JP2569481B2 - 泳動用ゲル載置台 - Google Patents

泳動用ゲル載置台

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JP2569481B2 JP61044995A JP4499586A JP2569481B2 JP 2569481 B2 JP2569481 B2 JP 2569481B2 JP 61044995 A JP61044995 A JP 61044995A JP 4499586 A JP4499586 A JP 4499586A JP 2569481 B2 JP2569481 B2 JP 2569481B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は泳動用ゲル載置台に関する。さらに詳しく
は泳動方向に温度勾配を形成しうる泳動用ゲル載置台に
関する。
(ロ)従来の技術 一般に電気泳動用ゲル載置台に付設されている冷却装
置は、従来より泳動用ゲルから電気泳動中に発生するジ
ュール熱を効率よく除去して該泳動用ゲルの温度を一定
に保ちかつゲル全面にわたって温度分布を均一にするた
めのものとして設けられている。そして該装置は、熱良
導性が要求されるが、電気泳動上必要とされる高絶縁性
も備えている必要があるため、従来はガラス、アクリル
等を用いこれらに冷却水が循環する溝等を施したものが
使用されていた。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記冷却装置では、例えば分子量分布
が広範囲にわたる複数の検体からなる試料を成分同時分
析する場合、長時間の電気泳動の間に泳動速度の比較的
速い低分子量側のものと泳動速度の遅い高分子量側のも
のとの分離距離が著しく違い、低分子量側のものが泳動
終端に来ているのに高分子量側のものはまだ試料原点付
近に分離不明確に集団で存在しているという状態が生
じ、このような試料を限られた面積の泳動ゲル内に分解
能よく分離するということは困難であった。また上記の
ごとくガラス、アクリル等の材質を使用していたため、
前記ジュール熱を効率よく除去できなく、従って分離能
および泳動データの再現性が低下する欠点もあった。
この発明はかかる状況に鑑み為されたものであり、こ
とに効率よくジュール熱を除去しかつ検体の泳動速度を
温度により制御しうる泳動用ゲル載置台を提供しようと
するものである。
(ニ)問題点を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、電気絶縁物質よりなる表
面層と、該層の裏面に面接合しかつ泳動方向に略垂直な
断絶部を複数有するよう列設された複数の熱伝導部から
なる熱伝導部層と、形態補強兼支持板層とがこの順で配
置されてなる泳動用ゲル載置台が提供される。
この発明の表面層には、後述する熱伝導部の熱をゲル
に伝える熱伝導性を有しかつゲルとの間を電気的に絶縁
する電気絶縁物質が用いられ、該物質としては合成樹脂
等、例えばポリイミド樹脂等が好ましい。
この発明の熱伝導部層に用いる熱伝導部は、上記表面
層の裏面に面接合して設けられる。
上記熱伝導部は、複数個設けられ、これらは所定間隙
を介して断続されさらに泳動方向に略直角に列設され
る。
上記各熱伝導部は、上記ゲル載置板の裏面に面接合す
る金属板と、該金属板に上記接合面と反対側から密着し
た熱媒体循環路とから構成されるものが好ましい。
上記各熱伝導部に用いられる複数の金属板は、それぞ
れがほぼ同形の金属板であることが好ましい。
上記各金属板の材質には、それぞれ熱伝導性に優れた
ものが使用され、例えば金、銀、銅、アルミニウム等が
挙げられるが、銅が好ましい。
上記断絶は、所定間隙に絶縁性で比較的断熱性のもの
充填することにより行われる。
上記充填するものには、樹脂、例えばエポキシ樹脂等
であってもよく、また、空気層であってもよいが、構成
