JP2570062B2 - ドップラ式対地車速検出装置 - Google Patents

ドップラ式対地車速検出装置

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JP2570062B2
JP2570062B2 JP4185965A JP18596592A JP2570062B2 JP 2570062 B2 JP2570062 B2 JP 2570062B2 JP 4185965 A JP4185965 A JP 4185965A JP 18596592 A JP18596592 A JP 18596592A JP 2570062 B2 JP2570062 B2 JP 2570062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は波のドップラ効果を利用
して車両の対地速度を検出するドップラ式対地車速検出
装置に関するものであり、特に、それの検出精度を向上
させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ドップラ式対地車速検出装置は一般
に、例えば特開平2−287183号公報に記載されて
いるように、(a) 路面に向かって波を送信する送信部
と、(b)送信された波のうち前記路面で反射したものを
受信する受信部と、(c) 送信部の送信周波数と受信部の
受信周波数とに基づき、波のドップラ効果を利用して対
地車速を決定する信号処理部とを含むように構成され
る。
【0003】この種のドップラ式対地車速検出装置を使
用する場合には、例えば、送信部および受信部の路面に
対する角度が正規でないと、対地車速を予定の精度で検
出することができない。一方、車輪速から車速を推定す
る車速推定手段を車両に搭載することが既に行われてお
り、この車速推定手段による推定車速は、車輪のスリッ
プ率が実質的に0である状態では、推定車速が実対地車
速に精度よく一致するという事実が既に知られている。
【0004】それらの事情に鑑み、本出願人は先に次の
ようなドップラ式対地車速検出装置を案出した。それ
は、前記信号処理部が、送信周波数と受信周波数とに基
づき、波のドップラ効果を利用した一定の規則に従って
対地車速の暫定値を逐次決定するとともに、前記車速推
定手段による推定車速が実対地車速に精度よく一致する
と予想される車速一致状態では、その推定車速と前記暫
定対地車速との関係を取得し、一方、推定車速が実対地
車速に精度よく一致しないと予想される車速不一致状態
では、それに先行する車速一致状態で取得した前記関係
に基づいて各回の暫定対地車速を補正することによって
対地車速の最終値を逐次決定するドップラ式対地車速検
出装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人はこのドップ
ラ式対地車速検出装置について種々の研究を行い、その
結果、次のような事実が判明した。
【0006】すなわち、車両が路面上の水溜まりを通過
する場合などには、受信部に受信される受信波の強度が
一時的に小さくなることがあるが、このような事態が車
速一致状態で発生するか否かとは無関係に、推定車速と
暫定対地車速との関係を取得する態様でドップラ式対地
車速検出装置を使用する場合には、その関係が真のもの
とは異なるものとなってしまい、後続する車速不一致状
態で対地車速を十分には高い精度で検出することができ
ないという事実が判明したのである。
【0007】この判明事実に基づき、本発明は、受信強
度の一時的な低下の影響を受けることなく、常に対地車
速を精度よく検出することを課題としてなされたもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、車輪速から車速を推定する車速推定手段を
備えた車両に設けられ、(a) 前記送信部と、(b) 前記受
信部と、(c) 送信部の送信周波数と受信部の受信周波数
とに基づき、波のドップラ効果を利用した一定の規則に
従って対地車速の暫定値を逐次決定するとともに、車速
推定手段による推定車速が実対地車速に精度よく一致す
ると予想される車速一致状態では、その推定車速と前記
暫定対地車速との関係を取得し、一方、推定車速が実対
地車速に精度よく一致しないと予想される車速不一致状
態では、それに先行する車速一致状態で取得した前記関
係に基づいて各回の暫定対地車速を補正することによっ
て対地車速の最終値を逐次決定する信号処理部とを含む
