JP2551300B2 - ドップラ式対地車速検出装置 - Google Patents

ドップラ式対地車速検出装置

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JP2551300B2
JP2551300B2 JP4185964A JP18596492A JP2551300B2 JP 2551300 B2 JP2551300 B2 JP 2551300B2 JP 4185964 A JP4185964 A JP 4185964A JP 18596492 A JP18596492 A JP 18596492A JP 2551300 B2 JP2551300 B2 JP 2551300B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は波のドップラ効果を利用
して車両の対地速度を検出するドップラ式対地車速検出
装置に関するものであり、特に、その検出精度を向上さ
せる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ドップラ対地車速検出装置は一般
に、例えば特開平2−287183号公報に記載されて
いるように、(a) 路面に向かって波を送信する送信部
と、(b) 送信された波のうち前記路面で反射したものを
受信する受信部と、(c) 送信部の送信周波数と受信部の
受信周波数とに基づき、波のドップラ効果を利用して車
両の路面に対する走行速度である対地車速を決定する信
号処理部とを含むように構成される。
【0003】このドップラ式対地車速検出装置は、路面
上での波の反射を利用して、車両進行方向と一致する成
分を持った波の送・受信により車両の対地速度を検出す
るものである。そのため、この装置は、送信部および受
信部がそれぞれ車両進行方向に対して傾斜する状態で車
両に搭載されるのが普通である。
【0004】そして、この種の装置は従来、前記公報に
も記載されているように、送信部および受信部のそれぞ
れの車両進行方向に対する角度は常に一定である(変化
しない)との前提の下に、送信部の送信周波数と受信部
の受信周波数とから対地車速を決定するように設計され
ていた。しかし、送信部等の角度は、取付誤差や車両前
後荷重配分に基づく車体傾斜等が原因となって、常に正
規となるとは限らず、そのため、従来の装置には、対地
車速の検出精度を十分には高めることができないという
問題があった。このように、従来のドップラ式対地車速
検出装置を使用する場合には、波のドップラ効果を利用
した対地車速の検出に特有の原因により対地車速の検出
精度を十分には高めることができないという問題があっ
たのであるが、この原因には送信部等の角度誤差以外の
ものも存在する。
【0005】このような事情に鑑み、本出願人は先に次
のようなドップラ式対地車速検出装置を案出した。これ
は、車輪速から車速を推定する車速推定手段を備えた車
両に設けられるドップラ式対地車速検出装置であって、
前記信号処理部が、送信部の送信周波数と受信部の受信
周波数とに基づき、波のドップラ効果を利用した一定の
規則に従って対地車速の暫定値を逐次決定するととも
に、前記車速推定手段による推定車速が実対地車速に精
度よく一致すると予想される車速一致状態では、その推
定車速と前記暫定対地車速との関係を取得し、一方、推
定車速が実対地車速に精度よく一致しないと予想される
車速不一致状態では、それに先行する車速一致状態で取
得した前記関係に基づいて各回の暫定対地車速を補正す
ることによって対地車速の最終値を逐次決定するもので
ある。すなわち、例えば、車輪のスリップが実質的に0
である状態などでは、推定車速が実対地車速に精度よく
一致するのが普通であるという事実に基づき、推定車速
と暫定対地車速との関係を用いることによって対地車速
の検出精度を向上させるものなのである。
【0006】そして、本出願人はこの種のドップラ式対
地車速検出装置の一実施例として次のようなものを開発
し、特願平2−305828号として出願中である。そ
れは、車速一致状態では、推定車速から暫定対地車速を
引いた値である車速差ΔVを取得し、一方、車速不一致
状態では、それに先行する車速一致状態で取得した車速
差ΔVを各回の暫定対地車速に加えることによって対地
車速の最終値を逐次決定するドップラ式対地車速検出装
