JP2565457B2 - 構真柱建込み工法 - Google Patents

構真柱建込み工法

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JP2565457B2
JP2565457B2 JP4268153A JP26815392A JP2565457B2 JP 2565457 B2 JP2565457 B2 JP 2565457B2 JP 4268153 A JP4268153 A JP 4268153A JP 26815392 A JP26815392 A JP 26815392A JP 2565457 B2 JP2565457 B2 JP 2565457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の地下工事をいわ
ゆる逆打工法で行う場合において、建物地下階部分の掘
削に先立ち杭上に建込む構真柱の建込み工法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる逆打工法においては、通常、地
下1階の床・梁コンクリート打設後、地下掘削を行い、
地下1階の床・梁コンクリートを打設し、順次地下2
階、地下3階の順で地下掘削、床・梁工事を行う。その
ため、掘削時に上階の床・梁荷重を受けるための構真柱
と称する鉄骨柱を設ける。
【0003】前記構真柱は上階の荷重(1階、地下1
階、地下2階、…、及び地上鉄骨工事等が開始される
と、鉄骨荷重、床コンクリート重量等)を受けるため、
建込み精度が非常に重要となる。
【0004】従来、かかる構真柱の建込方法としては、
現場造成杭の場合は、この杭のコンクリートが硬化する
前にこの杭の施工に用いた杭掘削架台上にH形鋼を井桁
に組み、トランシットで芯墨を出し、その墨を基準にセ
ットするのが一般的であるが、この方法ではH形鋼の井
桁の中に構真柱を挿入する際、クリアランスがあり、か
つ、挿入時に構真柱がH形鋼とせるために誤差がでる。
【0005】そこで、例えば特願平3−158282号
(平成3年6月28日出願)では、図9〜図15に示す
ような構真柱の建込方法が提案されている。
【0006】図中1は現場造成杭を示すが、図9に示す
ように、現場造成杭1の施工作業後その上方の地盤に中
央に構真柱2を垂直方向に案内するためのガイド部を有
する構真柱建込架台3を設置し、この構真柱建込架台3
のガイド部の位置調整を行い、構真柱2を重心で吊り上
げるための構真柱建込治具4を前記構真柱2の上端に取
付ける。
【0007】図10に示すように、この構真柱2を構真
柱建込治具4を介して揚重装置で垂直に吊り上げ、下端
先端部から前記構真柱建込架台3のガイド部に挿入し、
構真柱建込治具4をこのガイド部に沿って垂直に案内
し、構真柱2の下端を現場造成杭1の未硬化コンクリー
ト中の所定深さまで建込む。
【0008】次いで、図11に示すように構真柱建込架
台3を撤去し、図12に示すように杭掘削用の泥水(安
定液)を回収し、再生砕石等で所定高さまで埋戻す1次
埋戻し5を行う。そして、頭部固定金物等を撤去した
後、図13に示すように杭建込み用のケーシング6を引
き抜き、図14に示すように構真柱建込治具4を構真柱
2の頭部から取り外し、さらに図15に示すようにグラ
ンドレベルまで2次埋戻し7を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の構真
柱の建込方法は、構真柱と杭との接合を考慮して、杭は
現場造成杭であり、この現場造成杭のコンクリートが硬
化する前に構真柱をその下端が杭頭に挿入するように建
込むもので、精度良く建込むためには構真柱建込架台や
構真柱建込治具を必要とし、大掛かりなものとなり、ま
た、現場造成杭の施工とこの構真柱の建込とが2工程と
なって工期も長くなる。
【0010】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、杭工事時に杭頭部に構真柱を簡単かつ迅速に、しか
も精度良く建込むことができるとともに、建込んだ構真
柱と地下躯体との一体化も簡単に図ることができ、地下
構築の施工の合理化も実現できる構真柱建込み工法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、杭工事時に建物の地下階部分の掘削に先立
ち、杭頭部に構真柱を建込む場合において、構真柱には
下端に接合フランジを有する鋼管を使用し、該接合フラ
ンジを介して鋼管を中空既製杭の杭頭に結合して、これ
ら鋼管及び中空既製杭内部に掘削機を挿入し、該掘削機
で掘削しながら前記鋼管及び中空既製杭を地中に建込
み、一次根切り工事後、一階床の梁を構真柱頭部に架設
し、その後構真柱内部にコンクリートを打設すること、
