JP2566418Y2 - ディスク再生装置におけるマガジンのレバー構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ディスク再生装置に装
填されるマガジンに関し、特にそのマガジンに設けられ
るレバーを改良してその遊動を防止できるようにしたも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、音声情報等をアナログ信号として
記録した旧来のレコード盤に代わり、音声や映像情報を
デジタル信号として記録した記録媒体（以下、ディスク
と称する）が主流となり、その需要が顕著である。

【０００３】その記録情報を再生する装置であるディス
ク再生装置にあって、セッティングされた複数のディス
クから一枚のディスクを選択して再生する機能を備えた
ものが知られている。例えば、その一つに複数のディス
クを収納したマガジンをディスク再生装置に装填し、そ
のマガジンから一枚のディスクを取り出して再生する装
置が知られている。

【０００４】従来、その種のマガジンとして、図５に示
すような構造のものが実用化されている。このマガジン
ｍは、矩形状を呈する樹脂製の筺体１の内部に複数の仕
切板２，・・・を等間隔に固設して複数の棚部３（図に
は最上段の棚部のみを示す）を形成し、その各棚部３，
・・・にディスクＤを収納可能としている。

【０００５】そして、筺体１の一側面１ａを開口し、そ
の開口部４と直交する筺体１の両側面１ｂ，１ｂ′に
は、各棚部３毎に板バネ５，５を固設し、開口部４から
挿入されるディスクＤを該板バネ５，５で保持するよう
にしている。また、各棚部３にはレバー６を枢着し、板
バネ５，５で保持された状態のディスクＤを該レバー６
の作動によって、外部へ押し出すようにしている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のマガジンｍによれば、収納されたディスクＤと筺体
１の側面１ａ′とによってレバー６の先端が挟持される
ものの、そこには僅かに間隙が生ずるためにレバー６が
遊動し、車載用のディスク再生装置等にあってはガタツ
キ音が生ずるという欠点があった。

【０００７】そこで、本考案はマガジンのレバーに改良
を施して、そのガタツキを防止しようとするものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するため、一側面を開口した筺体の内部に複数の仕切板
を配設し、その仕切板によって形成される各棚部にディ
スクを収納可能にし、更にその各棚部に前記ディスクを
外部へ押し出すための回動自在なレバーを備えたディス
ク再生装置におけるマガジンにおいて、前記レバーには
前記筺体の開口部の逆側に位置する箇所に弾性体が設け
られ、その弾性体が筺体内の側面に当接してレバーの本
体部先端を棚部に収納されたディスクの周面に向けて付
勢するようにしている。

【０００９】

【作用】筺体２０内に形成された棚部２７にディスクＤ
を押し込むと、ディスクＤの周面が板バネ２９，２９を
圧しながら移動し、板バネ２９，２９が次第に復元する
と、棚部２７に収納されたディスクＤがこの板バネ２
９，２９によって筺体２０内に保持される。

【００１０】棚部２７にディスクＤが収納されると、デ
ィスクＤの周面がレバー３０の本体部３１の先端３０ａ
を押圧してレバー３０が僅かに回転する。

【００１１】そして、このとき弾性体３３が筺体２０内
の側面２０ａに当接し、レバー３０の本体部３１の先端
３０ａをディスクＤの周面に向けて付勢する。

【００１２】従って、各棚部２７にディスクＤが収納さ
れていると、レバー３０は遊動することはなく、ガタツ
キ音が防止される。

【００１３】なお、弾性体３３の弾力が強すぎると、デ
ィスクＤが筺体２０内に収納不能となってしまうため、
該弾性体３３の弾力を板バネ２９，２９の保持力より小
さくすることが肝要である。

【００１４】ところで、収納されたディスクＤの取り出
しは、レバー３０の基端３０ｂがディスク再生装置のプ
ッシャーで押圧されることにより成される。

【００１５】

【実施例】以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。先ず、図１はディスク再生装置を示
す。図１において、１０は装置本体、Ｍがマガジンであ
る。

【００１６】このディスク再生装置は所謂ＣＤプレーヤ
であって、図示するものは主として車載用のＣＤプレー
ヤである。

【００１７】図１に示す如く、装置本体１０には装填口
１２が形成されているとともに、内部には図示せぬ再生
部を備えた昇降台１４が設けられている。

【００１８】一方、マガジンＭは、複数のディスクＤ，
・・・を収納したケースであり、装填口１２に対し着脱
自在となっている。

【００１９】そして、昇降台１４が所定箇所に停止して
プッシャーＰが伸長すると、選択されたディスクＤがマ
ガジンＭから押し出され、これが昇降台１４の再生部に
て再生されるようになっている。

