JP2565757B2 - 洗剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、洗剤組成物に係わり、特に布地を洗浄し、
かつ該布地に好ましい柔軟性を付与するのに用いる洗剤
組成物に係わる。

布地は通常、布地から汚れを除去する洗浄活性物質を
含有する洗剤組成物を用いて洗浄する。或る種の、特に
天然繊維から成る布地は繰り返し洗浄するうちに強張っ
て、風合が悪くなりかねない。このような布地の強張り
を特に布地洗濯過程の洗浄後段階、即ち例えば濯ぎ段階
に布地を柔軟にすることによって軽減するべく企図され
た布地コンディショナーは近年市販されている。別個の
製剤を用いる不便が無くなるように、布地の洗浄も柔軟
化も可能な単一の洗剤組成物の提供が望まれている。こ
の問題は、英国特許第1400898号（Proc−ter ＆ Gambl
e）によれば洗剤組成物にアニオン性であるか、あるい
はアニオン性同様の洗浄活性物質と共に、少なくとも50
meq/100gのカチオン交換容量を有する物質を含む三層ス
メクタイトクレーを含有させることによって解決し得
る。クレーは、組成物のその他の成分と共に噴霧乾燥す
ることが推奨されている。英国特許公開第2138 037号
（Col−gate−Palmolive）によれば、特定レベルのアニ
オン性及び非イオン性洗浄活性物質を含有する漂白剤含
有洗剤組成物中にスメクタイトクレーその他のクレーを
用い得、その際使用可能なクレーは微細粒子の形態を有
し、クレーの微細粒子は互いに結合して、粉末状の洗剤
組成物中に含まれるのに適した大きさの凝集体となる。
この凝集は、洗浄液を得るべく洗剤を水に添加した時ク
レーが迅速に分散するうえで必須であるとされている。
しかし、凝集は洗剤のコストを上昇させる。クレーをそ
の他の成分と共に噴霧乾燥すると柔軟化効果が低下しか
ねず、一方組成物に微粉状クレーを添加する場合はダス
トの取り扱いという問題が生起する。そのうえ、使用ク
レーの由来によっては洗剤の色合が悪くなる。

驚くべきことに、本出願人は今や、クレーを本発明の
規定する形態で含有させれば上述の問題点を少なくとも
部分的に解決することができ、クレー含有組成物で布地
を有効に柔軟化することが可能となることを発見した。
本発明は、（１）洗浄活性物質と、（２）洗浄力ビルダ
ーと、（３）150〜2,000ミクロンの粒子寸法を有する粉
砕クレーとを含有する洗剤組成物を提供する。ただし、
前記洗浄活性物質は一般式（Ｉ） （式中の各記号は次の通りである。

R₁,R₂:C₁₂〜C₂₆のアルキル基 R₃,R₄:C₁〜C₄のアルキル基、ベンジル基、C₂〜C₄のヒド
ロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基 X:ハロゲン、CH₃SO₄、C₂H₅SO₄、1/2 SO₄または で表されるものを除くものである。

洗浄活性物質は、石鹸でないアニオン性、両性、双性
及び非イオン性洗浄活性物質並びにそれらの混合物の中
から選択し得る。特に好ましいのは、アルキルベンゼン
スルホネートのアルカリ金属塩とアルコキシル化したア
ルコールとの混合物のようなアニオン性洗浄活性物質と
非イオン性洗浄活性物質との混合物である。組成物中の
洗浄活性物質のレベルは２〜50重量％、最も好ましくは
５〜30重量％であり得る。

