JP2564693B2 - 限界ゲ−ジの製造方法 - Google Patents

限界ゲ−ジの製造方法

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JP2564693B2 JP2227353A JP22735390A JP2564693B2 JP 2564693 B2 JP2564693 B2 JP 2564693B2 JP 2227353 A JP2227353 A JP 2227353A JP 22735390 A JP22735390 A JP 22735390A JP 2564693 B2 JP2564693 B2 JP 2564693B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、軸部材や穴形状の寸法検査などを行う限界
ゲージの製造方法に関するものである。
従来の技術 はめあい精度が要求される軸部材および係合穴や、雄
ねじおよび雌ねじ等の量産部品の互換性を確保するなど
のために、それらが上限寸法および下限寸法の範囲内に
あるか否かを検査するための器具の1つに限界ゲージが
あり、比較的簡単に検査を行えることなどから広く利用
されている。かかる限界ゲージは、一般に、合金工具鋼
あるいは超硬合金などが素材として用いられ、研削およ
びラッピングがゲージ面に施されることによって製作さ
れている。上記素材としての金属工具鋼は切削加工性が
比較的良く、また、超硬合金は優れた耐摩耗性を有して
いる特徴がある。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記合金工具鋼製の限界ゲージは、製
作が容易である反面、その使用に伴い早期に摩耗し易
く、耐久性に問題があった。また、超硬合金製の限界ゲ
ージは、それ自体の仕上げ加工性が悪く、特に、ねじ用
限界ゲージ等の複雑なゲージ面形状を有するフォームゲ
ージでは仕上げ精度を得ることが困難であるなどの問題
があった。
これに対し、合金工具鋼により形成した基材の表面に
硬質皮膜をコーティングしたものもあるが、コーティン
グしたままのものでは精度が低く、精度を得るためには
やはり研削およびラッピングによる仕上げ加工を施す必
要があり、耐久性と精度の両方を満足する限界ゲージを
容易に製作することができなかった。
また、たとえば電着の技術を用いて、合金工具鋼性の
ゲージ面に対応する表面に、硬質粒子がその一部が露出
した状態で埋設された硬質粒子層を形成することが考え
られる。このようにすれば、限界ゲージとして寸法検査
を行う際には、各硬質粒子の先端が被検査部材に接触さ
せられることから、ゲージ面の高い耐摩耗性が確保され
る。
しかしながら、上記従来の限界ゲージでは、硬質粒子
は電着金属内に埋設されているに過ぎないことから、寸
法検査をおこなう際に硬質粒子が脱落したり、或いは局
部的な衝撃が加えられることにより硬質粒子層が陥没し
てしまうという欠点があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その要旨とするところは、耐摩耗性を有する多数の
硬質粒子をその一部が露出した状態で埋設した硬質粒子
層をゲージ面に備えた限界ゲージを製造する製造方法で
あって、(a)前記耐摩耗性を有する多数の硬質粒子を
電着することにより、その硬質粒子がその一部が露出す
る状態で電着金属内に埋設された1粒子層の厚みの硬質
粒子層を金属製本体の前記ゲージ面に対応する表面に形
成する粒子固定工程と、(b)前記硬質粒子層において
前記多数の硬質粒子の先端が前記ゲージ面と一致するよ
うにそれら硬質粒子および電着金属に転圧を加える転圧
工程とを含むことにある。
上記限界ゲージの製造方法によれば、粒子固定工程に
おいて、耐摩耗性を有する多数の硬質粒子が電着させら
れることにより、その硬質粒子がその一部が露出する状
態で電着金属内に埋設された1粒子層の厚みの硬質粒子
層が金属製本体のゲージ面に対応する表面に形成される
一方、転圧工程において、上記多数の硬質粒子および電
着金属に転圧が加えられることによりそれぞれの硬質粒
子の先端がゲージ面と一致させられる。このため、硬質
粒子が金属製本体の表面へ没入するように食い込まされ
てそれらが把持される状態とされるとともに電着金属の
組織が緻密にされるので、寸法検査を行う際に各硬質粒
子の露出部分が被検査部材と接触させられても、硬質粒
子の脱落が生じにくく且つ局部的な衝撃に対しても耐久
性が高められていることから、ゲージ面の高い耐摩耗性
が確保されゲージ寿命の長い限界ゲージを得ることがで
きる。
また、上記限界ゲージの製造方法によれば、金属製本
体に対して前記粒子固定工程により硬質粒子を電着によ
り固着させ、前記転圧工程により硬質粒子および電着金
属に転圧を加えるという比較的簡単な加工工程を施すだ
けでよいことから、限界ゲージを極めて容易且つ安価に
製造することができる。
さらに、上記製造方法により製造された限界ゲージに
よれば、ゲージ面には露出している硬質粒子間に凹所が
存在しており、この凹所内に被検査部材の接触表面から
離脱したバリや汚れ等による細かい夾雑物を取り込み得
るため、それらの夾雑物の噛込みが良好に回避される利
点がある。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図は、本発明方法により製造された限界ゲージの
一つであるプラグゲージ10を示す斜視図である。このプ
ラグゲージ10は、円筒状のゲージ面12を有する検査部14
と、作業者等によって把持されるグリップ部16とから構
成されている。ゲージ面12の外径は、検査しようとする
穴形状の正規寸法に対してはめあい公差の上限あるいは
下限を加えた最大寸法あるいは最小寸法、すなわち穴の
限界寸法に仕上げられており、最小寸法に形成されたも