置である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この装置には
次のような問題があることが判明した。すなわち、真の
検出誤差(すなわち、実対地車速と暫定対地車速との
差)の値が実対地車速の大小とは無関係に一定である場
合には、取得した車速差ΔVを用いることは検出精度の
向上に有効であると考えられるが、例えば、前述のよう
に、送信部等の角度誤差が原因で対地車速の検出誤差が
発生する場合には、真の検出誤差は、実対地車速に対し
てほぼ比例して変化するのが普通である。そのため、こ
の従来の装置を用いる場合には、車速不一致状態におけ
る実対地車速がそれに先行する車速一致状態における実
対地車速と大きく相違する場合には、その車速不一致状
態で対地車速の適正な補正ができず、対地車速の検出精
度が低下してしまうという問題があるのである。
【0008】本発明はこの問題を解決することを課題と
してなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、車輪速から車速を推定する車速推定手段を
備えた車両に設けられ、(a) 前記送信部と、(b) 前記受
信部と、(c) 送信部の送信周波数と受信部の受信周波数
とに基づき、波のドップラ効果を利用した一定の規則に
従って対地車速の暫定値を逐次決定するとともに、車速
推定手段による推定車速が実対地車速に精度よく一致す
ると予想される車速一致状態では、その推定車速と前記
暫定対地車速との関係を取得し、一方、推定車速が実対
地車速に精度よく一致しないと予想される車速不一致状
態では、それに先行する車速一致状態で取得した前記関
係に基づいて各回の暫定対地車速を補正することによっ
て対地車速の最終値を逐次決定する信号処理部とを含む
ドップラ式対地車速検出装置において、その信号処理部
を、車速一致状態では、実対地車速と暫定対地車速との
間に実質的な比例関係が成立すると仮定して、暫定対地
車速に掛けられて最終対地車速を決定するための補正係
数を決定し、一方、車速不一致状態では、それに先行す
る車速一致状態で決定した補正係数を各回の暫定対地車
速に掛けることによって各回の最終対地車速を決定する
ものとしたことを特徴とする。
【0010】なお、ここにおける「信号処理部」の一態
様は例えば次のものとすることができる。それは、送信
周波数と受信周波数とに基づき、一定の規則に従って暫
定対地車速を逐次決定するのみならず、対地車速の補正
係数をも逐次決定し、その補正係数を暫定対地車速に掛
けることによって最終対地車速を逐次決定する態様であ
って、かつ、車速一致状態では、前回の推定車速を前回
の暫定対地車速で割った値を今回の補正係数に逐次決定
し、一方、車速不一致状態では、それに先行する車速一
致状態における補正係数の最終値に各回の補正係数を逐
次決定する態様である。
【0011】本発明における「信号処理部」はまた、次
のような態様とすることもできる。それは、送信周波数
と受信周波数とに基づき、一定の規則に従って暫定対地
車速を逐次決定するのみならず、対地車速の補正係数を
も逐次決定し、その補正係数を暫定対地車速に掛けるこ
とによって最終対地車速を逐次決定する態様であって、
かつ、車速一致状態では、前回の推定車速から前回の最
終対地車速を引いた値をその前回の推定車速または前回
の暫定対地車速で割った値と前回の補正係数との和を今
回の補正係数に逐次決定し、一方、車速不一致状態で
は、それに先行する車速一致状態における補正係数の最
終値に各回の補正係数を逐次決定する態様である。
【0012】本発明における「信号処理部」は、車速一
致状態で最終対地車速を決定する態様として例えば次の
ものを採用することができる。それは、上述の各回の補
正係数を用いて暫定対地車速を補正することによって最
終対地車速を決定する態様や、各回の推定車速をそのま
ま最終対地車速に決定する態様などである。
【0013】
【作用】前述のように、送信部等の角度誤差が原因で対
地車速の検出誤差が発生する場合には、実対地車速と暫
定対地車速との間に実質的な比例関係が成立するのが普
通であるという事実があり、この事実に基づき、本発明
に係るドップラ式対地車速検出装置においては、信号処
理部により、車速一致状態では、実対地車速すなわち推
定車速と暫定対地車速との間に成立する比例関係に基づ
き、暫定対地車速に掛けられて最終対地車速を決定する
ための補正係数が決定される。一方、車速不一致状態で
