JP2569787B2 - ロータリー圧縮機及び該圧縮機の芯出し方法 - Google Patents

ロータリー圧縮機及び該圧縮機の芯出し方法

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JP2569787B2 JP1041378A JP4137889A JP2569787B2 JP 2569787 B2 JP2569787 B2 JP 2569787B2 JP 1041378 A JP1041378 A JP 1041378A JP 4137889 A JP4137889 A JP 4137889A JP 2569787 B2 JP2569787 B2 JP 2569787B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はロータリー圧縮機及び該圧縮機の芯出し方法
に関する。
(従来技術) 一般にロータリー圧縮機は、シリンダの上下に組付け
るフロントヘッドとリヤヘッドに軸受を介してクランク
軸を回転自由に支持して、該クランク軸の偏心ピンと、
該偏心ピンの外周に挿嵌されるローラとを前記シリンダ
のボアに内装し、前記クランク軸を介して前記ローラを
前記ボア内で偏心回転させることにより、前記シリンダ
の吸入孔から冷媒を吸入して圧縮した後、その圧縮冷媒
をシリンダの吐出孔から吐出するようにしている。
そして以上の圧縮機にあっては、前記クランク軸の外
周面と前記両ヘッドの軸受部内周面との間、及び前記偏
心ピンの外周面とローラの内周面との間に、それぞれ前
記クランク軸及び前記ローラの嵌合代としの一定の許容
隙間が形成されている。
ところでかかる圧縮機にあっては、前記ローラの外周
面と前記ボアの内周面との間に前記ローラの偏心回転を
許容するための最小隙間を形成する必要があるが、かか
る隙間を形成する方法として、例えば特開昭59−145390
号公報に開示されている。
即ち、前記公報に示された方法は、第7図に概略的に
示すごとく、ボア(A)の内周面全周に樹脂被膜(B)
を形成する一方、ローラ(E)を偏心ピン(F)の偏心
方向側外周面に対し、クランク軸(C)を軸受(D)に
対しそれぞれ許容隙間の範囲内で接触するまで半径方向
同一側に偏心させた状態で、前記ローラ(E)の偏心方
向側外周面と樹脂被膜(B)を設けた前記ボア(A)の
内周面との間に該ローラ(E)の偏心回転を許容する最
小隙間(S)が開くように前記各構成部材を前記ボア
(A)内に組付けた後、圧縮機の駆動に伴う前記ローラ
(E)の偏心回転により、該ローラ(E)を介して前記
樹脂被膜(B)を部分的に削り、該樹脂被膜(B)の内
周面と前記ローラ(E)の外周面との間に一定の隙間を
形成せんとしている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、前記ボア(A)内には高圧となる圧縮側室
と低圧の吸入側室とが形成されるのであるが、圧縮機の
起動時には圧縮側室の圧力が低いため、前記ローラ
(E)の前記ボア(A)内周面との接触部位が高圧側に
位置する場合でも、前記ローラ(E)及び前記クランク
軸(C)は遠心力の作用により偏心ピン(F)の偏心方
向に振れるのに対し、圧縮機が定常運転となり、前記圧
縮側室の圧力が所定圧に上昇して前記遠心力に打ち勝つ
ようになると、該圧力により、前記ローラ(E)及び前
記クランク軸(C)は吸入室側方向に変位するのであ
る。
しかして前記公報に示された発明では、例えば圧縮側
室の圧力が低い圧縮機の起動時において、前記ローラ
(E)の前記ボア(A)内周面との接触部位が高圧側に
位置する時点で前記樹脂被膜(B)が必要以上に削りと
られることとなり、そのため、圧縮側室の圧力が所定圧
に上昇する定常運転時には、該樹脂被膜(B)の内周面
