JP2569890B2 - サーマルインクジェット画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はサーマルインクジェット画像形成装置に関
し、特に有孔フィルム上の複数の微小孔に付着した液体
インクを噴射させて用紙上に画像を形成するサーマルイ
ンクジェット画像形成装置に関する。

従来技術 従来、サーマルインクジェット画像形成装置において
は、第４図に示すように、ヘド部１がシャフト13,14に
案内されてプラテンローラ15と平行に移動するとき、有
孔フィルム２がサーマルヘッド３とインキングローラ６
とガイドローラ8a〜8dとに案内されて矢印方向に走行さ
れている。

有孔フィルム２には無数の微小孔が設けられており、
インキングローラ６により有孔フィルム２がインクタン
ク４内の液体インク５に浸漬されると、有孔フィルム２
上の無数の微小孔には液体インク５が付着する。

一方、図示せぬ制御部からの記録パターンにしたがっ
てサーマルヘッド３の発熱エレメントが通電されると、
この通電により発熱エレメントが発熱してサーマルヘッ
ド３に接触する有孔フィルム２に付着した液体インク５
が熱せられる。

これにより、液体インク５の低沸点成分が気化して蒸
気泡を発生し、その蒸気泡の圧力によって液体インク５
が有孔フィルム２の微小孔からプラテンローラ15上の記
録紙16に噴射され、記録紙16に付着して記録スポットを
形成する。

上述の記録方式では一つの発熱エレメントに対応する
記録スポットを形成するためのインクを噴射する微小孔
が固定的に決まっておらず、しかも微小孔の密度が記録
密度に比較して細かい場合には、一つの記録スポットが
複数の微小孔から噴射されたインク滴によって形成され
るため、たとえばいくつかの微小孔が目詰まりを起して
インクの噴射が不能となった場合でも、記録結果に大き
な障害を及ぼすことなく、ドット抜けのない記録結果が
得られるので、信頼性の高い記録を行うことができると
いう特徴を持っている。

このような従来のサーマルインクジェット画像形成装
置では、有孔フィルム２上の無数の微小孔に液体インク
５を付着させ、この有孔フィルム２をサーマルヘッド３
の発熱エレメントにより熱することにより、液体インク
５を有孔フィルム２の微小孔から記録紙16上に噴射して
記録スポットを形成しているので、有孔フィルム２のあ
る領域に渡って微小孔の目詰まりが発生すると、発熱エ
レメントの発熱により発生した蒸気泡でその目詰まりが
回復しても、画像形成初期の１ドット目から安定した記
録画像を得ることができず、画像形成初期の信頼性が低
いという問題があった。

また、長期間の放置により発生した有孔フィルム２の
微小孔の目詰まりはその回復が困難で、著しい記録画像
品位の低下を引き起こすという問題があった。

さらに、インクタンク４内の液体インク５が常に外気
と接しているため、液体インク５の蒸発や乾燥により変
質しやすく、安定した記録画像を常に得ることができな
いという問題があった。

発明の目的 本発明は上記のような従来のものの問題点を除去すべ
くなされたもので、非画像形成時における微小孔の目詰
まりを防止し、常に安定した記録画像を得ることかでき
るサーマルインクジェット画像形成装置の提供を目的と
する。

また、本発明はインクタンク内の液体インクの蒸発や
乾燥による変質を防止し、常に安定した記録画像を得る
ことができるサーマルインクジェット画像形成装置の提
供を目的とする。

発明の構成 本発明によるサーマルインクジェット画像形成装置
は、液体インクを貯蔵するインクタンクと、複数の微小
孔を備えた有孔フィルムを案内して前記インクタンク内
に浸漬するローラと、前記インクタンク内で前記複数の
微小孔各々に付着した前記液体インクを用紙上に噴射さ
せるサーマルヘッドとを含むサーマルインクジェット画
像形成装置であって、前記サーマルヘッドにより前記液
体インクが噴射された後の前記有孔フィルム上に残留す
る前記液体インクをクリーニングするクリーニング部材
と、非画像形成時に前記ローラを前記インクタンクから
引上げて前記有孔フィルムを前記液体インクから分離す
る引上げ部材と、前記引上げ部材による前記ローラの引
上げ動作に連動して前記インクタンクを密閉る密閉部材
とを有し、前記引上げ部材により前記ローラを前記イン
クタンクから引上げて前記有孔フィルムを前記液体イン
クから分離して搬送するとともに、前記ローラの引上げ
動作に連動して前記密閉部材により前記インクタンクを
密閉した状態で前記クリーニング部材により前記有孔フ
ィルム上に残留する前記液体インクをすべてクリーニン
グするようにしたことを特徴とする。

