JP2565542B2 - 静止誘導電器 - Google Patents

静止誘導電器

Info

Publication number
JP2565542B2
JP2565542B2 JP63124142A JP12414288A JP2565542B2 JP 2565542 B2 JP2565542 B2 JP 2565542B2 JP 63124142 A JP63124142 A JP 63124142A JP 12414288 A JP12414288 A JP 12414288A JP 2565542 B2 JP2565542 B2 JP 2565542B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
static induction
windings
sheet
foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63124142A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01293507A (ja
Inventor
達 斉藤
恵造 稲垣
勝 桧垣
良夫 浜館
馨 遠藤
清登 平石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP63124142A priority Critical patent/JP2565542B2/ja
Publication of JPH01293507A publication Critical patent/JPH01293507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2565542B2 publication Critical patent/JP2565542B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は静止誘導電器に関するものである。
〔従来の技術〕
鉄心脚の周囲に金属シートからなる箔巻線を備えた静
止誘導電器は、通常の巻線を用いた誘導電器に比べ占積
率がよいため、小形・軽量化を実現できる利点があり、
既に数10kVA,数100kVA程度の低電圧・小容量の変圧器等
で実用化されている。最近、このような箔巻変圧器の優
れた長所に鑑み、より高電圧・大容量の例えば275kV,10
0MVA級の変圧器に適用拡大する研究が盛んに行われてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術で箔巻変圧器の最大の欠点である巻線上
下端付近に集中する渦電流による局部過熱をいかに効果
的に解決するかが、大きな研究課題として残されてい
る。これを第7図により説明する。鉄心脚1に巻回され
た箔巻線の内側巻線2aと外側巻線2bとから構成される場
合、例えば外側巻線2bでは金属シート3が中性点リード
側nから高電圧リード側uに至るまで一定幅で連続的に
巻回されるため、巻線2aと2bとに負荷電流が流れると、
これにより生ずる図中表示の概略点線のような漏洩磁束
の影響で各巻線には大きな渦電流が発生することにな
る。これは縦軸に巻線の位置をとり、横軸に半径方向磁
束密度をとつてこれら両者の関係が示されている第8図
(a)に示されているように、巻線の上下端付近で最大
となる漏洩磁束の半径方向成分が、箔巻線を鎖交するた
めに生ずる現象であり、縦軸に同様巻線の位置をとり、
横軸に電流値をとつてこれら両者の関係が示されている
同図(b)に示されているように、その電流分布の状態
は巻線の上下端が中央部の数倍以上も高くなり、この付
近で局部的に高温となる局部過熱の問題を引きおこすこ
とがある。
そのためこのような現象を解決する対策として、特開
昭61-194804号公報や特開昭58-182212号公報には各シー
トの端部付近で導電率が高くなるようにシートの材質を
変える考案が見られるが、部分的な材質変更は作業性が
悪く、実用化し難い面がある。また、特開昭59-11607号
公報では箔巻線を軸方向に分割し、これを互いに転位す
ることで渦電流の集中を緩和しようとしているが、幅が
広い箔巻線の転位には特別な工夫が必要であり、一般に
はかなり難しい。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、巻線上
下端に集中する渦電流による局部過熱を抑制し、信頼性
の向上を可能とした箔巻の静止誘導電器を提供すること
を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、金属シートと絶縁シートとを重ね
て鉄心脚に巻回して構成される箔巻線を備えた静止誘導
電器において、前記箔巻線を軸方向に複数個に分割する
とともに、軸方向端部に近い巻線ほどそのシート幅が狭
くなるように形成し、かつ軸方向中心を境にして両側の
巻線群が並列接続となるように接続し、かつ夫々の側で
は巻線群が夫々直列接続されるように接続し所期の目的
を達成するようにしたものである。
