JP2564883Y2 - 管内異物排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は上水道などの管路内の異
物を効率的に排出できる管内異物排出装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】通水時に上水道などの管路内の異物を回
収するためには、消火栓や排水設備を用いて定期的にあ
るいは臨時的に洗管することによって行っている。ま
た、管路途中にＹ型ストレーナを取り付け、異物を回収
している例もある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】消火栓を利用する場
合、設置箇所は多いが、異物の排出効果は低く、しか
も、排水量も多くなって不経済である。また、泥吐き管
などを有する排水設備を利用する場合、設置箇所が少な
く、局所的な洗管しかできない。また、Ｙ型ストレーナ
を使用する場合は、図７に示すように、ストレーナ41の
上部より流入した流体は、それに含有された異物をスト
レーナ41の内壁で捕集され、ストレーナ41の側面より流
出する。このとき、ストレーナ41の内壁で捕集された異
物はストレーナ41の底部に堆積され、適時ふた42を取り
外して排出洗管されるが、排水量は多く、通水時の洗管
は困難である。さらに逆流すると異物は流れてしまう問
題も有している。

【０００４】本考案は上記問題を解決するもので、通水
時に管路内の異物を回収でき、少ない排水量で効率的に
排出できる管内異物排出装置を提供することを目的とす
るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案の管内異物排出装置は、筒状本体の上部に同
軸上に流入管と流出管を位置して設け、この本体内部に
それぞれ仕切板により、流入管に連通する流入部と、そ
の下側に位置するとともに上記流出管に連通するストレ
ーナ設置部と、その下側の最下部に位置する異物堆積部
とを分離して設け、上記ストレーナ設置部に上下方向に
上記仕切板を貫通する筒状のストレーナをその上部を流
入部に開口させ、下部を異物堆積部に開口させるように
設け、上記異物堆積部に堆積された異物を排出するため
の排水管を異物堆積部底面近傍に開口させて設けたもの
である。

【０００６】さらに、本考案の管内異物排出装置は、筒
状本体の上部に同軸上に位置する流入管および流出管を
設け、本体内部に上記流入管に連通する流入部および流
出管に連通する流出部と、その下側に位置するストレー
ナ設置部と、その下側に上記流入部および流出部のそれ
ぞれに対応して位置する流入側異物堆積部および流出側
異物堆積部とをそれぞれ仕切板により分離して設け、上
記ストレーナ設置部に上下方向に上記仕切板を連通して
それぞれ流入部と流入側異物堆積部および流出部と流出
側異物堆積部に開口する筒状の流入側ストレーナおよび
流出側ストレーナを設け、上記流入側異物堆積部および
流出側異物体積部のそれぞれの底面に近接する開口を有
する排出管を設けたものである。

【０００７】

【作用】上記構成により、流入管から本体内部に流入し
た異物を含有する流体はストレーナ内部に流れ込み、異
物はストレーナ内壁で捕集され、流体はストレーナを通
過し、ストレーナ設置部の空間を通して流出管から、あ
るいはストレーナ設置部の空間から再び流出側のストレ
ーナ内部に入り、さらに流出部を介して流出管から外部
に流出する。このとき、ストレーナの内壁で捕集された
上記異物は異物堆積部に落下して回収され、回収された
異物は通水時に適時排水管から排水することにより、少
ない排水量で異物堆積部底面から効率的に装置外に排出
される。

【０００８】また、水流が逆流した場合、流出管から流
入した流体の異物は流出側のストレーナで回収されるこ
ととなり、どちらの方向から流体が流入しても異物を回
収することができる。

【０００９】

【実施例】以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本考案の第１の実施例における管内異物排
出装置の断面側面図、図２はその一部省略上面図、図３
はその正面図である。図１〜図３において、１は筒状の
本体で、上部の互いに対向する位置に同軸上に流入管２
と流出管３が設けられている。４は本体１の上部内部に
流入管２と流出管３を分離するために設けられた上部仕
切板で、段部を有する折曲構造に形成され、その下段側
は流入管１の底面にほぼ沿う状態で設置されており、流
入管２に面する側に流入部５を形成している。この上部
仕切板４より下方の本体１内部はさらに下部仕切板６に
より上下に分離され、上側に流出管３に連通するストレ
ーナ設置部７が、下側に異物堆積部８がそれぞれ形成さ
れている。