と前記ローラ(E)の外周面との間に大きな隙間が生じ
て、圧縮側室内のガスが漏れ、圧縮効率の低下を招くと
いうことがわかったのである。
本発明は以上の実情に鑑みて開発したもので、目的と
するところは、圧縮ガスの漏れが少ない圧縮機を提供す
るにあり、また耐剥離強度に優れた樹脂被膜をボアの内
周に形成することを目的とし、さらには前記ローラの外
周面と前記ボア内周面との間に、該ローラの偏心回転を
許容する最小隙間とすることの出来る芯出し方法を提供
することを目的としている。
(課題を解決するための手段) しかして本発明にかかる圧縮機においては、シリンダ
(4)のシリンダボア(3)に、軸受(50)(60)を介
して支持されるクランク軸(7)の偏心ピン(70)と、
前記シリンダボア(3)内を、圧縮側室(S1)と吸入側
室(S2)とに区画するブレード(40)とを内装したロー
タリー圧縮機において、前記クランク軸(7)の回転で
前記圧縮側室(S1)の内圧力が最大となるときの高圧側
回転位置で、前記クランク軸(7)と軸受(50)(60)
との間の軸受隙間(δc)及び前記ローラ(8)と偏心
ピン(70)との間のピン隙間(δp)の許容範囲内で前
記ローラ(8)の外周と前記シリンダボア(3)の内周
との距離が最大と成る最大隙間を、前記ローラ(8)の
外周と前記シリンダボア(3)の内周との距離が前記ロ
ーラ(8)のシリンダボア(3)に対する組付け並びに
回動を許容する最小隙間(X)となるように設定して、
前記クランク軸(7)、軸受(50)(60)及び前記ロー
ラ(8)をシリンダ(4)に偏心組付けしていると共
に、前記シリンダボア(3)の内周に、少なくとも低圧
側回転域での前記ローラ(8)の外周と前記シリンダボ
ア(3)の内周との間の隙間を埋める樹脂被膜(9)を
形成したのである。
前記樹脂被膜(9)は、硬度の異なる二層の被膜とし
て、硬質側被膜(9a)をシリンダボア(3)の内周面
に、前気ローラ(8)の外周と前記ボア(3)の内周と
の間の距離が最も近接するときの最小距離(ymin)以下
の膜厚で、また軟質側被膜(9b)を前記硬質側被膜(9
a)の内周面にそれぞれ形成するのが好ましい。
また以上の圧縮機の芯出し方法としては、シリンダ
(4)のシリンダボア(3)に、軸受(50)(60)を介
して支持されるクランク軸(7)の偏心ピン(70)と、
該偏心ピン(70)の外周の挿嵌されるローラ(8)と、
前記シリンダボア(3)内を、圧縮側室(S1)と吸入側
室(S2)とに区画するブレード(40)とを内装したロー
タリー圧縮機の芯出し方法であって、前記クランク軸
(7)の回転で前記圧縮側室(S1)の内圧力が最大とな
るときの高圧側回転位置で、前記クランク軸(7)と軸
受(50)(60)との間の軸受隙間(δc)及び前記ロー
ラ(8)と偏心ピン(70)との間のピン隙間(δp)の
許容範囲内で前記ローラ(8)の外周と前記シリンダボ
ア(3)の内周との距離が最大と成る最大隙間が、前記
ローラ(8)の外周と前記シリンダボア(3)の内周と
の距離が前記ローラ(8)のシリンダボア(3)に対す
る組付け並びに回動を許容する最小隙間(X)となるよ
うに、前記偏心ピン(70)、軸受(50)(60)及び前記
ローラ(8)を前記シリンダ(4)に偏心させて組付け
ると共に、前記シリンダボア(3)の内周面の少なくと
も低圧側回転域に、低圧側回転位置での前記ローラ
(8)の外周と前記シリンダボア(3)の内周との間の
距離が最も近接する場合の最小距離(ymin)以上の膜厚
(h)をもつ樹脂被膜(9)を形成し、しかる後、前記
クランク軸(7)を回転させて前記ローラ(8)により
前記樹脂被膜(9)の内周面を切削仕上げする方法があ
る。
(作用) 本発明にかかる圧縮機及び芯出し方法によれば、前記
ローラ(8)で画成される圧縮側式(S1)の圧力が低く