またこの場合、前記金属シートを、径方向に並列接続
された金属シート群で形成するようにしたものである。
また、前記軸方向に分割された各巻線の端面を、隣接対
向する巻線群の間隙寸法が電界強度の強さに応じて広が
るように、傾斜した端面に形成するようにしたものであ
る。
〔作用〕
すなわちこのように形成された静止誘導電器である
と、軸方向端部に近い巻線ほどそのシート幅が狭くなる
ように複数個に分割された箔巻線が、軸方向中心を境に
して両側の巻線群は並列接続となるように接続され、夫
々の側では巻線群が夫々直列接続されるように接続され
ていることから、この接続により渦電流の通路となる閉
回路部は少なくなり、また閉回路が形成される巻線相互
間でも鎖交する半径方向漏洩磁束の流通方向が逆とな
り、すなわち漏洩磁束の正負の関係で相殺されることに
なり、渦電流の原因となる誘起電圧はほとんど生ぜず、
また最も渦電流の集中する端部分のシート幅が端部ほど
幅狭となっているので、シート内で循環する循環電流は
低減され、したがって中央部の巻線および上下端の巻線
に生ずる渦電流の集中は全体的に大きく緩和され、この
渦電流により生じていた巻線の局部的温度上昇を巻線全
体で一様に低く押さえることができるのである。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基づいて本発明を説明する。
第1図および第2図には本発明の一実施例が示されてい
る。なお従来と同じ部品には同じ符号を付したので説明
を省略する。本実施例では箔巻線を軸方向に複数個に分
割すると共に、軸方向中心を境に上下の巻線群を並列接
続に、かつ各上下では巻線群を夫々直列接続にした。こ
のようにすることにより漏洩磁束の半径方向成分による
渦電流が誘起されることがなくなつて、巻線上下端に集
中する渦電流による局部過熱を抑制し、信頼性の向上を
可能とした箔巻の静止導導電器を得ることができる。
すなわち変圧器の鉄心脚1に、金属シートと絶縁シー
トとが重ねて巻回された箔巻線からなる内側巻線2aと外
側巻線2bとが同心円状に巻かれているが、両巻線2a,2b
はその構造がほぼ同一であるため、本実施例のみなら
ず、本発明の実施例の説明に当り内側巻線2aについては
その詳細な記載を省略した。外側巻線2bは軸方向に4分
割された巻線群A,B,C,Dから構成されており、しかも巻
線群A,B,C,Dを構成する金属シートの幅はほぼ等しく、
高電圧リード側uに巻線B,Cが、そして中性点リード側
nに巻線A,Dが夫々接続される構成となつている。そし
て各分割箔巻線A,B,C,Dは第2図にも示されているよう
に、軸方向中心を境に上下の巻線A,Bと巻線C,Dとは並列
に、また、巻線AとB,巻線CとDとは夫々直列に接続さ
れている。
このようにすることにより、巻線A,Bおよび巻線C,D間
で渦電流の通路となる閉回路が構成されないこと、さら
に巻線A,Bと巻線C,Dとを接続する閉回路でも鎖交する半
径方向漏洩磁束が正負で相殺されるため、渦電流の原因
となる誘起電圧がほとんど生じない。このため通常上下
端の巻線に見られる渦電流の集中が大きく緩和され、局
部過熱のない信頼性の高い変圧器が得られる。
このように本実施例では箔巻線群が軸方向に4分割さ
れているが、これ以上の偶数に分割し、同様な接続とす
ることも当然可能であることは云うまでもない。なおこ
の際各巻線群を個々に製作し、本実施例を基に各巻線を
接続することにより、従来の欠点である渦電流の集中す
る現象が大幅に緩和できる他、製作も極めて容易で、し
かも信頼性の高い変圧器を得ることができるメリツトが
ある。
このように本実施例によれば箔巻線を軸方向に複数個
に分割し、かつ各巻線間には環流する渦電流が流れない
ように接続したので、従来問題視されていた箔巻線端部
に集中する渦電流が、転位等の対策なしで効果的に低減
させることができ、損失集中が原因で生ずる局部温度上
昇などの不都合を容易に解決することができる。
第3図には本発明の他の実施例が示されている。同図
(a)に示されているように、軸方向に外側巻線2bが3
個の奇数に分割された構成となつており、高電圧リード
側uに接続される中央の巻線Fが共通で、これに巻線E,
Gが夫々同図(b)に示されているように、直,並列接
続されている。この場合も前述の偶数に分割した巻線群
の場合と同様な作用効果を奏することができる。
第4図には本発明の更に他の実施例が示されている。
偶数個に分割した巻線群のうち特に渦電流が集中しがち
な上下端の巻線OとTとの金属シートの幅l1を、中央付
近の巻線P,Sの金属シートの幅l2および巻線Q,Rの金属シ
ートの幅l3に比べ小さくなるようにしたもので、金属シ
ートの幅の中だけで環流する渦電流についてもできるだ
け低減するようにしたものである。すなわち渦電流によ
り発生する損失が金属シートの幅の2乗にほぼ比例して
変化する性質を利用したもので、上述の各巻線群間を環
流する渦電流の低減効果と合せ、前述の場合より渦電流
の集中とこれによる局部過熱を防止することができるよ
うになる。
第5図には本発明の更に他の実施例が示されている。
