JP2565797B2 - フリーフロート式スチームトラップ - Google Patents

フリーフロート式スチームトラップ

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は蒸気と復水の比重差を利用して、弁室内に自
由状態で収容したフロート弁で弁口を直接開閉し、蒸気
と復水の混合系から復水のみを自動的に排出するフリー
フロート式スチームトラップに関する。
<従来の技術> フリーフロート式スチームトラップはフロート自体が
弁体を兼ね、作動部分が単一となり構造が極めて簡単で
故障が少なく、また、フロート弁の全周がシール面故に
弁座に対して常に新しい弁面を得ることができる、等の
利点を有する。その構造は第4図に示すように、入口
6、出口7を有する本体1と蓋2で弁筐体を成し、その
内部に弁室4を形成し、その弁室4内にフロート弁8を
自由状態で収容する。そしてフロート弁8が弁室内の水
位により浮上降下することにより、その表面で出口と連
通する弁口10を開閉して、復水を出口側へ排出する。
<発明が解決しようとする課題> 第5図は第4図に於けるA−A線略断面図であり、復
水が入口から弁室へ流入する状態を示したものである。
図からも解るように一般的に入口、及び入口から弁室に
繁がる部分である流入口の形状は配管との接続の関係か
ら円形である。従ってこの部分に復水が流れる時は図の
ように中央に集約され一本の水流となって弁室へ流下す
る。
一方、フロート弁は自由状態で配されているが為に、
入口から流入する復水流の影響を受けてフロート弁が動
揺し易いという短所を有する。従ってこのフロート弁に
前述のように復水が集中的に流下すると、フロート弁は
著しく動揺し弁口との接触が悪くなり流体の漏れ、至っ
ては蒸気の漏れに繁がる。
また、復水が集中的に弁口の上へ落下する為にフロー
ト弁と弁口の接触を妨げる作用をする。そして弁口付近
に於ける流体を乱流状態にする為に蒸気を巻込んでしま
うという問題もある。
また、集中した復水がフロート弁の丁度中心上、つま
り弁口軸線状に流下すればよいが、少しでもその中心か
ら外れるとその復水流がフロート弁を側方へ押しやるよ
うに作用し、弁口からフロート弁を反らせて流体のもれ
を促進する。
従って本発明の技術的課題は、フリーフロート式スチ
ームトラップに於てフロート弁が流入する復水の影響を
受けないようにすることである。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するために講じた本発明の技術的手段
は、入口、出口を形成し内部に弁室を有するトラップ筐
体と、弁室下部に配置し弁室と出口を連通する弁口を開
口した弁座部材と、弁室内に自由状態で配置し弁室内の
水位に応じて浮上降下して前記弁口を直接開閉するフロ
ート弁から成るスチームトラップに於て、入口から弁室
内に通じる流入口に全幅せきを形成し、全幅せきの上端
が水平方向に流入口を横断することを特徴とするもので
ある。また、全幅せきは弁室側へ傾斜せしめて形成して
もよい。
<作用> 入口から流入する腹水はせきの高さまで溜められる。
そして更に流入する復水はせきを越えることにより分散
されて弁室へ流入する。従ってフロート弁への腹水の衝
撃力が分散されるためにフロート弁の動揺は抑制するこ
とができる。また、上記せきを弁室側へ傾斜させること
により復水を弁口からより遠くへ落下させることができ
る。
<実施例> 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する。
(第1図乃至第3図参照) 本体1に蓋2をボルト3で締結して内部に弁室4を有
する弁筐体を形成する。本体1と蓋2の間にはガスケッ
ト5を介在せしめて両者の気密を保つ。
本体1の上部に入口6を、下部に出口7を形成する。
入口6と出口7は水平方向に開口し、それぞれ配管用の
雌ねじを形成している。入口6と弁室4が連結する部分
である流入口20に全幅せき21を弁室側へ若干傾斜せしめ
て形成する。せき21の高さは入口6または流入口20の約
半分、傾斜角度は鉛直に対して約5度から15度が望まし
い。
弁室4の下部に弁口10を有する弁座部材11をねじ結合
して取り付ける。弁口10は流出方向に向かって口径が拡
大し、流体の通過抵抗が減少する対策が成されている。
弁室4にステンレス鋼薄板で作った中空の球形フロー
ト8を自由状態で収容する。フロート8は弁室4に溜る
復水に浮き、液面と共に浮上降下する。弁室4の底面に
弁口10の中心軸とほぼ平行にフロート座26a,bを2本形
成して、閉弁時にフロート弁8を弁口10に案内、そして
保持する。つまり、フロート弁8が降下して弁口10を閉
弁する時、フロート弁8はフロート座26a,bと弁座部材1
1の先端部の3点(A,B,C)が当接するするようになり、
完全なシールをすることができる。
参照番号15はバイメタル片で、断面略U字状に形成し
てビス16で本体1に取付け、低温時に変形してフロート
8を弁座部材11から離座せしめ弁口10を開口し、高温時
に収縮して(第3図に示す状態)フロート8に関与しな
くなる。
上記スチームトラップの作動は次の通りである。入口
6は蒸気使用機器等の復水発生箇所に接続する。入口6
から流入する復水はせき21の高さまで溜められる。そし
て更に流入する復水はせきを越えることにより分散され
て弁室4へ流下する(第2図の状態)。従ってフロート
弁8への復水の衝撃力が分散されるためにフロート弁8
の動揺は抑制することができる。また、上記せきを弁室
側へ傾斜させることにより復水を弁口10からより遠くへ
流下させることができる。
フロート弁8は液面の上昇と共に、弁座部材11の一点
を支点にして回動浮上(第1図において一点鎖線で示す
状態)して弁口10の開度を復水の量に応じて調節し、継
続的な排出作用を行なう。排出により液面が下がるとフ
ロート弁8も降下し弁口10を塞ぎ復水の流出を止める。
この場合、前述したようにフロート座26a,bは弁口10の
中心軸と平行に2条形成されているので弁口10を完全に
閉塞する。
<発明の効果> 本発明によれば、復水は分散されて弁室に流下してフ
ロート弁8への復水の衝撃力が分散されるためにフロー
ト弁8の動揺は抑制され、弁座とのシール性が向上して
蒸気の漏れをなくなすことができる。
また、弁口付近へ腹水が流下しないので弁口付近に於
ける流体の乱流状態が抑制され蒸気を巻込むことがなく
なる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例のフリーフロート式スチームト
ラップの断面図、第2図は第1図に於けるB−B線略断
面図、第3は第1図に於けるC−C線断面図、第4図は
従来のフリーフロート式スチームトラップの断面図、第
5図は第4図に於けるA−A線断面図である。 1:本体、2:蓋、4:弁室 6:入口、7:出口、8:フロート 10:弁口、11:弁座部材、21:全幅せき

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入口、出口を形成し内部に弁室を有するト
    ラップ筐体と、弁室下部に配置し弁室と出口を連通する
    弁口を開口した弁座部材と、弁室内に自由状態で配置し
    弁室内の水位に応じて浮上降下して前記弁口を直接開閉
    するフロート弁から成るスチームトラップに於て、入口
    から弁室内に通じる流入口に全幅せきを形成し、全幅せ
    きの上端が水平方向に流入口を横断することを特徴とす
    るフリーフロート式スチームトラップ。
  2. 【請求項2】全幅せきは弁室側へ傾斜せしめて形成した
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のフリーフ
    ロート式スチームトラップ。
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