電流が流れ、該
アーク駆動コイルから生じる磁束がアークに直角に鎖交
する。これによりアークが駆動されてアーク走行板10
に沿って高速回転し、アークに相対的にガスが吹き付け
られる。またアークのエネルギーにより昇圧室3内のガ
スの圧力が急激に上昇させられる。可動アーク接触子1
1は電流の零点を迎える直前にノズル部の孔1aから外
れるように操作される。可動アーク接触子11がノズル
部1nの孔から外れると、昇圧室3内のガスが噴出し、
アークに吹き付けられる。アークは回転に伴って生じた
相対的なガスの吹き付けと、昇圧室から噴出するガスの
吹き付けとにより急速に冷却されて電流零点で消滅させ
られる。
【0008】図3は吸い込みパッファ機構を併用した自
力消弧形のガス遮断器である。この例では、主回路導電
板12の一面に筒体13が固定されて該筒体と導電板1
2との間に昇圧室14が構成され、導電板12の他面に
支持台15を介して固定アーク接触子16が取付けられ
ている。固定アーク接触子16を覆うように絶縁筒体1
7が取り付けられ、絶縁筒体17を外側から囲むように
絶縁材料からなるパッファシリンダ18が取り付けられ
ている。パッファシリンダ18は、筒体17から所定の
距離を隔てた箇所に、他の部分よりも内径が縮小された
小径部18aを有している。筒体17の端面に孔17a
とテーパ部17bとを有するノズル部17nが形成さ
れ、このノズル部の孔17aを通して可動アーク接触子
19が固定アーク接触子16に接触するようになってい
る。可動アーク接触子19にはパッファピストン20が
固定され、可動アーク接触子19がノズル部17nの孔
から外れる前にピストン20がパッファシリンダの小径
部18aに隙間なく嵌合するようになっている。
【0009】図2のガス遮断器において、可動アーク接
触子19が固定アーク接触子16から離れると、両アー
ク接触子間にアークが生じ、このアークのエネルギーに
より昇圧室14内の圧力が上昇する。またパッファピス
トン20がシリンダの小径部18aに嵌合するため、シ
リンダ18内の圧力が低下し、昇圧室14内の圧力とシ
リンダ18内の圧力との差が大きくなる。可動アーク接
触子がノズル部17nの孔17aから外れると、昇圧室
14内のガスが孔17aを通して噴出し、このガスがア
ークに吹き付けられるため、電流の零点でアークが消滅
させられる。
【0010】このガス遮断器では、パッファピストン2
0がパッファシリンダ18の小径部18aに嵌合してシ
リンダ18内の圧力を低下させ、昇圧室14内の圧力と
シリンダ18内の圧力との差を大きくするため、遮断電
流が比較的小さい場合にも、可動アーク接触子がノズル
部の孔から外れた際に大量のガスをアークに吹き付ける
ことができ、消弧性能を向上させることができる。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】図2に示したガス遮断
器では、遮断電流が小さくなるとアーク駆動コイルの励
磁が弱くなるため、昇圧効果の低下を十分に補うことが
できず、小電流遮断時の消弧性能の向上を十分に図るこ
とができなかった。
【0012】図3に示した遮断器では、昇圧室14から
シリンダ18内にガスが噴出した直後に昇圧室14内の
圧力とシリンダ18内の圧力との差が急激に小さくなる
ため、アークに吹き付けられるガス流が弱まり、消弧性
能が向上しないという問題があった。
【0013】本考案の目的は、小電流域での消弧性能を
向上させた自力消弧形のガス遮断器を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本考案は、ガスを噴出さ
せるノズル部を有する昇圧室と、該昇圧室内に配置され
た固定アーク接触子と、ノズル部を通して昇圧室内の固
定アーク接触子に接触する棒状または管状の可動アーク
接触子と、昇圧室内に固定アーク接触子と同心的に配置
されて固定アーク接触子と可動アーク接触子との間にア
ークが発生した際にアーク電流により励磁されるアーク
駆動コイルと、昇圧室内に配置されてアーク駆動コイル
の端部に接続されたアーク走行板とを備えていて、固定
アーク接触子と可動アーク接触子との間に生じたアーク
