JP2701338B2 - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents

パッファ形ガス遮断器

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JP2701338B2
JP2701338B2 JP63178734A JP17873488A JP2701338B2 JP 2701338 B2 JP2701338 B2 JP 2701338B2 JP 63178734 A JP63178734 A JP 63178734A JP 17873488 A JP17873488 A JP 17873488A JP 2701338 B2 JP2701338 B2 JP 2701338B2
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保 高嶋
泉 瀧
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、パッファ形ガス遮断器の構造に関する。
B.発明の概要 本発明は、固定アーキングコンタクトから可動アーキ
ングコンタクトを引き離す際にパッファ室内の絶縁ガス
をアークに吹きつけて消弧するパッファ形ガス遮断器に
おいて、 パッファ室を有するパッファシリンダを固定する一
方、熱ガス室を有するピストンを可動アーキングコンタ
クトに固着するとともにパッファシリンダ内に摺動自在
に設けることにより、 投入・遮断の際の駆動する部分の重量を小さくし、か
つ熱ガス室の機能で遮断性能を向上させたものである。
C.従来の技術 電力用遮断器として、パッファ形ガス遮断器が用いら
れる。
従来のパッファ形ガス遮断器の構造を第3図に示す。
図のように、パッファ形ガス遮断器は固定ユニット1と
可動ユニット2とで構成される。固定ユニット1は、中
空の固定主コンタクト3と、その内部中央に設けた固定
アーキングコンタクト4とで構成される。
一方、可動ユニット2は、中空部5と連通孔6とを有
するとともに先端部が可動アーキングコンタクト7とな
り図中の左右方向へ駆動される駆動ロッド8と、駆動ロ
ッド8の外側に嵌め込まれるとともに駆動ロッド8との
間にパッファ室9を形成するパッファシリンダ10と、可
動アーキングコンタクト7を覆うようにしてパッファシ
リンダ10に固着されるとともに先端部に挿通孔11を有し
かつ駆動ロッド8との間に放出路12を形成する絶縁ノズ
ル13と、放出路12とパッファ室9とを連通させるために
パッファシリンダ10に円周方向に沿って複数設けた放出
孔20と、絶縁ノズル13の外側に固着した可動主コンタク
ト14と、排気孔15を有する中空ロッド16を介して図示し
ない固定部に取り付けられるとともに駆動ロッド8とパ
ッファシリンダ10との間に摺動自在に設けられたリング
状のピストン17とで構成される。なお、18はシール材で
ある。各ユニットは、SF6ガス等の絶縁ガス中に設けら
れ、パッファ形ガス遮断器を構成する。
斯かるパッファ形ガス遮断器においては、駆動ロッド
8が図中の左方へ駆動されて投入する際に、挿通孔11か
らパッファ室9に絶縁ガスが吸入され、駆動ロッド8が
図中の右方へ駆動されてしゃ断する際にパッファ室9内
の絶縁ガスが第3図に示すように放出路12から放出され
る。絶縁ガスは、固定アーキングコンタクト4と可動ア
ーキングコンタクト7との間に発生するアーク19に吹き
付けられて消弧し、その後、挿通孔11又は連通孔6と排
気孔15とを通って、排出される。駆動ロッド8の駆動速
度は一般に8〜10m/sである。
D.発明が解決しようとする課題 ところが、電力系統の大容量化に伴い、パッファ形ガ
ス遮断器の一遮断当りの電力及び遮断電流の大きいもの
が要求されるようになってきており、従来のパッファ形
ガス遮断器では次のような課題がある。
(イ)遮断性能を向上させるためには、パッファ室の圧
力を高めてアークが消えるまで高圧の絶縁ガスを吹きつ
ける必要があり、そのためには外径寸法及び長さの大き
いパッファシリンダを用いて駆動ロッドを大きなストロ
ークで高速駆動する必要があるが、パッファシリンダが
大形化するだけでなく駆動力の大きい駆動手段が必要と
なって駆動手段が大形化しかつ大きな駆動エネルギーが
必要になる。それゆえにコスト高になる。
(ロ)一方、駆動ロッドを高速で駆動すると、遮断器が
大形化して重量が大きくなるために機械構造物及び動作
部の信頼性が低下する。
(ハ)また、可動ユニットのうちのピストンとこれを固
定部に固定するロッド以外をすべて駆動しなければなら
ないため、大きな駆動力が必要になる。
そこで本発明は、斯かる課題を解決したパッファ形ガ