【００１０】９はストレーナ設置部７に上下方向に設け
られた筒状ストレーナで、上部仕切板４と下部仕切板６
をそれぞれ貫通して、上部は流入部５に、下部は異物堆
積部８にそれぞれ開口するように構成されている。10は
本体１内部に仕切板４，６を貫通して設けられた排水管
で、その先端の開口11は異物堆積部８の底面に近接して
設けられ、その上部は本体ふた12から導出され、バルブ
13を通して装置外への排水が可能になっている。14は本
体ふた12に設けられた空気抜き弁である。

【００１１】ストレーナ９は仕切板４，６に対して着脱
自在に構成され、15はこのストレーナ９を着脱するため
に設けられた把手である。したがって、ストレーナ９は
上方から把手15をもって持ち上げることにより、仕切板
４，６からの取り外しが可能であり、メンテナンスを容
易に行なえる。

【００１２】次にその動作について説明する。流入管１
から本体１の流入部５に流入した異物を含有する流体は
上部仕切板４の中央段部の壁に当り、ストレーナ９の内
部に流れ込む。ここで、異物はストレーナ９の内壁で捕
集され、流体はストレーナ９の内壁を側面から通過して
ストレーナ設置部７の空間に流れ込み、これに連通する
流出管３より流出する。一方、ストレーナ９の内壁で捕
集された異物は下方の異物堆積部８に落下し、回収され
る。回収された異物は、通水時に適時バルブ13を開いて
排水管10より排水することにより、少ない排水量で効率
よく装置外に排出される。

【００１３】図４は本考案の第２の実施例における管内
異物排出装置の断面図、図５はその一部省略上面図、図
６はその正面図である。図４〜図６において、21は筒状
の本体で、上部の互いに対向する位置に同軸上に流入管
22と流出管23が設けられている。24は本体21の内部に流
入管22と流出管23を分離するために設けられた上部仕切
板で、水平板と垂直板からなるほぼ断面逆Ｔ型に構成さ
れ、その水平板は流入管22と流出管23の底面にほぼ沿う
状態で設置されるとともに、垂直板は流入管22と流出管
23の中間で直立されて流入管22に連通する流入部25と流
出管23に連通する流出部26を形成している。

【００１４】上部仕切板24より下方の本体21内部はさら
に水平板と垂直板よりなるほぼ断面Ｔ型に構成された下
部仕切板27により上下に分離され、上側にストレーナ設
置部28が、下側に流入部25に対応する流入側異物堆積部
29と流出部26に対応する流出側異物堆積部30がそれぞれ
形成されており、流入側異物堆積部29と流出側異物堆積
部30とは下部仕切板27の水平板から垂下した垂直板によ
り分離されている。

【００１５】31,32 はストレーナ設置部28にそれぞれ上
下方向に設けられた流入側ストレーナと流出側ストレー
ナで、それぞれのストレーナ31,32 は上記仕切板24と下
部仕切板27の水平板をそれぞれ貫通して、流入側ストレ
ーナ31は上部が流入部25に、下部が流入側異物堆積部29
にそれぞれ開口し、流出側ストレーナ32は上部が流出部
26に、下部が流出側異物堆積部30にそれぞれ開口するよ
うに構成されている。33,34 は本体21内部に仕切板24,2
7 の水平板を貫通して設けられた流入側排水管と流出側
排水管で、それぞれの先端の開口35,36 は流入側異物堆
積部29と流出側異物堆積部30のそれぞれの底面に近接し
て設けられ、その上部は本体ふた37から導出され、それ
ぞれバルブ38,39 を通して装置外への排水が可能になっ
ている。ストレーナ31,32 は仕切板24,27 に対して着脱
自在に構成され、40はこれらストレーナ31,32 を着脱す
るために設けられた把手である。

