JP2565237B2 - テープ案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野」 この発明は、例えばビデオテープレコーダ（VTR）に
テープカセットを装着する際に、そのテープが回転ヘッ
ドドラム上に乗り上げないように該回転ヘッドドラムの
周面側に案内するテープ案内装置に関する。

［発明の概要］ この発明は、例えばVTR内に装着されるテープカセッ
トの蓋体を開状態で回転ヘッドドラムの周面に近接させ
て配設し、該開状態の蓋体により開放されたテープカセ
ットの前面開口部から露出したテープを、テープローデ
ィング前に前記回転ヘッドドラムの周面側に案内して該
回転ヘッドドラム上に乗り上げないようにするテープ案
内装置において、 前記回転ヘッドドラムの上方に、テープカセットの蓋
体の開動時に前記回転ヘッドドラムの周面に前記テープ
を案内するテープ案内部材を該蓋体方向へ押動自在に設
けたことにより、 前記テープカセットの蓋体の開動時に、該蓋体側に押
動自在に設けられたテープ案内部材により、テープカセ
ットのテープを該回転ヘッドドラムの周面側にはたき落
とすように確実に案内することができて、回転ヘッドド
ラム上へのテープの乗り上げを確実に防止して、テープ
ローディングの安定化を一段と図ることができるように
したものである。

［従来の技術］ 例えば、蓋体を有したテープカセットを使用するVTR
には、テープカセットの装着時に、テープカセットの開
動した蓋体により開放された前面開口部から露出したテ
ープを、回転ヘッドドラム上に乗り上げないようにその
周面側に案内するようにした実開昭57−87363号公報に
示すようなテープ案内装置が取り付けられている。これ
を、第８図〜第10図によって具体的に説明すると、50は
VTR本体内に配置されたシャーシであり、このシャーシ5
0上にはヘリカルスキャン方式の回転ヘッドドラム51を
設けてあると共に、装着時にテープカセット52の位置決
めをする位置決めピン53を突設してある。また、該シャ
ーシ50上の回転ヘッドドラム51と位置決めピン53間の回
転ヘッドドラム51の周面51a寄りには、一対のテープガ
イド54,54を立設してある。この一対のテープガイド54,
54上には、テープ案内装置55を取り付けてある。このテ
ープ案内装置55は、前記一対のテープガイド54,54上に
固定された一対のテープ摺り案内体56,57で構成されて
おり、この各上部には、テープカセット52内のテープＴ
をその一対の前面開口部52a,52a側に案内する傾斜面56
a,57aをそれぞれ形成してある。尚、該テープカセット5
2の一対の前面開口部52a,52aは、通常蓋体58により閉状
態になっており、テープカセット52をVTR本体に装着す
ると、第10図に示すように、シャーシ50に立設したレバ
ー59により該蓋体58が上方に開動して開放されるように
なっている。

而して、前記テープカセット52の振動や落下等により
その一対の前面開口部52a,52a間のテープＴは緩んだ状
態になり、それ自身の弾性により蓋体58の内面に押圧さ
れた状態となる。この状態で、第９図に示すように、テ
ープカセット52をVTR本体に装着（下降）して行くと、
その装着途中において該テープカセット52の蓋体58があ
る程度開くと同時に、テープＴが第８図のT₁に示すよう
に回転ヘッドドラム51上の前方に飛び出し、該回転ヘッ
ドドラム51上に乗り上げようとする場合がある。この際
に、前記テープカセット52の蓋体58により開放されて不
測に飛び出したテープＴは、第10図の矢印に示すよう
に、一対のテープ摺り案内体56,57の傾斜面56a,57aによ
り一対のテープガイド54,54とテープカセット52の間に
押し戻すようにして摺り落とされる。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、VTR本体の小型，軽量薄型化に伴い、
回転ヘッドドラム51と装着時のテープカセット52との間
の距離ｌが短くなり、且つ、テープカセット52内のリー
ルロック機構の不備等によりテープカセット52に振動，
落下等が加わった時に、テープＴの緩みを確実に防止す
ることができないので、該テープＴの飛び出し量が、不
測にも第８図のT₂に示すように一対のテープ摺り案内体
56,57を超えて回転ヘッドドラム51上方にまで長く飛び
出した場合には、前記テープ案内装置55では充分に対処
することができず、テープカセット装着後のテープロー
ディング等に支障を来す問題点が指摘されている。