使用可能な好ましい洗浄化合物は、合成アニオン性及
び非イオン性化合物である。合成アニオン性化合物は普
通、炭素原子約８〜約22個を有するアルキル基を含む有
機スルフェート及びスルホネートの水溶性アルカリ金属
塩であり、ここで“アルキル”という語は高級アシル基
のアルキル部分の意味も含めて用いる。適当な合成アニ
オン性洗浄化合物の例としては、ナトリウム及びカリウ
ムアルキルスルフェート、特に例えば獣脂あるいはヤシ
油から製造した高級（C₈〜C₁₈）アルコールのスルフェ
ート化した得られる該スルフェート；ナトリウム及びカ
リウムアルキル（C₉〜C₂₀）ベンゼンスルホネート、特
にナトリウム直鎖第二アルキル（C₁₀〜C₁₅）ベンゼンス
ルホネート；ナトリウムアルキルグリセリルエーテルス
ルフェート、特に獣脂あるいはヤシ油に由来する高級ア
ルコール並びに石油に由来する合成アルコールの該エー
テル；ナトリウムヤシ油脂肪モノグリセリドスルフェー
ト及びスルホネート；高級（C₈〜C₁₈）脂肪アルコール
の硫酸エステルと酸化アルキレン、特に酸化エチレンと
の反応生成物のナトリウム及びカリウム塩；イソチオン
酸でエステル化し、かつ水酸化ナトリウムで中和したヤ
シ油脂肪酸のような脂肪酸の反応生成物；メチルタウリ
ンの脂肪酸アミドのナトリウム及びカリウム塩；α−オ
レフィン（C₈〜C₂₀）とナトリウムビスルファイトとの
反応に由来するような、またパラフィンをSO₂及びCl₂と
反応させ、その後塩基で加水分解してランダムスルホネ
ートを生成することによって得られるようなアルカンモ
ノスルホネート；並びにオレフィンスルホネートを挙げ
ることができ、ここで“オレフィンスルホネート”とい
う語は、オレフィン、特にC₁₀〜C₂₀のα−オレフィンを
SO₃と反応させ、その後反応生成物を中和及び加水分解
して製造した物質の意味で用いる。好ましいアニオン性
洗浄化合物は、ナトリウム（C₁₁〜C₁₅）アルキルベンゼ
ンスルホネート及びナトリウム（C₁₆〜C₁₈）アルキルス
ルフェートである。

使用可能である適当な非イオン性洗浄化合物には特
に、疎水基及び反応性水素原子を有する物質、例えば脂
肪族アルコール、酸、アミドあるいはアルキルフェノー
ルと酸化アルキレン、特に酸化エチレン単独かあるいは
酸化エチレン及び酸化プロピレンとの反応生成物が含ま
れる。特定の非イオン性洗浄化合物として、通常５〜25
E0、即ち１分子当たりの酸化エチレンが５〜25単位であ
るアルキル（C₆〜C₂₂）フェノール−酸化エチレン縮合
物、通常５〜40E0の、脂肪族（C₈〜C₁₈）第一あるいは
第二直鎖あるいは分枝鎖アルコールと酸化エチレンとの
縮合物、並びに酸化エチレンと酸化プロピレン及びエチ
レンジアミンの反応生成物との縮合物が挙げられる。そ
の他のいわゆる非イオン性洗浄化合物には、長鎖第三ア
ミンオキシド、長鎖第三ホスフィンオキシド及びジアル
キルスルホキシドが含まれる。

洗浄化合物を混合して、即ち例えばアニオン性化合物
同士か、あるいはアニオン性化合物と非イオン性化合物
とを混合して洗剤組成物中に用いることも可能であり、
特にアニオン性化合物と非イオン性化合物との混合物は
起泡性を低く制御するべく用い得る。このことは、気泡
を許容し得ない自動洗濯機で用いる洗剤において有用で
ある。

本発明の組成物中には両性あるいは双性洗浄化合物も
用い得るが、これらの化合物は比較的高コストであるの
で通常望ましくない。何等かの両性あるいは双性洗浄化
合物を用いる場合は通常、はるかにしばしば用いる合成
アニオン性及び／または非イオン性洗浄化合物をベース
とした組成物中に少量存在させる。

洗浄力ビルダーは、洗浄液中の遊離カルシウムイオン
のレベルを低下させ得る任意物質であり得、好ましくは
組成物に、アルカリ性pHの発生、布地から除去した汚れ
の懸濁、並びに布地柔軟化クレー物質の懸濁といったそ
の他の有利な特性をもたらす。洗浄力ビルダーのレベル
は10〜70重量％、最も好ましくは25〜50重量％であり得
る。

洗浄力ビルダーの例には、アルカリ金属カーボネー
ト、ビカーボネート、オルトホスフェートのような沈澱
ビルダー、アルカリ金属トリポリホスフェートあるいは
ニトリロトリアセテートのような金属イオン封鎖ビルダ
ー、並びにアモルファスアルカリ金属アルミノシリケー
トあるいはゼオライトのようなイオン交換ビルダーが含
まれる。

