JP2567728Y2 - スクータ型小型車両のエンジン冷却装置 - Google Patents

スクータ型小型車両のエンジン冷却装置

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JP2567728Y2
JP2567728Y2 JP1990061311U JP6131190U JP2567728Y2 JP 2567728 Y2 JP2567728 Y2 JP 2567728Y2 JP 1990061311 U JP1990061311 U JP 1990061311U JP 6131190 U JP6131190 U JP 6131190U JP 2567728 Y2 JP2567728 Y2 JP 2567728Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、前後中央部車体に低床式ステップフロアを
備え、後部車体に水冷エンジンが配置されたいわゆるス
クータと称せられる自動二輪車または自動三輪車等の小
型車輌におけるエンジン冷却装置に関するものである。
従来技術 スクータ型小型車輌においては、後車輪に動力を与え
るエンジンは、エンジン出力および耐久性の向上を図
り、かつ騒音を低減するために、空冷式から水冷式に変
わる傾向にある。
水冷式エンジンを搭載した従来のスクータ型小型車両
では、特開昭1−233187号公報に示されるように、前車
輪用フロントフェンダの上方に立設された前部車体内に
ラジエータが配設されており、前部車体の前面カバーに
設けられた通風口より導入された走行風が前部車体内の
ラジエータを通過して、冷却水が冷却されるようになっ
ている。
解決しようとする課題 前述した従来のスクータ型小型車両においては、後部
車体にあるエンジンに対し、ラジエータが前部車体に配
置されているため、エンジンとラジエータとを接続する
冷却水配管が長くなってコスト高となり、冷却水の水抜
きが面倒となって保守・整備を簡単に行なうことができ
ず、また冷却水系の循環抵抗が大きくなって、冷却水ポ
ンプが大型することが避けられず、しかもラジエータを
通過した冷却風を乗員が受けて暑い。
課題を解決するための手段および作用効果 本考案は、このような難点を克服したスクータ型小型
車両のエンジン冷却装置の改良に係り、前部車体にフロ
ントレッグシールドを備えるとともに、前後中央部車体
に低床式ステップフロアを備え、後部車体に水冷エンジ
ンが配置されて、該エンジンの上方に後部車体カバーが
設けられたスクータ型小型車両において、前記低床式ス
テップフロアの内面に沿い前後方向に指向した冷却風導
入通路が設けられ、該冷却風導入通路の前端開口部は、
車体巾中央の前輪に対し車体外側方に位置して前輪後方
のフロントレッグシールド内面に車体前方に向って開口
し、前記冷却風導入通路の後端開口部はラジエータに近
接して該ラジエータに対向して開口したものである。
本考案は、前記したように構成されているため、小型
車両に搭載されたエンジンが始動して、車両が走行を始
めると、車体前方に開放した前記冷却風導入通路の前端
開口より該通路内に走行風が導入されて、該通路の後端
開口に対向したエンジン冷却用ラジエータに達し、該ラ
ジエータにて冷却水が走行風と熱交換されて冷却され、
エンジンが適正に冷却される。
車両走行の際に発生する走行風は、ステップフロアの
前方に立設された前部車体に遮られずに、該ステップフ
ロア下部前方の冷却風導入通路に導入されて、該冷却風
導入通路後端開口に対向したエンジン冷却用ラジエータ
に達するため、前記走行風のラム圧によって該エンジン
冷却用ラジエータを通過する冷却風流量が増大し、該冷
却風流量の増大でもって、前記エンジン冷却用ラジエー
タの小型軽量化が可能となる。
また本考案では、冷却風導入のための冷却風導入通路
前端開口部が、車体巾中央の前輪に対して車体外側方に
位置して前方へ開口されているので、前輪に遮られるこ
となく、該前輪によって左右に振分けられて加速された
走行風が前記冷却風導入通路に確実に導入され、前記エ
ンジン冷却用ラジエータの冷却能力が一段と向上する。
そして本考案においては、エンジンの近くにラジエー
タが配置されうるため、冷却水配管が短縮されてコスト
が低下し、しかも冷却水の水抜きが簡単になって、保守
・整備が容易に遂行されうる。
さらに本考案では、冷却水配管を短縮できるため、冷
却水系の循環抵抗を低下させて、冷却水ポンプの小型化
を図ることができるとともに、冷却水系の動力損失を減
少することができる。
さらにまた本考案においては、ラジエータを通過した
熱交換空気を後部車体カバー内に排出させるようにした
ため、乗員にこの熱交換空気が当らなくなり、乗員が暑
く感じることが避けられる。
しかも、エンジンが後部車体カバーで包囲されたスク
ータ式小型車両では、後部車体カバー内の空気の循環が
少ないため、高温の空気が後部車体カバー内に籠もりが
ちとなるが、後部車体カバー外への熱交換空気の排出に
よって、空気の循環が促進され、比較的低温に保持され
易い。
実施例 以下、図面に図示された本考案の一実施例について説
明する。
スクータ型自動二輪車1は、前部車体2、後部車体3
およびその中央に位置する低床式ステップフロア4で構
成され、この車体フレームは、ヘッドパイプ5と、この
ヘッドパイプ5の前端が溶接等で一体に固着されるとと
もに該ヘッドパイプ5から下向きに延びた1本のダウン
フレーム6と、このダウンフレーム6の下部に前端が溶
接等で一体に固着されるとともに低床式ステップフロア
4を水平後方に延びさらに後部車体3を斜後上方へ延長
するメインフレーム7とからなっている。
またヘッドパイプ5にフロントフォーク8のステアリ
ングステム9が旋回自在に軸支され、このステアリング
ステム9の上端にステアリングハンドル10が一体に装着
されている。
さらにスクータ型自動二輪車1の前部車体カバー11
は、低床式ステップフロア4の前端部に連なってヘッド
パイプ5およびフロントホイール14の後方で起立しフロ