そこで、この発明は、テープカセットの蓋体の開動時
に、この開状態の蓋体により開放されたテープカセット
の前面開口部から不測に飛び出したテープを、回転ヘッ
ドドラムの周面側に確実に案内することができるテープ
案内装置を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ テープカセットの蓋体を開状態で回転ヘッドドラムの
周面に近接させて配設し、該開状態の蓋体により開放さ
れたテープカセットの前面開口部から露出したテープ
を、前記回転ヘッドドラムの周面側に案内して該回転ヘ
ッドドラム上に乗り上げないようにするテープ案内装置
において、前記回転ヘッドドラムの上方に、テープカセ
ットの蓋体の開動時に前記回転ヘッドドラム上に乗り上
げようとする前記テープを該回転ヘッドドラムの周面側
に案内するテープ案内部材を、前記蓋体のある方向へ押
動自在に設けてある。

［作用］ 回転ヘッドドラムの上方近傍でテープカセットの蓋体
が開き、この開状態の蓋体により開放されたテープカセ
ットの前面開口部からテープが回転ヘッドドラム上に不
測に飛び出しても、回転ヘッドドラムの上方において該
蓋体側に押動自在に設けられたテープ案内部材により、
前記不測に飛び出したテープは、回転ヘッドドラムの周
面側にはたき落とされるように案内される。これによ
り、テープカセット装着途中のテープの回転ヘッドドラ
ム上への乗り上げは確実に防止されるため、テープカセ
ット装着後のテープローディングも確実且つ安定して行
なわれる。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述する。

第１図において、符号１はカメラ一体型８ミリVTRで
あり、その本体内の一側面側にシャーシ２を配置してあ
る。このシャーシ２上の前記本体底面側は凸部2aに成っ
ており、この凸部2aにヘリカルスキャン方式の回転ヘッ
ドドラム３を設けてある。また、この凸部2aの回転ヘッ
ドドラム３の周面3aに沿った位置には、ガイドレールの
一部と成る一対の略円弧状のガイド溝2b,2cを形成して
ある。さらに、前記シャーシ２上の前記本体側の前後に
は該回転ヘッドドラム３を挾むようにキャプスタン４及
び供給側ガイドローラ５を回転自在に支持してある。

また、前記シャーシ２上には、第１図及び第6,7図に
示すように、４本の支持ピン6,…を介してリニアスケー
トシャーシ７を前記回転ヘッドドラム３の周面3aに対し
て図示しない駆動機構により往復移動自在に配設してあ
る。このリニアスケートシャーシ７上には、一対のリー
ル台8,8を回転自在に支持してあると共に、後述するテ
ープカセット40の装着時の位置決めをする一対の位置決
めピン9,9を突設してある。また、リニアスケートシャ
ーシ７の回転ヘッドドラム３寄りの位置には、引出しガ
イド10及び傾斜ガイド11を有した左右一対のスライダ1
2,13を移動させる一対のガイドレール14,15を固定して
ある。この一対のスライダ12,13は、ローディングリン
グ16等から成る駆動機構により前記一対のガイドレール
14,15上及び前記一対のガイド溝2b,2c上を摺動しながら
往復移動するようになっている。尚、リニアスケートシ
ャーシ７上のキャプスタン４側には、テープカセット40
内のテープＴの走行時に該キャプスタン４に押圧して回
転するピンチローラ17を回転自在に支持してある。ま
た、リニアスケートシャーシ７の両垂直起立片部7a,7b
のガイドローラ５側の垂直起立片7bには、テープカセッ
ト40の蓋体41を開動させるピン18を突設してある。

また、前記シャーシ２のキャプスタン４及びガイドロ
ーラ５側の両端部に垂直に起立した両垂直起立片部19a,
19bには、前記テープカセット40を保持してリニアスケ
ートシャーシ７上の一対のリール台8,8及び一対の位置
決めピン9,9に該テープカセット40を装着するカセット
ホルダー20を回動自在に支持してある。即ち、このカセ
ットホルダー20は、一対の脚部21a,21bが前記シャーシ
２の両垂直起立片部19a,19bにそれぞれピン枢支され、
各捩りコイルバネ22により常時第１図中上方に開動付勢
された外ホルダー21と、一対の脚部23a,23bが前記リニ
アスケートシャーシ７の両垂直起立片部7a,7bにそれぞ
れピン枢支されて、前記テープカセット40を装着した状
態で該リニアスケートシャーシ７と共に前記回転ヘッド
ドラム３に対して往復移動する内ホルダー23とで構成さ
れている。

