JP2568811B2 - 屠体の皮剥装置 - Google Patents

屠体の皮剥装置

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JP2568811B2
JP2568811B2 JP6227835A JP22783594A JP2568811B2 JP 2568811 B2 JP2568811 B2 JP 2568811B2 JP 6227835 A JP6227835 A JP 6227835A JP 22783594 A JP22783594 A JP 22783594A JP 2568811 B2 JP2568811 B2 JP 2568811B2
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敏之 石引
寿雄 泉保
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食肉生産技術研究組合
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  • Apparatuses For Bulk Treatment Of Fruits And Vegetables And Apparatuses For Preparing Feeds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屠体の皮剥ぎを自動的
に行うようにした屠体の皮剥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、豚等の家畜の屠殺処理において
は、屠体の表面からの皮の剥ぎ取り処理が必要であり、
かかる屠体の皮剥処理の方法として従来より図7に示す
ようなスリット溝を利用した方法が採用されている。即
ち、この従来の皮剥方法は、屠体Tの一側にその体長方
向へ向けて直線状に皮Taを切り裂き、さらにその切り
裂き部分の近傍を作業者が手作業で剥ぎ取った後、その
剥ぎ取られた皮Taの端部、即ち、皮端Ta1を、上下
方向に向けて配置された屠体支持板82のスリット状の
皮引出し溝83から他方側へ引き出し、屠体を屠体支持
ロール81,81によって横転させながら順次屠体Tの
表面から皮Taを剥ぎ取る方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる従来
の皮剥方法によれば、皮剥作業時に皮Taが剥がされた
後の肉質部分が直接屠体支持板82あるいは屠体支持ロ
ール81に接触することから屠体Tの肉質が損なわれた
り、また剥がされた皮Taが皮引出し溝83との接触に
よって損傷を受けて商品価値が低下する等の問題があっ
た。
【0004】かかる従来の皮剥方法における問題を解決
する方法として、例えば屠体を吊下支持し、皮端を屠体
の体長方向(即ち、上下方向)に引張し、屠体及び皮を
周辺の機材と接触させることなく皮剥ぎを行う方法が考
えられる。
【0005】しかし、このように屠体を吊下支持した状
態で、皮をその体長方向に引張して皮剥ぎを行う場合に
は、その皮剥ぎ張力が直接屠体に対してその体長方向、
即ち、背骨方向にかかることから、場合によっては過大
な張力の負荷によって背骨が脱臼し、その結果、屠体T
の表面側の肉質は良好に維持されるものの、背骨近傍の
肉質が低下し商品価値が大きく損なわれるという問題が
生じる虞れがある。
【0006】そこで本発明は、屠体を吊下支持した状態
で皮剥ぎを行う場合の利点、即ち、屠体の表面側の肉質
及び剥ぎ取られた皮の品質維持を図りつつ、背骨の脱臼
に起因する屠体内部側の肉質の悪化をも同時に防止し得
るようにした屠体の皮剥装置を提供せんとしてなされた
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明ではかかる課題を
解決するための具体的手段として、屠体の上端部に掛止
されて該屠体を吊り下げ状態で支持する屠体支持手段
と、上記屠体の下端部に掛止されて該屠体に対して下方
向きに所定の張力を付与する屠体引張手段と、上記屠体
の下端近傍部分から剥がされた皮端を把持する皮端把持