クレー含有物質は、布地の柔軟化という利点をもたら
し得るような任意物質であり得る。そのような物質は普
通天然に得られ、理想的にはカルシウム及び／またはナ
トリウムモンモリロナイト型である膨潤可能な三層スメ
クタイトクレーを含有する。クレー含有物質の布地柔軟
剤としての有効性は、特にスメクタイトクレーのレベル
に従属する。しばしば、方解石、長石及びシリカのよう
な不純物が存在する。比較的不純なクレーも、上記のよ
うな不純物が組成物中に許容可能であれば用いることが
できる。

意外にも、クレー物質の粒子寸法が150ミクロンを越
える場合でも布地の有効な柔軟化が可能であることが判
明した。2,000ミクロンを上回る粒子寸法は、組成物に
おいて凝離を惹起する恐れがあるので望ましくない。好
ましい粒子寸法は200〜1,000ミクロンである。処理中に
一次粒子の凝集が幾分生起するかもしれないが、この凝
集は組成物の有効性にとって重要でないことが判明し
た。本発明において粒子寸法は篩分析で測定した。

布地柔軟化クレー物質の組成物中でのレベルは柔軟化
を有利に実現するのに十分なものであるべきであり、即
ちクレーミネラルそのものに基づいて計算して1.5〜35
重量％、最も好ましくは４〜15重量％というようなレベ
ルであるべきである。

洗浄活性物質、洗浄力ビルダー及びクレー含有物質に
加え、本発明による組成物は他の成分も任意に含有す
る。

本発明の洗剤組成物には既に述べた成分以外に任意の
通常の添加物を、当該添加物を布地洗浄用の洗剤組成物
中に通常用いる量で含有させることができる。そのよう
な添加物の例には、アルカノールアミド、特にパーム核
油脂肪酸及びヤシ油脂肪酸に由来するモノエタノールア
ミドのような起泡力増進剤、抑泡剤、ナトリウムペルボ
レート及びナトリウムペルカーボネートのような酸素放
出型漂白剤、過酸漂白剤先駆物質、トリクロロイソシア
ヌル酸のような塩素放出型漂白剤、ナトリウムスルフェ
ートのような無機塩、カオリンのような他の充填剤、並
びに普通ごく少量で存在する蛍光剤、香料、プロテアー
ゼ及びアミラーゼのような他の酵素、殺菌剤及び着色剤
が含まれる。

本発明の組成物は、粒状であることが好ましい。本発
明組成物は先行技術における任意の通常方法で調製する
ことができるが、粉砕クレー含有物質を該物質以外の成
分を含有したベース粉末に添加し、かつ該粉末と乾燥混
合することが好ましい。粉砕クレー含有物質は、篩分析
で測定して上記範囲外の粒子寸法を有する物質を予め除
去した後でベース粉末に添加する。ベース粉末は、例え
ば必要成分を含有するスラリーを噴霧乾燥することによ
って製造し得る。熱に弱い成分はいずれも、粉砕クレー
含有物質の添加前、添加中あるいは添加後に別個に添加
することができる。

本発明を、非限定的な実施例によって以下に詳述す
る。

実施例１ 商標“Clarsol"の下にCECAが供給する粗粉砕カルシウ
ムクレーを篩に掛けて、200ミクロンを下回る寸法並び
に1,000ミクロンを上回る寸法を有する粒子を除去し
た。篩で分け取った物質を用いて、次の組成を有する洗
剤組成物を調製した。成分 重量％ アニオン性洗浄活性物質 5.5 石鹸^２ 0.5 非イオン性洗浄活性物質^３ 2.5 ナトリウムトリポリホスフェート 27.0 ナトリウムカーボネート 4.0 ナトリウムシリケート（Na₂O:SiO₂＝1:2） 4.0 ナトリウムペルボレートテトラヒドレート （後から配合） 17.0 クレー（後から配合） 12.0 酵素、ナトリウムスルフェート、微量成分及び水残り 注記¹ :ナトリウム直鎖アルキルベンゼンスルホネート² :ナトリウム硬化ナタネ油石鹸³ :1分子当たり平均７個のEO基でエトキシル化したC₁₃〜
C₁₅アルコール この組成物と、クレーに替えて等重量のナトリウムス
ルフェートを用いた点のみが異なる同様組成物との比較
試験を実施した。新しいテリータオル地並びに予め強張
らさせたテリータオル地を、実験室規模の装置において
上記２組成物で洗浄した。洗浄時間は40℃で15分間であ
った。組成物は、硬度゜FH（遊離カルシウムイオン濃度
30×10^-4モルに等価）の水に対して4g/lのレベルで用い
た。洗浄し、濯ぎ、物干し綱に掛けて乾燥することを３
回繰り返した後、専門家の一団が布地をその柔軟性につ
いて評価した。