ドップラ式対地車速検出装置において、その信号処理部
を、車速不一致状態で、それに先行する車速一致状態で
かつ受信部の受信強度が基準値以下である状態で決定さ
れた暫定対地車速の影響を受ける対地車速の補正を禁止
するものとしたことを特徴とする。
【0009】なお、ここにおける「対地車速の補正を禁
止する」方式には例えば次のものを採用することができ
る。それは、車速一致状態で受信強度が低下したため
この状態で取得された前記関係が受信強度低下状態で決
定された暫定対地車速の影響を受けたものである場合に
は、後続する車速不一致状態で各回の暫定対地車速をそ
のまま各回の最終対地車速に決定する方式や、車速一
致状態で取得された複数の、互いに対応する推定車速と
暫定対地車速から成る車速対のうち、暫定対地車速が受
信強度低下状態で決定された車速対を除いたものについ
て前記関係を取得する方式などである。
【0010】なお、ここにおいて、前者の方式は、実質
的にのみならず表面的にも対地車速の補正を禁止する完
全禁止式であるということができ、一方、後者の方式
は、車速一致状態で受信強度が低下した場合には、後続
する車速不一致状態で表面的には対地車速の補正を行う
が、実質的には、先行する車速一致状態でかつ受信強度
低下状態で決定された暫定対地車速の影響を受ける対地
車速の補正を行わない実質禁止式であるということがで
きる。
【0011】ところで、本発明における「信号処理部」
が推定車速と暫定対地車速との関係を取得する方式には
例えば次のものを採用することができる。それは、車
速一致状態で各回の推定車速と暫定対地車速との関係を
逐次取得する逐次取得式や、車速一致状態から車速不
一致状態に移行すると、その車速一致状態で取得された
複数の、互いに対応する推定車速と暫定対地車速から成
る車速対について前記関係を1個だけ取得する一括取得
式などである。
【0012】また、上記逐次取得式は例えば、今回の
推定車速と暫定対地車速との関係を前回の関係とは無関
係に取得する独立取得式や、前回の推定車速と暫定対
地車速との関係を今回の推定車速と暫定対地車速との関
係に基づいて補正することによって今回の関係を取得す
る補正取得式とすることができる。
【0013】そして、補正禁止の方式には前記実質禁止
式、関係取得の方式には前記逐次取得式を採用する場合
には、「信号処理部」は例えば、車速一致状態で受信強
度が基準値以下に低下したときには、今回の関係の、前
回の関係からの変更を禁止して各回の関係を逐次取得す
るものとすることができる。例えば、その逐次取得式が
独立取得式である場合には、例えば、受信強度が不足す
ると、前回の関係をそのまま今回の関係とするものとす
ることができ、また、補正取得式である場合には、例え
ば、受信強度が不足すると、補正を禁止し、結果的に、
前回の関係をそのまま今回の関係とするものとすること
ができるのである。なお、後者の場合、受信強度が不足
したか否かとは無関係に補正のための変数を決定し、受
信強度が不足したときには補正を禁止し、不足しないと
きには補正を許可するものとすることができる。
【0014】これに対して、補正禁止の方式には前記実
質禁止式、関係取得の方式には前記一括取得式を採用す
る場合には、「信号処理部」を例えば、車速一致状態で
取得された複数の車速対のうち、暫定対地車速が受信強
度が基準値以下で決定されたものを除いたもの全体につ
いて前記関係を取得するものとすることができる。受信
強度低下の影響を受けた車速対を除いて関係を取得する
ものとすることができるのである。
【0015】また、「信号処理部」は、前記関係を例え
ば、車速一致状態における推定車速と暫定対地車速との
差として取得するものとすることも、それら推定車速と
暫定対地車速との間に実質的な比例関係が成立すると仮
定した場合のその比例関係として取得するものとするこ
ともできる。
【0016】また、「信号処理部」が車速一致状態で最
終対地車速を決定する方式には例えば次のものを採用す
ることができる。それは、前記逐次取得式である場合
の態様であって、逐次取得した推定車速と暫定対地車速
との関係を用いて各回の暫定対地車速を補正することに
よって最終対地車速を決定する方式や、各回の推定車
速をそのまま各回の最終対地車速に決定する方式などで
ある。
【0017】
【作用】本発明に係るドップラ式対地車速検出装置にお
いては、信号処理部により、車速不一致状態で、先行す
る車速一致状態でかつ受信強度が基準値以下である状態