い圧縮機の起動時に、前記ローラ(8)の前記ボア
(3)内周面との接触部位が第2図に示すように高圧側
回転域に位置する場合、前記ローラ(8)及び前記クラ
ンク軸(7)は遠心力の作用により偏心ピン(70)の偏
心方向に振れて、前記ローラ(8)が前記ボア(3)内
周面に摺接しながら偏心回転することとなっても、削り
取られる樹脂被膜(9)がないので、前記シリンダボア
(3)の内周面に削り取られることはなく、圧縮機の定
常運転時において、前記圧縮側室(S1)の圧力が前記遠
心力に打ち勝ち、該圧力により、前記ローラ(8)及び
前記クランク軸(7)が吸入室側方向(S2)に変位して
も、前記ローラ(8)の外周と前記シリンダボア(3)
の内周との距離が、前記ローラ(8)のシリンダボア
(3)に対する組付け並びに回動を許容する最小隙間
(X)に保たれる。
そして、第5図に示すように前記ローラ(8)の前記
ボア(3)内周面との接触部位が低圧側回転域に位置す
る場合には、前記吸入側室の圧力よりも前記遠心力の方
が勝つので、前記ローラ(8)及び前記クランク軸
(7)が遠心力の作用により偏心ピン(70)の偏心方向
に振れ、該ローラ(8)外周と、前記ボア(3)におけ
る低圧回転側域の前記樹脂被膜(9)の内周との間の隙
間がほぼ0の状態となって、前記ローラ(8)が偏心回
転するのである。
また前記樹脂被膜(9)を硬度の異なる二層として、
硬質側被膜(9a)をシリンダボア(3)の内周面に、前
記ローラ(8)の外周と前記ボア(3)の内周との間の
距離が最も近接するときの最小距離(ymin)以下の膜厚
で、また、軟質側被膜(9b)を前記硬質側被膜(9a)の
内周面に形成することにより、樹脂被膜(9)の前記ロ
ーラ(8)による切削が容易に行え、しかも樹脂被膜
(9)の前記ボア(3)に対する耐剥離強度もアップす
る。
(実施例) 第1図は本発明を適用するロータリー圧縮機を示し、
密閉ケーシング(1)の内部上方にモータ(M)を配置
すると共に、該ケーシング(1)の内部下方に圧縮要素
(2)を配置している。
この圧縮要素(2)は既知のごとく、内部にボア
(3)を形成したシリンダ(4)の上下にフロントヘッ
ド(5)及びリヤヘッド(6)を組付ける一方、前記モ
ータ(M)のロータから下方の延びるクランク軸(7)
の下端部を前記両ヘッド(5)(6)に形成した軸受
(50)(60)及びボア(3)に挿通して、該クランク軸
(7)を前記両ヘッド(5)(6)に回転自在に支持し
ているのであって、また前記クランク軸(7)の下端部
に設けた偏心ピン(70)を前記シリンダ(4)のボア
(3)の内装して、該偏心ピン(70)の外周にリング状
のローラ(8)を挿嵌している。
また前記シリンダ(4)には、前記ボア(3)内に進
退可能で且つ前記ローラ(8)の外周に接触する方向に
付勢するブレード(40)を設けると共に、前記シリンダ
(4)における前記ブレード(40)を挟んだ一側方には
吸入管(41)に連通する吸入孔(42)を、また他側方に
は吐出口(43)をそれぞれ設けている。
しかして以上の構成において図に示す実施例では、第
2図及び第3図に示すごとく、前記クランク軸(7)の
回転で前記圧縮側室(S1)の内圧力が最大となるときの
高圧側回転位置で、前記クランク軸(7)と軸受(50)
(60)との間の軸受隙間(δc)及び前記ローラ(8)
と偏心ピン(70)との間のピン隙間(δp)の許容範囲
内で前記ローラ(8)の外周と前記シリンダボア(3)
の内周との距離が最大と成る最大隙間が、前記ローラ
(8)の外周と前記シリンダボア(3)の内周との距離
が前記ローラ(8)のシリンダボア(3)に対する組付
け並びに回動を許容する最小隙間(X)となるように、
前記偏心ピン(70)、軸受(50)(60)及び前記ローラ
(8)を前記シリンダ(4)に偏心させて組付けるので
