JP2569698B2 - 屋内塵性ダニ類防除剤 - Google Patents

屋内塵性ダニ類防除剤

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JP2569698B2 JP63049051A JP4905188A JP2569698B2 JP 2569698 B2 JP2569698 B2 JP 2569698B2 JP 63049051 A JP63049051 A JP 63049051A JP 4905188 A JP4905188 A JP 4905188A JP 2569698 B2 JP2569698 B2 JP 2569698B2
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良子 大谷
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住友化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、一般式〔I〕 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。〕 で示される化合物を有効成分とする屋内塵性ダニ類防除
剤に関するものである。
〈従来の技術〉 近年、一般家屋の室内塵中に生息するダニ類が、生活
様式の変化、住宅構造の変化などにより、時として多発
生し、住民に不快感をもたらすのみならず小児喘息やダ
ニアレルギー、ダニ刺咬症の原因にもなり社会問題化し
つつある。
従来より、このようなダニ類に対する防除剤として
は、例えばフェニトロチオン、フェンチオン、ジクロル
ボス、ダイアジノン等の有機リン化合物、プロポクサー
ル、カルバリル等のカーバメート化合物、レスメトリ
ン、フェノトリン、ペルメトリン等のピレスロイド化合
物などが知られており、畳、カーペットなどにエアゾー
ル、乳剤、油剤等の形態で直接噴霧処理したり、防虫
紙、カーペット等への含浸、燻煙等の方法で用いられる
ことが知られている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、有機リン化合物は一般に毒性の高いも
のが多く、また、特有の悪臭を有するものが多い。さら
に、コナダニ類に対する効力は高いものの、ヒョウヒダ
ニ類、ツメダニ類に対する効力の点で必ずしも充分とは
言えない。
また、カーバメート化合物も一般に毒性の高いものが
多く、ヒョウヒダニ類、ツメダニ類に対する効力の点で
必ずしも充分とは言えない。
さらに、ピレスロイド化合物は一般に低毒性ではある
ものの、コナダニ類、ツメダニ類に対する効力の点で必
ずしも充分とは言えない。
〈課題を解決するための手段〉 そこで、本発明者らは上記のような欠点の少ない、多
種のダニ類に対して有効なダニ防除剤を開発すべく種々
検討した結果、前記一般式〔I〕で示される化合物が、
屋内塵性ダニ類の防除に極めて有効であることを見出し
本発明に至った。
尚、前記一般式〔I〕で示される化合物は、特開昭60
-4178号公報の記載に従って製造されるもので、農園芸
用殺ダニ剤として使用できることは該公報に示されてい
る。
本発明において、対象となる屋内塵性ダニ類として
は、例えばコナヒョウダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョ
ウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダ
ニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サヤアシニクダニ
等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等の
ツメダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類などが
挙げられる。
一般式〔I〕で示される化合物を屋内塵性ダニ類防除
剤の有効成分として用いる場合は、他に何らの成分も加
えずそのままで用いてもよいが、通常は、固体担体、液
体担体、ガス状担体、界面活性剤、塗膜形成剤、その他
の製剤用補助剤、餌等と混合し、乳剤、水和剤、粉剤、
粒剤、油剤、エアゾール、フォッギング等の煙霧剤、非
加熱燻蒸剤、塗布剤、毒餌等に製剤して用いる。
これらの製剤中には一般式〔I〕で示される化合物が
有効成分として0.001〜95重量%含有される。
製剤に際して用いられる固体担体としては、例えばカ
オリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイ
ト、酸性白土、ピロフィライト、タルク、珪藻土、方解
石、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉、尿素、硫酸アン
モニウム、合成含水酸化珪素等の微粉末あるいは粒状物
が挙げられ、液体担体としては、例えばケロシン、灯油
等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロ
エタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、エチレングリコール、セロソルブ等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチ
ル等のエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリ
ル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド、大
豆油、綿実油等の植物油等が挙げられ、ガス状担体とし
ては、例えばフロンガス、LPG、ジメチルエーテル等が
挙げられる。界面活性剤としては、例えば乳化、分散、
湿展等のために用いられるアルキン硫酸エステル塩、ア
ルキル(アリール)スルホン酸塩、ジアルキルスルホン
こはく酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
テルりん酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の
非イオン界面活性剤が挙げられる。また、塗膜形成剤と
しては、例えばセルロース誘導体、ビニル系樹脂、アル
キット系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アク
