JP2566122B2 - 可動床の昇降装置 - Google Patents
可動床の昇降装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、可動床の昇降装置に関
し、さらに詳しくは水泳プールに設けられる可動床の昇
降に適する昇降装置に関するものである。
し、さらに詳しくは水泳プールに設けられる可動床の昇
降に適する昇降装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】最近、子供から大人まで幅広く楽しむこ
とができるスポーツとして水泳が盛んになり、大人が泳
げるように設計されたプールを子供用としても使用し得
るようしたいという要請がある。またはプールを多目的
に使用するため、プール床を水面上にあげてステージと
して、もしくは運動用床として活用したいという要望も
ある。特に、学校用プールにおいては、学年別に利用す
る場合に児童にあわせてプール床の高さを調整したいと
いう要請が強い。このような要請に応えて、プール床の
高さを任意の高さに調整することができる各種の装置
が、下記の〜の通り提案されているが、それぞれつ
ぎのような問題点がある。
とができるスポーツとして水泳が盛んになり、大人が泳
げるように設計されたプールを子供用としても使用し得
るようしたいという要請がある。またはプールを多目的
に使用するため、プール床を水面上にあげてステージと
して、もしくは運動用床として活用したいという要望も
ある。特に、学校用プールにおいては、学年別に利用す
る場合に児童にあわせてプール床の高さを調整したいと
いう要請が強い。このような要請に応えて、プール床の
高さを任意の高さに調整することができる各種の装置
が、下記の〜の通り提案されているが、それぞれつ
ぎのような問題点がある。
【０００３】 特開平３−137361号公報および特開平
３−212569号公報には、プール床の対抗辺部に配設され
たチェーンと、これらのチェーンが巻装されるホィール
とこのホィールを駆動させるモータから構成され、チェ
ーンの巻装によって、プール床の高さを調整するプール
床の昇降装置が提案されている。このようなチェーン吊
り下げによってプール床を支持する装置では、チェーン
の駆動装置そのものをプールの外部に設けることができ
るが、プール壁面にチェーンを収める駆動ポストを設け
る必要があるとともに、プール壁と駆動装置との間に防
水シールを施すことが困難である。また、チェーンは伸
びやすいので、巻装する際にプール床に撓みが発生し易
いという問題がある。
３−212569号公報には、プール床の対抗辺部に配設され
たチェーンと、これらのチェーンが巻装されるホィール
とこのホィールを駆動させるモータから構成され、チェ
ーンの巻装によって、プール床の高さを調整するプール
床の昇降装置が提案されている。このようなチェーン吊
り下げによってプール床を支持する装置では、チェーン
の駆動装置そのものをプールの外部に設けることができ
るが、プール壁面にチェーンを収める駆動ポストを設け
る必要があるとともに、プール壁と駆動装置との間に防
水シールを施すことが困難である。また、チェーンは伸
びやすいので、巻装する際にプール床に撓みが発生し易
いという問題がある。
【０００４】 特開平２−8464号公報および特開平２
− 32432号公報には、プール床の底面とプール基礎面と
の間に空間部が形成され、この空間部にはプール床を昇
降させるスクリュージャッキが所定間隔ごとに立設され
ているプールの昇降床支持装置が開示されている。しか
し、この方式では、プールの下部に設置した多数のスク
リュージャッキによって、プール床を昇降するものであ
るから、プールの下部にデッドスペースが生じ、さらに
スクリュージャッキとこの駆動装置に施すシールが煩雑
となり施工コストが嵩むことになる。
− 32432号公報には、プール床の底面とプール基礎面と
の間に空間部が形成され、この空間部にはプール床を昇
降させるスクリュージャッキが所定間隔ごとに立設され
ているプールの昇降床支持装置が開示されている。しか
し、この方式では、プールの下部に設置した多数のスク
リュージャッキによって、プール床を昇降するものであ
るから、プールの下部にデッドスペースが生じ、さらに
スクリュージャッキとこの駆動装置に施すシールが煩雑
となり施工コストが嵩むことになる。
【０００５】 特開平３−140570号公報等には、圧液