手段と、上記皮端把持手段を上記屠体に沿ってその下端
側から上端側へ移動させて該皮端に上方向きに所定の皮
剥ぎ張力を付与する皮剥ぎ張力付与手段と、上記屠体の
上端近傍に対して下方向きに所定のバックアップ力を付
与せしめるバックアップ力付与手段と、上記皮端把持手
段の皮端把持作用を解除せしめる皮端把持解除手段とを
備えたことを特徴としている。
【0008】
【発明の作用・効果】本発明ではかかる構成とすること
により次のような作用・効果が得られる。即ち、屠体吊
下支持手段によりその上端部が吊下支持されるとともに
その下端部が屠体引張手段により下方に向けて引張され
た屠体の下端部近傍から剥がされた皮の皮端を皮端把持
手段によって把持し、かかる状態で上記皮端把持手段を
皮剥ぎ張力付与手段により上方へ移動させることで該皮
に所定の皮剥ぎ張力が作用し、屠体表面からその皮が順
次上端側に向けて剥がされる。屠体から剥がされた皮
は、皮端把持解除手段によって上記皮端把持手段の把持
作用が解除されることで皮剥装置から取り出される。
【0009】この場合、屠体の上端部を屠体吊下支持手
段により吊下支持し、下端部を上記屠体引張手段によっ
て引張したのみで、上記皮剥ぎ張力付与手段によって屠
体に皮剥ぎ張力をかけると、屠体に対して上記屠体引張
手段の掛止位置と皮剥が行われている部位との間に上記
皮剥ぎ張力が屠体の体長方向、即ち、背骨方向に直接作
用し、屠体の背骨に脱臼が生じて背骨近傍の肉質の悪化
を招くことになる。
【0010】ところが、本発明においては、屠体の上端
部にバックアップ力付与手段によって下方向き(即ち、
皮剥ぎ張力の方向に対向する方向)に所定のバックアッ
プ力をかけるようにしていることから、屠体においては
上記皮剥ぎ張力が上記バックアップ力によって減殺さ
れ、その背骨部分に過大な張力が作用することがなく、
結果的に背骨の脱臼が抑制され、背骨の脱臼に起因する
屠体内部の肉質悪化が防止されるものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の屠体の皮剥装置を添付図面に
基づいて具体的に説明すると、図1及び図2には、本発
明の実施例にかかる豚用の皮剥ぎ装置Zを示している。
この皮剥ぎ装置Zは、後述する屠体吊下支持手段Aによ
ってその足部Tc部分が逆さ吊り状に吊下支持されると
ともにその下端に位置する頭部Tbが後述する屠体引張
手段Bによって下方に引張された屠体Tを処理対象と
し、この屠体Tの皮Taを、後述の支柱60に対してそ
れぞれ配置された後述の皮端把持手段Cと皮剥ぎ張力付
与手段Dとバックアップ力付与手段Eと皮端把持解除手
段Fと屠体回止手段G及び電気ショック付与手段Hの共
働作用により、自動的に且つ肉質悪化あるいは皮の損傷
を招くことなく剥ぎ取るものである。以下、これら各手
段等の構成を順次説明する。
【0012】支柱60 支柱60は、前後及び幅方向にそれぞれ所定間隔をもっ
て立設された4本の縦材61,61,62,62を複数
の継材64,64,・・で連結して櫓状とするととも
に、左右一対の縦材62,62の間には、相互に所定間
隔をもって上下方向に延びる左右一対の装置固定材6
3,63を配置し、さらに該装置固定材63,63より
前方で且つこれらより幅方向内側位置には所定間隔をも
って上下方向へ延びる左右一対のチェーンガイドレール
65,65を取り付けて構成される。
【0013】屠体吊下支持手段A 屠体吊下支持手段Aは、屠体Tを逆さ吊り状態で吊下支
持するためのものであって、順次水平方向に搬送される
ハンガー1の下端に「八」字状に開脚する二又フック2
を取り付けて構成される。そして、この二又フック2
は、図1、図2及び図6に示すように、その二つのフッ
ク部分を上記屠体Tの両方の足部Tc,Tcに内側から
掛けることで該屠体Tを逆さ吊り状態で支持する。尚、
この二又フック2の回り止め、即ち、屠体Tの回り止め
は後述の屠体回止手段Gによってなされる。また、二又
フック2の屠体Tへの掛止は、皮剥工程に至る以前の工
程において作業者の手作業により行われる。
【0014】屠体引張手段B 屠体引張手段Bは、上記屠体吊下支持手段Aによって逆
さ吊り状態で吊下支持された上記屠体Tの頭部Tbを下