また、本発明による他のサーマルインクジェット画像
形成装置は、前記クリーニング部材に、前記有孔フィル
ムに高周波振動を与える高周波加振器と、前記高周波加
振器により前記高周波振動を与えることで前記有孔フィ
ルムから噴出する液体インクを受けるクリーナベルト部
材とを含むことを特徴とする。

実施例 次に、本発明の一実施例について図面を参照して説明
する。

第１図は本発明の一実施例を示す構成図である。図に
おいて、本発明の一実施例によるサーマルインクジェッ
ト画像形成装置は、有孔フィルム２のクリーニング機構
および有孔フィルム２への液体インク５の充填機構以外
は第４図に示す従来例と同様の構成となっており、同一
部品には同一符号を付してある。また、それら同一部品
の動作も従来例と同様である。

すなわち、インクタンク４でインキングローラ６によ
り有孔フィルム２の微小孔内に充填された液体インク５
はサーマルヘッド３まで移送され、サーマルヘッド３の
発熱エレメントにより記録パルスにしたがって急激に加
熱される。

この加熱により液体インク５の低沸点成分が気化して
蒸気泡を発生し、その蒸気泡の圧力によって液体インク
５が微小孔から噴射され、該液体インク５がプラテンロ
ーラ15上の記録紙16に付着して記録スポットを形成す
る。

第２図は第１図の有孔フィルム２のクリーニング機構
を示す図である。図において、高周波加振器９は非画像
部の微小孔内部に液体インク５を保持したまま矢印方向
に走行する有孔フィルム２に対して高周波振動を与え
る。

有孔フィルム２の微小孔内部に残存する液体インク５
は高周波加振器９からの高周波振動によってミスト化さ
れ、該微小孔からクリーナベルト10上に噴出されて付着
する。

このクリーナベルト10はローラ17a,17bが矢印方向に
回転することにより、有孔フィルム２が搬送される方向
と同方向に送られるので、クリーナベルト10上に付着し
た液体インク５は廃インクタンク11のエッジ11aにより
掻き取られ、廃インク12として廃インクタンク11内に蓄
積される。

第３図（ａ）は第１図の有孔フィルム２への液体イン
ク５の充填機構の画像形成時の状態を示す図であり、第
３図（ｂ）は第１図の有孔フィルム２への液体インク５
の充填機構の非画像形成時の状態を示す図である。

これらの図において、インキングローラ６は画像形成
時に有孔フィルム２をインクタンク４の液体インク５内
に浸漬させ、有孔フィルム２の微小孔に液体インク５を
充填する。

このとき、インクタンクカバー7b,7cはローラアーム1
9に連動して動作するカバーアーム18a,18bによりインク
タンク４内に折り曲げられ、インクタンク４の上部は開
放されている［第３図（ａ）参照］。

一方、インキングローラ６は非画像形成時にローラア
ーム19を移動することによりインクタンク４内から引き
上げられる。

これにより、有孔フィルム２はインキングローラ６お
よびガイドローラ8aにより弛緩することなく、インクタ
ンク４の液体インク５から分離される。

この状態で有孔フィルム２を矢印方向に搬送し、高周
波加振器９により有孔フィルム２の微小孔に残存する液
体インク５を噴出させる。

また、このローラアーム19の移動に連動してカバーア
ーム18a,18bが上方に引き上げられることにより、イン
クタンクカバー7b,7cが引き上げられ、これらインクタ
ンクカバー7b,7cによりインクタンク４が密閉される
［第３図（ｂ）参照］。

これにより、インクタンク４内の液体インク５の蒸発
や乾燥による変質を防止することができる。

上記の非画像形成時の動作は記録信号が中断してから
所定時間後に起動され、高周波加振器９により有孔フィ
ルム２の微小孔に残存する液体インク５がすべて噴出さ
れるまで継続することにより、有孔フィルム２の微小孔
が乾燥した液体インク５によって目詰まりを起すのを未
然に防止することが可能となる。