で決定された暫定対地車速の影響を受ける対地車速の補
正が禁止される。そのため、車速一致状態で受信強度が
一時的に低下することがあっても、その影響が後続する
車速不一致状態における最終対地車速に現れずに済むこ
とになる。
【0018】
【発明の効果】このように、本発明によれば、車速一致
状態における受信強度の低下の影響がそれに後続する車
速不一致状態における最終対地車速に現れずに済むた
め、受信強度の低下の有無とは無関係に、車速不一致状
態における対地車速の補正精度が向上し、ひいては対地
車速の検出精度が向上するという効果が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるドップラ式対
地車速検出装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】このドップラ式対地車速検出装置(以下、
単に検出装置という)は、図2に示すように、送信部1
0および受信部12を備えている。それら送信部10お
よび受信部12はいずれも、音波−電気信号変換手段と
して圧電素子を有している。また、それら送信部10お
よび受信部12は車体の底面に前向きで、かつ路面に一
定角度θ(例えば45度)を有して対向する状態で取り
付けられている。
【0021】送信部10は波としての超音波を路面に向
かって送信するものであり、分周器20を経て水晶等を
主体とする発信器22に接続されている。一方、受信部
12は、送信された超音波のうち路面で反射したものを
受信するものであり、アンプ(図において「AMP」で
表す。他のアンプについても同じとする)30,バンド
パスフィルタ(図において「BPF」で表す。他のバン
ドパスフィルタについても同じとする)32およびアン
プ34に順に接続されている。受信部12から出力され
た周期的に変化する電気信号は、まずアンプ30により
増幅され、続いてバンドパスフィルタ32により不要な
信号が除去され、その後アンプ34により再び増幅され
るようになっているのである。
【0022】また、アンプ30の出力端子にはピーク電
圧検出回路36も接続されている。このピーク電圧検出
回路36は、アンプ30からの出力電圧信号(電圧が周
期的に変化することを表す信号)のレベルのピーク値
(以下、ピーク電圧という)を一定短時間ごとに検出す
るものである。このピーク電圧の値は後述の信号処理部
50に入力される。
【0023】送信部10の入力端子とアンプ34の出力
端子とはいずれも、ミキサ40の入力端子に接続されて
いる。送信部10へ入力された送信波信号と同じ信号と
受信部12から出力された受信波信号とが一緒にミキサ
40に入力されるようになっているのであり、このミキ
サ40においては、送信周波数f0 と受信周波数(f0
+fd )との差であるドップラ周波数fd に等しい周波
数を持つ低周波成分と、それらの和(2・f0 +fd
に等しい周波数を持つ高周波成分とが重なり合った波が
合成される。この合成波はバンドパスフィルタ42に入
力され、ここで、低周波成分のみが取り出される。これ
の信号も信号処理部50に入力される。
【0024】信号処理部50はCPU,ROM,RAM
およびバスを含むコンピュータを主体として構成されて
いる。そして、そのROMには、図3に示すように、ピ
ーク電圧検出ルーチン,推定車速演算ルーチン,暫定対
地車速演算ルーチンおよび最終対地車速演算ルーチン
(図1にフローチャートで表す)を始めとする各種プロ
グラムが記憶されている。
【0025】ピーク電圧検出ルーチンは、ピーク電圧検
出回路36からの出力信号に基づき、受信部12からの
出力電圧のピーク電圧を一定短時間ごとにRAM(図4
参照)に記憶させるものである。
【0026】推定車速演算ルーチンは、車両の左右前輪
および左右後輪のそれぞれの車輪速を車輪速センサ60
(図2参照)によって検出し、それら4個の車輪速から
今回の推定車速VSO(i) を演算するものである。具体
的には、今回の推定車速VSO(i) を、それら4個の
車輪速のうち最大のものと、前回の推定車速VSO
(i-1) から想定される最大速度と、前回の推定車速V
SO(i-1) から想定される最小速度とから成る3個の候
補速度のうちの中間のものに決定することにより、今回
の推定車速VSO(i) を演算するものである。
【0027】なお、ここで「最大速度」は、上限加速度
GACC(既知の定数)と推定車速VSOのサンプリン