ス遮断器を提供することを目的とする。
E.課題を解決するための手段 斯かる目的を達成するための本発明の構成は、絶縁ガ
ス中に固定アーキングコンタクトを固定する一方、先端
部近傍が中空に形成された駆動ロッドを固定アーキング
コンタクトの軸心に沿って駆動可能に設け、固定アーキ
ングコンタクトが嵌脱自在な駆動ロッドの先端部を可動
アーキングコンタクトとし、可動アーキングコンタクト
の周囲にピストンを形成して該ピストンの内部に熱ガス
室を設け、可動アーキングコンタクトの先端部を覆うよ
うにして設けた絶縁ノズルの基端部をピストンの端面に
固着することで可動アーキングコンタクトと絶縁ノズル
との間に放出路を形成し、有底円筒形に形成されたパッ
ファシリンダの中央部に駆動ロッドを摺動自在に貫通さ
せるとともにパッファシリンダの内周面をピストンの外
周面に摺接させることでパッファシリンダと駆動ロッド
との間にパッファ室を設け、パッファシリンダをロッド
を介して固定部に固定し、ピストンにはパッファ室から
熱ガス室へのみ絶縁ガスを流すための連通孔と逆止弁と
を設ける一方、パッファシリンダにはパッファ室の外部
から内部へのみ絶縁ガスを流すための連通孔と逆止弁と
を設けたことを特徴とする。
F.作用 しゃ断する際、固定アーキングコンタクトから可動ア
ーキングコンタクトを引き離すと、極間に発生したアー
クの熱によって熱ガス室の絶縁ガスの圧力が上昇し、そ
の絶縁ガスがアークに吹きつけられて消弧する。その後
にピストンによって押し出されたパッファ室の絶縁ガス
が極間の絶縁回復特性を急上昇させる。
パッファシリンダは従来のように駆動されることはな
く固定されており、ピストンが駆動されるので、小さな
駆動力で投入・遮断が行える。
G.実施例 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。なお、本実施例は従来のパッファ形ガス遮断器
の一部を改良したものなので、同一部分には同一符号を
付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
(a)実施例の構成 第2図に示すように、可動アーキングコンタクト7の
まわりに、これと一体的にピストン26が形成され、ピス
トン26の内部に熱ガス室21が設けられる。このピストン
26の端部に従来と同様の絶縁ノズル13の基端部と可動主
コンタクト14の基端部とが固着される。絶縁ノズル13と
可動アーキングコンタクト7との間には従来と同様に放
出路12が形成され、放出路12と熱ガス室21との間には放
出孔20が形成される。
一方、有底円筒形のパッファシリンダ10が、その底面
中央部に摺動自在に駆動ロッド8を貫通させた状態で、
かつその内周面にピストン26を摺接させた状態で設けら
れる。パッファシリンダ10とピストン26との間にはパッ
ファ室9が形成され、パッファシリンダ10は中空ロッド
16を介して図示しない固定部に固定される。
そして、ピストン26には、パッファ室9から熱ガス室
21へのみ絶縁ガスが流入しうるように連通孔22と逆止弁
23とが複数設けられる。また、パッファシリンダ10に
は、パッファ室9の外部から内部へのみ絶縁ガスが入流
しうるように連通孔24と逆止弁25とが複数設けられる。
(b)実施例の作用 投入するには、第2図に示すように駆動ロッド8を図
中の左方へ駆動し、可動アーキングコンタクト7の内部
に固定アーキングコンタクト4を嵌め込む。このとき、
パッファシリンダ10は固定されていることから、ピスト
ン26が左方へ移動し、パッファシリンダ10の外部の絶縁
ガスが連通孔24を通ってパッファ室9内へ吸入される。
次に、しゃ断を行うには、第1図に示すように、駆動
ロッド8を図中の右方へ駆動する。このときの作用を遮
断電流が小さい場合と大きい場合とに分けて説明する。
まず、遮断電流が小さい場合について説明する。
固定アーキングコンタクト4から可動アーキングコン
タクト7が少し離れて極間にアーク19が生じるが、遮断
電流が小さいためにアークエネルギーが小さく、そのた
めに熱ガス室21の温度上昇も少ない。従って、熱ガス室
21の圧力上昇が少なく、アーク19に吹きつけられる絶縁
ガスの量は少ない。その後、駆動ロッド8が更に右方へ
移動してパッファ室9内が圧縮されると、連通孔22から
放出される絶縁ガスが熱ガス室21,放出路12を通ってア
ーク19に吹きつけられ、パッファ室9内の絶縁ガスによ
って消弧する。
次に、遮断電流が大きい場合について説明する。
遮断電流が大きくなるにつれてアークエネルギーも大
きくなり、熱ガス室21の絶縁ガスの圧力も大きくなる。
可動アーキングコンタクト7から固定アーキングコンタ
クト4が抜けると圧力の増大した絶縁ガスが放出路12か