而して、前記シャーシ２のガイドローラ５寄りの垂直
起立片部19bから前記回転ヘッドドラム３の上方にかけ
てテープカセット40の装着時にそのテープＴを該回転ヘ
ッドドラム３の周面3a側に確実に案内するテープ案内装
置30を配設してある。詳述すると、このテープ案内装置
30は、前記ガイドローラ５上に配置された金属板状で平
面略Ｖ字形のベースプレート31を有している。このベー
スプレート31は、一端側に形成した段部31a,31bを前記
シャーシ２の垂直起立片部19bの上端に複数のネジ32に
より固定してあると共に、軸33を立設した他端側をカセ
ットホルダー20寄りの回転ヘッドドラム３の周縁上方に
位置させている。また、ベースプレート31の第３図中下
端側には、下方に垂直に延びる垂下片部31cを折り曲げ
形成してある。この垂下片部31cは前記シャーシ２の凸
部2a上に載置してあり、該ベースプレート31の水平度を
保つようになっている。さらに、ベースプレート31の中
央には、起立片部31bを有し、前記ガイドローラ５の上
端が挿入される略Ｕ字形の孔部31eを形成してあると共
に、この孔部31eと前記軸33との間には円弧状の孔部31f
を形成してある。

前記ベースプレート31の軸33には、テープ案内部材と
しての合成樹脂製のテープ案内アーム34の基部34aを該
軸33の上端に係止された止めワッシャ35により抜け止め
されて回動自在に支持してある。このテープ案内アーム
34の先端部34bは弾力性を有すると共に基部34aに対して
垂直に且つ湾曲面になって前記回転ヘッドドラムの周縁
上方側まで垂下している。また、テープ案内アーム34の
基端部34cと前記ベースプレート31の起立片部31dとの間
に弾性部材としてのコイルバネ36を介在してある。この
コイルバネ36の引張り力によりテープ案内アーム34の先
端部34bは前記回転ヘッドドラム３の上方からカセット
ホルダー20側に常に回動付勢されている。

尚、テープ案内アーム34の基部34aと基端部34c間の下
面には、前記ベースプレート31の円弧状の孔部31fに係
合するピン部34dを一体形成してあり、テープ案内アー
ム34の回動範囲を一定量に規制している。また、前記テ
ープカセット40の前部には、その蓋体41が開動状態にな
った時にテープＴを露出する一対の前面開口部42,42を
形成してある。

以上実施例のテープ案内装置30によれば、カメラ一体
型８ミリVTR1のカセットホルダー20を開くと、テープ案
内アーム34の先端部34bは、第４図に示すように、回転
ヘッドドラム３の周面3aの上方より少し外側に押圧付勢
されて位置している。そして、前記カセットホルダー20
にテープカセット40を挿入すると、前記テープ案内アー
ム34の先端部34bは該テープカセット40の蓋体41に押さ
れて前記回転ヘッドドラム３の周面3aの上方まで回動す
る。この状態から、カセットホルダー20を閉動作させ
て、テープカセット40をリニアスケートシャーシ７上の
一対のリール台8,8及び位置決めピン9,9に装着すると、
その装着途中で、第１図に示すように、テープカセット
40の蓋体41はリニアスケートシャーシ７の垂直起立片部
7bのピン18により開き始める。この開動する蓋体41によ
り前記テープ案内アーム34の先端部34bは少し回転ヘッ
ドドラム３の中心側に回動するが、例えば、蓋体41の開
動により開放されたテープカセット40の一対の前面開口
部42,42間のテープＴに緩みが生じていて、このテープ
Ｔが該蓋体41が少し開くと同時に回転ヘッドドラム３上
に不意に飛び出そうとしても、回転ヘッドドラム３上に
位置する前記テープ案内アーム34の先端部34bが壁とな
って回転ヘッドドラム３上を乗り超えることがなく、テ
ープカセット40の蓋体41が開ききると、該テープ案内ア
ーム34の先端部34bが、第４図に示すように、元の位置
に戻ることにより、前記不意に飛び出して例えば回転ヘ
ッドドラム３の周縁上に乗ったテープＴは該テープ案内
アーム34の先端部34bにより回転ヘッドドラム３の周面3
aとテープカセット40の間にはたき落とされるようにし
て確実に案内される。