の容易さから樹脂等を充填することが好ましい。
上記熱媒体循環路は、複数個用意され、それぞれが前
記各金属板に密着しかつ各循環路の両端は後述する形態
補強兼支持板層の外側に開放されて設定される。
上記各熱媒体循環路は、その開放された一端から熱媒
体が導入され、他端から排出されるよう構成され、さら
に両端に開放された各管路はそれぞれの側で1つの管路
に統合されるよう管路構成されることが好ましい。
上記各熱媒体循環路の熱媒体導入側に、前記金属板を
それぞれ所定の温度に独立に温度調節しうる温度調節部
が設けられる。
上記各熱媒体循環路は、高熱伝導性を有する材質でで
きていることが好ましく、例えば金、銀、銅、アルミニ
ウム等が挙げられるが、特に銅が好ましい。
上記温度調節部は、上記各熱媒体循環路に該媒体を貯
留する貯留部を形成し、ここにヒータと温度測定部とを
備えて該媒体の温度を調節しうるよう構成されるものが
適しており、さらに0〜20℃内で約1℃間隔で温度調節
できうるものが好ましい。
上記熱媒体循環路に用いる熱媒体は、場合によって冷
媒または熱媒と働く物であり、水、フルオロカーボン等
に代表される液体であってもよく、フレオンガス等の気
体であってもよい。
この発明に用いる支持板層は、前記表面層と熱伝導部
とを補強・支持するものであり、該熱伝導部を固定支持
しうる第一層と、この層に接して全体を支持しうる第二
層との2層で構成されるものが好ましい。。
上記第一層にはエポキシ樹脂等が適し、第二層にはガ
ラス繊維強化プラスチック(FRP)等が適している。
前記表面層は、その厚さとしては0.01〜0.5mmが好ま
しく、特に0.2mmが好ましい。
前記熱伝導部に用いる金属板は、その厚さとしては0.
1〜1.0mmが好ましく、特に0.5mmが好ましい。
前記列設される各熱伝導部間の所定間隙は、その上限
が1mmであるように設定されることが好ましい。
前記熱媒体循環路は、その内径が1.0〜5.0mmであるも
のがが好ましく、特に1.5mmが好ましい。
前記支持板層の第二層は、その層厚が3〜10mmが好ま
しく、特に3.0〜5.0mmが好ましい。
なお、上記熱伝導部は、意図する金属板の幅を有する
断面矩形状の熱媒体循環路が金属板も兼ねて上記のごと
く所定間隔で列設されたものであってもよい。また、熱
媒体を用いる構成のかわりに、ペルチエ素子(サーモモ
ジュール)と、このペルチエ素子によって吸収された熱
を放熱するための放熱フィンとで構成されたものであっ
てもよい。
この発明において、熱媒体を上記各熱媒体循環路に供
給するには、当該分野で公知のポンプおよび場合により
温度制御手段等を備えた供給装置が用いられる。
(ホ)作用 この発明によれば、電気絶縁物質よりなる表面層裏面
にそれぞれ面接合した複数の熱伝導部が断続して列設さ
れて不連続な熱伝導面を形成しており、各熱伝導部には
それぞれ独立に温度を調節しうる温度調節部を備えてい
るので、各温度調節部にもとずいて各熱伝導部は所定の
温度で均一に、かつ全熱伝導部にわたっては階段状に不
連続な温度勾配を形成するように設定できまたは全熱伝
導部にわたって均一な温度に設定することができる。従
って上記表面層上に載置されるゲルに温度勾配を設定し
または均一温度に設定することが可能となる。
以下実施例によりこの発明を詳細に説明するが、これ
によりこの発明は限定されるものではない。
(ヘ)実施例 第1図はこの発明の泳動用ゲル載置台の一実施例の構
成説明図である。
図に示すように、この泳動用ゲル載置台(1)は、ゲ
ル載置部(2)と、温度調節手段(3)とから構成され
る。
ゲル載置部(2)は、第2図に示すように熱伝導性を
有する電気絶縁物質からなる表面層(4)と、複数の熱
伝導部(5)を有する形態補強兼支持板層(6)とから
形成されたものである。
表面層(4)は、厚さ0.2mmのポリイミドからなる。
1つの熱伝導部(5)は、大きさが10×160×0.5mmの