方に所定の引張力で引張して皮剥時における屠体Tの姿
勢保持を行うためのものであって、上記屠体Tの下顎部
分に掛けられるフック3をワイヤロープ4を介してエア
シリンダ5によって下方へ引張し得る如くして構成され
る。尚、この二又フック2の屠体Tへの掛止は、上記屠
体吊下支持手段Aにより吊下支持された状態で屠体Tが
皮剥工程に搬入された後において作業者により手作業に
て行われる。
【0015】皮端把持手段C 皮端把持手段Cは、上記屠体Tの皮Taの皮端Ta1
把持するとともに、後述の皮剥ぎ張力付与手段Dによっ
て上下方向に移動せしめられることで該皮Taを所定の
皮剥ぎ張力で順次剥ぎ取るものであって、その詳細を図
3〜図5に示している。即ち、この皮端把持手段Cは、
所定間隔をもって対向配置された左右一対の側板7,7
を継板8及び継板9によって連結してこれらを一体化し
てなる本体フレーム6を備えている。そして、この本体
フレーム6は、上記継板8を後述するチェーン31のリ
ンク36に連結することで該チェーン31側にその上部
が支持されるとともに、上記側板7,7の下端にそれぞ
れ設けた走行ローラ25,25を上記チェーンガイドレ
ール65の側部に並設したローラガイドレール66,6
6にそれぞれ転動可能に当接させることで、該チェーン
31の走行に伴って上下方向に移動可能とされている。
【0016】また、上記本体フレーム6の上記一対の側
板7,7の間には、後述する第1把持ロール11と第2
把持ロール12と第3把持ロール13とが配置されてい
る。
【0017】上記第1把持ロール11は、その両端部に
延設したロール軸19を、上記側板7に形成した長穴1
8を通して該側板7の外側に配置された第1揺動レバー
14の長穴17に係入させている。また、この第1揺動
レバー14は、その一端が枢支ピン20により上記側板
7に対してその面に沿う方向(上下方向)に揺動可能に
枢支されている。従って、この第1揺動レバー14は、
図3に示す位置と図5に示す位置との間で揺動すること
により、上記第1把持ロール11を図3に示す如く該第
1把持ロール11がチェーン走行方向手前側に位置する
第1位置と、図5に示す如く該第1把持ロール11がチ
ェーン走行方向の前方側に位置する第2位置の二位置に
択一的に設定することになる。尚、この第1把持ロール
11の位置設定は、第1揺動レバー14を作業者が手動
操作することで行われる。また、この第1揺動レバー1
4の揺動端には、皮端把持手段Cと屠体Tとの直接的な
接触を防止するための屠体接触ローラ30が取り付けら
れている。
【0018】上記第2把持ロール12は、その両軸端
を、上記各側板7,7側にそれぞれ枢支ピン21を介し
て揺動可能に枢支した第2揺動レバー15,15の一端
にそれぞれ固定することで本体フレーム6側に支持され
ている。また、この第2揺動レバー15の他端は操作部
23とされている。
【0019】上記第3把持ロール13は、その両軸端
を、上記各側板7,7側にそれぞれ枢支ピン22を介し
て揺動可能に枢支した第3揺動レバー16,16の一端
にそれぞれ固定することで本体フレーム6側に支持され
ている。また、この第3揺動レバー16,16の他端に
は、上記各側板7,7の外側へそれぞれ突出状態で把持
解除ローラ24,24が取り付けられている。
【0020】さらに、この第2揺動レバー15と第3揺
動レバー16とは、それぞれリンクピン27,28によ
りリンクレバー26の両端にそれぞれ連結されており、
該リンクレバー26の揺動規制作用により上記第2揺動
レバー15と第3揺動レバー16は連動せしめられる。
即ち、図3に示すように上記操作部23を操作して第2
揺動レバー15を内側へ押し倒すと、これに連動して上
記第3揺動レバー16も内側へ押し倒され、上記第2把
持ロール12と第3把持ロール13とが当接可能とされ
る(以下においては、この状態をロール接近状態とい
う)。尚、このロール接近状態においては、第2把持ロ
ール12及び第3把持ロール13が第1位置に位置設定
された上記第1把持ロール11の直上方に位置する。
【0021】これとは逆に、図5に示すように、上記把
持解除ローラ24が上記チェーンガイドレール65の背