グ周期である図1のルーチンの実行周期αとを用いて、 VSO(i-1) +GACC・α なる式で表される。一方、「最小速度」は、上限減速度
GDEG(既知の定数)と実行周期αとを用いて、 VSO(i-1) −GDEG・α なる式で表される。
【0028】このようにして演算された推定車速VSO
(i) はRAM(図4参照)に記憶される。
【0029】暫定対地車速演算ルーチンは、バンドパス
フィルタ42から入力された低周波成分(すなわち、正
弦波)を0でないしきい値でクランプしてパルス化し、
それにより生成された各パルスの周期に基づいて対地車
速の暫定値を演算するものである。このようにして演算
された暫定対地車速VPRVもRAM(図4参照)に記
憶される。
【0030】最終対地車速演算ルーチンの内容を説明す
るが、まず、受信部12の受信強度が高い場合、すなわ
ちピーク電圧がしきい値μより高い場合の実行内容につ
いて説明する。
【0031】まず、概略的に説明すれば、このルーチン
は、各回の暫定対地車速VPRV(i) をRAMから逐次
読み出すとともに、対地車速の補正係数K(i) を逐次決
定し、その暫定対地車速VPRV(i) にその補正係数K
(i) を掛けることによって対地車速の最終値VFNL
(i) を逐次決定する。しかも、車速一致状態では、前回
の推定車速VSO(i-1) から前回の最終対地車速VFN
(i-1) を引いた値をその前回の推定車速VSO(i-1)
で割った値を今回の補正係数K(i) の補正量ΔK(i)
決定し、それと前回の補正係数K(i-1) との和を今回の
補正係数K(i) に決定し、一方、車速不一致状態では、
それに先行する車速一致状態における補正係数Kの最終
値に各回の補正係数K(i) を決定する。なお、本実施例
において「車速一致状態」とは、車両が実質的に定速走
行状態にあることを意味する。
【0032】ここで、最終対地車速VFNLの算出の原
理を説明する。
【0033】本実施例においては、最終対地車速VFN
L(すなわち、本来実対地車速に一致すべき車速)が暫
定対地車速VPRVに比例するという関係、すなわち、 VFNL=K・VPRV なる式で表される関係が成立するという事実が利用され
ている。
【0034】この式を時間に関して離散化すると次のよ
うな式が得られる。
【0035】これら離散化された式に対し、本実施例に
おいては、 K(i) =K(i-1) +ΔK(i) なる式が採用されている。この式における「Δ
(i) 」、すなわち今回の補正係数Kの補正量ΔK(i)
は既知の小さな定数でもよいが、本実施例においては、
補正量ΔK(i) が、 ΔK(i) =(VSO(i-1) −VFNL(i-1) )/VSO(i-1) なる式で定義されている。
【0036】このような原理に基づき、本ルーチンは、
車速一致状態に限って補正係数Kを逐次更新し、それに
後続する車速不一致状態では、先行する車速一致状態に
おける補正係数Kの最終値に各回の補正係数Kを固定し
て最終対地車速VFNLを演算する。
【0037】なお、本実施例においては、図5に示すよ
うに、α〔ms〕ごとに推定車速VSOと暫定対地車速
VPRVと最終対地車速VFNLとがそれぞれ取得され
るようになっているが、補正係数Kはβ(>α)〔m
s〕ごとにしか更新されないようになっている。すなわ
ち、図1のルーチンはα〔ms〕ごとに実行されてβ
〔ms〕ごとに一回の制御サイクルを終了するものとさ
れ、その各制御サイクルごとに補正係数K(i) が取得さ
れ、その各制御サイクルにおいては、α〔ms〕ごとに
(すなわち、jの値が1ずつインクリメントされるごと
に)推定車速VSOと暫定対地車速VPRVと最終対地
車速VFNLとがそれぞれ取得され、かつ、各回の最終
対地車速VFNLはそれらに共通の補正係数K(i) の下
で取得されるようになっているのである。
【0038】さらに具体的に説明すれば、各制御サイク
ルにおいては、α〔ms〕ごとに、推定車速VSO(j)
から直前の最終対地車速VFNL(具体的には、前回の
制御サイクルにおける第jMAX 番目の最終対地車速VF
NL(i-1,jMAX)である)を引いた値が演算され、それの
累積値である累積誤差ERRが各制御サイクルごとに演
算され、その累積誤差ERRの平均値(累積誤差ERR
をjMAX で割り算した値)が演算され、それが今回の推
定車速VSO(具体的には、今回の制御サイクルにおけ
るjMAX 個の推定車速VSO(i,j) の平均値である)で
割られることによって補正量ΔK(i) が演算されるよう