は、それに先行する車速一致状態で決定した補正係数を
各回の暫定対地車速に掛けることによって各回の最終対
地車速が決定される。検出誤差特性が、推定車速と暫定
対地車速との差としてではなく比率として取得されると
ともに、その比率を暫定対地車速に掛けることによって
最終対地車速が決定されるのである。
【0014】したがって、本出願人の前記公報に記載さ
れている従来のドップラ式対地車速検出装置を使用する
場合には、暫定対地車速が車速不一致状態で、例えば図
8にグラフで表されるように補正されるのに対し、本発
明に係るドップラ式対地車速検出装置を使用する場合に
は、例えば図9にグラフで表されるように補正されるこ
とになる。
【0015】
【発明の効果】そのため、本発明によれば、車速不一致
状態における実対地車速がそれに先行する車速一致状態
における実対地車速と大きく相違する場合でも、送信部
等の角度誤差の影響がその車速不一致状態における最終
対地車速にほとんど現れずに済むこととなって、対地車
速の検出精度が向上するという効果が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるドップラ式対
地車速検出装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】このドップラ式対地車速検出装置(以下、
単に検出装置という)は、図2に示すように、送信部1
0および受信部12を備えている。それら送信部10お
よび受信部12はいずれも、音波−電気信号変換手段と
して圧電素子を有している。また、それら送信部10お
よび受信部12は車体の底面に前向きで、かつ路面に一
定角度θ(例えば45度)を有して対向する状態で取り
付けられている。
【0018】送信部10は波としての超音波を路面に向
かって送信するものであり、分周器20を経て水晶等を
主体とする発信器22に接続されている。一方、受信部
12は、送信された超音波のうち路面で反射したものを
受信するものであり、アンプ(図において「AMP」で
表す。他のアンプについても同じとする)30,バンド
パスフィルタ(図において「BPF」で表す。他のバン
ドパスフィルタについても同じとする)32およびアン
プ34に順に接続されている。受信部12から出力され
た周期的に変化する電気信号は、まずアンプ30により
増幅され、続いてバンドパスフィルタ32により不要な
信号が除去され、その後アンプ34により再び増幅され
るようになっているのである。
【0019】送信部10の入力端子とアンプ34の出力
端子とはいずれも、ミキサ40の入力端子に接続されて
いる。送信部10へ入力された送信波信号と同じ信号と
受信部12から出力された受信波信号とが一緒にミキサ
40に入力されるようになっているのであり、このミキ
サ40においては、波のうねりを利用して、送信周波数
0 と受信周波数(f0 +fd )との差であるドップラ
周波数fd に等しい周波数を持つ低周波成分と、それら
の和(2・f0 +fd )に等しい周波数を持つ高周波成
分とが重なり合った波が合成される。この合成波はバン
ドパスフィルタ42に入力され、ここで、低周波成分の
みが取り出されて信号処理部50に入力される。
【0020】この信号処理部50はCPU,ROM,R
AMおよびバスを含むコンピュータを主体として構成さ
れている。そして、そのROMには、図3に示すよう
に、推定車速演算ルーチン,暫定対地車速演算ルーチン
および最終対地車速演算ルーチン(図1にフローチャー
トで表す)を始めとする各種プログラムが記憶されてい
る。
【0021】推定車速演算ルーチンは、車両の左右前輪
および左右後輪のそれぞれの車輪速を車輪速センサ60
(図2参照)によって検出し、それら4個の車輪速から
今回の推定車速VSO(i) を演算するものである。具体
的には、今回の推定車速VSO(i) を、それら4個の
車輪速のうち最大のものと、前回の推定車速VSO
(i-1) から想定される最大速度と、前回の推定車速V
SO(i-1) から想定される最小速度とから成る3個の候
補速度のうちの中間のものに決定することにより、今回
の推定車速VSO(i) を演算するものである。
【0022】なお、ここで「最大速度」は、上限加速度
GACC(既知の定数)と推定車速VSOのサンプリン
グ周期である図1のルーチンの実行周期αとを用いて、 VSO(i-1) +GACC・α なる式で表される。一方、「最小速度」は、上限減速度