によってロッドを伸縮させてプール床を昇降させるシリ
ンダーと、このシリンダーに圧液を供給する圧液供給装
置と、シリンダーのロッドのストロークを検出して上記
の圧液供給装置を制御する圧液制御装置を備えたシリン
ダー直動方式の可変床装置の提案がある。しかし、この
方式では、プールの底部に埋め込まれた多数のシリンダ
ーによって直接プール床を昇降させるものであるから、
深いピットを掘る必要がある。また、多数のシリンダー
を作動させるとき、これらの同調が必要となるが、提案
の圧液制御装置ではシリンダーの同調が困難であるとい
う問題がある。
によってロッドを伸縮させてプール床を昇降させるシリ
ンダーと、このシリンダーに圧液を供給する圧液供給装
置と、シリンダーのロッドのストロークを検出して上記
の圧液供給装置を制御する圧液制御装置を備えたシリン
ダー直動方式の可変床装置の提案がある。しかし、この
方式では、プールの底部に埋め込まれた多数のシリンダ
ーによって直接プール床を昇降させるものであるから、
深いピットを掘る必要がある。また、多数のシリンダー
を作動させるとき、これらの同調が必要となるが、提案
の圧液制御装置ではシリンダーの同調が困難であるとい
う問題がある。
【０００６】 特開平３− 80853号公報および特開平
３−107070号公報には、浮力体を取り付けたプール板
と、プールの底部側からプール床をその上下方向に調整
可能に保持する保持装置（例えば、ワイヤーにて連結）
とを備える浮き床方式を特徴とするプールの可動床の提
案がある。しかし、浮き床方式では、プール床の昇降は
一応可能であるが、プール床の強固な支持ができないの
で、ステージや運動用床として使用することができず、
用途が制限されるという問題がある。
３−107070号公報には、浮力体を取り付けたプール板
と、プールの底部側からプール床をその上下方向に調整
可能に保持する保持装置（例えば、ワイヤーにて連結）
とを備える浮き床方式を特徴とするプールの可動床の提
案がある。しかし、浮き床方式では、プール床の昇降は
一応可能であるが、プール床の強固な支持ができないの
で、ステージや運動用床として使用することができず、
用途が制限されるという問題がある。
【０００７】 特開平６−3988号公報および特開平６
− 10284号公報には、プール床の下方にパンタグラフ式
リンク装置を設けて、このリンク装置の起伏によってプ
ール床を昇降させる装置が開示されている。しかし、こ
の装置では、一つの作動リンクを駆動装置で作動させ、
リンク装置を起伏させるものであるから、例えば駆動装
置としてシリンダーを用いた場合には、駆動シリンダー
の作動距離（ストローク）とリンク装置の起伏量（上昇
量または下降量）とは比例しない。すなわち、後述の図
７に示すように、駆動シリンダーを一定のストロークで
作動させてリンク装置を上昇させる場合、リンク装置の
上昇量は駆動シリンダーのストロークと比例せず、上昇
当初は微小の上昇量に留まるのに対し、上昇後半には大
きな上昇量を示すこととなる。したがって、この装置を
使用してもプール床を安定して昇降することが困難とな
る。また、後述の図８に示すように、リンク装置の上昇
当初には駆動シリンダーに過大な負荷応力が加わるの
で、大容量のシリンダーを準備しなければならないとい
う問題がある。
− 10284号公報には、プール床の下方にパンタグラフ式
リンク装置を設けて、このリンク装置の起伏によってプ
ール床を昇降させる装置が開示されている。しかし、こ
の装置では、一つの作動リンクを駆動装置で作動させ、
リンク装置を起伏させるものであるから、例えば駆動装
置としてシリンダーを用いた場合には、駆動シリンダー
の作動距離（ストローク）とリンク装置の起伏量（上昇
量または下降量）とは比例しない。すなわち、後述の図
７に示すように、駆動シリンダーを一定のストロークで
作動させてリンク装置を上昇させる場合、リンク装置の
上昇量は駆動シリンダーのストロークと比例せず、上昇
当初は微小の上昇量に留まるのに対し、上昇後半には大
きな上昇量を示すこととなる。したがって、この装置を
使用してもプール床を安定して昇降することが困難とな
る。また、後述の図８に示すように、リンク装置の上昇
当初には駆動シリンダーに過大な負荷応力が加わるの
で、大容量のシリンダーを準備しなければならないとい