ある。
一方、第4図に示すごとく、前記ボア(3)の低圧側
回転域の内周面には、低圧側回転位置での前記ローラ
(8)の外周と前記ボア(3)の内周との間の距離が最
も近接する場合の最小距離(ymin)以上の膜厚(h)を
もつ樹脂被膜(9)をあらかじめ形成しておくのであっ
て、図に示す実施例では、かかる樹脂被膜(9)を第4
図から明らかなように前記ボア(3)における高圧側回
転域の内周面まで延設している。
また図に示す樹脂被膜(9)は、硬度の異なる二層の
被膜からなるのであって、かかる樹脂被膜(9)の前記
ボア(3)に対する耐剥離強度を高めるために、まずエ
ポキシ系樹脂をバインダーとした硬度の高い樹脂からな
る硬質側被膜(9a)を、前記最小距離(ymin)以下の膜
厚で前記ボア(3)の内周面に形成した後、該硬質被膜
(9a)の表面にポリアミド系樹脂から成る切削の容易な
軟質側被膜(9b)を形成して、これら硬質側被膜(9a)
と軟質側被膜(9b)のトータルした膜厚(h)を前記最
小距離(ymin)よりも若干厚く形成したのである。
尚、図に示す実施例では、前記樹脂被膜(9)を、前
記ボア(3)の低圧側回転域全域と高圧側回転域のほぼ
2分の1にわたる前記ボア(3)の全周の約4分の3の
範囲にわたって形成しているが、以上の樹脂被膜(9)
は前記ボアの低圧側回転域の半周のみ形成してもよい。
しかして以上の圧縮機の駆動により、前記クランク軸
(7)を介して前記ローラ(8)を前記ボア(3)内で
偏心回動させて、前記樹脂被膜(9)の内面を前記ロー
ラ(8)で切削仕上げするのであって、圧縮機の起動時
には、前述のごとく、前記ローラ(8)で画成される圧
縮側室(S1)の圧力が低いことから、前記ローラ(8)
の前記ボア(3)内周面との接触部位が低圧側回転域に
位置する場合は勿論のこと、前記ローラ(8)の前記ボ
ア(3)内周面との接触部位が高圧側回転域に位置する
場合でも、前記ローラ(8)及び前記クランク軸(7)
は遠心力の作用により偏心ピン(70)の偏心方向に振
れ、前記ローラ(8)は前記ボア(3)内周面に摺接し
ながら偏心回転することとなる。
しかしながら高圧側回転位置のボア(3)内周面はシ
リンダを構成する金属面が露出しているので、たとえロ
ーラ(8)がボア(3)の内周面に接触しても、金属面
が露出している高圧側回転位置の前記ボア(3)内周面
に削り取られることがないのであり、一方、前記ボア
(3)の低圧側回転域内周面では、第5図及び第6図に
示すごとく、前記ローラ(8)が前記ボア(3)におけ
る低圧回転側域に設けた前記樹脂被膜(9)における軟
質側被膜(9b)の内周面を順次切削し、切削完了時点で
は、前記ボア(3)における低圧回転側域の前記樹脂被
膜(9)の膜厚が、低圧側回転位置での前記ローラ
(8)の外周と前記ボア(3)の内周との間の距離が最
も近接する場合の最小距離(ymin)とほぼ一致するので
ある。
しかして圧縮側室(S1)の圧力が所定圧に上昇して圧
縮機が定常運転となると、前記ローラ(8)の前記ボア
(3)内周面との接触部位が第2図に示すように高圧側
回転域に位置する場合においては、前記圧縮側室(S1)
の圧力が前記遠心力に打ち勝ち、該圧力により、前記ロ
ーラ(8)及び前記クランク軸(7)が吸入室側方向
(S2)に変位して、前記ローラ(8)の外周と前記ボア
(3)の内周との距離が、前記ローラ(8)のボア
(3)に対する組付け並びに回動を許容する最小隙間
(X)に保たれるし、また前記ローラ(8)の前記ボア
(3)内周面どの接触部位が低圧側回転域に位置する場
合には、前記吸入側室の圧力よりも前記遠心力の方が打
ち勝つので、第5図に示すように、前記ローラ(8)及
び前記クランク軸(7)が遠心力の作用により偏心ピン
(70)の偏心方向に振れ、該ローラ(8)外周と、前記
