JP2790441B2 - 剥皮装置における皮端把持装置 - Google Patents

剥皮装置における皮端把持装置

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JP2790441B2
JP2790441B2 JP1982896A JP1982896A JP2790441B2 JP 2790441 B2 JP2790441 B2 JP 2790441B2 JP 1982896 A JP1982896 A JP 1982896A JP 1982896 A JP1982896 A JP 1982896A JP 2790441 B2 JP2790441 B2 JP 2790441B2
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gripping claw
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敏之 石引
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、屠体の剥皮作業
に際して剥皮始端部を把持する剥皮装置における皮端把
持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屠体から皮を剥ぎ取る場合の方法の一つ
として、吊下支持した屠体の下端側あるいは上端側にお
いて皮の一部を剥ぎ、その剥皮始端部を把持してこれを
屠体の体長方向(即ち、上下方向)に引張し順次剥皮を
行う方法が知られている。
【0003】そして、かかる剥皮始端部の把持及びその
引張を機械的に行うものとして、本件出願人は既に皮端
把持装置及びこれを備えた剥皮装置を提案している(特
願平6−227835号 参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
屠体の剥皮を行うに際して剥皮始端部を把持し且つこれ
を引張する場合、該剥皮始端部の把持作業における手作
業の範囲をできるだけ少なくして作業効率の向上を図る
とともに、剥皮始端部の損傷を防いで皮の商品価値の維
持を図ることが要求される。
【0005】そこで本願発明は、かかる剥皮作業におけ
る要請に応えるべくなされたものであって、皮端把持作
業における作業効率及び作業の確実性を図り得るように
した剥皮装置における皮端把持装置を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0007】本願の第1の発明にかかる剥皮装置におけ
る皮端把持装置では、吊下支持された屠体に沿って上下
方向に移動せしめられる移動基台を備えるとともに、該
移動基台に、上下方向に対向配置され且つ所定間隔をも
って接近対向する接近位置と離間対向する離間位置との
間で相互に接離自在とされた第1及び第2把持爪と、上
記第1把持爪と第2把持爪とが離間位置に設定された状
態においては該第1把持爪と第2把持爪との対向隙間を
通ってこれらの前方側へ延出する前方延出位置と後方側
へ延出する後方延出位置とに位置設定される如く該第1
把持爪と第2把持爪とに対して相対移動可能とされる一
方上記第1把持爪と第2把持爪とが接近位置に設定され
た状態においては上記対向隙間の通過が阻止される第3
把持爪とを設け、さらに上記第1、第2及び第3把持爪
の作動形態を、上記剥皮始端部の把持時には上記第1及
び第2把持爪が離間位置に設定された状態において上記
第3把持爪がその前方延出位置から後方延出位置に移動
するとともに該第3把持爪の移動後において上記第1及
び第2把持爪が接近位置に位置設定される如く設定した
ことを特徴としている。
【0008】本願の第2の発明にかかる剥皮装置におけ
る皮端把持装置では、上記第1の発明にかかる皮端把持
装置において、上記第1把持爪と第2把持爪の形状をそ
の接近位置においては上記屠体寄りの前方側から反屠体
寄りの後方側に向けて上記対向隙間が次第に拡大する如
く設定する一方、上記第3把持爪の断面形状を上記前方
側から後方側に向けてその厚さ寸法が次第に拡大する略
楔状に設定したことを特徴としている。
【0009】本願の第3の発明にかかる皮端把持装置で
は、上記第2の発明にかかる皮端把持装置において、上
記第3把持爪をその軸方向において複数個の爪ピースに
分割形成するとともに、該複数個の爪ピースを相互に前
後方向へ相対移動可能としたことを特徴としている。
【0010】本願の第4の発明にかかる皮端把持装置で
は、上記第1、第2又は第3の発明にかかる皮端把持装
置において、上記第1、第2及び第3把持爪のうち、上
記第1把持爪はこれを固定配置とし、上記第2把持爪は
これを第1揺動アームの揺動により上記第1把持爪に対
して接離作動する如く構成し、上記第3把持爪はこれを
第2揺動アームの揺動により上記前方延出位置と後方延
出位置との間で移動する如く構成する一方、上記第1揺
動アーム及び第2揺動アームを上記移動基台とは別配置
の第1及び第2駆動手段によりそれぞれ駆動させるよう
に構成したことを特徴としている。
【0011】本願の第5の発明にかかる皮端把持装置で
は、上記第4の発明にかかる皮端把持装置において、上
記第1及び第2駆動手段が、一辺が固定され且つ適宜の
駆動源により該一辺側を中心として揺動駆動される平行
リンクと、直状に延びるガイド部を備え且つ上記平行リ
ンクの上記一辺に対向する他辺に対して該ガイド部の直
状方向が上記移動基台の移動方向と平行となるように取
り付けられたガイド部材とを備えるとともに、上記ガイ
ド部材のガイド部を上記第1及び第2揺動アームにそれ
ぞれ設けた係合部の上記移動基台の移動に伴う変位を許
容するとともに該移動基台の移動方向に直交する方向に
おいては上記係合部と係合して上記第1及び第2揺動ア
ームを揺動駆動させ得る如く構成したことを特徴として
いる。
【0012】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0013】 本願の第1の発明にかかる剥皮装置に
おける皮端把持装置によれば、第1及び第2把持爪を離
間位置に設定した状態で第3把持爪をその前方延出位置
に設定し、この状態で上下方向に対向する上記第1及び
第2把持爪とこれらの前方に位置する上記第3把持爪と