このテープカセット40の装着完了後、前記リニアスケ
ートシャーシ７は、回転ヘッドドラム３側に所定ストロ
ーク往復し、テープＴは第５図に示すように、一対のス
ライダ12,13上の引出ガイド10及び傾斜ガイド11により
テープ走行系にテープローディングされるようになって
いるが、テープＴの回転ヘッドドラム３上への乗り上げ
は確実に防止されるため、テープカセット装着後の前記
テープローディングも確実且つ安定して行うことができ
る。このテープローディング完了後において、前記テー
プ案内アーム34の先端部34bは、第５図に示すように、
テープカセット40の開成状態の蓋体41によりコイルバネ
34の付勢力に抗して回転ヘッドドラム３の中心側に回動
して位置する。

前述のように、テープカセット40の装着時に、テープ
案内アーム34の先端部34bは該テープカセット40の蓋体4
1に押されて回転ヘッドドラム３の中心側に逃げるよう
になっているため、テープカセット40の蓋体41の開閉動
の邪魔になることはない。また、テープカセット40の装
着完了後、前記テープ案内アーム34の先端部34bは、回
転ヘッドドラム３上に乗り上げたテープＴを回転ヘッド
ドラム３の周面3aとテープカセット40の前部の間にはた
き落とすのに充分なストローク分回動する。これらによ
り、テープカセット40装着時の回転ヘッドドラム３とテ
ープカセット40との間を可及的に狭くできるので、VTR
本体の小型軽量化を一段と図ることができる。

尚、前記実施例によれば、テープ案内装置をカメラ一
体型８ミリVTRに適用した場合を示したが、これに限ら
ず一般のVTRに適用できることは勿論である。また、テ
ープ案内アームをテープカセット側に付勢する弾性部材
としてコイルバネを用いたが、これに限らず板バネ等で
もよい。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明によれば、回転ヘッドドラムの
上方に、テープカセットの蓋体の開動時に回転ヘッドド
ラム上に乗り上げようとするテープを該回転ヘッドドラ
ムの周面側に案内するテープ案内部材を該蓋体のある方
向へ押動自在に設けたので、テープカセットの蓋体の開
動時に、この開状態の蓋体により開放されたテープカセ
ットの前面開口部から不測に飛び出して露出したテープ
を、回転ヘッドドラムの周面にスムーズ且つ確実に案内
することができる。従って、回転ヘッドドラム上へのテ
ープの乗り上げを確実に防止することができると共に、
テープローディングの安定，確実化を一層図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すテープ案内装置のテ
ープカセット装着途中の斜視図、第２図は同正面図、第
３図は同拡大平面図、第４図はテープカセット装着完了
時の概略平面図、第５図はテープローディング完了時の
概略平面図、第６図はテープカセット装着時の概略側面
図、第７図はテープローディング完了時の概略側面図、
第８図は従来例のテープ案内装置の平面図、第９図は従
来例のテープカセット装着途中の状態を示す側面図、第
10図は従来例のテープカセット装着完了後の状態を示す
側面図である。 ３……回転ヘッドドラム、3a……周面、30……テープ案
内装置、34……テープ案内アーム（テープ案内部材）、
40……テープカセット、41……蓋体、42……前面開口
部、Ｔ……テープ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テープカセットの蓋体を開状態で回転ヘッ
   ドドラムの周面に近接させて配設し、該開状態の蓋体に
   より開放されたテープカセットの前面開口部から露出し
   たテープを、前記回転ヘッドドラムの周面側に案内して
   該回転ヘッドドラム上に乗り上げないようにするテープ
   案内装置において、 前記回転ヘッドドラムの上方に、テープカセットの蓋体
   の開動時に前記回転ヘッドドラム上に乗り上げようとす
   る前記テープを該回転ヘッドドラムの周面側に案内する
   テープ案内部材を、前記蓋体のある方向へ押動自在に設
   けたことを特徴とするテープ案内装置。