リル系樹脂、塩化ゴム、ポリビニルアルコール等が挙げ
られる。その他の製剤用補助剤としては、例えば固着剤
や分散剤として、リグニンスルホン酸塩、アルギン酸
塩、ポリビニルアルコール、アラビアガム、糖蜜、カゼ
イン、ゼラチン、CMC(カルボキシメチルセルロー
ス)、松根油、寒天等が挙げられ、安定剤としては、例
えばPAP(酸性リン酸イソプロピル)、TCP(リン酸トリ
クレジル)等のリン酸アルキル、植物油、エポキシ化
油、前記の界面活性剤、BHT、BHA等の酸化防止剤、オレ
イン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸
塩、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル等の脂肪酸
エステルなどが挙げられる。
本願のダニ類防除剤は、畳、カーペット、マットレ
ス、ソファー、布団、枕等の寝具、押入れ、倉庫などに
散布、噴霧、塗布、煙霧、加熱蒸散、設置などの方法に
より処理することにより用いられる。
さらに、本願のダニ類防除剤は各種の殺虫剤、殺ダニ
剤、共力剤、外中忌避剤、ネズミ忌避剤、殺菌剤、防黴
剤、香料、着色料等を混合して使用することもできる。
混合使用できる代表的な薬剤の例を第1表に示す。
尚、一般式〔I〕で示される化合物を有効成分とする
ダニ類防除剤を用いる場合、その施用量は、通常、処理
すべき面積1m2当たり、有効成分を10mg以上、または適
用空間1m2当たり1mg以上が望ましい。
〈実施例〉 以下、製剤例および試験例にて本発明をより詳しく説
明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるもので
はない。
尚、一般式〔I〕で示される化合物のうち、Rが水素
原子であるものを化合物(1)、Rがメチル基であるも
のを化合物(2)で表わし、その他の供試化合物は第1
表の化合物記号で表わした。また、部は重量部を意味す
る。
製剤例1 化合物(1)または(2)0.2部、キシレン2部およ
び白灯油97.8部を混合して油剤を得る。
製剤例2 化合物(1)または(2)10部、ポリオキシエチレン
スチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸カルシウム6部およびキシレン70部をよく混合し
て乳剤を得る。
製剤例8 化合物(1)または(2)20部、化合物(M)10部、
リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナト
リウム2部および合成含水酸化珪素65部をよく粉砕混合
して水和剤を得る。
製剤例4 化合物(1)または(2)1部、化合物(O)2部、
カオリンクレー87部およびタルク10部をよく粉砕混合し
て粒剤を得る。
製剤例5 化合物(1)または(2)5部、化合含水酸化珪素1
部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト
30部およびカオリンクレー62部をよく粉砕混合し、水を
加えてよく練り合わせた後、造粒乾燥して粒剤を得る。
製剤例6 化合物(1)または(2)0.05部、化合物(D)0.2
部、化合物(F)0.05部、キシレン7部および脱臭灯油
32.7部を混合溶解し、エアゾール容器に充填し、バルブ
部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液
化石油ガス)60部を加圧充填してエアゾールを得る。
製剤例7 化合物(1)または(2)0.3gに化合物(I)0.3gを
加え、メタノール20mlに溶解し、蚊取線香用担体(ダブ
粉:粕粉:木粉を3:5:1の割合で混合したもの)99.4gと
均一に攪拌混合し、メタノールを蒸散させた後、水150m
lを加え、充分練り合せたものを成型乾燥して蚊取線香
を得る。
製剤例8 化合物(1)または(2)100mgを適量のアセトンに
溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セラミック板
に含浸させて加熱燻蒸剤を得る。
製剤例9 ポリプロピレン製のパイル、第一基布およびエチレン
ビニルアルコールからなるパッキング剤とジュート製の
第二基布からなるカーペットの作成に先立ち、パイルに
化合物(1)または(2)を5.0g/m2割合で混練し、ダ
ニ防除カーペットを得る。
試験例1 容量20ccのガラス製スクリュー管の内壁に、供試化合
物の所定濃度アセトン溶液0.2ccを均一に塗布し風乾し
た。これに供試ダニ(コナヒョウヒダニ、ケナガコナダ
ニまたはフトツメダニ)の成ダニ各20頭を各々放ち蓋を
した。24時間後(但し、フトツメダニの場合は48時間
後)にダニの生死を判定し、致死率を求めた(3反
復)。
コナヒョウヒダニの致死率を第2表に、ケナガコナダ
ニの致死率を第3表に、フトツメダニの致死率を第4表
に示す。
試験例2 供試化合物10gとキシレン14mlに脱臭灯油を加えて全
体を150mlとしたものをエアゾール容器に充填し、バル
ブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤
(液化石油ガス)150mlを加圧充填してエアゾールを得
た。
紙(30cm×30cm)に上記エアゾールを3秒間均一に
スプレーし、24時間風乾後、これを5cm×10cmの大きさ
のシートに切り取った。該シートの長辺を半分に折り、
両端を金属製クリップにて封じた後、開口部より供試ダ
ニ(コナヒョウダニ、ケナガコナダニまたはフトツメダ
ニ)の成ダニ各20頭を各々放ち、開口後をさらにクリッ
プにて封じた。24時間後にダニの生成を判定し、致死率
を求めた。
コナヒョウヒダニの致死率を第5表に、ケナガコナダ
ニの致死率を第6表に、フトツメダニの致死率を第7表
に示す。
〈発明の効果〉 本発明のダニ類防除剤は、屋内の塵中に生息する各種
のダニ類の防除において、優れた防除効果を示すもので
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。〕 で示される化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする屋内塵性ダニ類防除剤。
JP63049051A 1988-03-01 1988-03-01 屋内塵性ダニ類防除剤 Expired - Lifetime JP2569698B2 (ja)

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