の隙間に、屠体の一部から剥ぎ取った剥皮始端部を上側
から垂らし込む。この状態で、上記第3把持爪を上記第
1及び第2把持爪の対向隙間を通して上記前方延出位置
から後方延出位置に移動させると、該第3把持爪の移動
に伴って上記剥皮始端部は該第3把持爪の外側に巻かけ
られた二つ折り状態で上記第1及び第2把持爪の間を通
ってその後方側に引き込まれる。ここで、上記第1及び
第2把持爪を離間位置から接近位置に作動させると、該
第1及び第2把持爪によって上記第3把持爪の前方延出
位置側への移動が規制されるので、上記剥皮始端部は上
記第1及び第2把持爪と上記第3把持爪の三者間におい
て挟着状態で把持される。
【0014】従って、この第1の発明にかかる皮端把持
装置によれば、剥皮始端部を皮端把持装置に把持させる
に際して作業者は屠体から一部剥ぎ取られた剥皮始端部
を上記第1及び第2把持爪とこれの前方に位置する上記
第3把持爪との隙間に通すだけで良く、特に上記隙間の
位置と屠体からそのまま垂れ下がった剥皮始端部の垂れ
下がり位置とが上下方向において対応するように位置設
定をすればかかる手作業による剥皮始端部の通し作業も
省略でき、皮端把持作業における手作業が少なくなる分
だけ作業性が向上するとともに衛生的な作業が実現でき
るものである。
【0015】 本願の第2の発明にかかる剥皮装置に
おける皮端把持装置によれば、上記に記載の効果に加
えて次のような効果が奏せられる。即ち、上記第1把持
爪と第2把持爪の形状をその接近位置においては上記屠
体寄りの前方側から反屠体寄りの後方側に向けて上記対
向隙間が次第に拡大する如く設定する一方、上記第3把
持爪の断面形状を上記前方側から後方側に向けてその厚
さ寸法が次第に拡大する略楔状に設定しているので、上
記剥皮始端部はこれら三つの把持爪による楔作用により
確実に把持され把持作業の信頼性が確保されるととも
に、例えばこれら各把持爪をロールで構成した場合に比
して剥皮始端部に対する把持面積が大きいことから把持
部分の面圧が減少しそれだけ剥皮始端部の損傷が抑制さ
れ皮の品質維持にも寄与できるものである。
【0016】 本願の第3の発明にかかる剥皮装置に
おける皮端把持装置によれば、上記に記載の効果に加
えて次のような効果が奏せられる。即ち、上記第3把持
爪をその軸方向において複数個の爪ピースに分割形成す
るとともに、該複数個の爪ピースを相互に前後方向へ相
対移動可能としているので、該第3把持爪の幅方向にお
いて上記剥皮始端部の厚さが変化している場合には、上
記爪ピースが適宜に前後方向へ移動してこれら各爪ピー
スと上記第1把持爪及び該各爪ピースと第2把持爪との
間隔が増減調整され、これにより剥皮始端部の厚さの変
化に拘わらず剥皮始端部の全域において常時適正な把持
作用が実現されその作業上の信頼性がさらに高められ
る。
【0017】 本願の第4の発明にかかる剥皮装置に
おける皮端把持装置によれば、上記,又はに記載
の効果に加えて次のような効果が奏せられる。即ち、上
記第1、第2及び第3把持爪のうち、上記第1把持爪は
これを固定配置とし、上記第2把持爪はこれを第1揺動
アームの揺動により上記第1把持爪に対して接離作動す
る如く構成し、上記第3把持爪はこれを第2揺動アーム
の揺動により上記前方延出位置と後方延出位置との間で
移動する如く構成する一方、上記第1揺動アーム及び第
2揺動アームを上記移動基台とは別配置の第1及び第2
駆動手段によりそれぞれ駆動させるように構成している
ので、上記移動基台の移動に伴って上記第2把持爪と第
3把持爪とは上記第1及び第2駆動手段により自動的に
作動せしめられる。従って、例えばかかる駆動手段を上
記移動基台側に設ける場合に比して、皮端把持装置の構
造の簡略化が図れ、また皮端把持装置を複数基備えた剥
皮装置においては一組の駆動手段で全ての皮端把持装置
に対応することができ剥皮装置全体の構造の簡略化も図
れるものである。
【0018】 本願の第5の発明にかかる剥皮装置に
おける皮端把持装置によれば、上記に記載の効果に加
えて次のような効果が奏せられる。即ち、上記第1及び
第2駆動手段を、一辺が固定され且つ適宜の駆動源によ
り該一辺側を中心として揺動駆動される平行リンクと、
直状に延びるガイド部を備え且つ上記平行リンクの上記
一辺に対向する他辺に対して該ガイド部の直状方向が上
記移動基台の移動方向と平行となるように取り付けられ
たガイド部材とを備え、上記ガイド部材のガイド部を上
記第1及び第2揺動アームにそれぞれ設けた係合部の上
記移動基台の移動に伴う変位を許容するとともに該移動
基台の移動方向に直交する方向においては上記係合部と
係合して上記第1及び第2揺動アームを揺動駆動させ得
る如く構成しているので、上記ガイド部材は常時そのガ
イド部が上記移動基台の移動方向と平行となり、例え上
記移動基台の停止位置がその移動方向において多少ずれ
たとしてもそのずれ量が上記ガイド部の範囲内である限
り、上記ガイド部材により与えられる上記第1及び第2
揺動アームの変位量は同じとされる。従って、上記第1
及び第2駆動手段は、上記移動基台の停止位置のずれに
もかかわらず常時一定の駆動作用を維持することとな
り、延いては常時適正な皮端把持作用が実現され、それ
だけ作業上の信頼性がさらに高められることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる剥皮装置
における皮端把持装置を好適な実施形態に基づいて具体
的に説明する。
【0020】剥皮装置Zの全体構成 図1には、剥皮装置Zの全体構成を示しており、同図に
おいて符号1は床面上に立設配置された支持フレームで
あり、この支持フレーム1の前面の左右両側(図2参
照)には、該支持フレーム1に沿って前後一組のガイド
支柱2,3がそれぞれ立設固定されている。
【0021】この前後一組のガイド支柱2,3の上側位
置と下側位置には、それぞれスプロケット4,5が備え
られるとともに、該スプロケット4,5間にはチェーン
6が巻かけられている(尚、かかるスプロケット4,5
及びチェーン6の配置は、左右一対のガイド支柱2,3
及び同2,3において同様である(図2参照))。そし
て、この各チェーン6,6は、図示しない駆動装置によ
り矢印A方向に走行せしめられる(即ち、前面側のガイ