GDEG(既知の定数)と実行周期αとを用いて、 VSO(i-1) −GDEG・α なる式で表される。
【0023】このようにして演算された推定車速VSO
(i) はRAM(図4参照)に記憶される。
【0024】暫定対地車速演算ルーチンは、バンドパス
フィルタ42から入力された低周波成分(すなわち、正
弦波)を0でないしきい値でクランプしてパルス化し、
それにより生成された各パルスの周期に基づいて対地車
速の暫定値を演算するものである。このようにして演算
された暫定対地車速VPRVもRAM(図4参照)に記
憶される。
【0025】最終対地車速演算ルーチンは、簡単に説明
すれば、各回の暫定対地車速VPRV(i) を推定車速V
SOを利用して補正することによって各回の最終対地車
速VFNL(i) を決定するものであるが、まず、その原
理について説明する。
【0026】本実施例においては、最終対地車速VFN
L(すなわち、実対地車速に一致すべき車速)が暫定対
地車速VPRVに比例するという関係、すなわち、 VFNL=K・VPRV なる式で表される関係が成立するという事実が利用され
ている。
【0027】この式を時間に関して離散化すれば次のよ
うな式が得られる。
【0028】これら離散化された式に対し、本実施例に
おいては、 K(i) =K(i-1) +ΔK(i) なる式が採用されている。この式における「Δ
(i) 」、すなわち今回の補正係数Kの補正量ΔK(i)
は既知の小さな定数でもよいが、本実施例においては、
補正量ΔK(i) が、 ΔK(i) =(VSO(i-1) −VFNL(i-1) )/VSO(i-1) なる式で定義されている。
【0029】このような原理に基づき、本実施例におい
ては、推定車速VSOが実対地車速に精度よく一致する
と予想される車速一致状態に限って補正係数Kを逐次更
新し、それに後続する車速不一致状態では、先行する車
速一致状態における補正係数Kの最終値に各回の補正係
数Kを固定して最終対地車速VFNLを演算する。
【0030】すなわち、最終対地車速演算ルーチンは、
各回の暫定対地車速VPRV(i) をRAMから逐次読み
出すとともに、対地車速の補正係数K(i) を逐次決定
し、その暫定対地車速VPRV(i) にその補正係数K
(i) を掛けることによって対地車速の最終値VFNL
(i) を逐次決定するものであって、車速一致状態では、
前回の推定車速VSO(i-1) から前回の最終対地車速V
FNL(i-1) を引いた値をその前回の推定車速VSO
(i-1) で割った値を今回の補正係数K(i) の補正量ΔK
(i) に決定し、それと前回の補正係数K(i-1) との和を
今回の補正係数K(i) に決定し、一方、車速不一致状態
では、それに先行する車速一致状態における補正係数の
最終値に各回の補正係数K(i) を決定するものである。
なお、本実施例において「車速一致状態」とは、車両が
実質的に定速走行状態にある状態を意味する。
【0031】なお、本実施例においては、図5に示すよ
うに、α〔ms〕ごとに推定車速VSOと暫定対地車速
VPRVと最終対地車速VFNLとがそれぞれ取得され
るようになっているが、補正係数Kはβ(>α)〔m
s〕ごとにしか更新されないようになっている。すなわ
ち、図1のルーチンはα〔ms〕ごとに実行されてβ
〔ms〕ごとに一回の制御サイクルを終了するものとさ
れ、その各制御サイクルごとに補正係数Kが取得され、
その各制御サイクルにおいては、α〔ms〕ごとに(す
なわち、jの値が1ずつインクリメントされるごとに)
推定車速VSOと暫定対地車速VPRVと最終対地車速
VFNLとがそれぞれ取得され、かつ、各回の最終対地
車速VFNLはそれらに共通の補正係数Kの下で取得さ
れるようになっているのである。
【0032】さらに具体的に説明すれば、各制御サイク
ルにおいては、α〔ms〕ごとに、推定車速VSO(j)
から直前の最終対地車速VFNL(具体的には、前回の
制御サイクルにおける第jMAX 番目の最終対地車速VF
NL(i-1,jMAX)である)を引いた値が演算され、それの
累積値である累積誤差ERRが各制御サイクルごとに演
算され、その累積誤差ERRの平均値(累積誤差ERR
をjMAX で割った値)が演算され、それが今回の推定車
速VSO(具体的には、今回の制御サイクルにおけるj