ントドレッグシールドの役を果す後面カバー12と、その
左右巾方向の中央部が前方の膨出してヘッドパイプ5の
前方に位置する前面カバー13とよりなり、後面カバー12
および前面カバー13は、ヘッドパイプ5を含む車体フレ
ームに固定され、かつ低床式ステップフロア4と左右巾
が略等しい後面カバー12と前面カバー13とは、その左右
側辺部にて当接され、図示されない螺子でもって相互に
一体に結合されている。またフロントフォーク8の下端
にフロントホイール14が回転自在に取付けられている。
さらにまたスクータ型自動二輪車1の後部車体カバー
15は、低床式ステップフロア4の後端部に連なって上方
へ起立した前面カバー16と、前面カバー16の側方後端に
連なって後部へ延長した側面カバー17と、前面カバー16
および側面カバー17の下縁に連なった下方カバー18とよ
りなり、側面カバー17の上方にシート19が配設されてい
る。
しかも、メインフレーム7の立上り弯曲部にスタンド
ブラケット20が固着され、このスタンドブラケット20に
リンク21を介してスインク式パワーユニット22が上下へ
揺動自在に取付けられ、このスインク式パワーユニット
22は水冷エンジン23を備え、かつリヤホイール24を支持
している。
また低床式ステップフロア4の下方に前後方向へ指向
した冷却風導入ダクト25は配設され、この前部はダウン
フレーム6およびメインフレーム7を迂回するように2
又に分岐されて、前部車体カバー11の後面カバー12より
前方に開口し、冷却風導入ダクト25の後部は後部車体15
内に延長し、冷却風導入ダクト25の後端開口にラジエー
タ26が配置されている。
さらに水冷エンジン23のクランクケースの近くにウォ
ータポンプ29が付設され、このウォータポンプ29の吸入
部30はゴムホース32を介してラジエータ26の下部タンク
27に接続され、ウォークポンプ29の吐出部31はゴムホー
ス33を介して水冷エンジン23のシリンダ34に接続され、
しかも、ラジエータ26の上部タンク28はゴムホース37、
フィラーネック36、ゴムホース38を介して水冷エンジン
23のシリンダヘッド35に接続されて、水冷エンジン23の
冷却水系が構成されている。
なお水冷エンジン23の排気ポート(図示されず)は排
気管39を介してマフラー40に接続されている。
図示の実施例は前記したように構成されているので、
水冷エンジン23が始動してスクータ型自動二輪車1が前
方へ走行を始めると、前方より走行風41を受け、冷却風
導入ダクト25の前端開口より冷却風導入ダクト25に走行
風41が導入されてラジエータ26を通過し、水冷エンジン
23内を流れゴムホース38、フィラーネック36、ゴムホー
ス37を介してラジエータ26に流入した冷却水と熱交換さ
れ、ラジエータ26内で冷却された冷却水はゴムホース32
を介してウォークポンプ29に流入し、加圧された後ゴム
ホース33を介して再び水冷エンジン23に還流される。
このように走行風41を冷却風導入ダクト25内に円滑に
導入してラジエータ26を通過させることができるので、
冷却水の冷却に走行風41を有効に利用できる。
またラジエータ26を通過して加熱された熱交換空気42
は後部車体カバー15より後方へ流れ、乗員に当らないの
で、乗員が暑く感ずることが避けられる。
さらに水冷エンジン23とラジエータ26とが近いため、
冷却水系の配管が短くなり、コストを低減させることが
できるとともに、保持、整備を容易に行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るエンジン冷却装置の一実施例を備
えたスクータ型自動二輪車の一部欠截側面図、第2図は
その車体カバーを除去した状態の平面図である。 1…スクータ型自動二輪車、2…前部車体、3…後部車
体、4…低床式ステップフロア、5…ヘッドパイプ、6
…ダウンフレーム、7…メインフレーム、8…フロント
フォーク、9…ステアリングステム、10…ステアリング
ハンドル、11…前部車体カバー、12…後面カバー、13…
前面カバー、14…フロントホイール、15…後部車体カバ
ー、16…前面カバー、17…側面カバー、18…下方カバ
ー、19…シート、20…スタンドブラケット、21…リン
ク、22…スインク式パワーユニット、23…水冷エンジ
ン、24…リヤホイール、25…冷却風導入ダクト、26…ラ
ジエータ、27…下部タンク、28…上部タンク、29…ウォ
ータポンプ、30…吸入部、31…吐出部、32,33…ゴムホ
ース、34…シリンダ、35…シリンダヘッド、36…フィラ
ーネック、37,38…ゴムホース、39…排気管、40…マフ
ラー、41…走行風、42…熱交換空気。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前部車体にフロントレッグシールドを備え
    るとともに、前後中央部車体に低床式ステップフロアを
    備え、後部車体に水冷エンジンが配置されて、該エンジ
    ンの上方に後部車体カバーが設けられたスクータ型小型
    車両において、前記低床式ステップフロアの内面に沿い
    前後方向に指向した冷却風導入通路が設けられ、該冷却
    風導入通路の前端開口部は、車体巾中央の前輪に対し車
    体外側方に位置して前輪後方のフロントレッグシールド
    内面に車体前方に向って開口し、前記冷却風導入通路の
    後端開口部はラジエータに近接して該ラジエータに対向
    して開口したことを特徴とするスクータ型小型車両のエ
    ンジン冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5979483U (ja) * 1982-11-22 1984-05-29 スズキ株式会社 スク−タのエンジン冷却装置
JPH045432Y2 (ja) * 1987-03-12 1992-02-17

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