ド支柱2に沿って上昇走行するとともに、背面側のガイ
ド支柱3に沿って下降走行する)。また、この左右一対
のチェーン6,6には、後述する皮端把持手段Xの把持
機構X1がこれら両チェーン間6,6に跨がって取り付
けられている。
【0022】さらに、上記ガイド支柱2,3の前方位置
には、これと所定間隔をもって屠体吊下手段Pが配置さ
れている。この屠体吊下手段Pは、例えばガイドレール
(図示省略)により走行移動可能に吊下配置されたフッ
ク7で構成され、このフック7に屠体Wが逆さ吊り状に
吊下支持されて後述する皮端把持手段Xに対応する剥皮
作業位置まで搬送されるようになっている。また、この
屠体Wが剥皮作業位置まで搬送された時点で床面側に配
置した屠体引張手段Qにより屠体Wの下端に位置する下
顎部分を下方へ向けて引張するようになっている。この
ように上記屠体吊下手段Pにより吊下支持された屠体W
をさらに上記屠体引張手段Qにより下方へ引張した状態
において後述の皮端把持手段Xを使用した剥皮作業が行
われるものである。
【0023】尚、この実施形態における屠体Wの剥皮作
業は、該屠体Wの頭部寄り部分において一部分だけ手作
業により皮Vを剥ぎ、その剥がされた剥皮始端部Vaを
次述の皮端把持手段Xにより把持し且つこれを上方へ引
っ張り上げて頭部側から尻部側へ順次剥皮するようにし
ている。
【0024】皮端把持手段Xの構成等 以下、上記皮端把持手段Xの構造及び作動等を、図2〜
図13を参照して詳述する。
【0025】上記皮端把持手段Xは、特許請求の範囲中
の「皮端把持装置」に該当するものであって、図2に示
すように、把持機構X1と第1駆動機構X2及び第2駆動
機構X3とを備えて構成される。
【0026】把持機構X1 上記把持機構X1は、図2〜図4に示すように、次述す
る移動基台10と三つの把持爪16,17,18とを備
えてなる。
【0027】移動基台10 上記移動基台10は、略コ字状の平面形態をもつ左右一
対の側板11,11をその板厚方向に所定間隔をもって
対向させるとともにこれらをその後端側において複数の
継材14,14,・・で一体的に連結して構成される。
そして、この移動基台10は、その後端縁部に後方へ向
けて延出固定した左右一対のローラブラケット12,1
2に設けた上下一対の走行ローラ13,13を上記ガイ
ド支柱2及び同3に走行可能に掛止するとともに、その
後端縁部を上記左右一対のチェーン6,6に固定してい
る。従って、この移動基台10は、上記左右一対のチェ
ーン6,6の走行に伴い上記ガイド支柱2,3に沿って
上昇走行及び下降走行する。尚、この実施形態のものに
おいては、後述するように、移動基台10の上昇走行の
起点近傍位置において剥皮始端部Vaの把持作業が行わ
れるとともにその後の上昇走行に伴って剥皮作業が行わ
れ、またその下降走行時には剥いだ皮Vの把持解除及び
排出が行われる。
【0028】一方、この移動基台10の上記左右一対の
側板11,11間には次述する三つの把持爪、即ち、第
1把持爪16と第2把持爪17と第3把持爪18が配置
されている。
【0029】第1把持爪16 上記第1把持爪16は、図9及び図10に示すように、
所定長さ帯状厚板で構成され、その一側16aには長手
方向に延びる所定幅の溝51,51,・・が所定間隔を
もって平行形成されている。従って、該一側16aに
は、これら各溝51,51,・・の形成により、長手方
向に延びる突条52,52,・・が所定間隔で平行形成
されることになる。また、この一側16aの長手方向の
所定位置には上記各溝51,51,・・及び突条52,
52,・・をそれぞれ横切った状態で複数本の溝53,
53,・・が所定間隔をもって形成されている。さら
に、この第1把持爪16の長手方向の一方の縁部16b
は円弧状断面を有する如く湾曲形成されている。
【0030】尚、上記溝51は皮Vを食い込ませてその
把持機能を高めるための把持用溝であり、また溝53は
上記把持用の溝51に溜まった脂を集めて排出する脂排
出用の溝である。また、上記溝51の幅寸法は、上記突
条52の幅寸法よりも小さな寸法に設定されている。
【0031】かかる構成をもつ第1把持爪16は、図2
〜図4に示すように、上記一方の縁部16bを前方に向
けるとともに上記一側16aを鉛直上方よりも所定角度
だけ後方側(即ち、上記ガイド支柱2,3側)へ傾斜さ
せた状態で、上記移動基台10の左右一対の側板11,
11間に、しかも該側板11の上下方向の略中間高さに
位置するようにして固定配置されている。
【0032】第2把持爪17 上記第2把持爪17は、図11〜図13に示すように、
その一側17aを弧状面とした略台形の断面形状をもつ
帯状厚板で構成され、該一側17aにはその長手方向に
延びる溝55が所定間隔で平行形成されている。従っ
て、この一側17aには、上記各溝55,55,・・の
形成によって長手方向に延びる突条56,56,・・が
所定間隔で形成されることになる。また、この一側17
aの長手方向における所定位置には、上記各溝55,5
5,・・及び各突条56,56,・・を横切るようにし
て複数の溝57,57,・・が所定間隔で形成されてい
る。
【0033】尚、上記溝55は皮Vを食い込ませてその
把持機能を高めるための把持用溝であり、また溝57は
上記把持用の溝55に溜まった脂を集めて排出する脂排
出用の溝である。また、上記溝55の幅寸法は、上記突
条56の幅寸法よりも小さな寸法に設定されている。
【0034】このような構成をもつ第2把持爪17は、
図2〜図4に示すように、上記一側17aを下方に向け
且つその長手方向の両端が左右一対の揺動アーム21,
21により支持された状態で、上記移動基台10の上記
一対の側板11,11間に、しかも上記第1把持爪16
の上方側に所定間隔を隔てて配置される。また、この左
右一対の揺動アーム21,21は、上記一対の側板1
1,11間に跨がって配置された枢支軸24を介して該
各側板11,11に回動自在に枢支されている。従っ
て、上記第2把持爪17は該揺動アーム21,21の回
動変位に伴い上記枢支軸24を中心として前後方向に揺
動し、図3及び図4に実線図示するように上記一側17
aが上記第1把持爪16の一側16aの円弧状の一縁部
16b寄り部位に対して上下方向に所定間隔をもって対
向する位置(以下、この位置を「接近位置」という)