らアーク19に吹きつけられて消弧し、その後にパッファ
室9内の絶縁ガスがピストン26によって連通孔22から押
し出され、熱ガス室21,放出路12を通ってアーク19に吹
きつけられる。このため、消弧後の極間の絶縁回復特性
が急上昇し、遮断特性が向上する。アーク19によって熱
ガス室21内の絶縁ガスの温度が急上昇して高圧になるア
ーク19に吹きつけられるので、短いアーク時間で遮断が
可能である。
H.発明の効果 以上説明したように本発明によるパッファ形ガス遮断
器によれば、パッファシリンダを駆動しないで固定する
とともにピストンを駆動する一方、アークの熱によって
絶縁ガスの圧力が急上昇して自動的にアークに吹きつけ
られる熱ガス室を設けたので、以下の効果がある。
(a)パッファシリンダを従来のように駆動しないで固
定し、ピストンを駆動するので、駆動力を従来よりも低
減でき、駆動手段の小形化が図れる。
(b)遮断電流が大きいアークエネルギーも大きく、熱
ガス室の圧力も大きくなってアークに高圧の絶縁ガスが
吹きつけられるので、短いアーク時間で消弧し、その後
にパッファ室内の圧縮された絶縁ガスにより極間の絶縁
回復特性が向上する。そのため、しゃ断のための極間距
離が小さい。
(c)遮断電流が大きい場合には熱ガス室の絶縁ガスの
みがあれば消弧に十分であるため、従来のように絶縁ガ
スを高速でアークに吹きつけるための手段を要しないこ
ととなり、パッファシリンダの小形化と駆動ロッドのス
トロークの減少化と、開離速度低減による駆動手段の小
形化と、駆動エネルギーの減少化とが図れ、低コストと
なる。
(d)開離速度の低減により、遮断器の大形化と大重量
化が回避でき、機械的性能の信頼性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は本発明によるパッファ形ガス遮断器の
実施例に係り、第1図はしゃ断時の断面図、第2図は投
入時の断面図、第3図は従来のパッファ形ガス遮断器の
断面図である。 4……固定アーキングコンタクト、5……中空部、7…
…可動アーキングコンタクト、8……駆動ロッド、9…
…パッファ室、10……パッファシリンダ、12……放出
路、13……絶縁ノズル、16……中空ロッド、20……ピス
トン、21……熱ガス室、22,24……連通孔、23,25……逆
止弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁ガス中に固定アーキングコンタクトを
    固定する一方、先端部近傍が中空に形成された駆動ロッ
    ドを固定アーキングコンタクトの軸心に沿って駆動可能
    に設け、固定アーキングコンタクトが嵌脱自在な駆動ロ
    ッドの先端部を可動アーキングコンタクトとし、 可動アーキングコンタクトの周囲にピストンを形成して
    該ピストンの内部に熱ガス室を設け、可動アーキングコ
    ンタクトの先端部を覆うようにして設けた絶縁ノズルの
    基端部をピストンの端面に固着することで可動アーキン
    グコンタクトと絶縁ノズルとの間に放出路を形成し、 有底円筒形に形成されたパッファシリンダの中央部に駆
    動ロッドを摺動自在に貫通させるとともにパッファシリ
    ンダの内周面をピストンの外周面に摺接させることでパ
    ッファシリンダと駆動ロッドとの間にパッファ室を設
    け、パッファシリンダをロッドを介して固定部に固定
    し、ピストンにはパッファ室から熱ガス室へのみ絶縁ガ
    スを流すための連通孔と逆止弁とを設ける一方、パッフ
    ァシリンダにはパッファ室の外部から内部へのみ絶縁ガ
    スを流すための連通孔と逆止弁とを設けたことを特徴と
    するパッファ形ガス遮断器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6196623A (ja) * 1984-10-18 1986-05-15 株式会社東芝 ガス遮断器
JPH077624B2 (ja) * 1985-07-08 1995-01-30 株式会社東芝 パツフア式ガスしや断器
JPS6235423A (ja) * 1985-08-07 1987-02-16 株式会社東芝 パツフア形ガスしや断器
JPS62229622A (ja) * 1986-03-31 1987-10-08 株式会社東芝 パツフア式ガスしや断器

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JPH0227631A (ja) 1990-01-30

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