面側に設けた(図1参照)ガイド部材53に当接して上
記第3揺動レバー16が外側に引き起こされると、これ
に連動して上記第2揺動レバー15も外側に引き起こさ
れ、上記第2把持ロール12と第3把持ロール13の間
には上記第1把持ロール11の通過を許容し得る空間が
形成される(以下においては、この状態をロール拡開状
態という)。尚、このロール拡開状態においては、第2
把持ロール12及び第3把持ロール13は、第2位置に
位置設定されている上記第1把持ロール11よりも下方
に位置する。
【0022】また、上記リンクレバー26と上記側板7
との間には、常時上記第2把持ロール12と第3把持ロ
ール13をロール接近状態にすべく上記リンクレバー2
6を付勢するスプリング29が取り付けられている。
【0023】従って、図5に示すように、上記第1把持
ロール11を第2位置に設定し、また上記第2把持ロー
ル12と第3把持ロール13とを上記スプリング29の
付勢力に抗してロール拡開状態に設定した場合には、上
記屠体Tの皮端Ta1を上記第2把持ロール12の上側
を回して上記第1把持ロール11の下側に通し、さらに
上記第3把持ロール13の上側から回し込んで取り出す
ことができる。さらに、この状態において、先ず、上記
第1揺動レバー14を押し下げて第1把持ロール11を
第2位置に設定するとともに、上記スプリング29にサ
ポートされながら上記操作部23を操作して上記第2把
持ロール12と第3把持ロール13をロール接近状態に
設定すると、図3に示すように、上記皮端Ta1は上記
各ロール11,12,13の三者に挟持される。そし
て、この挟持状態では、上記皮端Ta1にこれを矢印f
方向に引張する力が作用すると上記各ロール11,1
2,13間の挟持力(接触力)がさらに増強され上記皮
端Ta1を強固に把持することとなる(即ち、上記各ロ
ール11,12,13はトグル機構を構成し強力な把持
力を発生するものである。
【0024】一方、図3に示す皮端把持状態において、
上記把持解除ローラ24が上記ガイド部材53に当接す
ると、上記第2把持ロール12と第3把持ロール13と
がロール拡開状態に設定される。この場合、上記ガイド
部材53が上記チェーンガイドレール65の背面側にあ
って上記皮端把持手段Cは図3及び図5に示す状態とは
天地が逆になった状態である。従って、この場合には、
上記第2把持ロール12と第3把持ロール13とがロー
ル拡開状態となって上記第1把持ロール11の拘束を解
除すると、該第1把持ロール11はその自重によって下
方に(図5では紙面上方側)に落下して第1位置に設定
され、上記皮端Ta1は図5において符号Ta1′で示す
ように上記各第2把持ロール12及び13から離れて第
1把持ロール11側に移り、さらにそれ自身の自重にて
下方へ落下排出されることになる。
【0025】尚、上記皮端把持手段Cは、図1に示すよ
うに、後述するチェーン31の周方向に等間隔をもって
3個配置されている。また、この実施例では、上記ガイ
ド部材53と上記皮端把持手段Cの把持解除ローラ24
とで皮端把持解除手段Fが構成されている。
【0026】皮剥ぎ張力付与手段D 皮剥ぎ張力付与手段Dは、図1及び図2に示すように、
上記各皮端把持手段Cが取り付けられるとともに上記チ
ェーンガイドレール65の上端側に配置したスプロケッ
ト32と下端側に配置したスプロケット33の間に掛け
回されて該チェーンガイドレール65に沿って上下方向
に走行するチェーン31と、該チェーン31を駆動する
駆動モータ34とで構成されている。また、このチェー
ン31の上記各皮端把持手段C,C,Cの取付位置より
もチェーン走行方向の手前側にはそれぞれ剥ぎ取られる
皮Taがチェーン31側に接触するのを防止するために
ガイドプレート55と複数枚のスラットコンベア54,
54,・・とがそれぞれ取り付けられている。さらに、
上記スプロケット32の側方には、剥ぎ取られた皮Ta
が該スプロケット32に接触するのを防止するためのガ
イドドラム38が取り付けられている。また、上記チェ
ーンガイドレール65の背面側には、上記皮端把持手段
Cの把持状態を解除するための上記ガイド部材53と、
上記ガイドドラム38部分を通過してチェーンガイドレ