本実施例は通電電流が比較的大きな場合の例であり、鉄
心に巻回される各巻線群を構成する金属シートを2枚、
金属シート3a,3bのように並列に接続使用した。一般に
このような並列構成とすると漏洩磁束の軸方向成分によ
り生ずる渦電流の環流が懸念されるが、金属シートの厚
さが数10μm〜数100μmと極めて薄いため、このよう
な箔巻変圧器では並列シート間を鎖交する磁束は小さ
く、ほとんど問題視される渦電流は発生しない。そのた
め上述の第1図のような巻線の接続構成で本実施例のよ
うに金属シートを2枚、更にそれ以上並列に使用し通電
電流の大きな場合に対処することができる。
第6図には本発明の更に他の実施例が示されている。
本実施例は比較的高電圧となる変圧器の巻線構成が示さ
れている。軸方向に分割された巻線群の接続形態は上述
の第1図の場合と同じであるが、高電圧が印加される巻
線W,X間およびY,Z間では電界強度の強さに応じて両巻線
W,X間およびY,Z間の空間距離が広がるように各巻線W,X,
Y,Zの端面の一部を傾斜した形状とした。なおこのよう
な巻線形状の実現に当つては予め幅が変化している金属
シート3を巻回することや、同一幅の金属シートの端部
を折り曲げながら幅を変えるなど多くの手段が採用でき
る。このようにすることにより比較的電圧が高い変圧器
でも前述の場合と同様な作用効果を奏することができ
る。
なお、上述の第5図および第6図の実施例では軸方向
に分割された巻線数が4個の場合であるが、巻線数が種
々変つた場合や金属シート幅が種々変つた場合について
も適用できることは云うまでもない。
なお、以上各実施例では変圧器について説明したが、
これ以外の静止誘導電器例えば誘導電圧調整器、リアク
トル等についても実施することができ、同様な作用効果
を奏することができる。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように本発明によれば、渦電流の通
路となる閉回路部は少なくなり、また閉回路が形成され
る巻線相互間でも鎖交する半径方向漏洩磁束の流通方向
が正負の関係で相殺されることになり、渦電流の原因と
なる誘起電圧はほとんど生ぜず、また最も渦電流の集中
する端部分のシート幅が端部ほど幅狭となっているの
で、シート内で循環する循環電流は低減され、したがっ
て中央部の巻線および上下端の巻線に生ずる渦電流の集
中は全体的に大きく緩和され、この渦電流により生じて
いた巻線の局部的温度上昇を巻線全体で一様に低く押さ
えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の静止誘導電器の一実施例の縦断側面
図、第2図は第1図の巻線群の接続を示す説明図、第3
図(a),(b)は本発明の静止誘導電器の他の実施例
を示すもので、(a)は縦断側面図、(b)は(a)の
巻線群の接続を示す説明図、第4図は本発明の静止誘導
電器の更に他の実施例の縦断側面図、第5図は本発明の
静止誘導電器の更に他の実施例の一部縦断側面図、第6
図は本発明の静止誘導電器の更に他の実施例の縦断側面
図、第7図は従来の静止誘導電器の縦断側面図、第8図
(a),(b)は従来の静止誘導電器の問題点を説明す
るもので(a)は巻線の軸方向高さと半径方向磁束密度
との関係を示す特性図、(b)は同じく巻線の高さと電
流値との関係を示す特性図である。 1……鉄心脚、2a……内側巻線、2b……外側巻線、3,3
a,3b……金属シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜館 良夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 遠藤 馨 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 平石 清登 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (56)参考文献 特開 昭58−219720(JP,A) 実開 昭56−78326(JP,U) 特公 昭48−11367(JP,B1) 実公 昭50−14101(JP,Y1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属シートと絶縁シートとを重ねて鉄心脚
    に巻回して構成される箔巻線を備えた静止誘導電器にお
    いて、 前記箔巻線を軸方向に複数個に分割するとともに、軸方
    向端部に近い巻線ほどそのシート幅が狭くなるように形
    成し、かつ軸方向中心を境にして両側の巻線群が並列接
    続となるように接続し、かつ夫々の側では巻線群が夫々
    直列接続されるように接続したことを特徴とする静止誘
    導電器。
  2. 【請求項2】前記金属シートが、径方向に並列接続され
    た金属シート群である特許請求の範囲第1項記載の静止
    誘導電器。
  3. 【請求項3】前記軸方向に分割された各巻線の端面が、
    隣接対向する巻線群の間隙寸法が電界強度の強さに応じ