になっているのである。
【0039】また、本実施例においては、車速一致状態
として、ドライバによってブレーキペダルが踏み込まれ
ておらず、かつ、車両に対して強い減速も加速も行われ
ておらず、かつ、車速が一定範囲にある状態が選定され
ている。具体的には、ストップランプスイッチがONさ
れておらず、かつ、推定車速VSOの前回値と今回値と
の差である車両加減速度の絶対値が一定値以下であり、
かつ、推定車速VSOがA(例えば、40km/h)〜
B(例えば、70km/h)の範囲にある状態が選定さ
れているのである。
【0040】また、本実施例においては、車両が車速一
致状態にあるか否かとは無関係に補正量ΔK(i) が決定
されるが、車両が車速一致状態にあるときに限ってそれ
が前回の補正係数K(i-1) に加算されて今回の補正係数
Kが決定され、車両が車速一致状態にないときには、今
回の補正係数K(i) が前回の補正係数K(i-1) に固定さ
れて結果的に補正量ΔK(i) が0とされることになる。
【0041】また、本実施例においては、補正係数Kの
値が各回の車速一致状態が開始されるごとに1に戻るよ
うにはされておらず、前回の車速一致状態における最終
値が今回の車速一致状態における初期値として採用され
るようになっている。
【0042】以上、最終対地車速演算ルーチンの、受信
強度が高い場合の実行内容を概略的に説明したが、受信
部12の受信強度が低下した場合、すなわちピーク電圧
がしきい値μ以下となった場合には、このルーチンは、
受信強度が回復するまで特別の制御サイクルを実行し、
この制御サイクルにおいて、補正係数Kの更新を禁止
し、この制御サイクル直前の補正係数Kの値をそのまま
用いて、α〔ms〕ごとに、暫定対地車速VPRV(i)
を補正して最終対地車速VFNL(i) を決定するように
なっている。
【0043】最終対地車速演算ルーチンの内容を図1に
基づいてさらに詳細に説明する。
【0044】信号処理部50のコンピュータの電源が投
入されれば、RAMにおける補正係数Kの初期値が1、
累積誤差ERRの初期値が0、直前の最終対地車速VF
NLの初期値も0とされる。その後、図1のルーチンが
α〔ms〕ごとに周期的に実行される。
【0045】まず、ステップS1(以下、単にS1で表
す。他のステップについても同じとする)において、R
AMから補正係数K(現在は1)が読み出されて、今回
の制御サイクル用の補正係数K(i) 、すなわち今回は第
1制御サイクル用の補正係数K(1) とされる。さらに、
RAMから暫定対地車速VPRVが読み出されて、今回
の暫定対地車速VPRV(i,j) 、すなわちVPRV
(1,1) とされる。さらにまた、それら補正係数K(1)
暫定対地車速VPRV(1,1) との積が今回の最終対地車
速VFNL(i,j) 、すなわちVFNL(1,1) として演算
される。演算された最終対地車速VFNLはRAMに記
憶される。
【0046】その後S2において、RAMからピーク電
圧が読み出され、それがしきい値μより高いか否かが判
定される。今回はそうであると仮定すれば、判定がYE
Sとなり、S3に移行する。
【0047】このS3においては、まず、RAMから推
定車速VSOが読み出され、それが今回の推定車速VS
(i,j) 、すなわち今回はVSO(1,1) とされる。さら
に、RAMから直前の最終対地車速VFNL(現在は
0)が読み出され、それが直前の最終対地車速VFNL
(i-1,jMAX)、すなわち今回はVFNL(0,jMAX)とされ
る。さらに、RAMから累積誤差ERR(現在は0)が
読み出される。また、推定車速VSO(1,1) から直前の
最終対地車速VFNL(0,jMAX)が引かれ、それが、読み
出された累積誤差ERRに加算され、これが最新の累積
誤差ERRとしてRAMに記憶される。
【0048】その後、S4において、一回の制御サイク
ルが終了したか否かが判定される。具体的には、本ルー
チンの実行回数をカウントするカウンタの値がβ〔m
s〕に対応する値以上(図において「カウンタ≧β」で
表す)となったか否かが判定されるのである。今回は未
だ終了していないから、判定がNOとなり、本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0049】その後、S1〜4の実行が何回も繰り返さ
れた結果、第1制御サイクルが終了し、β〔ms〕が経
過すれば、S4の判定がYESとなり、S5において、