【００２０】図２は、そのマガジンＭを示す。図２にお
いて、２０は筺体、３０は本願に係るレバーである。筺
体２０は、熱硬化性樹脂等から成る矩形状のケースであ
り、その一側面２０ａは開口して開口部２１としてい
る。その筺体２０の内部には、上面２０ｃ及び下面２０
ｃ′に平行して複数枚の仕切板２５，・・を等間隔に配
設し、各仕切板２５の間に棚部２７，・・を形成してい
る。

【００２１】そして、各棚部２７にディスクＤを収納可
能としているとともに、収納されたディスクＤを、各棚
部２７に設けたレバー３０，・・で外部に押し出せるよ
うにしている。

【００２２】次に、マガジンＭの内部状態を図３に示
す。この図から明らかなように、開口部２１に対向する
筺体２０内の一角には支持軸２３を立設し、この支持軸
２３にレバー３０を回動自在に装着している。また、仕
切板２５は、図示する如くレバー３０の周辺が切欠され
ていて、レバー３０を支持軸２３の軸線方向から順次装
着できるようにしている。

【００２３】一方、開口部２１に直交する筺体２０内の
両側面２０ｂ，２０ｂ′には、板バネ２９，２９を固設
し、棚部２７に挿入されたディスクＤを該板バネ２９，
２９で保持するようにしている。

【００２４】レバー３０は熱可塑性樹脂から成る偏平体
であり、開口部２１の逆側方向に位置する箇所には弾性
体３３が設けられ、棚部２７にディスクＤが収納されて
いる際に、その弾性体３３が筺体２０の側面２０ａ′に
当接するようにしている。

【００２５】ここで、図４にレバー３０を拡大して示
す。図４（ａ）に示すレバー３０は、本体部３１と弾性
体３３を一体成型して成り、このうち弾性体３３は本体
部３１の先端３０ａ近傍まで延長する薄片にして所要の
弾力が付与される。

【００２６】一方、図４（ｂ）に示すレバー３０は、本
体部３１に対し薄片状の金属板で成る弾性体３３を固設
した例である。なお、弾性体３３として圧縮コイルバネ
やゴムを用い、それらを開口部２１の逆側方向における
レバー３０の本体部３１に固設してもよい。ところで、
それら弾性体３３は、板バネ２９，２９によるディスク
の保持力より、その弾力を小さくすることが肝要であ
る。また、レバー３０は上述のように構成されるマガジ
ンＭに限らず、各種構成のマガジンに装着可能であるこ
とは云うまでもない。

【００２７】

【考案の効果】以上の説明で明らかなように、本考案に
よれば一側面を開口した筺体の内部に複数の仕切板を配
設し、その仕切板によって形成される各棚部にディスク
を収納可能にし、更にその各棚部に前記ディスクを外部
へ押し出すための回動自在なレバーを備えたディスク再
生装置におけるマガジンにおいて、前記レバーには前記
筺体の開口部の逆側に位置する箇所に弾性体が設けら
れ、その弾性体が筺体内の側面に当接してレバーの本体
部先端を棚部に収納されたディスクの周面に向けて付勢
するようにしたため、自動車などに搭載されるディスク
再生装置であってもレバーが遊動せずガタツキ音を生じ
ないという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ディスク再生装置を示す斜視概略図

【図２】ディスク再生装置に装填されるマガジンを示す
斜視図

【図３】同マガジンの内部状態を示す平面図

【図４】（ａ）は同マガジンに設けられるレバーの第１
実施例を示す平面図、（ｂ）は同マガジンに設けられる
レバーの第２実施例を示す平面図

【図５】従来のマガジンの内部構造を示す平面図

【符号の説明】

Ｄ ディスク Ｍ マガジン ２０ 筺体 ２１ 開口部 ２５ 仕切板 ２７ 棚部 ２９ 板バネ ３０ レバー ３１ 本体部 ３３ 弾性体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉田智明 群馬県邑楽郡大泉町大字坂田180番地 エフ・エム・エス・オーディオ・センデ ィリアン・バハド内 (56)参考文献 特開 昭63−271779（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一側面を開口した筺体の内部に複数の仕
   切板を配設し、その仕切板によって形成される各棚部に
   ディスクを収納可能にし、更にその各棚部に前記ディス
   クを外部へ押し出すための回動自在なレバーを備えたデ
   ィスク再生装置におけるマガジンにおいて、前記レバー
   には前記筺体の開口部の逆側に位置する箇所に弾性体が
   設けられ、その弾性体が筺体内の側面に当接してレバー
   の本体部先端を棚部に収納されたディスクの周面に向け
   て付勢するようにしたことを特徴とするディスク再生装
   置におけるマガジンのレバー構造。