    て広がるように、傾斜した端面に形成されてなる特許請
    求の範囲第1項記載の静止誘導電器。
JP63124142A 1988-05-21 1988-05-21 静止誘導電器 Expired - Lifetime JP2565542B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63124142A JP2565542B2 (ja) 1988-05-21 1988-05-21 静止誘導電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63124142A JP2565542B2 (ja) 1988-05-21 1988-05-21 静止誘導電器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01293507A JPH01293507A (ja) 1989-11-27
JP2565542B2 true JP2565542B2 (ja) 1996-12-18

Family

ID=14877966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63124142A Expired - Lifetime JP2565542B2 (ja) 1988-05-21 1988-05-21 静止誘導電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2565542B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013222894A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Mitsubishi Electric Corp 多重円筒巻線
CN104952593B (zh) * 2015-05-13 2017-05-03 杭州钱江电气集团股份有限公司 一种轴向双分裂整流全箔绕变压器及绕制方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5014101U (ja) * 1973-06-06 1975-02-14
JPS629693Y2 (ja) * 1979-11-10 1987-03-06
JPS58219720A (ja) * 1982-06-16 1983-12-21 Toshiba Corp 箔巻誘導電器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01293507A (ja) 1989-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008177500A (ja) 三相電磁機器
US4987398A (en) Multilayered eddy current type power-saved intense AC magnetic field generator
JP2565542B2 (ja) 静止誘導電器
JPH08181024A (ja) 高調波電流抑制用チョークコイル
US5146198A (en) Segmented core inductor
US3023386A (en) Winding for electrical apparatus
EP0406555B1 (en) Shared shunt reactor type transformer
US3436692A (en) Saturable reactor construction
JP3789333B2 (ja) 電磁機器
JPH0423297Y2 (ja)
KR950015006B1 (ko) 변압기 코어
US4390941A (en) Static magnetic frequency multiplies
JPS61224305A (ja) ギヤツプ付鉄心形リアクトル
US3171093A (en) Magnetizable laminated cores for transformers and reactors
EP0129118A1 (de) Dreiphasendrossel mit je einem ringförmigen oberen und unteren Eisenkernjoch
JPH02117111A (ja) 電気機器の鉄心構造
SU1686510A1 (ru) Трехфазный подмагничиваемый трансформатор
US4387419A (en) Stationary magnetic frequency multiplier
JPH02159706A (ja) 変圧器
JP2020096008A (ja) 静止誘導機器用ギャップ付鉄心
JPS58162014A (ja) 薄形トランス
JPH0132731Y2 (ja)
JPH01259514A (ja) ギヤツプ付鉄心形リアクトル
JPH02142107A (ja) 電磁誘導機器のコイル
CN112992491A (zh) 单相变压器