銅板(51)とこの銅板に密着した内径1.5mmの銅製パイ
プ(52)とから構成されており、各熱伝導部(5)間
は、0.5mm幅のエポキシ樹脂隔壁(53)を介して泳動方
向(矢印方向)に略直角に列設されている。
支持板層(6)は、エポキシ樹脂からなる層厚0.5mm
の第一層(61)およびガラス繊維強化プラスチックから
なる層厚3.0mmの第二層(62)とで構成され、第一層(6
1)には上記銅製パイプ(52)が埋設されている。
温度調節手段(3)は、第1図〜第3図に示すよう
に、各金属板(51)に密接しかつ支持板層(6)の第一
層(61)外に開放された各銅製パイプ(52)の一端に取
り付けられた各温度コントローラ(9)からなる。
温度コントローラ(9)は、銅製パイプ(52)のこの
部分に形成された貯留部(図示しない)にヒータ(図示
しない)と温度測定部(図示しない)とを備えて構成さ
れている。
上記各銅製パイプ(52)は支持板層(6)外でその両
端がそれぞれ1つの管路(10)(11)に統合されてい
る。
上記管路(10)(11)は、水を循環させる冷却水循環
装置(8)からの管路(図示しない)が接続されてい
る。
一方冷却水循環装置(8)は、公知の装置からなり、
ポンプ部(図示しない)と温度制御部(図示しない)と
からなる。
上記泳動用ゲル載置台(1)は、表面層(4)上に泳
動用ゲル(図示しない)を載置密着させて電気泳動を行
うもので、予め各温度に設定された冷却水は、各銅製パ
イプ(52)と密着する銅板(51)に伝導される。この温
度は各銅板(51)から表面層(4)を介して該表面層
(4)に密着載置された泳動用ゲルに伝導され、ゲルに
意図する温度勾配を設定する。また、泳動中に発生する
ジュール熱は、表面層(4)を介して各銅板(51)の支
持板層(6)側の面に伝導され、さらに該各銅板(51)
の全面から銅製パイプ(52)を流れる水によってゲル載
置部(2)外に排出される。
従って、電気泳動中の泳動用ゲルをゲル全面にわたっ
て意図する温度勾配を保ってまたは温度勾配を生じない
ように保って泳動を効率よく行うことができる。
(ト)発明の効果 この発明によれば、泳動用ゲル全域にわたって泳動方
向に対して垂直方向に均一な温度でかつ水平方向には意
図する温度勾配を設定できまたは該ゲル全域を均一な一
定温度に保つことができる等ゲルの温度調節が容易であ
る。
従って、分離能および再現性を向上させることができ
る。
分子量分布が広範囲にわたる試料の成分同時分析等も
限られたゲル面積内で分離能良好におこなうことができ
る。
ゲルの温度調節が容易であるため、迅速にかつ効率よ
く分離・分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す斜視図、第2図は第
1図のZ−Z断面図、第3図はこの発明の一実施例に用
いられる循環路を説明する説明平面図である。 (1)……泳動用ゲル載置台、 (2)……ゲル載置部、(3)……温度調節手段、 (4)……表面層、(5)……熱伝導部、 (6)……形態補強兼支持板層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁物質よりなる表面層と、該層の裏
    面に面接合しかつ泳動方向に略垂直な断絶部を複数有す
    るよう列設された複数の熱伝導部からなる熱伝導部層
    と、形態補強兼支持板層とがこの順で配置されてなる泳
    動用ゲル載置台。
  2. 【請求項2】熱伝導部が、金属板と、この金属板に密着
    して支持板層内に設けられ両端が該支持板層外に開放さ
    れた熱媒体循環路とからなる特許請求の範囲第1項記載
    の泳動用ゲル載置台。
  3. 【請求項3】表面層の厚さが0.01mm〜0.5mmである特許
    請求の範囲第1項または第2項に記載の泳動用ゲル載置
    台。
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