う問題がある。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の装置が有する問題点を解消した可動床の昇降装置の
開発を課題としてなされたものである。すなわち、本発
明の目的は、可動床の昇降が安定して、例えば、学校用
等のプール可動床に適用した場合、プール幅10ｍ以上の
大型可動床にも適用ができて、装置設置の施工性および
防水シール性に優れ、かつメンテナンスが簡便な可動床
の昇降装置を提供することを課題としてなされたもので
ある。
来の装置が有する問題点を解消した可動床の昇降装置の
開発を課題としてなされたものである。すなわち、本発
明の目的は、可動床の昇降が安定して、例えば、学校用
等のプール可動床に適用した場合、プール幅10ｍ以上の
大型可動床にも適用ができて、装置設置の施工性および
防水シール性に優れ、かつメンテナンスが簡便な可動床
の昇降装置を提供することを課題としてなされたもので
ある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、図２に示すよ
うに、可動床（１）の下方に配設されてこの可動床を昇
降させるリンク機構のパンタグラフ式昇降装置であっ
て、リンク機構（２）を構成する最下端のリンクの一方
（21a ）は基盤に固定されたフレーム（24）上に前後進
可能に設置され、他の一方のリンク（21b ）は上記フレ
ーム（24）に回動自在に取付けられており、このリンク
（21b ）の下端部には円弧状のカム板（23）が下向きに
凸設され、このカム板（23）の円弧状曲面に当接する駆
動ローラー（32）を備えたピストンロッド（31）とこの
ピストンロッド（31）を前後進させる駆動シリンダーと
からなる駆動機構（３）を有することを特徴とする可動
床の昇降装置を要旨としている。
うに、可動床（１）の下方に配設されてこの可動床を昇
降させるリンク機構のパンタグラフ式昇降装置であっ
て、リンク機構（２）を構成する最下端のリンクの一方
（21a ）は基盤に固定されたフレーム（24）上に前後進
可能に設置され、他の一方のリンク（21b ）は上記フレ
ーム（24）に回動自在に取付けられており、このリンク
（21b ）の下端部には円弧状のカム板（23）が下向きに
凸設され、このカム板（23）の円弧状曲面に当接する駆
動ローラー（32）を備えたピストンロッド（31）とこの
ピストンロッド（31）を前後進させる駆動シリンダーと
からなる駆動機構（３）を有することを特徴とする可動
床の昇降装置を要旨としている。
【００１０】上記の可動床の昇降装置は、例えば、プー
ル可動床の昇降装置として好適であり、この場合に安全
性および作業性を十分に図るため、多段式セルフロック
装置または／および駆動シリンダーの作動速度の同調装
置を設けることが望ましい。
ル可動床の昇降装置として好適であり、この場合に安全
性および作業性を十分に図るため、多段式セルフロック
装置または／および駆動シリンダーの作動速度の同調装
置を設けることが望ましい。
【００１１】
【作用】本発明の可動床の昇降装置においては、リンク
機構を構成する最下端のリンクの一方の下端部であって
下向きに凸設された円弧状のカム板と、駆動シリンダー
のピストンロッドに具備された駆動ローラーとが常に当
接されているので、駆動シリンダーを前後進させると、
前記のリンク機構が起伏、すなわち、上昇または下降す
る。このとき、リンクに凸設されたカム板の円弧状曲面
の形状を適切に選択すれば、前述のの装置の問題点が
解消できて、図７に示すように、シリンダーの作動距離
とリンク機構の起伏量とを、いずれの起伏段階において
も比例させることができる。また、リンク装置を上昇さ
せる場合にシリンダーに負荷される応力（Kgf/cm2 ）に
着目しても、図８に示すように、本発明の昇降装置で
は、シリンダーの作動距離に係わらず駆動シリンダーに
負荷される応力（Kgf/cm2 ）は常に一定となる。
機構を構成する最下端のリンクの一方の下端部であって
下向きに凸設された円弧状のカム板と、駆動シリンダー
のピストンロッドに具備された駆動ローラーとが常に当
接されているので、駆動シリンダーを前後進させると、
前記のリンク機構が起伏、すなわち、上昇または下降す
る。このとき、リンクに凸設されたカム板の円弧状曲面
の形状を適切に選択すれば、前述のの装置の問題点が
解消できて、図７に示すように、シリンダーの作動距離
とリンク機構の起伏量とを、いずれの起伏段階において