【００１６】次にその動作について説明する。流入管22
から本体21の流入部25に流入した異物を含有する流体は
上部仕切板24の垂直板に当り、流入側ストレーナ31の内
部に流れ込む。ここで異物は流入側ストレーナ31の内壁
で捕集され、流体は流入側ストレーナ31の内壁を側面か
ら通過してストレーナ設置部28の空間に流れ込み、さら
に流出側ストレーナ32の側面からその内壁を通して流出
部26に至り、これに連通する流出管23より流出する。一
方流入側ストレーナ31の内壁で捕集された異物は下方の
流入側異物堆積部29に落下し、回収される。回収された
異物は、通水時に適時バルブ38を開いて排水管33より排
水することにより、少ない排水量で効率よく装置外に排
出される。

【００１７】また、上記と逆の方向に流体が流れ、流出
管23の側から流体が流入した場合、流体に含まれる異物
は流出側ストレーナ32の内壁で捕集されることになり、
流出側異物堆積部30に回収される。これにより、どちら
の方向から流体が流入しても、異物を回収することがで
き、どちらかの排水管を用いて効率的に排出できる。

【００１８】

【考案の効果】以上のように、本考案によれば、流入管
より低い位置に筒状のストレーナを上下方向に取り付け
ることにより、ストレーナ内部に流入した異物の多くが
下方の異物堆積部に落下してゆき、ストレーナに目詰ま
りしにくくなるとともに、異物堆積部の底面に臨む開口
を有する排水管を設けることにより、異物堆積部に回収
した異物を通水時に適時排水管で少ない排水量で効率的
に装置外に排出できる。

【００１９】さらに、ストレーナ設置部に２本の筒状ス
トレーナを上下方向に取り付け、それぞれのストレーナ
の上部を流入部および流出部に開口することにより、ど
ちらの方向から流体が流入しても、異物を回収すること
ができ、それぞれの異物堆積部の底面に近接して開口す
る排水管により、異物を効率的に装置外に排出できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例における管内異物排出装
置の断面側面図である。

【図２】本考案の第１の実施例における管内異物排出装
置の一部省略上面図である。

【図３】本考案の第１の実施例における管内異物排出装
置の正面図である。

【図４】本考案の第２の実施例における管内異物排出装
置の断面側面図である。

【図５】本考案の第２の実施例における管内異物排出装
置の一部省略上面図である。

【図６】本考案の第２の実施例における管内異物排出装
置の正面図である。

【図７】従来例のＹ型ストレーナの断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 流入管 ３ 流出管 ４ 上部仕切板 ５ 流入部 ６ 下部仕切板 ７ ストレーナ設置部 ８ 異物堆積部 ９ ストレーナ 10 排水管 21 本体 22 流入管 23 流出管 24 上部仕切板 25 流入部 26 流出部 27 下部仕切板 28 ストレーナ設置部 29 流入側異物堆積部 30 流出側異物堆積部 31 流入側ストレーナ 32 流出側ストレーナ 33 流入側排水管 34 流出側排水管

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状本体の上部に同軸上に位置する流入
   管と流出管を設け、本体内部に上記流入管に連通する流
   入部と、その下側に位置するとともに上記流出管に連通
   するストレーナ設置部と、その下側に位置する異物堆積
   部とをそれぞれ仕切板により分離して設け、上記ストレ
   ーナ設置部に上下方向に上記仕切板を貫通してそれぞれ
   流入部と異物堆積部に開口する筒状のストレーナを設
   け、上記異物堆積部の底面に近接する開口を有する排水
   管を設けたことを特徴とする管内異物排出装置。
2. 【請求項２】 筒状本体の上部に同軸上に位置する流入
   管および流出管を設け、本体内部に上記流入管に連通す
   る流入部および上記流出管に連通する流出部と、その下
   側に位置するストレーナ設置部と、その下側に上記流入
   部および流出部のそれぞれに対応して位置する流入側異
   物堆積部および流出側異物堆積部とをそれぞれ仕切板に
   より分離して設け、上記ストレーナ設置部に上下方向に
   上記仕切板を貫通してそれぞれ流入部と流入側異物堆積
   部および流出部と流出側異物堆積部に開口する筒状の流
   入側ストレーナおよび流出側ストレーナを設け、上記流
   入側異物堆積部および流出側異物堆積部のそれぞれの底
   面に近接する開口を有する排出管を設けたことを特徴と
   する管内異物排出装置。