RAMから累積誤差ERRが読み出され、それの平均値
が演算される。さらに、RAMに記憶されているjMAX
個の推定車速VSOの平均値が演算され、累積誤差ER
Rの平均値を今回の平均推定車速VSO(i) で割ること
によって次回の制御サイクルのための補正量(以下、単
に次回の補正量という)ΔK(i+1) 、すなわち今回はΔ
(2) が演算される。さらに、次回の制御サイクルの実
行に備えて累積誤差ERRの値もカウンタの値も0に戻
される。
【0050】なお、このS5においては、平均推定車速
VSO(i) が実質的に0である場合には、演算オーバフ
ローを防止すべく、補正量ΔK(i+1) が直ちに0となる
ようにされている。
【0051】その後、S6〜9において、車両が車速一
致状態にあるか否かが判定される。具体的には、S6に
おいては、ストップランプスイッチがONされているか
否かが判定され、S7においては、車両加減速度の絶対
値(推定車速VSOの変化量として取得する)がG0
上であるか否かが判定され、S8においては、平均推定
車速VSO(i) が下限値A以下であるか否かが判定さ
れ、S9においては、平均推定車速VSO(i) は上限値
B以上であるか否かが判定される。今回はそれらのいず
れにも該当せず、車速一致状態にあると仮定すれば、い
ずれの判定もNOとなり、S10において、今回の補正
係数K(i) と次回の補正量ΔK(i+1) との和が演算さ
れ、それが次回の補正係数K(i+1) とされてRAMに記
憶される。一方、今回は車速一致状態にはなく、S6〜
9の判定がそのいずれかでもYESである場合には、S
11において、RAMの補正係数Kが更新されず、結果
的に、今回の補正係数K(i) がそのまま次回の補正係数
(i+1) とされることになる。S10あるいはS11に
おいて、次回の補正係数K(i+1) が決定された後に、S
13において、iの値がインクリメントされる。
【0052】したがって、例えば、暫定対地車速VPR
Vが緩やかに上昇・下降するか、または一定に保たれる
車速一致状態にある場合には、各制御サイクルが終了し
てS4の判定がYESとなるごとにS10において補正
係数Kが更新されることになる。
【0053】これに対し、図6に示すように、第i回目
の制御サイクルにおいては車速一致状態にあったが、第
(i+1)回目の制御サイクルにおいて車速不一致状態
に移行する場合には、S4の判定がYESとなった後に
S10にではなくS11に移行する結果、後続する第
(i+2)回目の制御サイクルにおいては、先行する第
(i+1)回目の制御サイクルにおける補正係数K
(i+1) がそのまま補正係数(i+2) として使用されること
になる。なお、各制御サイクルにおいて車速一致状態に
あるか否かの判定はそのサイクルの末期において行われ
るため、同図に示す第(i+1)回目の制御サイクルの
ように、初期において車速一致状態にあっても今回の制
御サイクルにおいては車速不一致状態にあると判定され
ることになる。
【0054】また、図7に示すように、第i回目の制御
サイクルにおいては車速不一致状態にあったが、第(i
+1)回目の制御サイクルにおいて車速一致状態に移行
した場合には、第(i+1)回目の制御サイクルまでは
S11において補正係数Kの更新が禁止された後、第
(i+2)回目の制御サイクルからS10において補正
係数Kが更新されることになる。なお、同図に示すよう
に、第(i+1)回目の制御サイクルの初期において
は、車速不一致状態にあるため、第(i+1)回目の制
御サイクルにおける補正量ΔK(i+2) が、すべて車速一
致状態にある推定車速VSOを用いて演算することがで
きないが、それに基づく誤差は実用上問題にならないほ
ど小さい。
【0055】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、対地車速の検出誤差特性が推定車速と暫定
対地車速との差としてではなく比率として取得されると
ともに、その比率を暫定対地車速に掛けることによって
最終対地車速が決定される。そのため、車速不一致状態
における実対地車速がそれに先行する車速一致状態にお
ける実対地車速と大きく相違する場合でも、送信部10
等の角度誤差等の影響が車速不一致状態における最終対
地車速に現れずに済むこととなって、対地車速の検出精
度が向上するという効果が得られる。
【0056】以上、受信強度が高い場合について説明し
たが、車両が路面上の水溜まりを通過するなど、受信強