と、同各図に鎖線図示する如く上記ガイド支柱2,3寄
りの斜め上方に振り上げられて上記第1把持爪16との
間に大きな間隔を形成する位置(以下、この位置を「離
間位置」という)との間で揺動自在とされている。尚、
この上記揺動アーム21(即ち、第2把持爪17)の回
動方向の位置設定は、該揺動アーム21に設けた長穴2
8に係入する次述の揺動アーム22に設けた係合ローラ
30により行われる。
【0035】上記揺動アーム22は、上記移動基台10
の左右一対の側板11,11のそれぞれ外側位置に配置
された略三角形状プレート体でなり、それぞれ枢支ピン
25,25により該側板11,11に揺動変位自在に枢
支されている。そして、この揺動アーム22の一端に
は、上記側板11に形成した円弧溝29と上記揺動アー
ム21に形成した上記長穴28とに同時に係入する係合
ローラ30が備えられており、該揺動アーム22が図3
及び図4に実線図示する回動位置にあるときには上記揺
動アーム21は「接近位置」に設定され、また同各図に
鎖線図示する回動位置にあるときには上記揺動アーム2
1は「離間位置」に設定される。また、この左右一対の
揺動アーム22,22は、ともにリターンスプリング4
3,43により、上記揺動アーム21を「接近位置」側
に設定する方向に常時付勢されている。
【0036】尚、この揺動アーム22の「接近位置」
は、後述するように、上記第1把持爪16と第2把持爪
17と第3把持爪18の三者によって上記屠体Wの剥皮
始端部Vaを把持する位置でもある。従って、この揺動
アーム21の「接近位置」における上記第2把持爪17
と上記第1把持爪16との対向間隔は、次述の第3把持
爪18の通過を阻止し得るような寸法に設定されてい
る。また、逆に、上記揺動アーム21の「離間位置」に
おいては、上記第2把持爪17と上記第1把持爪16と
の間の上下方向間隔は、上記第3把持爪18の通過を余
裕をもって許容し得るような寸法に設定されている。
【0037】また、この左右一対の揺動アーム22,2
2の回動駆動は、これら二つのうちの一方の揺動アーム
22に設けた係合ローラ31が後述する第1駆動機構X
2のガイド部材72(図2参照)と係合して回動方向の
力を受けることで行われる。さらに、揺動アーム22の
上記枢支ピン25よりも上記ガイド支柱2,3寄り位置
に係合ローラ32(特許請求の範囲中の「係合部」に該
当する)が設けられており、該係合ローラ32が上記ガ
イド支柱3側に設けたリセットカム8(図1参照)と係
合することで上記揺動アーム22は上記リターンスプリ
ング43の不勢力に抗して回動し上記揺動アーム21を
「接近位置」から「離間位置」へ回動駆動する。
【0038】尚、この実施形態においては、上記揺動ア
ーム21と揺動アーム23とにより特許請求の範囲中の
「第1揺動アーム」が構成される。
【0039】第3把持爪18 上記第3把持爪18は、図7及び図8に示すように、楔
状の断面形状をもつ所定幅の爪ピース19をその幅方向
に複数個列設して構成されるものであって、その両側面
18a,18a(即ち、爪ピース19の両側面19a,
19a)と広幅側の傾斜面18a,18a(枢支爪ピー
ス19の広幅側の傾斜面19a,19a)には、それぞ
れその幅方向に延びる溝61,61,・・を所定間隔で
平行形成している。従って、これら各溝61,61,・
・の形成により、これら各溝61,61,・・の間には
幅方向に延びる突条62,62,・・が所定間隔で平行
形成されることになる。さらに、上記各爪ピース19,
19,・・の両側面19a,19a,・・には、上記各
溝61,61,・・と各突条62,62,・・とを横切
って溝63,63が所定間隔で形成されている。また、
各爪ピース19,19,・・には、これをその幅方向に
貫通して矩形長穴状の嵌挿穴60が形成されている。
【0040】尚、上記溝61は皮Vを食い込ませてその
把持機能を高めるための把持用溝であり、また溝63は
上記把持用の溝61に溜まった脂を集めて排出する脂排
出用の溝である。また、上記溝61の幅寸法は、上記突
条62の幅寸法よりも小さな寸法に設定されている。
【0041】上記第3把持爪18を構成する上記複数個
の爪ピース19,19,・・は、図7及び図8にそれぞ
れ示すように、爪支持バー40の直板状のガイド部42
をその嵌挿穴60内に嵌挿せしめることで該爪支持バー
40に支持されている。そして、この場合、上記爪支持
バー40の係合支持部41の幅寸法を上記各爪ピース1
9,19,・・の嵌挿穴60の長軸側寸法よりも適宜寸
法だけ短く設定することで、上記各爪ピース19,1
9,・・が上記ガイド部42上においてそれぞれ独立し
て前後方向に所定量だけ移動し得るようにしている(図
8の鎖線図示部分を参照)。
【0042】また、上記爪支持バー40の左右両端は、
それぞれ係合支持部41,41とされており、該爪支持
バー40はそのガイド部42に上記各爪ピース19,1
9,・・を嵌挿支持した状態で、上記各係合支持部4
1,41を上記移動基台10の左右一対の側板11,1
1に回動自在に取り付けられた次述の揺動アーム23の
係合支持部41内に係入させることで該移動基台10側
に組付けられている。尚、この場合、上記各爪ピース1
9,19,・・の支持方向は、その傾斜面19a,19
aが上記ガイド支柱2,3側へ指向するように設定され
ている。
【0043】揺動アーム23 上記揺動アーム23は、特許請求の範囲中の「第2揺動
アーム」に該当するものであって、枢支ピン26により
上記側板11に対して回動自在に枢支されるとともに、
その一端側に長穴状の上記係合支持部41を形成してい
る。そして、この係合支持部41の形成位置は、上記揺
動アーム22が「接近位置」に設定された状態における
上記第2把持爪17と上記第1把持爪16との対向隙間
に対応するような位置に設定されている。また、この揺
動アーム23は、リターンスプリング44によって常時
前方(即ち、屠体W側)に延出する如く回動付勢される
とともに、該方向への最大回動位置規制は上記移動基台
10側に設けたストッパー37によって行われる。
【0044】さらに、上記揺動アーム23は、上記移動
基台10の左右一対の側板11,11の外側にそれぞれ
配置されるが、それらのうちの一方側には、図2及び図