をアーク駆動コイルから生じる磁界により駆動してアー
ク走行板に沿って走行させるようにしたガス遮断器に係
わるものである。
【0015】本考案においては、昇圧室のノズル部に一
体に固定ピストンを設け、可動アーク接触子側に可動シ
リンダを設ける。この可動シリンダは、一端側の開口部
を昇圧室側に向け、他端側の開口部を昇圧室と反対側に
向けた状態で可動アーク接触子を同心的に囲むように設
けられた筒体からなっていて、可動アーク接触子とと
に変位するように、放射状に設けられた複数のリブから
なる連結部により該可動アーク接触子に連結される。こ
の可動シリンダは、可動アーク接触子が固定アーク接触
子側に変位する過程で該可動アーク接触子が昇圧室内に
進入する位置よりも手前の位置に設定された設定位置に
達したときに固定ピストンを嵌合させるように位置決め
される。
【0016】また本考案においては、可動シリンダの他
端側に、該可動シリンダ内からのガスの流出のみを許容
する逆止弁が設けられる。この逆止弁は、可動アーク接
触子にスライド自在に嵌合されたボス部材と、外周部が
傾斜した皿状の形状に形成されていて、凹部を可動シリ
ンダと反対側に向けた状態で可動シリンダの他端側に配
置されて中央部がボス部材に固定され、ボス部材ととも
に可動シリンダ側に移動させられた際に外周部の傾斜面
が可動シリンダの他端側の開口部に当接して該他端側の
開口部を閉じるように径方向寸法が設定された弁板と、
可動アーク接触子に嵌合されてガイドされた状態で設け
られてボス部材を介して弁板を可動シリンダ側に付勢す
る単一のバネとを備えている
【0017】
【作用】上記のように構成すると、遮断動作時に最初か
ら可動シリンダにピストンが嵌合して、可動シリンダ内
の圧力を低下させるため、可動アーク接触子がノズル部
から外れる際に昇圧室内の圧力と可動シリンダ内の圧力
との差を十分に大きくしておくことができ、これにより
可動アーク接触子がノズル部の孔から外れた際に、昇圧
室から可動シリンダ内に噴出するガスの流速を高めてガ
スの吹き付け効果を高めることができる。
【0018】昇圧室内から可動シリンダ内にガスが流入
すると、可動シリンダ内の圧力が上昇しようとするが、
この時逆止弁が開いて可動シリンダ内のガスを流出させ
るため、可動シリンダ内の圧力上昇を防いで、昇圧室内
からのガスの流出を円滑に行わせることができる。
【0019】特に本考案においては、以下に示すよう
に、逆止弁の構造を工夫することにより、昇圧室内から
ガスが流出した際に遅滞なく逆止弁を動作させるように
したので、可動シリンダ内の圧力上昇を防いで、昇圧室
内からのガスの流出を円滑に行わせることができ、アー
クに吹き付けられるガスの流速と量とを増大させて消弧
性能を高めることができる。
【0020】即ち本考案においては、弁板の中央部に可
動アーク接触子によりガイドされた単一のバネを配置し
て、該バネにより弁板を付勢する構造にしたため、弁板
の広い受圧面で受けた力をバネに集中させて僅かな力で
該バネを変形させることができ、可動シリンダ内の僅か
な圧力上昇により弁板を感度よく動作させて逆止弁を開
くことができる。
【0021】更に本考案においては、単一の弁体を可動
シリンダの他端側の開口部に当接させる構造にしたの
で、弁板をバネの付勢力に抗して僅かに変位させるだけ
で、可動シリンダの他端側の開口部と弁板との間に周方
向に連続する、開口断面積が大きい排気口を形成するこ
とができる。
【0022】また本考案においては、弁板を皿状に形成
してその傾斜した外周部を可動シリンダの他端側の開口
部に当接させるようにしたため、弁板が可動シリンダの
他端側の開口部から離れて逆止弁が開いた際に、可動シ
リンダ内のガスを弁板の外周部の傾斜面に沿って整流状
態で外側に流すことができ、可動シリンダ内からのガス
の流出を円滑にして、流出するガスの量を増大させるこ
とができる。
【0023】このように、本考案によれば、昇圧室内か
らガスが流出したときに遅滞なく逆止弁に大きな排気能
力を発揮させて、可動シリンダ内から大量のガスを円滑
に流出させることができるため、可動シリンダ内の圧力
上昇を防いで、昇圧室内から大量のガスを高速で流出さ
せることができ、アークに吹き付けられるガスの流速と