度が一時的に低下した場合には、S2の判定がNOとな
り、S12において、累積誤差ERRの値もカウンタの
値も0に戻され、これで本ルーチンの一回の実行が終了
する。
【0057】このように、受信強度が低下した場合に
は、S3〜11の実行がスキップされ、補正係数Kの補
正が禁止されるとともに、S12において、累積誤差E
RRの値もカウンタの値も0に戻され、これにより、図
8に示すように、受信強度が回復するまで特別の制御サ
イクルが実行されることになる。そして、この特別の制
御サイクルにおいては、RAMの補正係数Kは更新され
ないため、前回の補正係数K(i-1) がそのまま今回の補
正係数K(i) として使用されつつ、今回の暫定対地車速
VPRV(i) が補正されて今回の最終対地車速VFNL
(i) が決定されることになる。
【0058】そのため、本実施例においては、車速一致
状態における受信強度の一時的な低下の影響を受けるこ
となく、補正係数Kを精度よく決定することができ、ひ
いては後続する車速不一致状態で対地車速を精度よく検
出することができるという効果が得られる。
【0059】なお、本実施例においては、信号処理部5
0のコンピュータのうち推定車速演算ルーチンを実行す
る部分が複数の車輪速センサ60と共同して、本発明に
おける「車速推定手段」の一態様を構成していたが、こ
のように信号処理部50自身が「車速推定手段」を持つ
ようにして本発明を実施することは不可欠なことではな
く、アンチロック制御装置等の他の装置が持つ「車速推
定手段」を流用するようにして本発明を実施することが
できる。
【0060】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、この他にも特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるドップラ式対地車速検
出装置のコンピュータが用いるプログラムを示すフロー
チャートである。
【図2】上記ドップラ式対地車速検出装置の構成を示す
図である。
【図3】上記コンピュータのROMの構成を概念的に示
す図である。
【図4】上記コンピュータのRAMの構成を概念的に示
す図である。
【図5】図1のプログラムにおける制御サイクルの概念
を説明するための図である。
【図6】図1のプログラムの実行内容を説明するための
グラフである。
【図7】図1のプログラムの実行内容を説明するための
グラフである。
【図8】図1のプログラムの実行内容を説明するための
グラフである。
【符号の説明】
10 送信部 12 受信部 50 信号処理部 60 車輪速センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速から車速を推定する車速推定手段
    を備えた車両に設けられ、(a) 路面に向かって波を送信
    する送信部と、(b) 送信された波のうち前記路面で反射
    したものを受信する受信部と、(c) 前記送信部の送信周
    波数と前記受信部の受信周波数とに基づき、波のドップ
    ラ効果を利用した一定の規則に従って対地車速の暫定値
    を逐次決定するとともに、前記車速推定手段による推定
    車速が実対地車速に精度よく一致すると予想される車速
    一致状態では、その推定車速と前記暫定対地車速との関
    係を取得し、一方、推定車速が実対地車速に精度よく一
    致しないと予想される車速不一致状態では、それに先行
    する車速一致状態で取得した前記関係に基づいて各回の
    暫定対地車速を補正することによって対地車速の最終値
    を逐次決定する信号処理部とを含むドップラ式対地車速
    検出装置において、 前記信号処理部を、車速不一致状態で、それに先行する
    車速一致状態でかつ前記受信部の受信強度が基準値以下
    である状態で決定された暫定対地車速の影響を受ける対
    地車速の補正を禁止するものとしたことを特徴とするド
    ップラ式対地車速検出装置。
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DE4320248A DE4320248A1 (de) 1992-06-19 1993-06-18 Dopplereffekt-Geschwindigkeitsmeßeinrichtung

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