4に示すように、係合ローラ38(特許請求の範囲中の
「係合部」に該当する)が設けられている。そして、上
記左右一対の揺動アーム23,23は、その一方の揺動
アーム23に設けられた上記係合ローラ38が後述の第
2駆動機構X3のガイド部材86と係合して回動方向の
力を受けることで一体的に回動駆動される。また、この
揺動アーム23の回動範囲は、図3及び図4においてそ
れぞれ符号23′を付した鎖線図示位置と符号23″を
付した鎖線図示位置との範囲内とされる。従って、この
揺動アーム23の揺動に伴って、その先端側に支持され
た上記第3把持爪18は、符号18′を付した鎖線図示
状態の如く上記第1把持爪16及び第2把持爪17より
もさらに前方側へ大きく延出した位置(以下、この位置
を「前方延出位置」という)と、符号18″を付した鎖
線図示状態の如く上記第1把持爪16及び第2把持爪1
7よりも後方側へ延出した位置(以下、この位置を「後
方延出位置」という)との間で移動することになる。
【0045】尚、この第3把持爪18の「前方延出位
置」においては、該第3把持爪18とその後方側に位置
する上記第1把持爪16及び第2把持爪17との間には
所定広さの隙間が形成されるが、この隙間は上記屠体W
の剥皮始端部Vaの挿通空間となる。また、上記揺動ア
ーム23の先端部には、これを手動操作する場合に使用
される把手部材34が備えられている。
【0046】さらに、上記移動基台10の左右一対の側
板11,11には、その先端にローラ47を備えたアー
ム46が前方へ延出状態で取り付けられている。このロ
ーラ47は、剥皮作業時に上記屠体Wが過度に皮端把持
手段X側に引き寄せられるのを防止するためのものであ
る。
【0047】第1駆動機構X2 第1駆動機構X2は、特許請求の範囲中の「第1駆動手
段」に該当するものであって、図2及び図5に示すよう
に、上記ガイド支柱2,3の側方に配置された支持台6
8に対してその一端がそれぞれリンクピン67,67を
介して上記第2把持爪17の揺動方向と平行な方向へ揺
動自在に枢支された一対のリンクバー66,66を備え
ている。また、この一対のリンクバー66,66の他端
には、それぞれリンクピン70,70を介してリンクプ
レート71が取り付けられている。そして、この一対の
リンクバー66,66とその両端にそれぞれ位置する上
記支持台68とリンクプレート71とで平行リンク65
を構成している。この場合、下方に位置する上記一対の
リンクピン67,67を結ぶ直線と、上方に位置する上
記一対のリンクピン70,70を結ぶ直線とは、ともに
上記ガイド支柱2,3,66の軸方向に直交する方向に
設定されている。従って、上記一対のリンクバー66の
うちの一方のリンクバー66を油圧シリンダ76(特許
請求の範囲中の「駆動源」に該当する)により押引して
これを揺動させる場合、上記リンクプレート71は常時
同一姿勢を保持したまま平行移動されることになる。
【0048】さらに、このリンクプレート71には、一
対の帯状のプレート73,73が、上記リンクピン7
0,70の列設方向に所定間隔をもって対向した状態
で、それぞれ上下方向(即ち、上記ガイド支柱2,3の
立設方向と平行な方向)に延出する如く取り付けられて
いる。そして、この一対のプレート73,73でガイド
部材72が構成され、またこの各プレート73,73の
内面73a,73aで画成された上下方向に延びる直溝
状の隙間はガイド部74とされるとともに、該ガイド部
74は上記一対のプレート73,73の下端部がそれぞ
れ外側へ向けて折曲されていることで下端側が下方に向
けて拡開した状態となっている。
【0049】このように構成された第1駆動機構X2
上記ガイド部74内には、上記把持機構X1が上記ガイ
ド支柱2,3の下端寄り位置から上昇走行する場合にそ
の走行に伴って上記揺動アーム22に設けた係合ローラ
31がその下方側から係入し得るようになっている。従
って、図5に鎖線図示するように、上記ガイド部74内
に上記係合ローラ31が係入した状態で、上記油圧シリ
ンダ76により上記平行リンク65を揺動させると、上
記揺動アーム22は上記枢支ピン25を中心に回動変位
し、結果的に上記揺動アーム21を揺動させて上記第2
把持爪17を「接近位置」と「離間位置」とに選択的に
位置設定することになる。
【0050】また、かかる作動を実現するために、上記
第1駆動機構X2の上記把持機構X1に対する前後方向の
相対位置及び該第1駆動機構X2の上記油圧シリンダ7
6の作動形態は次のように設定されている。即ち、この
第1駆動機構X2により直接揺動駆動される上記揺動ア
ーム22は常時リターンスプリング43により揺動アー
ム21に設けた上記第2把持爪17を「接近位置」に設
定する方向に付勢されており、しかもこの第2把持爪1
7をこの「接近位置」から「離間位置」に切り替えるた
めには該揺動アーム22に設けた係合ローラ31を後方
へ移動させるこど必要である。このため、第1駆動機構
2においては、上記油圧シリンダ76を伸長させた状
態において上記ガイド部材72のガイド部74に上記揺
動アーム22側の係合ローラ31が対応するように位置
設定がされ、該油圧シリンダ76が縮小することで上記
係合ローラ31が後方側に移動され上記第2把持爪17
が「接近位置」から「離間位置」に切り替えられるよう
にしている。以下においては、上記油圧シリンダ76が
伸長した状態における第1駆動機構X2の位置を「待機
位置」、縮小した状態における位置を「作動位置」とい
う。
【0051】第2駆動機構X3 第2駆動機構X3は、特許請求の範囲中の「第2駆動手
段」に該当するものであって、その基本的構成は上記第
1駆動機構X2の場合と同様である。即ち、図2及び図
5に示すように、第2駆動機構X3は、上記ガイド支柱
2,3の側方に配置された支持台68に対してその一端
がそれぞれリンクピン82,82を介して上記第3把持
爪18の揺動方向と平行な方向へ揺動自在に枢支された
一対のリンクバー81,81を備えている。また、この
一対のリンクバー81,81の他端には、それぞれリン
クピン84,84を介してリンクプレート85が取り付
けられている。そして、この一対のリンクバー81,8
1とその両端にそれぞれ位置する上記支持台68とリン
クプレート85とで平行リンク80を構成している。こ