流出量とを増大させて消弧性能を高めることができる。
従って本考案によれば 、大電流遮断時に高い消弧性能を
得ることができるのはもちろん、小電流遮断時にも、ア
ークに大量のガスを吹き付けて消弧性能を向上させるこ
とができる。
【0024】また本考案においては、アーク駆動コイル
を設けてあるため、アークの回転に伴って生じる相対的
なガスの吹き付けによりアークを冷却すると同時に、ア
ークの回転により昇圧室内を撹拌して昇圧室内でのガス
へのアークエネルギーの供給を効率良く行わせることが
でき、これにより昇圧室内の圧力をいっそう高めて消弧
性能を向上させることができる。
【0025】
【実施例】図1は本考案の実施例を示したもので、同図
において101は絶縁材料からなる筒状の昇圧室構成部
材、102は昇圧室構成部材101の上端開口部を気密
に閉じるように取付けられた固定接触子側主回路導電板
であり、昇圧室構成部材101と導電板102とにより
昇圧室103が構成されている。絶縁材料からなる昇圧
室構成部材101の底部の中央には孔101aが設けら
れ、孔101aの周辺部にはテーパ部101bが設けら
れている。テーパ部101bの外周部が延長されて傘状
の延長部10b1が形成され、孔101a,テーパ部10
1b、及び延長部101b1によりノズル部101nが構
成されている。またテーパ部の延長部101b1は固定ピ
ストン104を構成している。
【0026】導電板102の内面には、支持台105が
取付けられ、支持台105にチューリップ形の固定アー
ク接触子106が支持されている。支持台105にはま
た、環状のコイル支持筒体107の一端が接続され、コ
イル支持筒体107の他端にアーク駆動コイル108の
一端が接続されている。アーク駆動コイル108の他端
に環状のアーク走行板109が接続され、支持台10
5、固定アーク接触子106、コイル支持筒体107、
アーク駆動コイル108及びアーク走行板109によ
り、固定側エレメント110が構成されている。
【0027】固定アーク接触子106の中心軸線に沿っ
て直線変位するように、管状または棒状の可動アーク接
触子111が設けられている。この可動アーク接触子1
11はノズル部101nの孔101aを隙間なく貫通す
る径寸法を有し、図示しない操作器により操作されて、
図示のようにノズル部の孔101aを通して固定アーク
接触子106に接触した状態になる投入位置と、ノズル
部の孔から離脱して昇圧室103から所定の絶縁距離を
隔てた状態になる遮断位置との間を変位させられる。
【0028】可動アーク接触子111の周囲には、可動
シリンダ112が配置されている。この可動シリンダは
両端が開口した円筒からなっていて、その一端の開口
部を昇圧室103側に向け、他端側の開口部を昇圧室と
反対側に向けた状態で可動アーク接触子と同心的に配置
され、周方向に間隔をあけて放射状に設けられた少なく
とも3個のリブからなる連結部113により可動アーク
接触子111に連結されている。可動シリンダ112の
内径寸法は固定ピストン104を隙間なく嵌合させる大
きさに設定され、可動アーク接触子が固定アーク接触子
側に変位する過程で、昇圧室103内に進入する位置よ
りも手前の位置(遮断動作の後期のある時期における可
動アーク接触位置の位置)に設定された設定位置に達し
ときに可動シリンダ112の内側に固定ピストン10
4が嵌合するように、可動シリンダ112の位置が定め
られている。可動シリンダ112の軸線方向の両端に
は、電界が集中するエッジ部を形成しないようにカーリ
ング加工が施されている。
【0029】連結部113は可動シリンダ113の他端
側に設けられていて、該連結部113に隣接する可動ア
ーク接触子111の一部に小径部111aが形成されて
いる。小径部111aにスリーブ状のボス部材114が
スライド自在に嵌合され、このボス部材114に外周部
が傾斜した皿状の弁板115中心部固定されてい
る。弁板115はその凹部を可動シリンダと反対側に向
けた状態で配置されていて、該弁板115がボス部材1
14とともに可動シリンダ側に変位した際に、傾斜した
外周部の外側の傾斜面が可動シリンダ112の他端側の