または、一階床の梁は鉄骨梁または鉄骨鉄筋コンクリー
ト梁であり、該梁の配筋・型枠工事後、この梁コンクリ
ートを打設時に構真柱内部にもコンクリートを同時に打
設すること、もしくは、一階床の梁は鉄骨梁または鉄骨
鉄筋コンクリート梁であり、該梁の配筋・型枠工事後、
一階床をノンサポート工法である構台スラブ工法等で施
工し、一階の梁・床コンクリート打設時に構真柱内部に
もコンクリートを同時に打設することを要旨とするもの
である。
【0012】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、構真柱は予め
中空既製状の杭頭に結合してこの中空既製杭とともに、
これら構真柱としての鋼管及び中空既製杭内部に挿入す
る掘削機で掘削しながら建込みが完了するので、杭工事
時にこの中空既製杭の建込み精度を配慮すれば、中空既
製杭の杭頭部に構真柱を簡単かつ迅速に、しかも精度良
く建込むことができる。
【0013】請求項2および請求項3記載の本発明によ
れば、前記作用に加えて、構真柱と地下躯体との一体化
を図ることができ、地下構築の施工の合理化を実現でき
るものとなる。
【0014】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図1〜図7は本発明の構真柱建込み工法を使
用して行う建築工法の1例を示す各工程の側面図であ
る。
【0015】図1に示すように山留め壁8を施工し、ま
た、杭9を施工する。この山留め壁8は、多軸混練オー
ガー機で地盤を削孔する際、その先端よりセメントミル
ク、ベントナイト液等、目的に適応した硬化液を吐出さ
せて土中において原位置土とミキシングをし、1エレメ
ントの壁状の削孔混練を行い、原位置にソイルセメント
壁を造成し、次に、各エレメント壁を完全ラップさせる
ことにより連続一体の壁体を造成する工法であるSMW
工法で施工する。
【0016】一方、杭9には中空既製コンクリート杭を
使用し、その内部に掘削機としてのオーガースクリュー
を挿入して中堀りを行いながら、この杭を圧入し、か
つ、先端を根固めする中ぼり先端根固め工法で施工す
る。
【0017】図中10は構真柱であるが、図8に示すよ
うにこれには下端に接合フランジ11aを形成した鋼管
11を使用する。この接合フランジ11aはドーナツ状
のプレートを溶接してなるが、ガセットプレート11b
で補強した。該接合フランジ11aを介して杭9の杭頭
に鋼管11の下端を結合し、その内部にオーガースクリ
ュー12を挿入してこの杭9とともに鋼管11である構
真柱10を建込む。そして、山留め壁8の上部に設備配
管ピットを兼ねた頭繋ぎ梁13を掛渡す。
【0018】図2に示すように、一次根切り14を行
い、一階床の鉄骨梁15を構真柱10に架設する。
【0019】この1階床の鉄骨梁15はS構造またはS
RC構造とするもので、図3に示すように一階床の梁配
筋・型枠16を施し、また、一階床をノンサポート工法
であるビルト構台スラブ工法で施工し、一階の梁・床
(構台スラブ)コンクリートを打設する。この時、鋼管
11である構真柱10内部にも同時にコンクリートを打
設する。
【0020】このように先に床(構台スラブ)コンクリ
ートを打設することにより、地下工事の全天候化を図れ
ることになる。
【0021】次いで、図4に示すように地下床付けレベ
ルまで掘削し、上階の鉄骨建方時に構台として利用する
範囲の梁下に杭頭部位置よりH型鋼等のサポート17を
入れるか、または一般鋼管構真柱と同様に杭中掘り時の
鋼管スタンドパイプ内にH型鋼管親杭柱を建込むことも
できる。
【0022】図5に示すように地下階のマットスラブ1
8を施工し、1階構台スラブ上より地上鉄骨19を建
て、これに併行して各階の合成床版20を敷設する。そ
して、各階で使用する鉄筋も各階毎に合成床版20上に
取込んでおく。これで、鉄骨建て方時に併行して重量物
の揚重が全て完了することにより、その後の揚重はピア
ット等による軽微な作業となる。しかも、このピアット
も外部足場に配慮し、建物内の駄目穴は避ける。
【0023】図6に示すように地下階の柱・壁配筋・型
枠・コンクリート打設工事と、1階床の駄目工事は合成
床工法でノンサポート施工し、地下土圧壁21は2重壁
を兼ねたCパネル土圧壁工法で同時施工する。地下二重
ピットゾーン22はビルトスラブ工法で施工する。マッ
トスラブ18上部は湧水フォーム工法で施工する。
【0024】図示は省略するが、最上階と周辺低層部の
屋根部分のコンクリートを打設し、地上工事の全天候化
を図る。そして、地下室および二階の有効利用で現場作
業環境の改善を図る。この部分は冷暖房完備・リース植
栽等で作業員のリフレッシュコーナー化ができ、ロッカ
ー・シャワー室を設け、洗濯乾燥機を設置することなど