ボア(3)における低圧回転側域の前記樹脂被膜(9)
内周との間の隙間がほぼ0の状態となって、前記ローラ
(8)が偏心回転することとなるのである。
従って圧縮機の定常運転時、ガス漏れなく前記圧縮側
室(S1)内で確実に圧縮することが出来るのである。
尚、第2図から第6図では、本発明を理解し易くする
ために、前記ローラ(8)の外周と前記ボア(3)の内
周との間の最小隙間(X)、軸受隙間(δC)、ピン隙
間(δp)、低圧側回転位置での前記ローラ(8)の外
周と前記ボア(3)の内周との間の距離が最も近接する
場合の最小距離(ymin)、及び樹脂被膜(9)の膜厚
(h)を誇張して描いている。
(発明の効果) 以上のごとくロータリー圧縮機の芯出し方法によれ
ば、ローラ(8)の外周とシリンダボア(3)の内周と
の高圧側回転域での距離を、圧縮機の定常運転時、常に
前記ローラ(8)のボア(3)に対する組付け並びに回
動を許容する最小隙間(X)に保持するることができる
と共に、前記ボア(3)の内周に、少なくとも低圧側回
転域での前記ローラ(8)の外周と前記ボア(3)の内
周との間の隙間を埋める樹脂被膜(9)を形成すること
が出来るのである。
また本発明にかかる圧縮機によれば、圧縮機の定常運
転時、前記ローラ(8)の前記ボア(3)内周面との接
触部位が高圧側回転域に位置する場合においては、前記
圧縮側室(S1)の圧力が前記遠心力に打ち勝ち、該圧力
により、前記ローラ(8)及び前記クランク軸(7)が
吸入室側方向(S2)に変位して、前記ローラ(8)の外
周と前記ボア(3)の内周との距離が、前記ローラ
(8)のボア(3)に対する組付け並びに回動を許容す
る最小隙間(X)に保たれるし、前記ローラ(8)の前
記ボア(3)内周面との接触部位が低圧側回転域に位置
する場合には、前記吸入室の圧力よりも前記遠心力の方
が打ち勝つので、前記ローラ(8)及び前記クランク軸
(7)が遠心力の作用により偏心ピン(70)の偏心方向
に振れ、該ローラ(8)外周と、前記ボア(3)におけ
る低圧回転側域の前記樹脂被膜(9)の内周との間の隙
間がほぼ0の状態となって、前記ローラ(8)が偏心回
転するのであって、従って圧縮機の定常運転時におい
て、ガスが漏れることなく前記圧縮側室内で確実に圧縮
することが出来圧縮効率の優れたものとすることが出来
るのである。
また前記樹脂被膜(9)を硬度の異なる二層として、
硬質側被膜(9a)をボア(3)の内周面に、前記ローラ
(8)の外周と前記ボア(3)の内周との間の距離が最
も近接するときの最小距離(ymin)以下の膜厚で、ま
た、軟質側被膜(9b)を前記硬質側被膜(9a)の内周面
にそれぞれ形成することにより、膜厚の厚い樹脂被膜
(9)の形成が可能となるのは勿論のこと、ローラ
(8)による樹脂被膜(9)の切削が容易に行なえなが
らしかもこの樹脂被膜(9)の前記ボア(3)に対する
対剥離強度を高めることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用したロータリー圧縮機の断面図、
第2図〜第6図はロータリー圧縮機の芯出し過程を示す
概略説明図、第7図は従来のロータリー圧縮機の一例を
示す概略説明図である。 (3)……シリンダボア (40)……ブレード (50)(60)……軸受 (7)……クランク軸 (70)……偏心ピン (8)……ローラ (9)……樹脂被膜 (9a)……硬質側被膜 (9b)……軟質側被膜 (δc)……軸受隙間 (δp)……ピン隙間 (X)……最小隙間 (S1)……圧縮側室 (S2)……吸入側室

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ(4)のシリンダボア(3)に、
    軸受(50)(60)を介して支持されるクランク軸(7)