開口部に外側から当接して該他端側の開口部を閉鎖する
ようにその径寸法が設定されている。また可動アーク接
触子111の小径部111aの端部に形成された段部と
ボス部材114の端部との間に、可動アーク接触子11
1に嵌合されてガイドされた単一のバネ116が配設さ
れ、このバネにより、弁板115が可動シリンダ112
側に付勢されて閉位置に保持されるようになっている。
そして、可動シリンダ112内の圧力が外部の圧力より
も高くなったときに弁板115が可動シリンダ112の
他端側の開口部から離反して可動シリンダ112内のガ
スを外部に流出させるように、バネ116の強さが設定
されている。ボス部材114、弁板115及びバネ11
6により逆止弁117が構成されている。以上の各部は
遮断部容器内に収納され、該容器内にはSF6 ガスが封
入されている。
【0030】上記のガス遮断器において、投入時に可動
アーク接触子111を固定アーク接触子側に移動させる
と、可動アーク接触子がノズル部101nの孔101a
内に進入する前に可動シリンダ112がピストン104
に嵌合するが、このとき逆止弁を構成する弁板115が
可動シリンダの他端側の開口部から離反するように変位
してシリンダ112内のガスを流出させるため、可動ア
ーク接触子を移動させるために必要な操作力が過大にな
ることがなく、可動アーク接触子の投入動作を容易に行
わせることができる。投入時には、主回路導電板102
→支持台105→固定アーク接触子106→可動アーク
接触子111→可動アーク接触子に接続された図示しな
い主回路導体の経路で主回路電流が流れる。
【0031】電流を遮断するため、可動アーク接触子1
11を固定アーク接触子106から引き離す方向に変位
させると、可動アーク接触子が固定アーク接触子から離
れると同時に両アーク接触子間にアークが発生する。こ
のアークがアーク走行板109に接触するとアーク駆動
コイル108にアーク電流が流れるため、該コイルから
磁束が発生する。この磁束はアークと直角に鎖交するた
め、アークが駆動されてアーク走行板109に沿って高
速で回転する。このアークの回転によりアークに相対的
にガスが吹き付けられ、アークが冷却される。またアー
クの発生と同時に強大なアークエネルギーが昇圧室10
3内のガスに与えられるため、ガスが膨脹して昇圧室内
の圧力が急激に上昇する。本実施例ではアークの回転に
より、昇圧室内のガスが撹拌されるため、ガスへのアー
クエネルギーの供給が効率良く行われる。また可動アー
ク接触子の変位とともに可動シリンダ112がピストン
に対して相対的に変位して該可動シリンダの内部圧力が
低下するため、昇圧室内の圧力と可動シリンダ内の圧力
との差が拡大される。可動アーク接触子111がノズル
部の孔101aから外れると、昇圧室103内のガスが
ノズル部を通して可動シリンダ112内に噴出する。こ
のとき生じる高速のガス流がアークに吹き付けられるた
め、アークは電流の零点で消滅させられる。
【0032】昇圧室103内のガスが可動シリンダ内に
噴出することによりシリンダ112内の圧力が外部の圧
力よりも高くなると、直ちに弁板115が可動シリンダ
112から離反して該可動シリンダ内のガスを流出させ
る。本考案においては、弁板の中央部に可動アーク接触
子によりガイドされた単一のバネ116が配置されてい
て、該バネ116により弁板115が付勢されているた
め、弁板115の広い受圧面で受けた力をバネに集中さ
せて僅かな力で該バネを変形させることができる。従っ
て、可動シリンダ内の僅かな圧力上昇により弁板を感度
よく動作させて逆止弁を開くことができる。
【0033】更に、単一の弁板115を可動シリンダの
他端側の開口部に当接させる構造としたため、弁板11
5がバネの付勢力に抗して僅かでも変位すると、可動シ
リンダ112の他端側の開口部と弁板との間に、周方向
に連続した、開口断面積が大きい排気口が形成される。
そのため、逆止弁は、昇圧室からガスが流出すると同時
に大きな排気能力を発揮し、可動シリンダから大量のガ
スを流出させて、可動シリンダ内の圧力上昇を抑制す
る。
【0034】また弁板115は、皿状に形成されてい
て、該弁板の傾斜した外周部が可動シリンダの他端側の
