JP2570775Y2 - 座 金 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、安定着座用の座金に関
し、特に取付部品を固定操作するとき取付部品の取付面
に予め装着される座金の改良技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の座金としては、図６に例示する
如く本体部１の片面に差込部２を有し、取付部品３をボ
ルト４などでパネルＰ側に固定操作する場合、取付部品
１の取付面に設けられた穴部５の開口６に予め装着され
るものがある。この装着は、一般に接着剤Ｂが用いられ
ることが多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上述したように、従来
座金の使用態様では、部品組立工程などで、手間がかか
る接着作業に煩わされるばかりでなく、座金を数多く装
着しなければならないとき接着不良により取付部品から
座金が外れることもあった。また、座金が比較的大きく
なると、接着剤が硬化するまで時間がかり、作業手順に
制限を受けることにもなる。

【０００４】本考案は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は接着剤などを使用することなくそ
れ自体で装着可能にするとともに、接着方法よりも容易
かつ確実に装着できるようにした座金を提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本考案は、本体部に突出された差込部を有し、取付部品
をパネル側にボルトまたはタッピングスクリュウを用い
て固定する場合に、前記取付部品の取付面側に設けられ
た開口に前記差込部を入れて装着し、前記取付部品を前
記パネル側に前記本体部を介して配置する座金におい
て、前記差込部外周に圧入用の複数のリブを一体に突出
形成していると共に、前記本体部に前記リブと対向し、
かつ該リブの延長上に摺りかす逃げ用の溝部を設けてな
る、ものである。

【０００６】

【作用】前記構成によれば、座金は、その差込部を取付
部品の開口に押し込めると、差込部外周の複数のリブが
開口内に弾性的に押入られて装着される。この装着作業
は、従来のように接着剤を用意したり、開口に塗布する
必要がなく、ワンタッチで行える。開口径に対するリブ
の突出量、すなわち係合度合を工夫することにより、装
着強度も任意に確保される。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図１から図４は本考案の第１実施例に
係る座金を示している。第１実施例の座金１０は、合成
樹脂成形体であり、図１に示す如く本体部１１と、差込
部１２と、差込部１２の外周に設けられたリブ１３とを
一体に有している。

【０００８】本体部１１はリング状をなし、その下面１
１ａに筒状の差込部１２を突出形成している。この差込
部１２の外周には軸方向へ延びる４個のリブ１３が設け
られている。各リブ１３は外周を４等分する位置にあっ
て、差込部１２の先端から下面１１ａの溝部１１ｂまで
延びている。溝部１１ｂは各リブ１３に対応して設けら
れ、各リブ１３の一端をその凹状内に遊びを持って受け
入れる大きさで、かつ下面１１ａの外周まで通じてい
る。

【０００９】図２は座金１０を取付部品１４に装着した
状態を示し、図３はその要部詳細を示している。なお、
取付部品１４は車両中、特にトラックのドア下部に設け
られる足掛け用フロントステップの例であるが、他の部
品であってもよいことは勿論である。取付部品１４の固
定側には、従来と同様にボルト１６などの固定部材に対
する穴部１５が設けられ、穴部１５の入り口に差込部１
２に対応する開口１５ａが設けられている。

【００１０】座金１０の装着操作は、差込部１２を開口
１５ａに臨ませて押し込める。すると、差込部１２はリ
ブ１３の存在により開口１５ａ内に弾性的に圧入され、
瞬時に装着される。このとき、各リブ１３は開口１５ａ
内に強制的に押し込められるものであるから、押し込め
る過程で接触面の一部が摺削られる。この摺削られた摺
かす２６は、図３に示す如く溝部１１ｂを設けることに
より、開口１５ａの端面と差込部１２の端面との間に溜
ることなく、溝部１１ｂ内あるいは溝部１１ｂから外部
へ逃がされるのである。したがって、摺かす２６が開口
１５ａの端面と差込部１２の端面との間に溜って、両者
間に隙間を形成したり、座金１０が傾いて装着されるな
どという虞を確実に防止できる。このように座金１０を
装着した取付部品１４は、図４に示す如くパネルＰなど
にボルト１６により固定される。この固定操作は従来と
同じである。

【００１１】図５は本考案の第２実施例である座金を示
している。なお、同図の座金では、第１実施例の座金と
技術的に同一部位に同じ符合を使用し、重複した説明を
省略する。第２実施例は、前記溝部１１ｂを変更した例
である。下面１１ａに設けられた溝部２１ｂは、差込部
１２の外周に突出形成された各リブ２３に対応し、各リ
ブ２３の一端をその凹状内に遊びを持って受け入れる大
きさで、かつ下面１１ａから上面まで貫通している。

【００１２】各リブ２３が開口１５ａ内に強制的に押し
込められるとき、その押し込める過程で摺削られた摺か
すは、溝部２１ｂから外部へ逃がされる。したがって、
溝部２１ｂは開口１５ａの端面と差込部１２の端面との
間に溜り易い摺かすを逃がす作用をなし、座金１０が傾
いて装着される虞を確実に防止し、安定着座用として精
度的および信頼性を向上するのである。このように、本
考案は請求項記載の範囲で種々変更ないしは展開するこ
とができるものである。

【００１３】

【考案の効果】以上説明したとおり、本考案に係る座金
は、その差込部を取付部品の開口に押し込めるだけで複
数のリブを介して圧入されて装着される。この装着作業
は、従来のように接着剤を用意して塗布する必要がな
く、ワンタッチで行えるので、作業性を大きく向上でき
る。しかも、本考案の座金は、圧入手段を採用している
ので接着剤硬化時間などを考慮しなくても圧入と同時に
外れることがなく、またリブの突出量、すなわち係合度
合を工夫することにより、装着強度も任意に設定でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係る座金を示す斜視図で
ある。

【図２】前記座金を取付部品に装着した状態で示す断面
図である。

【図３】図２のＡ部の詳細を示す一部拡大断面図であ
る。

【図４】取付部品を固定した状態を示す断面図である。

【図５】本考案の第２実施例に係る座金を示す斜視図で
ある。

【図６】従来の座金を取付部品に装着した状態で示す断
面図である。

【符号の説明】 １０ 座金 １１ 本体部 １２ 差込部 １３，２３ リブ １１ｂ，２１ｂ 溝部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体部に突出された差込部を有し、取付
   部品をパネル側にボルトまたはタッピングスクリュウを
   用いて固定する場合に、前記取付部品の取付面側に設け
   られた開口に前記差込部を入れて装着し、前記取付部品
   を前記パネル側に前記本体部を介して配置する座金にお
   いて、前記 差込部外周に圧入用の複数のリブを一体に突出形成
   していると共に、前記本体部に前記リブと対向し、かつ
   該リブの延長上に摺りかす逃げ用の溝部を設けてなる、
   ことを特徴とする座金。