３回の洗濯後、クレーを含有する組成物で洗浄した布
地は対照組成物で洗浄した布地より著しく柔軟であっ
た。

同じ組成物を用いての洗濯機試験において、洗浄効
率、酵素効率並びに汚れの再付着を標準的な方法で測定
したところ、クレーの存在に帰せられ得る効率の重大な
低下は検出されなかった。

実施例２及び３ 有用な本発明による組成物は次のようなものである。

実施例４ この実施例では、様々な形態のクレーの有効性につい
て試験した。用いたクレーは、特に篩フラクションが25
0〜1,000ミクロンであるCullinan,South Africa供給のC
ULVINであった。この物質を、以後“粉砕クレー”と呼
称する。以下に“粉末クレー”と呼称した物質は、粉砕
クレーを更に粉砕し、粒子寸法を75ミクロン未満として
製造した。

４種の噴霧乾燥洗剤組成物、即ちクレーを含有しない
組成物、スラリーを介して添加した粉砕クレーを含有す
る組成物、後から配合した粉砕クレーを含有する組成
物、並びに後から配合した粉末クレーを含有する組成物
を、先に示したのと同様にして調製した。その際、組成
は次のようであった。成分 重量部 アニオン性洗浄活性物質 24.7 非イオン性洗浄活性物質 2.1 石鹸 1.0 ゼオライト 34.0 ナトリウムカーボネート 10.3 ナトリウムアルカリシリケート 4.1 クレー 10.0または0 水並びにその他の成分 13.8 ４種の組成物の柔軟化効果について、実験室規模の装
置で次の条件下に試験した。

洗浄温度;20℃ 洗浄時間;10分 洗浄液：布地の比;25:1 布地の種類；糊抜きしたテリータオル地 水の硬度;9゜FH（遊離カルシウム６×10^-4モル並びに遊
離マグネシウム３×10^-4モル） 用量;0.89g/l（クレーを含有しない場合は0.8g/l） 洗浄及び濯ぎのサイクルを４回実施した後、布地を乾
燥し、この布地の柔軟性を専門家の一団が評価した。結
果は次のとおりであった。組成物番号 含有クレー 柔軟性 4A 含有せず 0.0 4B スラリーを介した粉砕クレー 0.275 4C 後から配合した粉砕クレー 0.345 4D 後から配合した粉末クレー 0.552 柔軟性では、0.325単位の差が重要である。従って、
上掲の結果から、スラリーを介して処理した粉砕クレー
はクレーを用いなかった場合より著しく優れた柔軟化効
果はもたらさないことが明らかである。クレーを後から
配合した場合は著しい柔軟化が達成されるが、粉砕クレ
ーと粉末クレーとの間に重大な差異は認められない。

４種の組成物のダスト化について、Wells及びAlexand
erがPowder Technology 19,271−277,1978に述べている
方法を用いて試験した（トータルダスト）。結果は次の
とおりであった。

この結果は、粉末クレーを含有する組成物の特性が劣
ることを示している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−167798（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−149707（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−72094（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−202395（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−1795（ＪＰ，Ａ)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄活性物質、洗浄力ビルダー並びに布地
   を柔軟にするクレー物質を含有する洗剤組成物であっ
   て、洗浄活性物質及び洗浄力ビルダーを含有する噴霧乾
   燥したベース粉末に150〜2,000ミクロンの粒子寸法を有
   する粉砕クレーが添加されて乾燥混合されており、前記
   洗浄活性物質は一般式（Ｉ） （式中の各記号は次の通りである。 R₁,R₂:C₁₂〜C₂₆のアルキル基 R₃,R₄:C₁〜C₄のアルキル基、ベンジル基、C₂〜C₄のヒド
   ロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基 X:ハロゲン、CH₃SO₄、C₂H₅SO₄、1/2 SO₄または で表わされるものを除くものであることを特徴とする洗
   剤組成物。
2. 【請求項２】クレー物質が膨潤可能な三層スメクタイト
   クレーを含むことを特徴とする請求項１に記載の組成
   物。
3. 【請求項３】クレー物質が粒子寸法200〜1,000ミクロン
   の粉砕クレーであることを特徴とする請求項１に記載の
   組成物。
4. 【請求項４】クレー物質を1.5〜35重量％含有すること
   を特徴とする請求項１に記載の組成物。