MAX 個の推定車速VSO(i,j) の平均値である)で割ら
れることによって補正量ΔK(i) が演算されるようにな
っているのである。
【0033】また、本実施例においては、車速一致状態
として、ドライバによってブレーキペダルが踏み込まれ
ておらず、かつ、車両に対して強い減速も加速も行われ
ておらず、かつ、車速が一定範囲にある状態が選定され
ている。具体的には、ストップランプスイッチがONさ
れておらず、かつ、推定車速VSOの前回値と今回値と
の差である車両加減速度の絶対値が一定値以下であり、
かつ、推定車速VSOがA(例えば、40km/h)〜
B(例えば、70km/h)の範囲にある状態が選定さ
れているのである。なお、推定車速VSOの範囲を限定
するのは、そのような範囲にあるときには車速の推定精
度が十分に高いのが普通であるという事実を利用するた
めである。
【0034】また、本実施例においては、車両が車速一
致状態にあるか否かとは無関係に補正量ΔK(i) が決定
されるが、車両が車速一致状態にあるときに限ってそれ
が前回の補正係数K(i-1) に加算されて今回の補正係数
Kが決定され、車両が車速一致状態にないときには、今
回の補正係数K(i) が前回の補正係数K(i-1) に固定さ
れて結果的に今回の補正量ΔK(i) が0とされることに
なる。
【0035】また、本実施例においては、補正係数Kの
値が各回の車速一致状態が開始されるごとに1に戻され
るようにはされておらず、前回の車速一致状態における
最終値が今回の車速一致状態における初期値として採用
されるようになっている。
【0036】最終対地車速演算ルーチンの内容を図1に
基づいてさらに詳細に説明する。
【0037】信号処理部50のコンピュータの電源が投
入されれば、RAMにおける補正係数Kの初期値が1、
累積誤差ERRの初期値が0、直前の最終対地車速VF
NLの初期値も0とされる。その後、図1のルーチンが
α〔ms〕ごとに周期的に実行される。
【0038】まず、ステップS1(以下、単にS1で表
す。他のステップについても同じとする)において、R
AMから補正係数K(現在は1)が読み出されて、今回
の制御サイクル用の補正係数K(i) 、すなわち今回は第
1制御サイクル用の補正係数K(1) とされる。さらに、
RAMから暫定対地車速VPRVが読み出されて、今回
の暫定対地車速VPRV(i,j) 、すなわちVPRV
(1,1) とされる。さらにまた、それら補正係数K(1)
暫定対地車速VPRV(1,1) との積が今回の最終対地車
速VFNL(i,j) 、すなわちVFNL(1,1) として演算
される。演算された最終対地車速VFNL(1,1) はRA
Mに記憶される。
【0039】続いてS2において、まず、RAMから推
定車速VSOが読み出され、それが今回の推定車速VS
(i,j) 、すなわち今回はVSO(1,1) とされる。さら
に、RAMから直前の最終対地車速VFNL(現在は
0)が読み出され、それが直前の最終対地車速VFNL
(i-1,jMAX)、すなわち今回はVFNL(0,jMAX)とされ
る。さらに、RAMから累積誤差ERR(現在は0)が
読み出される。また、推定車速VSO(1,1) から直前の
最終対地車速VFNL(0,jMAX)が引かれ、それが、読み
出された累積誤差ERRに加算され、これが最新の累積
誤差ERRとしてRAMに記憶される。
【0040】その後、S3において、一回の制御サイク
ルが終了したか否かが判定される。具体的には、本ルー
チンの実行回数をカウントするカウンタの値がβ〔m
s〕に対応する値以上(図において「カウンタ≧β」で
表す)となったか否かが判定されるのである。今回は未
だ終了していないから、判定がNOとなり、本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0041】その後、本ルーチンの実行が何回も繰り返
された結果、第1制御サイクルが終了し、β〔ms〕が
経過すれば、S3の判定がYESとなり、S4におい
て、RAMから累積誤差ERRが読み出され、それの平
均値が演算される。さらに、RAMに記憶されているj
MAX 個の推定車速VSOの平均値が演算され、累積誤差
ERRの平均値を今回の平均推定車速VSO(i) で割る
ことによって次回の制御サイクルのための補正量(以
下、単に次回の補正量という)ΔK(i+1) 、すなわち今
回はΔK(2) が演算される。さらに、次回の制御サイク