開口部に当接させられているため、弁板が可動シリンダ
112の他端側の開口部から離れて逆止弁が開くと、可
動シリンダ内のガスは弁板115の外周部の傾斜面に沿
って整流状態で外側に流れることになる。従って、可動
シリンダ112内からのガスの流出を円滑にして、ガス
の流出量を増大させることができる。
【0035】また遮断動作の後期になると可動シリンダ
112がピストン104から外れるため、ガスの流れは
いっそう円滑に行われる。
【0036】このように、本考案によれば、昇圧室10
3内からガスが流出した際に、逆止弁を遅滞なく開いて
可動シリンダ112内から大量のガスを円滑に排出する
ことができるため、可動シリンダ112内の圧力上昇を
防いで、昇圧室内から大量のガスを高速で流出させるこ
とができ、アークに吹き付けられるガスの流速と量とを
増大させて消弧性能を高めることができる。従って、大
電流の遮断時に高い消弧性能を得ることができるのはも
ちろん、遮断電流が小さく、昇圧室内の最大圧力が比較
的低くなる領域でも高速のガス流を生じさせて、消弧性
能を高めることができる。
【0037】上記実施例において、逆止弁を通してガス
を流出させ易くするため、可動シリンダ112と可動ア
ーク接触子111とを連結する連結部113は、できる
だけ厚さが薄いリブにより構成することが望ましい。
【0038】上記の実施例では、昇圧室構成部材101
全体を絶縁材料により形成するとしたが、昇圧室構成部
材101の底部付近及びノズル部101nのみを絶縁材
料により形成し、他の部分を導電材料により形成するよ
うにしてもよい。
【0039】上記の実施例では、固定アーク接触子及び
可動アーク接触子のみを設けているが、固定及び可動ア
ーク接触子の他に、固定主接触子及び可動主接触子を設
けて、投入時には可動アーク接触子が固定アーク接触子
に接触してから可動主接触子が固定主接触子に接触し、
遮断時には、可動主接触子が固定主接触子から離れてか
ら可動アーク接触子が固定主接触子から離れるように各
接触子を位置決めして設ける場合にも本考案を適用でき
るのはもちろんである。
【0040】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、遮断動
作時に最初から可動シリンダピストンを嵌合させて、
その内部圧力を低下させるようにしため、昇圧室からシ
リンダ内に噴出するガスの流速を高めることができ、ま
た可動シリンダに逆止弁を取り付けたことにより昇圧室
からのガスの流出を円滑に行わせることができる。
【0041】特に本考案においては、弁板の中央部に可
動アーク接触子によりガイドされた単一のバネを配置し
て、該バネにより弁板を付勢する構造にしたため、弁板
の広い受圧面で受けた力をバネに集中させて僅かな力で
該バネを変形させることができ、可動シリンダ内の僅か
な圧力上昇により弁板を感度よく動作させて逆止弁を開
くことができる。
【0042】更に本考案においては、単一の弁体を可動
シリンダの他端側の開口部に当接させる構造にしたの
で、弁板をバネの付勢力に抗して僅かに変位させるだけ
で、可動シリンダの他端側の開口部と弁板との間に周方
向に連続する、開口断面積が十分に大きい排気口を形成
することができる。
【0043】また本考案においては、弁板を皿状に形成
してその傾斜した外周部を可動シリンダの他端側の開口
部に当接させるようにしたため、弁板が可動シリンダの
他端側の開口部から離れて逆止弁が開いた際に、可動シ
リンダ内のガスを弁板の外周部の傾斜面に沿って整流状
態で外側に流すことができ、可動シリンダ内からのガス
の流出を円滑にして流出するガスの量を増大させること
ができる。
【0044】従って、本考案によれば、昇圧室内からガ
スが流出したときに遅滞なく逆止弁に大きな排気能力を
発揮させて、可動シリンダ内から大量のガスを円滑に流
出させることができるため、可動シリンダ内の圧力上昇
を防いで、昇圧室内から大量のガスを高速で流出させる
ことができ、アークに吹き付けられるガスの流速と量と
を増大させて、大電流遮断時に高い消弧性能を得ること
ができるのはもちろん 、小電流遮断時にも、アークに大
量のガスを吹き付けて消弧性能を向上させることができ