も比例させることができる。また、リンク装置を上昇さ
せる場合にシリンダーに負荷される応力（Kgf/cm2 ）に
着目しても、図８に示すように、本発明の昇降装置で
は、シリンダーの作動距離に係わらず駆動シリンダーに
負荷される応力（Kgf/cm2 ）は常に一定となる。
【００１２】ここで、駆動機構を構成するシリンダー
は、リンク機構を昇降させるための駆動用のシリンダー
であって、圧力媒体として油を用いるのみでなく、水、
エアーを使用するものも含むものである。また、本発明
の装置においては、駆動機構として圧力媒体を使用しな
い場合であっても、ラック・ピニオン機構の採用も可能
である。
は、リンク機構を昇降させるための駆動用のシリンダー
であって、圧力媒体として油を用いるのみでなく、水、
エアーを使用するものも含むものである。また、本発明
の装置においては、駆動機構として圧力媒体を使用しな
い場合であっても、ラック・ピニオン機構の採用も可能
である。
【００１３】
【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基づき、本
発明の昇降装置を詳細に説明する。
発明の昇降装置を詳細に説明する。
【００１４】図１は、本発明装置をプール可動床の昇降
装置として用いた例を示すプール幅方向の縦断面図であ
る。同図に示すように、この実施例にかかるプール可動
床の昇降装置は、プール壁面Pwに沿って昇降可能に支持
される可動床１の下方に配設されたリンク機構２のパン
タグラフ式昇降装置と、駆動ローラーを備えたピストン
ロッドとこのピストンロッドを前後進させる駆動シリン
ダーとからなる駆動機構３によって構成される。可動床
１は平板状の形状を有するものであって、所定の強度が
確保できるように構成されておれば足りるが、可能な限
り軽量化が図れる材料を選択することが望ましい。ま
た、駆動機構３は、施工性およびメンテナンス性を考慮
すれば、プール壁面Pwを隔ててプールの外側に設置する
のが好ましい。
装置として用いた例を示すプール幅方向の縦断面図であ
る。同図に示すように、この実施例にかかるプール可動
床の昇降装置は、プール壁面Pwに沿って昇降可能に支持
される可動床１の下方に配設されたリンク機構２のパン
タグラフ式昇降装置と、駆動ローラーを備えたピストン
ロッドとこのピストンロッドを前後進させる駆動シリン
ダーとからなる駆動機構３によって構成される。可動床
１は平板状の形状を有するものであって、所定の強度が
確保できるように構成されておれば足りるが、可能な限
り軽量化が図れる材料を選択することが望ましい。ま
た、駆動機構３は、施工性およびメンテナンス性を考慮
すれば、プール壁面Pwを隔ててプールの外側に設置する
のが好ましい。
【００１５】図２は、リンク機構のパンタグラフ式昇降
装置の構成を示す一部断面正面図であり、図示する昇降
装置は、２段式リンク機構を採用しているので、可動床
の昇降高さを比較的大きくすることができる。このリン
ク機構２は、４本のリンク21によって構成されるが、そ
れぞれのリンク21は、リンク継手22によって回動自在に
軸支される。このとき、下端のリンクの一方21a は基盤
に固定されたフレーム24上にフリーローラー25を介して
前後進可能に設置され、他の一方のリンク21bは上記フ
レーム24に回動自在に取付けられる。また、上端のリン
クの一方はフリーローラー25を介して可動床１の底面を
前後進可能に設置され、他の一方のリンクは可動床１の
底面に回動自在に取付けられる。このとき、フレーム24
に回動自在に取付けられたリンク21b の下端部には円弧
状のカム板23が下向きに凸設されている。
装置の構成を示す一部断面正面図であり、図示する昇降
装置は、２段式リンク機構を採用しているので、可動床
の昇降高さを比較的大きくすることができる。このリン
ク機構２は、４本のリンク21によって構成されるが、そ
れぞれのリンク21は、リンク継手22によって回動自在に
軸支される。このとき、下端のリンクの一方21a は基盤
に固定されたフレーム24上にフリーローラー25を介して
前後進可能に設置され、他の一方のリンク21bは上記フ
レーム24に回動自在に取付けられる。また、上端のリン
クの一方はフリーローラー25を介して可動床１の底面を
前後進可能に設置され、他の一方のリンクは可動床１の
底面に回動自在に取付けられる。このとき、フレーム24
に回動自在に取付けられたリンク21b の下端部には円弧