このように、サーマルヘッド３で液体インク５が噴射
された後の有孔フィルム２の微小孔に残留する液体イン
ク５を高周波加振器９からの高周波振動により噴射させ
て有孔フィルム２のクリーニングを行い、かつ非画像形
成時にローラアーム19の移動によりインキングローラ６
をインクタンク４から引上げて有孔フィルム５を弛緩す
ることなくインクタンク４の液体インク５から分離する
ようにすることによって、非画像形成時における有孔フ
ィルム２の微小孔の目詰まりを防止し、画像形成初期の
１ドット目から安定した記録画像を得ることができ、画
像形成初期の信頼性を向上させるとともに、記録画像品
位の低下を防止して常に安定した記録画像を得ることが
できる。

また、上記ローラアーム19の移動に連動してインクタ
ンクカバー7b,7cを引き上げてインクタンク４を密閉す
るようにすることによって、インクタンク４内の液体イ
ンク５の蒸発や乾燥による変質を防止し、常に安定した
記録画像を得ることができる。

発明の効果 以上説明したように本発明によれば、サーマルヘッド
により液体インクが噴射された後の有孔フィルム上に残
留する液体インクをクリーニングするとともに、非画像
形成時に有孔フィルムをインクタンク内に浸漬するため
のローラをインクタンクから引上げるようにすることに
よって、非画像形成時における微小孔の目詰まりを防止
し、常に安定した記録画像を得ることができるという効
果がある。

また、上記ローラのインクタンクからの引上げ動作に
連動してインクタンクを密閉するようにすることによっ
て、インクタンク内の液体インクの蒸発や乾燥による変
質を防止し、常に安定した記録画像を得ることができる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２図は第１
図の有孔フィルムのクリーニング機構を示す図、第３図
（ａ）は第１図の有孔フィルムへの液体インクの充填機
構の画像形成時の状態を示す図、第３図（ｂ）は第１図
の有孔フィルムへの液体インクの充填機構の非画像形成
時の状態を示す図、第４図は従来例を示す構成図であ
る。 主要部分の符号の説明 １……ヘッド部 ２……有孔フィルム ２……サーマルヘッド ４……インクタンク ５……液体インク ６……インキングローラ 7,7a〜7c……インクタンクカバー ９……高周波加振器 10……クリーナベルト 11……廃インクタンク 18a,18b……カバーアーム 19……ローラアーム

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体インクを貯蔵するインクタンクと、複
   数の微小孔を備えた有孔フィルムを案内して前記インク
   タンク内に浸漬するローラと、前記インクタンク内で前
   記複数の微小孔各々に付着した前記液体インクを用紙上
   に噴射されるサーマルヘッドとを含むサーマルインクジ
   ェット画像形成装置であって、前記サーマルヘッドによ
   り前記液体インクが噴射された後の前記有孔フィルム上
   に残留する前記液体インクをクリーニングするクリーニ
   ング部材と、非画像形成時に前記ローラを前記インクタ
   ンクから引上げて前記有孔フィルムを前記液体インクか
   ら分離する引上げ部材と、前記引上げ部材により前記ロ
   ーラの引上げ動作に連動して前記インクタンクを密閉す
   る密閉部材とを有し、前記引上げ部材により前記ローラ
   を前記インクタンクから引上げて前記有孔フィルムを前
   記液体インクから分離して搬送するとともに、前記ロー
   ラの引上げ動作に連動して前記密閉部材により前記イン
   クタンクを密閉した状態で前記クリーニング部材により
   前記有孔フィルム上に残留する前記液体インクをすべて
   クリーニングするようにしたことを特徴とするサーマル
   インクジェット画像形成装置。
2. 【請求項２】前記クリーニング部材は、前記有孔フィル
   ムに高周波振動を与える高周波加振器と、前記高周波加
   振器により前記高周波振動を与えることで前記有孔フィ
   ルムから噴出する液体インクを受けるクリーナベルト部
   材とを含むことを特徴とする請求項１記載のサーマルイ
   ンクジェット画像形成装置。