ルの実行に備えて累積誤差ERRの値もカウンタの値も
0に戻される。
【0042】なお、このS4においては、平均推定車速
VSO(i) が実質的に0である場合には、演算オーバフ
ローを防止すべく、補正量ΔK(i+1) が直ちに0となる
ようにされている。
【0043】その後、S5〜8において、車両が車速一
致状態にあるか否かが判定される。具体的には、S5に
おいては、ストップランプスイッチがONされているか
否かが判定され、S6においては、車両加減速度の絶対
値(推定車速VSOの変化量として取得する)がG0
上であるか否かが判定され、S7においては、平均推定
車速VSO(i) が下限値A以下であるか否かが判定さ
れ、S8においては、平均推定車速VSO(i) は上限値
B以上であるか否かが判定される。今回はそれらのいず
れにも該当せず、車速一致状態にあると仮定すれば、い
ずれの判定もNOとなり、S9において、今回の補正係
数K(i) と次回の補正量ΔK(i+1) との和が演算され、
それが次回の補正係数K(i+1) とされてRAMに記憶さ
れる。一方、今回は車速一致状態にはなく、S5〜8の
判定がそのいずれかでもYESである場合には、S10
において、RAMの補正係数Kが更新されず、結果的
に、今回の補正係数K(i) がそのまま次回の補正係数K
(i+1) とされることになる。S9あるいはS10におい
て、次回の補正係数K(i+1) が決定された後に、S11
において、iの値がインクリメントされる。
【0044】したがって、例えば、暫定対地車速VPR
Vが緩やかに上昇・下降するか、または一定に保たれる
車速一致状態にある場合には、各制御サイクルが終了し
てS3の判定がYESとなるごとにS9において補正係
数Kが更新されることになる。
【0045】これに対し、図6に示すように、第i回目
の制御サイクルにおいては車速一致状態にあったが、第
(i+1)回目の制御サイクルにおいて車速不一致状態
に移行する場合には、S3の判定がYESとなった後に
S9にではなくS10に移行する結果、後続する第(i
+2)回目の制御サイクルにおいては、先行する第(i
+1)回目の制御サイクルにおける補正係数K(i+1)
そのまま補正係数K(i+2) として使用されることにな
る。なお、各制御サイクルにおいて車速一致状態にある
か否かの判定はそのサイクルの末期において行われるた
め、同図に示す第(i+1)回目の制御サイクルのよう
に、初期において車速一致状態にあっても、今回の制御
サイクルにおいては車速不一致状態にあると判定される
ことになる。
【0046】また、図7に示すように、第i回目の制御
サイクルにおいては車速不一致状態にあったが、第(i
+1)回目の制御サイクルにおいて車速一致状態に移行
した場合には、第(i+1)回目の制御サイクルまでは
S10において補正係数Kの更新が禁止され、第(i+
2)回目の制御サイクルからはS9において補正係数K
の値が更新されることになる。なお、同図に示すよう
に、第(i+1)回目の制御サイクルの初期において
は、車速不一致状態にあるため、第(i+1)回目の制
御サイクルで決定される補正量ΔK(i+2) が、すべて車
速一致状態にある推定車速VSOを用いて演算すること
ができないが、それに基づく誤差は実用上問題にならな
いほど小さい。
【0047】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、対地車速の検出誤差特性が車速一致状態に
おける推定車速と暫定対地車速との差としてではなく比
率として取得されるとともに、その比率を暫定対地車速
に掛けることによって最終対地車速が決定される。その
ため、例えば、車速不一致状態の初期にはそれに先行す
る車速一致状態の末期と実対地車速がほぼ一致するが、
その車速不一致状態で時間が経過するうちに実対地車速
が大きく変化する場合、すなわち、車速不一致状態にお
ける実対地車速がそれに先行する車速一致状態における
実対地車速と大きく相違する場合でも、送信部10等の
角度誤差の影響がその車速不一致状態における最終対地
車速にほとんど現れずに済むこととなって、対地車速の
検出精度が向上するという効果が得られる。
【0048】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明はその他の態様で実施するこ
とができる。