状のカム板23が下向きに凸設されている。
【００１６】駆動機構３を構成する駆動シリンダー30
は、プール壁面Pwを隔ててプールの外側に設置される
が、駆動シリンダー30によって作動するピストンロッド
31は、プール壁面Pwとの間に防水シール26が施されて、
プールの下部で前後進する。ピストンロッド31には、回
転自在に取付けられた駆動ローラー32が設けられ、前記
のカム板23の円弧状曲面と常時当接される。
は、プール壁面Pwを隔ててプールの外側に設置される
が、駆動シリンダー30によって作動するピストンロッド
31は、プール壁面Pwとの間に防水シール26が施されて、
プールの下部で前後進する。ピストンロッド31には、回
転自在に取付けられた駆動ローラー32が設けられ、前記
のカム板23の円弧状曲面と常時当接される。
【００１７】図３は、駆動シリンダー30のピストンロッ
ド31に取り付けられた駆動ローラー32の平面構成を示す
図であり、駆動ローラー32は、そのローラー軸32c を介
して、ピストンロッド31と連結されている。駆動ローラ
ー32の構造は、駆動シリンダーの作動にともなって、下
部フレーム24の上面を転がり移動するローラー32b と円
弧状のカム板23と当接して前後進するローラー32a とで
構成されている。
ド31に取り付けられた駆動ローラー32の平面構成を示す
図であり、駆動ローラー32は、そのローラー軸32c を介
して、ピストンロッド31と連結されている。駆動ローラ
ー32の構造は、駆動シリンダーの作動にともなって、下
部フレーム24の上面を転がり移動するローラー32b と円
弧状のカム板23と当接して前後進するローラー32a とで
構成されている。
【００１８】通常、駆動シリンダー30のピストンロッド
31に負荷が加わるリンク機構の上昇時には、座屈強度を
考慮して、ピストンロッド31に引張応力が作用するよう
に設計される。したがって、リンク機構を上昇させる場
合には、駆動シリンダー30の引張作動によってローラー
32a がカム板23と当接してリンクを押し上げるので、こ
れにともなってリンク機構が上昇する。このとき、リン
ク装置の上昇量はカム板の曲線の形状によって調整さ
れ、リンク機構の上昇量は駆動シリンダーの作動距離と
比例させることができる。例えば、このようなカム板の
曲線の形状は、リンク機構の起伏量と駆動シリンダーの
作動距離とがいずれの起伏段階においても比例するよう
に、作図上で設計することができる。
31に負荷が加わるリンク機構の上昇時には、座屈強度を
考慮して、ピストンロッド31に引張応力が作用するよう
に設計される。したがって、リンク機構を上昇させる場
合には、駆動シリンダー30の引張作動によってローラー
32a がカム板23と当接してリンクを押し上げるので、こ
れにともなってリンク機構が上昇する。このとき、リン
ク装置の上昇量はカム板の曲線の形状によって調整さ
れ、リンク機構の上昇量は駆動シリンダーの作動距離と
比例させることができる。例えば、このようなカム板の
曲線の形状は、リンク機構の起伏量と駆動シリンダーの
作動距離とがいずれの起伏段階においても比例するよう
に、作図上で設計することができる。
【００１９】また、本発明の装置では、一つの駆動シリ
ンダーで２以上のリンク機構を操作することができる。
ンダーで２以上のリンク機構を操作することができる。
【００２０】本発明の昇降装置は、可動床を任意の高さ
で正確に支持できることも特徴である。このため、可動
床の支持高さに応じて駆動シリンダーのストロークを途
中止めする必要があるが、この場合に可動床の支持を正
確かつ確実にするため、安全装置を施すのが望ましい。
で正確に支持できることも特徴である。このため、可動
床の支持高さに応じて駆動シリンダーのストロークを途
中止めする必要があるが、この場合に可動床の支持を正
確かつ確実にするため、安全装置を施すのが望ましい。
【００２１】図４は、本発明で安全装置として用いられ
る多段式セルフロック装置の機構を説明する図である。
多段式セルフロック装置は、駆動シリンダー30のピスト
ンロッド31に設けられた係止ピン33と、この係止ピンと
係合する複数個の凹部を有する爪34とこの爪を作動させ
るロック用シリンダー35で構成される。すなわち、駆動
シリンダー30のピストンロッド31が所定のストロークで
停止すると、ロック用シリンダー35の作動によって、爪
34に設けられた凹部とピストンロッド31に設けられた係