る。
【0045】また本考案においては、アーク駆動コイル
を設けてアークを回転させるようにしたため、アークの
回転に伴って生じる相対的なガスの吹き付けによりアー
クを冷却することができる上に、アークの回転により昇
圧室内を撹拌してガスへのアークエネルギーの供給を効
率良く行わせることができるため、消弧性能を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の要部を示した断面図である。
【図2】従来のガス遮断器の要部を示した断面図であ
る。
【図3】従来の他のガス遮断器の要部を示した断面図で
ある。
【符号の説明】
101…昇圧室構成部材、101a…ノズル部の孔、1
01n…ノズル部、102…主回路導電板、103…昇
圧室、104…固定ピストン、106…固定アーク接触
子、108…アーク駆動コイル、109…アーク走行
板、111…可動アーク接触子、112…可動シリン
ダ、113…連結部(リブ)、115…弁板、116…
バネ、117…逆止弁。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを噴出させるノズル部を有する昇圧
    室と、前記昇圧室内に配置された固定アーク接触子と、
    前記ノズル部を通して前記昇圧室内の固定アーク接触子
    に接触する棒状または管状の可動アーク接触子と、前記
    昇圧室内に前記固定アーク接触子と同心的に配置されて
    前記固定アーク接触子と可動アーク接触子との間にアー
    クが発生した際にアーク電流により励磁されるアーク駆
    動コイルと、前記昇圧室内に配置されて前記アーク駆動
    コイルの端部に接続されたアーク走行板とを備え、前記
    固定アーク接触子と可動アーク接触子との間に生じたア
    ークを前記アーク駆動コイルから生じる磁界により駆動
    して前記アーク走行板に沿って走行させるようにした
    ス遮断器において、前記昇圧室のノズル部に一体に設けられた 固定ピストン
    と、一端側の開口部を前記昇圧室側に向け、他端側の開口部
    を前記昇圧室と反対側に向けた状態で前記可動アーク接
    触子を同心的に囲むように設けられた筒体からなってい
    て、前記可動アーク接触子とともに変位するように、放
    射状に設けられた複数のリブからなる連結部により前記
    可動アーク接触子に連結された可動シリンダと、 前記可動シリンダの他端側に取り付けられていて該可動
    シリンダ内からのガスの流出のみを許容する逆止弁とを
    具備し 前記可動シリンダは、前記可動アーク接触子が前記固定
    アーク接触子側に変位する過程で前記可動アーク接触子
    が前記昇圧室内に進入する位置よりも手前の位置に設定
    された設定位置に達したときに前記固定ピストンを嵌合
    させるように位置決めされ、 前記逆止弁は、 前記可動アーク接触子にスライド自在に嵌合されたボス
    部材と、 外周部が傾斜した皿状の形状に形成されていて、凹部を
    前記可動シリンダと反対側に向けた状態で前記可動シリ
    ンダの他端側に配置されて中央部が前記ボス部材に固定
    され、前記ボス部材とともに前記可動シリンダ側に移動
    させられた際に 外周部の傾斜面が前記可動シリンダの他
    端側の開口部に当接して該他端側の開口部を閉じるよう
    に径方向寸法が設定された弁板と、 前記可動アーク接触子に嵌合されてガイドされた状態で
    設けられて前記ボス部材を介して前記弁板を可動シリン
    ダ側に付勢する単一のバネとを備えている ことを特徴と
    するガス遮断器。
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JPS6412344U (ja) * 1987-07-14 1989-01-23
JPS6426137A (en) * 1987-07-22 1989-01-27 Osaka Gas Co Ltd Gas sensor

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