の場合、下方に位置する上記一対のリンクピン82,8
2を結ぶ直線と、上方に位置する上記一対のリンクピン
84,84を結ぶ直線とは、ともに上記ガイド支柱2,
3の軸方向に直交する方向に設定されている。従って、
上記一対のリンクバー81,81のうちの一方のリンク
バー81を油圧シリンダ89(特許請求の範囲中の「駆
動源」に該当する)により押引してこれを揺動させる場
合、上記リンクプレート85は常時同一姿勢を保持した
まま平行移動されることになる。
【0052】さらに、このリンクプレート85には、一
対の帯状のプレート87,87が、上記リンクピン8
4,84の列設方向に所定間隔をもって対向した状態
で、それぞれ上下方向(即ち、上記ガイド支柱2,3の
立設方向と平行な方向)に延出する如く取り付けられて
いる。そして、この一対のプレート87,87でガイド
部材86が構成され、またこの各プレート87,87の
内面87a,87aで画成された上下方向に延びる直溝
状の隙間はガイド部88とされるとともに、該ガイド部
88は上記一対のプレート87,87の下端部がそれぞ
れ外側へ向けて折曲されていることで下端側が下方に向
けて拡開した状態となっている。
【0053】このように構成された第2駆動機構X3
上記ガイド部88内には、上記把持機構X1が上記ガイ
ド支柱2,3の下端寄り位置から上昇走行する場合にそ
の走行に伴って上記揺動アーム23に設けた係合ローラ
38がその下方側から係入し得るようになっている。従
って、図6に鎖線図示するように、上記ガイド部88内
に上記係合ローラ38が係入した状態で、上記油圧シリ
ンダ89により上記平行リンク80を揺動させると、上
記揺動アーム23は上記枢支ピン26を中心に回動変位
し、上記第3把持爪18を「前方延出位置」と「後方延
出位置」とに選択的に位置設定することになる。
【0054】また、かかる作動を実現するために、上記
第2駆動機構X3の上記把持機構X1に対する前後方向の
相対位置及び該第2駆動機構X3の上記油圧シリンダ8
9の作動形態は次のように設定されている。即ち、この
第2駆動機構X3により直接揺動駆動される上記揺動ア
ーム23は常時リターンスプリング44により該揺動ア
ーム23に設けた第3把持爪18を「前方延出位置」に
設定する方向に付勢されており、しかもこの第3把持爪
18をこの「前方延出位置」から「後方延出位置」に切
り替えるためには該揺動アーム23に設けた係合ローラ
38を後方へ移動させるこど必要である。このため、第
2駆動機構X3においては、上記油圧シリンダ89を伸
長させた状態において上記ガイド部材86のガイド部8
8に上記揺動アーム23側の係合ローラ38が対応する
ように位置設定がされ、該油圧シリンダ89が縮小する
ことで上記係合ローラ38が後方側に移動され上記第3
把持爪18が「前方延出位置」から「後方延出位置」に
切り替えられるようにしている。以下においては、上記
油圧シリンダ89が伸長した状態における第2駆動機構
3の位置を「待機位置」、縮小した状態における位置
を「作動位置」という。
【0055】その他の構成 上記第1駆動機構X2の油圧シリンダ76と第2駆動機
構X3の油圧シリンダ89の作動は、共に上記把持機構
1の移動位置を検出する位置センサ(図示省略)から
の信号に基づいて自動制御されるようになっている。
【0056】また、上記把持機構X1は、チェーン6の
走行により上記ガイド支柱2の前側を上昇移動するとと
もに上記ガイド支柱3の後側を降下移動することでエン
ドレス走行するが、図1に実線図示する位置においては
自動的に一旦停止し、作業者による起動操作がなされる
ことで再度走行を開始するように構成されている。尚、
この一旦停止位置が「把持作業位置」である。
【0057】作動の説明 続いて、上述の如く構成された皮端把持手段Xを備えた
剥皮装置Zを使用して屠体Wの剥皮作業を行う場合につ
いて、その作動等を説明する。
【0058】先ず、屠体Wは、屠体吊下手段Pにより吊
下支持され且つその下端側の首部分の皮Vが一部分が予
め剥皮された状態で所定の剥皮位置、即ち、上記ガイド
支柱2,3の前方位置まで搬送され、さらにここで屠体
Wの下顎部分に屠体引張手段Qに下方へ向けて張力がか
けられる。これで、屠体W側の剥皮作業の準備が完了す
る。
【0059】一方、皮端把持手段X側においては、チェ
ーン6の走行により該皮端把持手段Xの把持機構X1
所定の剥皮作業位置まで走行して一旦停止される(図1
に実線図示する状態)。この剥皮作業位置に把持機構X
1が到着した時点においては、上記第1駆動機構X2及び
第2駆動機構X3は共に「待機位置」に設定されてお
り、この「待機位置」にある第1駆動機構X2のガイド
部74内に上記揺動アーム22の係合ローラ31が下方
側から係入し、上記第2把持爪17は「接近位置」に設
定されている。また、「待機位置」にある第2駆動機構
3のガイド部88内には上記揺動アーム23の係合ロ
ーラ38が下方から係入し、上記第3把持爪18は「前
方延出位置」に設定されている。
【0060】かかる状態から上記屠体Wの剥皮始端部V
aの把持作業が開始される。即ち、上記把持機構X1
剥皮作業位置に到着した時点で、上記第1駆動機構X2
の油圧シリンダ76が縮小作動して該第1駆動機構X2
を「作動位置」に設定する。従って、上記第2把持爪1
7は「接近位置」から「離間位置」に設定され、この状
態で待機している。尚、この場合における上記油圧シリ
ンダ76の操作は位置センサ(図示省略)からの信号に
より自動的に行われる。
【0061】ここで、作業者は手作業により、図3及び
図4に示すように、屠体Wの剥皮始端部Vaを上記第3
把持爪18と上記第1把持爪16との間の隙間に上方側
から通す。しかる後、作業者はスイッチ操作により上記
第2駆動機構X3の油圧シリンダ89を縮小作動させ、
該第2駆動機構X3を「待機位置」から「作動位置」に
切り替える。すると、上記第3把持爪18がその「前方
延出位置」から「後方延出位置」側に移動し、この移動
に伴って上記剥皮始端部Vaを、図3及び図4に示すよ
うに、上記第1把持爪16と第2把持爪17の間を通っ
て二つ折状態でそれらの後方側まで引き込まれる。この
第3把持爪18による剥皮始端部Vaの引き込みが完了
すると、位置センサからの信号によりあるいは作業者の