ール65の背面側に回り込んだ皮Taの幅方向への広が
りを規制する左右一対のフォーク状ガイド56,56
と、上記ガイド部材53の位置において上記皮端把持手
段Cから放された皮Taの幅方向への広がりを規制して
これをその下方に設けたシュータ58側に寄せるための
ガイドプレート57とが設けられている。
【0027】バックアップ力付与手段E バックアップ力付与手段Eは、上記屠体吊下支持手段A
によって吊下支持された屠体Tから上記皮端把持手段C
及び皮剥ぎ張力付与手段Dによってその皮Taを剥ぎ取
る際に、該屠体Tの足部Tc,Tcの付け根の股部Td
に、上方から下方に向かって所定のバックアップ力をか
けることで、皮剥ぎ張力によって屠体Tの頭部Tbと剥
ぎ取りが進行中の部位との間においてその体長方向(即
ち、背骨方向)にかかる引張力を減殺し、もって背骨の
脱臼を防止するためのものであって、図1、図2及び図
6に示すように、上記装置固定材63側に設けた枢支軸
41の両軸端から湾曲状に延出する左右一対の揺動アー
ム42,42を備えている。この揺動アーム42,42
の先端部(揺動端)は、連結バー46を介して一体的に
連結されるとともに、該連結バー46には支持アーム4
3を介して4個のバックアップローラ44,44,・・
が放射状に配置されている。また、上記揺動アーム4
2,42は、その一方の揺動アーム42側に設けた油圧
シリンダ45を介して、図1に実線図示する稼働位置と
鎖線図示する退避位置の二位置間で揺動可能とされてい
る。そして、揺動アーム42が稼働位置に設定された状
態においては、上記各バックアップローラ44,44,
・・が屠体Tの股部Tdの内側に上方側から当接してこ
れに所定のバックアップ力をかけることができるように
なっている。
【0028】尚、このバックアップ力付与手段Eによる
バックアップ力の大きさは、例えば次のようにして設定
される。即ち、上記皮剥ぎ張力付与手段Dにより与えら
れる皮剥ぎ張力をF1=300kg、屠体Tの背骨に脱臼
が発生すると思われる最大引張力をF2=120kgと仮
定した場合には、脱臼を防止するに必要なバックアップ
力F3は、F3=F1−F2=300kg−120kg=180
kg以上となる。
【0029】屠体回止手段G 屠体回止手段Gは、皮剥作業時に上記屠体Tが回転する
と剥がされた皮Taが捩れてそれ以後の皮剥作業が困難
になるとか、皮Taが損傷する等のことが考えられるの
で、該屠体Tの回転を止めるために設けられるものであ
り、この実施例においては上記バックアップ力付与手段
Eの揺動アーム42の先端部分に付設し、該バックアッ
プ力付与手段Eが稼働位置に設定された時にこれに連動
して作動し得るようにしている。即ち、屠体回止手段G
は、上記各揺動アーム42,42の先端にそれぞれ揺動
アーム50,50を取り付けるとともに、該一対の揺動
アーム50,50の一端をそれぞれエアシリンダ49,
49に連結し、また他端を回止ロッド51によって連結
して構成されている。そして、上記バックアップ力付与
手段Eが稼働位置に設定された時に、上記各エアシリン
ダ49,49を縮小させて上記回止ロッド51を前方へ
押し出し、この回止ロッド51を上記二又フック2にそ
の一方側から押し当てることで該二又フック2の回転を
阻止し、もって屠体Tの回り止めを行うものである。
【0030】電気ショック付与手段H 電気ショック付与手段Hは、上記バックアップ力付与手
段Eによる屠体Tの背骨の脱臼防止作用をさらにアシス
トするためのものであって、皮剥位置が脱臼の生じやす
い位置に達した時に屠体Tに通電してその筋肉に収縮作
用を起こさせ、これによって背骨の脱臼を抑制するため
のものである。具体的には、図1及び図2に示すよう
に、上記装置固定材63に取り付けられた枢支軸70の
両端にそれぞれアーム68,68を取り付けるととも
に、該各アーム68,68のそれぞれに電極を設けてこ
れらの間に通電させるようにしている。また、上記各ア
ーム68,68は、その一方のアーム68に取り付けた
エアシリンダ67によって、図1に実線図示するように
上記アーム68が前方へ延出して上記各電極板69,6
9が屠体Tに当接する稼働位置と、鎖線図示するように