    の偏心ピン(70)と、前記シリンダボア(3)内を、圧
    縮側室(S1)と吸入側室(S2)とに区画するブレード
    (40)とを内装したロータリー圧縮機において、 前記クランク軸(7)の回転で前記圧縮側室(S1)の内
    圧力が最大となるときの高圧側回転位置で、前記クラン
    ク軸(7)と軸受(50)(60)との間の軸受隙間(δ
    c)及び前記ローラ(8)と偏心ピン(70)との間のピ
    ン隙間(δp)の許容範囲内で前記ローラ(8)の外周
    と前記シリンダボア(3)の内周との距離が最大と成る
    最大隙間を、前記ローラ(8)の外周と前記シリンダボ
    ア(3)の内周との距離が前記ローラ(8)のシリンダ
    ボア(3)に対する組付け並びに回動を許容する最小隙
    間(X)となるように設定して、前記クランク軸
    (7)、軸受(50)(60)及び前記ローラ(8)をシリ
    ンダ(4)に偏心組付けしていると共に、 前記シリンダボア(3)の内周に、少なくとも低圧側回
    転域での前記ローラ(8)の外周と前記シリンダボア
    (3)の内周との間の隙間を埋める樹脂被膜(9)を形
    成していることを特徴とするロータリー圧縮機。
  2. 【請求項2】樹脂被膜(9)が硬度の異なる二層の被膜
    からなり、硬質側被膜(9a)をシリンダボア(3)の内
    周面に、前記ローラ(8)の外周と前記ボア(3)の内
    周との間の距離が最も近接するときの最小距離(ymin)
    以下の膜厚で、又、軟質側被膜(9b)を前記硬質側被膜
    (9a)の内周面にそれぞれ形成している請求項1記載の
    ロータリー圧縮機。
  3. 【請求項3】シリンダ(4)のシリンダボア(3)に、
    軸受(50)(60)を介して支持されるクランク軸(7)
    の偏心ピン(70)と、該偏心ピン(70)の外周に挿嵌さ
    れるローラ(8)と、前記シリンダボア(3)内を、圧
    縮側室(S1)と吸入側室(S2)とに区画するブレード
    (40)とを内装したロータリー圧縮機の芯出し方法であ
    って、前記クランク軸(7)の回転で前記圧縮側室(S
    1)の内圧力が最大となるときの高圧側回転位置で、前
    記クランク軸(7)と軸受(50)(60)との間の軸受隙
    間(δc)及び前記ローラ(8)と偏心ピン(70)との
    間のピン隙間(δp)の許容範囲内で前記ローラ(8)
    の外周と前記シリンダボア(3)の内周との距離が最大
    と成る最大隙間が、前記ローラ(8)の外周と前記シリ
    ンダボア(3)の内周との距離が前記ローラ(8)のシ
    リンダボア(3)に対する組付け並びに回動を許容する
    最小隙間(X)となるように、前記偏心ピン(70)、軸
    受(50)(60)及び前記ローラ(8)を前記シリンダ
    (4)に偏心させて組付けると共に、 前記シリンダボア(3)の内周面の少なくとも低圧側回
    転域に、低圧側回転位置での前記ローラ(8)の外周と
    前記シリンダボア(3)の内周との間の距離が最も近接
    する場合の最小距離(ymin)以上の膜厚(h)をもつ樹
    脂被膜(9)を形成し、しかる後、前記クランク軸
    (7)を回転させて前記ローラ(8)により前記樹脂被
    膜(9)の内周面を切削仕上げすることを特徴とするロ
    ータリー圧縮機の芯出し方法。
JP1041378A 1989-02-20 1989-02-20 ロータリー圧縮機及び該圧縮機の芯出し方法 Expired - Fee Related JP2569787B2 (ja)

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