が考えられる。
【0025】さらに、施工に関連して合理的な方法につ
いて述べる。上階の柱・梁配筋工事は先行工事とし、設
備工事としては床配管工事、給排水縦配管工事、ダクト
工事を先行する。
【0026】エレベータシャフト躯体工事を先行工事と
する。このエレベータシャフト部分の配筋と型枠工事は
二層同時打ちできるように配慮する。残された地上躯体
工事は壁配筋工事、壁と柱の型枠工事、コンクリート打
設という工種を1フロアー4日(実働)で仕上げるよう
にする。
【0027】エレベータシャフトが屋上に到達後引き続
きエレベータ機械室工事を先行工事とする。屋上防水と
押さえコン工事を先行し、設備大型機器の設置工事を先
行する。エレベータ機器・壁工事を先行工事とし、早期
にエレベータを仮使用する。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構真柱建込み
工法は、杭工事時に杭頭部に構真柱を簡単かつ迅速に、
しかも、精度良く建込むことができるとともに、建込ん
だ構真柱と地下躯体との一体化も簡単に図ることがで
き、施工の合理化を実現でき、コストダウンにつながる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第1工程の側面図である。
【図2】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第2工程の側面図である。
【図3】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第3工程の側面図である。
【図4】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第4工程の側面図である。
【図5】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第5工程の側面図である。
【図6】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第6工程の側面図である。
【図7】本発明の構真柱建込み工法を使用して行う建築
工法の1例を示す第6工程の側面図である。
【図8】本発明の構真柱建込み工法の要部の側面図であ
る。
【図9】従来の構真柱建込み工法の第1工程を示す側面
図である。
【図10】従来の構真柱建込み工法の第2工程を示す側
面図である。
【図11】従来の構真柱建込み工法の第3工程を示す側
面図である。
【図12】従来の構真柱建込み工法の第4工程を示す側
面図である。
【図13】従来の構真柱建込み工法の第5工程を示す側
面図である。
【図14】従来の構真柱建込み工法の第5工程を示す側
面図である。
【図15】従来の構真柱建込み工法の第5工程を示す側
面図である。
【符号の説明】
1…現場造成杭 2…構真柱 3…構真柱建込架台 4…構真柱建込
治具 5…1次埋戻し 6…ケーシング 7…2次埋戻し 8…山留め壁 9…杭 10…構真柱 11…鋼管 11a…接合フ
ランジ 11b…ガセットプレート 12…オーガー
スクリュー 13…頭繋ぎ梁 14…1次根切
り 15…鉄骨梁または鉄骨鉄筋コンクリート梁 16…配筋・型枠 17…サポート 18…マットス
ラブ 19…地上鉄骨 20…合成床版 21…地下土圧壁 22…ピットゾ
ーン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭工事時に建物の地下階部分の掘削に先
    立ち、杭頭部に構真柱を建込む場合において、構真柱に
    は下端に接合フランジを有する鋼管を使用し、該接合フ
    ランジを介して鋼管を中空既製杭の杭頭に結合して、こ
    れら鋼管及び中空既製杭内部に掘削機を挿入し、該掘削
    機で掘削しながら前記鋼管及び中空既製杭を地中に建込
    み、一次根切り工事後、一階床の梁を構真柱頭部に架設
    し、その後構真柱内部にコンクリートを打設することを
    特徴とした構真柱建込み工法。
  2. 【請求項2】 一階床の梁は鉄骨梁または鉄骨鉄筋コン
    クリート梁であり、該梁の配筋・型枠工事後、この梁コ
    ンクリートを打設時に構真柱内部にもコンクリートを同
    時に打設する請求項1記載の構真柱建込み工法。
  3. 【請求項3】 一階床の梁は鉄骨梁または鉄骨鉄筋コン
    クリート梁であり、該梁の配筋・型枠工事後、一階床を
    ノンサポート工法である構台スラブ工法等で施工し、一
    階の梁・床コンクリート打設時に構真柱内部にもコンク
    リートを同時に打設する請求項1記載の構真柱建込み工
    法。
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