スイッチ操作により、上記第1駆動機構X2の油圧シリ
ンダ76が伸長作動し、上記第2把持爪17が「離間位
置」から「接近位置」に切り替わり、上記剥皮始端部V
aは第1把持爪16と第2把持爪17と第3把持爪18
の三者間に巻かけられることになる。
【0062】ここで、作業者は把持機構X1の起動スイ
ッチ(図示省略)を操作して該把持機構X1を上昇移動
させる。この把持機構X1の上昇移動に伴って上記揺動
アーム22の係合ローラ31が第1駆動機構X2から、
また上記揺動アーム23の係合ローラ38が上記第2駆
動機構X3からそれぞれ離脱する。従って、上記揺動ア
ーム23がリターンスプリング44の不勢力により「前
方延出位置」側へ移動し、上記第3把持爪18が上記チ
ェーン6及び第2把持爪17側に向けて移動するが、こ
の状態では該第3把持爪18がこれら各把持爪16,1
7の間を通過することが阻止されているので、上記剥皮
始端部Vaは該第1把持爪16と第2把持爪17と第3
把持爪18の三者間に挟着保持されることになる。さら
に、上記把持機構X1の上昇移動に伴って上記剥皮始端
部Vaに張力がかかると、上記第3把持爪18が上記第
1把持爪16及び第3把持爪18との間で上記剥皮始端
部Vaを押圧しながらこれらの間に食い込み、該剥皮始
端部Vaが確実に把持されることになる。従って、後は
上記把持機構X1がさらに上昇移動することで上記剥皮
始端部Vaが上方に引き上げられ、屠体Wの頭部側から
尻部側に向けて皮Vが順次剥がされる(図1に符号X′
を付した鎖線図示部分を参照)。
【0063】尚、この第1把持爪16と第2把持爪17
と第3把持爪18とにより剥皮始端部Vaを把持する場
合、該剥皮始端部Vaの厚さが均一であれば何ら問題は
生じないが、実際にはこの剥皮始端部Vaの厚さは不均
一である。従って、三つの把持爪16〜18が共に一体
構成であると、皮厚の薄い部分においては十分な把持力
が確保できず、全体として把持性能が劣ることになる。
ところが、この実施形態のものにおいては、上記第3把
持爪18を複数の爪ピース19,19,・・からなる分
割構造として、且つ該各爪ピース19,19,・・をそ
れぞれ独立して前後方向(即ち、上記第1把持爪16あ
るいは第2把持爪17への噛み込み方向)に移動可能と
している。従って、各爪ピース19,19,・・が、皮
厚が厚い部分に対応する爪ピース19は皮厚が薄い部分
に対応する爪ピース19よりも後退るようにして配置さ
れることで、皮厚が不均一であってもこれに影響される
ことなく各爪ピース19,19,・・によって該剥皮始
端部Vaの全域で良好な把持性能を得ることができるも
のである。
【0064】皮Vの剥皮が完了すると、上記把持機構X
1は剥がされた皮Vを把持したままガイド支柱2側から
ガイド支柱3側に回り込むが、該把持機構X1が上記リ
セットカム8の位置に達すると、該リセットカム8が上
記揺動アーム22の係合ローラ32と係合し、該揺動ア
ーム22が上記リターンスプリング43の不勢力に抗し
て回動され、上記第2把持爪17が「離間位置」に設定
されることで上記皮Vは該把持機構X1から離脱して排
出される。皮Vを離脱排出させた後の把持機構X1は、
さらに下降移動し、再び剥皮位置に達してここで次回の
剥皮作業に備えて待機する。以上で、剥皮作業の一サイ
クルが終了する。
【0065】ところで、この実施形態のものにおいて
は、上述のように第1駆動機構X2と第2駆動機構X3
によって上記第2把持爪17と第3把持爪18とを作動
させるようにしているが、この場合、該第1駆動機構X
2及び第2駆動機構X3が共に平行リンク機構を備えてい
ることから、例えこれら第1駆動機構X2及び第2駆動
機構X3に対して上記把持機構X1の停止位置が多少上下
方向にずれたとしても、該把持機構X1側の揺動アーム
22の枢支ピン25及び揺動アーム23の係合ローラ3
8がそれぞれ第1駆動機構X2のガイド部74及び第2
駆動機構X3のガイド部88の上下方向範囲内に位置し
ている限り、該第1駆動機構X2及び第2駆動機構X3
よる上記第2把持爪17及び第3把持爪18の作動特性
は常時一定に維持される。従って、上記把持機構X1
停止制御の精度が比較的ラフであつても、これに拘わら
ず常時適正な皮端把持作用が実現され、それだけ把持作
業の信頼性が確保されるものである。
【0066】また、上記第1把持爪16と第2把持爪1
7と第3把持爪18の三者によって剥皮始端部Vaを把
持する場合、皮Vには屠体Wの肉質部Waから剥離した
脂肪分が付着していることが考えられる。かかる脂肪分
は把持に伴う挟圧力により皮Vから滲出して把持爪16
〜18の表面に付着し、場合によっては該各把持爪16
〜18の表面に形成した把持用の溝51,55,61に
脂が溜まり、把持機能を阻害する要因となることも考え
られるが、この実施形態のものにおいては該各把持爪1
6〜18の表面に脂排出用の溝53,57,63を設け
て上記把持用の溝51,55,61に溜まった脂をスム
ーズに脂排出用の溝53,57,63に導いて排出する
ようにしているので、かかる脂による把持機能の低下が
可及的に防止され、長期に亙って良好な把持機能が維持
されるものである。
【0067】さらに、この実施形態のものにおいては、
上記各把持爪16〜18に形成される把持用の溝51,
55,61の幅寸法を、突条52,56,62の幅寸法
よりも小さな寸法に設定している(即ち、溝と突条の幅
寸法を異ならせている)が、かかる構成とすると、それ
ぞれ皮Vを介在させて対向する把持爪同士、即ち、第1
把持爪16と第2把持爪17、第1把持爪16と第3把
持爪18の間においては、多少のずれはあっても必ず一
方の突条と他方の突条とが対向方向において重合するこ
とから、該突条同士による皮Vの把持作用が確実ならし
められるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の屠体の剥皮装置の好適な実施形態を
示す全体図である。
【図2】図1のII-II拡大矢視図である。
【図3】図2のIII-III矢視図である。
【図4】図2のIV-IV矢視図である。
【図5】図2のV-V矢視図である。
【図6】図2のVI−VI矢視図である。
【図7】図2に示した屠体把持手段における移動爪の側
面図である。