【0049】例えば、上記実施例と同様に、 VFNL=κ・VPRV なる式で表される関係を利用するが、ここにおける
「κ」を、車速一致状態における推定車速VSOと暫定
対地車速VPRVとを用い、かつ、VSOをVPRVで
割った値として決定することができる。この場合、車速
一致状態の各時期においてκを逐次決定するが、それに
後続する車速不一致状態における補正係数Kとして、先
行する車速一致状態における複数のκの最終値を採用す
ることも、複数のκの平均値を採用することもできる。
また、車速一致状態における平均推定車速VSOを平均
暫定対地車速VPRVで割った値として、後続する車速
不一致状態におけるκとすることもできる。
【0050】また、前記実施例においては、車速不一致
状態のみならず、車速一致状態でも暫定対地車速VPR
Vに補正係数Kを掛けることによって最終対地車速VF
NLが演算されるようになっていたが、車速一致状態で
は、推定車速VSOをそのまま最終対地車速VFNLと
することができる。車速一致状態では、推定車速VSO
が実対地車速に精度よく一致するからである。
【0051】なお、前記実施例においては、信号処理部
50のコンピュータのうち推定車速演算ルーチンを実行
する部分が複数の車輪速センサ60と共同して、本発明
における「車速推定手段」の一態様を構成していたが、
このように信号処理部50自身が「車速推定手段」を持
つようにして本発明を実施することは不可欠なことでは
なく、アンチロック制御装置等の他の装置が持つ「車速
推定手段」を流用するようにして本発明を実施すること
ができる。
【0052】これらの他にも特許請求の範囲を逸脱する
ことなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるドップラ式対地車速検
出装置のコンピュータが用いるプログラムを示すフロー
チャートである。
【図2】上記ドップラ式対地車速検出装置の構成を示す
図である。
【図3】上記コンピュータのROMの構成を概念的に示
す図である。
【図4】上記コンピュータのRAMの構成を概念的に示
す図である。
【図5】図1のプログラムにおける制御サイクルの概念
を説明するための図である。
【図6】図1のプログラムの実行内容を説明するための
グラフである。
【図7】図1のプログラムの実行内容を説明するための
グラフである。
【図8】従来のドップラ式対地車速検出装置における対
地車速補正の一態様を説明するためのグラフである。
【図9】本発明に係るドップラ式対地車速検出装置にお
ける対地車速補正の一態様を説明するためのグラフであ
る。
【符号の説明】
10 送信部 12 受信部 50 信号処理部 60 車輪速センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速から車速を推定する車速推定手段
    を備えた車両に設けられ、(a) 路面に向かって波を送信
    する送信部と、(b) 送信された波のうち前記路面で反射
    したものを受信する受信部と、(c) 前記送信部の送信周
    波数と前記受信部の受信周波数とに基づき、波のドップ
    ラ効果を利用した一定の規則に従って対地車速の暫定値
    を逐次決定するとともに、前記車速推定手段による推定
    車速が実対地車速に精度よく一致すると予想される車速
    一致状態では、その推定車速と前記暫定対地車速との関
    係を取得し、一方、推定車速が実対地車速に精度よく一
    致しないと予想される車速不一致状態では、それに先行
    する車速一致状態で取得した前記関係に基づいて各回の
    暫定対地車速を補正することによって対地車速の最終値
    を逐次決定する信号処理部とを含むドップラ式対地車速
    検出装置において、 前記信号処理部を、車速一致状態では、実対地車速と暫
    定対地車速との間に実質的な比例関係が成立すると仮定
    して、暫定対地車速に掛けられて最終対地車速を決定す
    るための補正係数を決定し、一方、車速不一致状態で
    は、それに先行する車速一致状態で決定した補正係数を
    各回の暫定対地車速に掛けることによって各回の最終対
    地車速を決定するものとしたことを特徴とするドップラ
    式対地車速検出装置。
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