止ピン33とが係合して、可動床が正確かつ確実に固定さ
れる構造になっている。このような構造を用いることに
よって、可動床の高さを、プールの全床のみならず、部
分床の高さについても適切に調整できる。通常、これら
の多段式セルフロック装置はプールの外側に設けられ
る。
る多段式セルフロック装置の機構を説明する図である。
多段式セルフロック装置は、駆動シリンダー30のピスト
ンロッド31に設けられた係止ピン33と、この係止ピンと
係合する複数個の凹部を有する爪34とこの爪を作動させ
るロック用シリンダー35で構成される。すなわち、駆動
シリンダー30のピストンロッド31が所定のストロークで
停止すると、ロック用シリンダー35の作動によって、爪
34に設けられた凹部とピストンロッド31に設けられた係
止ピン33とが係合して、可動床が正確かつ確実に固定さ
れる構造になっている。このような構造を用いることに
よって、可動床の高さを、プールの全床のみならず、部
分床の高さについても適切に調整できる。通常、これら
の多段式セルフロック装置はプールの外側に設けられ
る。
【００２２】大型プール床を昇降する場合は、昇降装置
も多数使用することになる。駆動装置は、図１に示すよ
うに、一つで複数のリンク機構を駆動することができる
が、リンク機構が多数になれば、駆動機構も複数個使用
しなければならない。このとき、各駆動シリンダーの作
動速度にバラツキがあると、可動床の昇降作業性を著し
く低下させるとともに、可動床の不安定な昇降にともな
って故障を生じる場合もある。このような問題を解消す
るため、駆動シリンダーの作動位置を調整し、それぞれ
の駆動シリンダーの作動速度を同調する装置を設けるこ
とが望ましい。
も多数使用することになる。駆動装置は、図１に示すよ
うに、一つで複数のリンク機構を駆動することができる
が、リンク機構が多数になれば、駆動機構も複数個使用
しなければならない。このとき、各駆動シリンダーの作
動速度にバラツキがあると、可動床の昇降作業性を著し
く低下させるとともに、可動床の不安定な昇降にともな
って故障を生じる場合もある。このような問題を解消す
るため、駆動シリンダーの作動位置を調整し、それぞれ
の駆動シリンダーの作動速度を同調する装置を設けるこ
とが望ましい。
【００２３】本発明の一実施例である作動速度の同調装
置は、駆動シリンダーの作動位置の検出機構と駆動シリ
ンダーの作動制御機構とからなる。
置は、駆動シリンダーの作動位置の検出機構と駆動シリ
ンダーの作動制御機構とからなる。
【００２４】図５は、駆動シリンダーの作動位置の検出
機構を説明する図であるが、駆動シリンダー30のピスト
ンロッド31に設けられた検出用ピン36と、このピンを検
出することによって駆動シリンダーの作動位置を検出す
る位置センサー37とで構成されている。位置センサー37
が、駆動シリンダーの作動位置を検出すると、制御信号
が出力される。
機構を説明する図であるが、駆動シリンダー30のピスト
ンロッド31に設けられた検出用ピン36と、このピンを検
出することによって駆動シリンダーの作動位置を検出す
る位置センサー37とで構成されている。位置センサー37
が、駆動シリンダーの作動位置を検出すると、制御信号
が出力される。
【００２５】図６は、駆動機構として油圧シリンダーを
用いた場合の作動制御機構の一例を説明する系統図であ
る。この系統図において、油圧シリンダー30による可動
床の上昇・下降の作動は油圧バルブＶ（例えば、ダブル
ソレノイド３ポジションのバルブ）によって行われ、そ
れらの油圧バルブの作動状態は電磁バルブSV1 、SV2に
よって切り替えられる。油圧シリンダー30によって可動
床を上昇させる場合には、電磁バルブSV1 が作動して油
圧バルブＶが上昇状態で保持され、所定の作動位置まで
上昇する。このとき複数の油圧シリンダーを作動させる
と、作動速度に差が生じるので、所定の作動位置に達す
るのに時間的なバラツキが発生する。すなわち、プール
床の全体を見た場合、可動床の上昇速度が部分的に不均
一となる。
用いた場合の作動制御機構の一例を説明する系統図であ
る。この系統図において、油圧シリンダー30による可動
床の上昇・下降の作動は油圧バルブＶ（例えば、ダブル
ソレノイド３ポジションのバルブ）によって行われ、そ
れらの油圧バルブの作動状態は電磁バルブSV1 、SV2に
よって切り替えられる。油圧シリンダー30によって可動