【図8】図7のVIII-VIII部分矢視図である。
【図9】図2に示した屠体把持手段における揺動爪の側
面図である。
【図10】図9のX-X部分矢視図である。
【図11】図2に示した屠体把持手段における固定爪の
側面図である。
【図12】図11のXII-XII部分矢視図である。
【図13】図12のXIII-XIII部分矢視図である。
【符号の説明】
1は支持フレーム、2はガイド支柱、3はガイド支柱、
4及び5はスプロケット、6はチェーン、7はフック、
8はリセットカム、10は移動基台、11は側板、12
はローラブラケット、13は走行ローラ、14は継材、
16は第1把持爪、17は第2把持爪、18は第3把持
爪、19は爪ピース、20はブラケット、21〜23は
揺動アーム、24は枢支軸、25及び26は枢支ピン、
27は把手部、28は長穴、29は円弧溝、30は係合
ローラ、31〜32は係合ローラ、34は把手部材、3
6は長孔、37はストッパー、38は係合ローラ、40
は爪支持バー、41は係合支持部、42はガイド部、4
3及び44はリターンスプリング、60は嵌挿穴、65
は平行リンク、66はリンクバー、67はリンクピン、
68は支持台、70はリンクピン、71はリンクプレー
ト、72はガイド部材、73はプレート、74はガイド
部、76は油圧シリンダ、80は平行リンク、81はリ
ンクバー、82はリンクピン、83は支持台、84はリ
ンクピン、85はリンクプレート、86はガイド部材、
87はプレート、88はガイド部、89は油圧シリン
ダ、Pは屠体吊下手段、Qは屠体引張手段、Rは剥皮力
付与手段、Sは走行手段、Vは皮、Vaは剥皮始端部、
Wは屠体、Xは皮端把持手段、X1は把持機構、X2は第
1駆動機構、X3は第2駆動機構である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−89160(JP,A) 実開 平3−9188(JP,U) 実開 昭63−66488(JP,U) 実開 平3−61884(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A22C 17/12 A22B 5/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊下支持された屠体の一端側において剥
    がされた剥皮始端部を把持する剥皮装置における皮端把
    持装置であって、 上記屠体に沿って上下方向に移動せしめられる移動基台
    を備えるとともに、 該移動基台に、 上下方向に対向配置され且つ所定間隔をもって接近対向
    する接近位置と離間対向する離間位置との間で相互に接
    離自在とされた第1及び第2把持爪と、 上記第1把持爪と第2把持爪とが離間位置に設定された
    状態においては該第1把持爪と第2把持爪との対向隙間
    を通ってこれらの前方側へ延出する前方延出位置と後方
    側へ延出する後方延出位置とに位置設定される如く該第
    1把持爪と第2把持爪とに対して相対移動可能とされる
    一方上記第1把持爪と第2把持爪とが接近位置に設定さ
    れた状態においては上記対向隙間の通過が阻止される第
    3把持爪とを設け、 さらに上記第1、第2及び第3把持爪の作動形態を、上
    記剥皮始端部の把持時には上記第1及び第2把持爪が離
    間位置に設定された状態において上記第3把持爪がその
    前方延出位置から後方延出位置に移動するとともに該第
    3把持爪の移動後において上記第1及び第2把持爪が接
    近位置に位置設定される如く設定したことを特徴とする
    剥皮装置における皮端把持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記第1把持爪と第2把持爪はその接近位置においては
    上記屠体寄りの前方側から反屠体寄りの後方側に向けて
    上記対向隙間が次第に拡大する如くそれぞれその形状が
    設定される一方、 上記第3把持爪は上記前方側から後方側に向けてその厚
    さ寸法が次第に拡大する略楔状の断面形状を有している
    ことを特徴とする剥皮装置における皮端把持機構。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記第3把持爪が、その軸方向において複数個の爪ピー
    スに分割形成されるとともに、該複数個の爪ピースが相
    互に前後方向へ相対移動可能とされていることを特徴と
    する剥皮装置における皮端把持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 上記第1、第2及び第3把持爪のうち、上記第1把持爪
    は固定配置され、上記第2把持爪は第1揺動アームの揺
    動により上記第1把持爪に対して接離作動する如く構成
    され、上記第3把持爪は第2揺動アームの揺動により上
    記前方延出位置と後方延出位置との間で移動する如く構
    成される一方、 上記第1揺動アーム及び第2揺動アームは上記移動基台
    とは別配置の第1及び第2駆動手段によりそれぞれ駆動
    される如く構成されていることを特徴とする剥皮装置に
    おける皮端把持装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記第1及び第2駆動手段が、 一辺が固定され且つ適宜の駆動源により該一辺側を中心
    として揺動駆動される平行リンクと、 直状に延びるガイド部を備え且つ上記平行リンクの上記
    一辺に対向する他辺に対して該ガイド部の直状方向が上
    記移動基台の移動方向と平行となるように取り付けられ
    たガイド部材とを備えるとともに、 該ガイド部材のガイド部は、上記第1及び第2揺動アー
    ムにそれぞれ設けた係合部の上記移動基台の移動に伴う
    変位を許容するとともに該移動基台の移動方向に直交す
    る方向においては上記係合部と係合して上記第1及び第
    2揺動アームを揺動駆動させ得る如く構成されているこ
    とを特徴とする剥皮装置における皮端把持装置。
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