上記アーム68が後退して上記各電極板69,69が屠
体Tから離間する退避位置の二位置に択一的に設定可能
としている。
【0031】作動説明 続いて、上述の如く構成された皮剥ぎ装置Zを使用して
実際に屠体Tからその皮Taを剥ぎ取る場合の作動状態
をその作業手順に従って説明する。
【0032】先ず最初に、屠体Tを皮剥ぎ装置Zにセッ
トする。即ち、屠体Tが屠体吊下支持手段Aによって吊
下状態で搬入されてくると、先ず、屠体回止手段Gを作
動させてこれを稼働位置に設定して上記二又フック2の
回転を止め、屠体Tの回り止めを行う。この屠体Tの回
り止めの完了信号を受けた時点で、バックアップ力付与
手段Eを作動させ、これを稼働位置に設定し、その各バ
ックアップローラ44,44,・・を屠体Tの股部Td
に上方から所定のバックアップ力で押し当ててこれをバ
ックアップする。しかる後、上記屠体引張手段Bを作動
させて、上記フック3を屠体Tの下顎部分に掛け、屠体
Tに所定の引張力を下方に向けてかける。以上で皮剥ぎ
装置Zへの屠体Tのセットが完了する。
【0033】次は屠体Tの皮Taを皮端把持手段Cに把
持させる。即ち、皮端把持手段Cが吊下支持状態にある
屠体Tの頭部Tb側の皮剥待機位置(図1において最下
端に図示されている皮端把持手段Cの位置)に達した時
点においては、該皮端把持手段Cはここに到達する以前
の把持解除位置(図1において中段に図示された皮端把
持手段Cの位置)において既に上記ガイド部材53によ
って把持解除操作がなされ、その第2把持ロール12と
第3把持ロール13はロール拡開状態とされている。従
って、この皮剥待機位置では、作業者は手動にて第1把
持ロール11を第2の位置に設定し、この状態で、屠体
Tの頭部Tb側から剥ぎ取って引き出した皮端Ta1
該第1把持ロール11とその下方位置にある上記第2把
持ロール12及び第3把持ロール13の間に引き入れ
る。しかる後、該第1把持ロール11を押し下げてこれ
を第1の位置に設定するとともに、操作部23を操作し
て上記第2把持ロール12と第3把持ロール13とをロ
ール接近状態に設定し、これら三つの把持ロール11,
12,13によって上記皮端Ta1を把持する。この場
合、この皮端把持手段Cが三つの把持ロール11,1
2,13によって皮端Ta1を挟持する構造であるた
め、この皮端Ta1に穴を空けたり傷つけたりすること
がなく、品質のよい皮Taを得ることができるものであ
る。
【0034】皮端Ta1の把持作業が完了すると、皮剥
作業の開始スイッチ(図示省略)を操作し、上記駆動モ
ータ34を機動してチェーン31を上方へ向けて走行さ
せて上記皮端Ta1に所定の皮剥ぎ張力をかけると同時
に、上記エアシリンダ5を作動させて屠体Tの下顎を下
方へ引く。すると、上記皮端把持手段Cの上動変位に伴
って上記皮端Ta1が上方へ引き上げられることで皮T
aが屠体Tから順次剥ぎ取られることになる。
【0035】この場合、上述のように、屠体Tの股部T
dにバックアップ力付与手段Eによって所定のバックア
ップ力が下方へ向けてかけられていることで、屠体Tの
下顎と皮剥ぎが行われている部位との間にかかる体長方
向の引張力は、上記皮剥ぎ張力そのものではなく、上記
バックアップ力によって減殺された引張力しかかからな
い。例えば、上述の如き方法によってバックアップ力を
算定した場合には屠体Tにかかる体長方向(背骨方向)
の引張力は背骨に脱臼が発生すると思われる引張力以下
に抑えられる。従って、皮剥ぎ作業に伴って屠体Tの背
骨部分に過大な引張力がかかって脱臼し屠体Tの内部肉
質が悪化するということが確実且つ未然に防止され、品
質の良い肉質部が得られるものである。即ち、屠体Tを
吊り下げ状態でその下方側から上方に向けて皮剥ぎを行
う場合の利点、即ち屠体Tの周辺機材への接触等による
表面側の肉質悪化の防止、あるいは剥ぎ取られた皮Ta
の損傷防止という利点を保持しつつ、さらに背骨の脱臼
に起因する内部肉質の悪化をも防止することができるも
のである。
【0036】また、この場合、皮剥ぎ位置が脱臼の起こ
りやすい部位の近傍に達した時点で上記電気ショック付
与手段Hを作動させて屠体Tの筋肉を収縮させること
で、屠体Tの脱臼をさらに抑制することができるもので