床を上昇させる場合には、電磁バルブSV1 が作動して油
圧バルブＶが上昇状態で保持され、所定の作動位置まで
上昇する。このとき複数の油圧シリンダーを作動させる
と、作動速度に差が生じるので、所定の作動位置に達す
るのに時間的なバラツキが発生する。すなわち、プール
床の全体を見た場合、可動床の上昇速度が部分的に不均
一となる。
【００２６】前述の通り、油圧シリンダーが所定の作動
位置に達すると制御信号が出力される。速く所定位置に
達した油圧シリンダーでは、この制御信号に基づいて油
圧バルブＶを停止状態として、油圧シリンダーのストロ
ークを所定の作動位置に留めて、他の油圧シリンダーと
の作動制御を行う。
位置に達すると制御信号が出力される。速く所定位置に
達した油圧シリンダーでは、この制御信号に基づいて油
圧バルブＶを停止状態として、油圧シリンダーのストロ
ークを所定の作動位置に留めて、他の油圧シリンダーと
の作動制御を行う。
【００２７】一方、可動床を下降させる場合には、電磁
バルブSV2 が作動して油圧バルブＶを下降状態とし、他
の油圧シリンダーと作動速度を同調するために作動を停
止するときは、同様にこれらの油圧バルブを停止状態に
切り換える。
バルブSV2 が作動して油圧バルブＶを下降状態とし、他
の油圧シリンダーと作動速度を同調するために作動を停
止するときは、同様にこれらの油圧バルブを停止状態に
切り換える。
【００２８】このような駆動シリンダーの作動位置の検
出機構と駆動シリンダーの作動制御機構を昇降装置に設
けることによって、各駆動シリンダーの作動速度が一定
になって、可動床の昇降作業性を著しく向上させること
ができる。
出機構と駆動シリンダーの作動制御機構を昇降装置に設
けることによって、各駆動シリンダーの作動速度が一定
になって、可動床の昇降作業性を著しく向上させること
ができる。
【００２９】
【発明の効果】本発明の可動床の昇降装置は、駆動部の
構造が簡単で安定した昇降作業が可能であり、しかも施
工性とメンテナンス性に優れる。この昇降装置はプール
可動床用としてのみでなく、屋外ステージや運動床の昇
降等の多目的利用も可能になる。
構造が簡単で安定した昇降作業が可能であり、しかも施
工性とメンテナンス性に優れる。この昇降装置はプール
可動床用としてのみでなく、屋外ステージや運動床の昇
降等の多目的利用も可能になる。
【図１】本発明装置をプール可動床の昇降装置として用
いた例を示すプール幅方向の縦断面図である。
いた例を示すプール幅方向の縦断面図である。
【図２】本発明のリンク機構のパンタグラフ式昇降装置
の構成を示す一部断面正面図である。
の構成を示す一部断面正面図である。
【図３】本発明の駆動シリンダーのピストンロッドに取
り付けられた駆動ローラーの平面構成を示す図である。
り付けられた駆動ローラーの平面構成を示す図である。
【図４】本発明で安全装置として用いられる多段式セル
フロック装置の機構を説明する図である。
フロック装置の機構を説明する図である。
【図５】本発明の作動速度の同調装置を構成する駆動シ
リンダーの作動位置の検出機構を説明する図である。
リンダーの作動位置の検出機構を説明する図である。
【図６】本発明の作動速度の同調装置の駆動機構として
油圧シリンダーを用いた場合の作動制御機構の一例を説
明する系統図である。
油圧シリンダーを用いた場合の作動制御機構の一例を説
明する系統図である。
【図７】リンク機構のパンタグラフ式昇降装置における
シリンダーの作動距離とリンク機構の起伏量の関係を示
した図である。
シリンダーの作動距離とリンク機構の起伏量の関係を示
した図である。
【図８】リンク機構のパンタグラフ式昇降装置における
シリンダーの作動距離と負荷応力の関係を示した図であ
る。
シリンダーの作動距離と負荷応力の関係を示した図であ
る。
１…可動床、 ２…リンク機構、 ３…駆動機構、 Pw
…プール壁面 21…リンク、 22…リンク継手、 23…カム板、 24…
下部フレーム 25…フリーローラー、 26…防水シール 30…駆動シリンダー（油圧シリンダー）、 31…ピスト
ンロッド 32、32a 、32b 、32c …駆動ローラー、 33…係止ピ
ン、 34…爪 35…ロック用シリンダー、 36…検出用ピン、 37…位
置センサー
…プール壁面 21…リンク、 22…リンク継手、 23…カム板、 24…
下部フレーム 25…フリーローラー、 26…防水シール 30…駆動シリンダー（油圧シリンダー）、 31…ピスト