ある。尚、この実施例の皮剥ぎ装置Zには装備していな
いが、皮剥時に屠体Tの表面を適度に叩くことで肉質部
の表面の脂肪が皮Taに付着して肉質部から剥離される
のを抑制することができる。
【0037】上記皮端把持手段Cが皮剥完了位置(図1
において最上段に図示する皮端把持手段Cの位置よりも
所定寸法だけ上方に設定される位置)に達すると、その
完了信号を受けて上記バックアップ力付与手段Eが稼働
位置から待機位置に作動してバックアップ力を解除する
とともに、上記屠体引張手段Bによる引張力が解除され
る。従って、皮剥ぎの完了した屠体Tは屠体吊下支持手
段Aによって次工程に搬送されるとともに、新たな屠体
Tが皮剥位置に搬入される。
【0038】一方、屠体Tから完全に剥ぎ取られた皮T
aは、上記皮端把持手段Cの走行に伴ってそのまま上方
に引き上げられた後、チェーン31の折り返しに伴って
装置の背面側に移行し、上記皮端把持手段Cが上記ガイ
ド部材53に達して把持作用が解除されると、上記ガイ
ドプレート57に案内されて上記シュータ58側に排出
される。以上で一つの屠体Tに対する皮剥作業のすべて
が終了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる屠体の皮剥装置の側面
図である。
【図2】図1のII-II矢視図である。
【図3】図1に示した皮端把持手段の皮端把持状態にお
ける拡大図である。
【図4】図3のIV-IV矢視図である。
【図5】図3に示した皮端把持手段の状態変化図であ
る。
【図6】図1のVI-VI拡大矢視図である。
【図7】従来の屠体の皮剥作業の説明図である。
【符号の説明】
1はハンガー、2は二又フック、3はフック、4はワイ
ヤロープ、5はエアシリンダ、6は本体フレーム、7は
側板、8及び9は継板、11は第1把持ロール、12は
第2把持ロール、13は第3把持ロール、14は第1揺
動レバー、15は第2揺動レバー、16は第3揺動レバ
ー、17及び18は長穴、19はロール軸、20〜22
は枢支ピン、23は操作部、24は把持解除ローラ、2
5は走行ローラ、26はリンクレバー、27はリンクピ
ン、28はリンクピン、29はスプリング、30は屠体
接触ローラ、31はチェーン、32はスプロケット、3
3はスプロケット、34は駆動モータ、35及び36は
リンク、38はガイドドラム、41は枢支軸、42は揺
動アーム、43は支持アーム、44はバックアップロー
ラ、45は油圧シリンダ、46は連結バー、49はエア
シリンダ、50は揺動アーム、51は回止ロッド、53
はガイド部材、54はスラットコンベア、55はガイド
プレート、56はフォーク状ガイド、57はガイドプレ
ート、58はシュータ、61及び62は縦材、63は装
置固定材、64は継材、65はチェーンガイドレール、
66はローラガイドレール、67はエアシリンダ、68
はアーム、69は電極板、70は枢支軸、Aは屠体吊下
支持手段、Bは屠体引張手段、Cは皮端把持手段、Dは
皮剥ぎ張力付与手段、Eはバックアップ力付与手段、F
は皮端把持解除手段、Gは屠体回止手段、Hは電気ショ
ック付与手段、Tは屠体、Taは皮、Ta1は皮端、T
bは頭部、Tcは足部、Tdは股部、Zは皮剥ぎ装置で
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屠体の上端部に掛止されて該屠体を吊り
    下げ状態で支持する屠体支持手段と、上記屠体の下端部
    に掛止されて該屠体に対して下方向きに所定の張力を付
    与する屠体引張手段と、 上記屠体の下端近傍部分から剥がされた皮端を把持する
    皮端把持手段と、 上記皮端把持手段を上記屠体に沿ってその下端側から上
    端側へ移動させて該皮端に上方向きに所定の皮剥ぎ張力
    を付与する皮剥ぎ張力付与手段と、 上記屠体の上端近傍に対して下方向きに所定のバックア
    ップ力を付与せしめるバックアップ力付与手段と、 上記皮端把持手段の皮端把持作用を解除せしめる皮端把
    持解除手段とを備えたことを特徴とする屠体の皮剥装
    置。
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