ンロッド 32、32a 、32b 、32c …駆動ローラー、 33…係止ピ
ン、 34…爪 35…ロック用シリンダー、 36…検出用ピン、 37…位
置センサー
Claims (4)
- 【請求項１】可動床の下方に配設されてこの可動床を昇
降させるリンク機構のパンタグラフ式昇降装置であっ
て、リンク機構（２）を構成する最下端のリンクの一方
（21a）は基盤に固定されたフレーム（24）上に前後進
可能に設置され、他の一方のリンク（21b ）は上記フレ
ーム（24）に回動自在に取付けられており、このリンク
（21b ）の下端部には円弧状のカム板（23）が下向きに
凸設され、このカム板（23）の円弧状曲面に当接する駆
動ローラー（32）を備えたピストンロッド（31）とこの
ピストンロッド（31）を前後進させる駆動シリンダーと
からなる駆動機構（３）を有することを特徴とする可動
床の昇降装置。 - 【請求項２】上記の可動床が平板状のプール可動床であ
り、上記の駆動機構の駆動シリンダーがプールの外側に
設けられていることを特徴とする請求項１記載の可動床
の昇降装置。 - 【請求項３】上記の駆動シリンダーのピストンロッドに
設けられた係止ピン（33）と、この係止ピンと係合する
複数個の凹部を有する爪（34）と、この爪を作動させる
シリンダー（35）とから構成された多段式セルフロック
装置を具備することを特徴とする請求項１または請求項
２記載の可動床の昇降装置。 - 【請求項４】上記の駆動シリンダーのピストンロッドに
設けられた検出用ピン（36）およびそれを検出する位置
センサー（37）から構成される駆動シリンダーの作動位
置の検出機構と、このシリンダーの作動位置の検出機構
が出力する制御信号に基づいて、前記の駆動シリンダー
の作動を制御する機構とからなる駆動シリンダーの作動
速度の同調装置を有することを特徴とする請求項１、請
求項２または請求項３記載の可動床の昇降装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6291550A JP2566122B2 (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 可動床の昇降装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6291550A JP2566122B2 (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 可動床の昇降装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08143285A JPH08143285A (ja) | 1996-06-04 |
| JP2566122B2 true JP2566122B2 (ja) | 1996-12-25 |
Family
ID=17770372
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6291550A Expired - Lifetime JP2566122B2 (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 可動床の昇降装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2566122B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101884821B1 (ko) * | 2017-06-02 | 2018-08-02 | 삼성중공업 주식회사 | 다단 링크를 이용한 안전 풀링 장치 |
| KR102594177B1 (ko) * | 2023-02-23 | 2023-10-25 | 이상용 | 체인의 방향전환을 이용한 직립 추력 액추에이터 및 이를 이용한 상향 추력 장치 |
-
1994
- 1994-11-25 JP JP6291550A patent/JP2566122B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08143285A (ja) | 1996-06-04 |
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