のは通り側ゲージとして用いられ、最大寸法に形成され
たものは止り側ゲージとして用いられる。
第2図中(c)に示すゲージ面12付近の部分断面図か
ら判るように、検査部14の基本的な形状に切削加工性の
良好な合金工具鋼から構成された基材18のゲージ面12に
対応する表面19上には、ダイヤモンド或いは立方晶窒化
ボロン等の硬質物質から構成された耐摩耗性を有する多
数の硬質粒子20がそれぞれ一部が外周側に露出する状態
で埋設された硬質粒子層22が設けられている。本実施例
では、基材18が金属性本体に相当する。
この硬質粒子層22は、基材18の表面19が多数の硬質粒
子20に高密度に一様に覆われた状態でニッケルやクロム
等の電着金属24による電着が行われるなどして、その層
厚が硬質粒子20の1個分の高さに略等しい1粒子層とな
るように硬質粒子20が基材18に固着させられ、且つ各硬
質粒子20の表面12からの高さが均一に揃えられている。
すなわち、この硬質粒子層22における硬質粒子20の露出
部分の先端が前記ゲージ面12と一致させられて、検査部
14における最大径D0がゲージ寸法となるように仕上げら
れている。これにより、限界ゲージとして寸法検査を行
う際には、各硬質粒子20の先端が被検査部材に接触させ
られるようになっており、ゲージ面12の高い耐摩耗性が
確保されている。
上記硬質粒子20の粒径は、プラグゲージとしての使用
が許容される通常の摩耗代(一般には数μm)の2〜4
倍の大きさであり、このような大きな粒径の硬質粒子20
による一様に高密度な1粒子層とするのは、上記摩耗代
以上の耐摩耗層が不要であるとともに、硬質粒子20の基
材18からの脱落を生じにくくするためである。また、硬
質粒子20としては、鋭い尖りや角張りによって検査され
る穴の内周面に傷がついたり初期摩耗が顕著となったり
することを避けるため、形状的に丸みを有する球状粒子
が用いられている。
上記のように構成されたプラグゲージ10は、以下に説
明する本発明の製造方法により好適に製作される。第2
図(a),(b),および(c)は、前記検査部14にお
けるゲージ面12付近の断面構造を製造工程順に示す図で
あって、それぞれ本実施例の基材形成工程、粒子固定工
程、および転圧工程に対応している。
まず、第2図(a)の基材形成工程においては、切削
加工性がよく且つ導電性を備えた合金工具鋼などの鋼材
から基材18がプラグゲージ10の基本的な形状に形成され
るとともに、ゲージ面12に対応するその表面19における
外径寸法が、限界ゲージとして寸法検査を行うためのゲ
ージ寸法D0から予め定められた硬質粒子層22の厚みtを
差し引いた寸法D1に仕上げられる。次いで、必要に応じ
て経年変化を防止する熱処理等が施された後、続く粒子
固定工程が行われる。
第2図(b)の粒子固定工程では、基材18の表面19全
体が耐摩耗性を有する多数の硬質粒子20に覆われた状態
で、ニッケル或いはクロム等の電着金属24を用いて電着
処理(電気鍍金処理)が施される。これにより、突出率
が20〜60%となるように最下層の硬質粒子20間の隙間に
電着金属24が充填されて、硬質粒子20が高密度な1粒子
層となる状態で基材18上に固着されることにより硬質粒
子層22が形成される。なお、この際の電着温度は、常温
〜40゜の範囲内が望ましい。
上記多数の硬質粒子20は、個々の粒径が完全に均一で
はないため、単に基材18の表面19に固着させられただけ
の状態においては、それぞれの先端における表面19から
の高さが一様とならず、しかも、前記硬質粒子層22の所
定の厚みtよりも大きいため、外周側からそれら硬質粒
子20を押圧するなどしてその高さを所定の厚みtに揃
え、露出した部分の先端をゲージ面12に一致させる必要
がある。このための工程が次の転圧工程である。
第2図(c)の転圧工程においては、ゲージ面12に対
応した転圧作用面を備えた転圧用ダイス(図示せず)の
転動により硬質粒子20が外周側から押圧され、前記した
ように20〜60%の突出率で突出していた硬質粒子20が基
材18へ没入するように食い込まされて、その高さが所定
の厚みtに揃えられ、硬質粒子20の先端がゲージ面12に
一致させられる。加えて、頂部および稜部が外周側に突
き出ていた硬質粒子20の向きが変えられて、外周面にお
ける凹凸が滑らかとされる。また、硬質粒子20と共に電
着金属24も押圧されるため、電着金属24の組織が緻密に
なりそれ自体の強度も高くなる。
このようにして、硬質粒子層22の露出部分の先端がゲ
ージ面12に一致させられて、検査部14における径寸法が
前記ゲージ寸法D0に調整され、プラグゲージ10が製造さ
れる。なお、上記転圧加工は比較的高い加工精度で行わ
れることが望ましく、軸方向の遊動可能なセンタ台等に
基材18を軸まわりの回転可能に支持し、2乃至3個の転
圧用丸型ダイス間にて挾圧する加工方法が好適に用いら
れる。
このようにして製作された本実施例のプラグゲージ10
によれば、粒子固定工程において、耐摩耗性を有する多
数の硬質粒子20が電着させられることにより、その硬質
粒子20がその一部が露出する状態で電着金属24内に埋設
された1粒子層の厚みの硬質粒子層22が基材18のゲージ
面12に対応する表面に形成される一方、転圧工程におい
て、上記多数の硬質粒子20および電着金属24に転圧が加
えられることによりそれぞれの硬質粒子20の先端がゲー
ジ面12と一致させられる。このため、硬質粒子20が基材
18の表面19へ没入するように食い込まされてそれらが把
持される状態とされるとともに電着金属24の組織が緻密
にされるので、寸法検査を行う際に各硬質粒子20の露出
部分が被検査部材と接触させられても、硬質粒子20の脱
落が生じにくく且つ局部的な衝撃に対しても耐久性が高
められているので、ゲージ面12の高い耐摩耗性が確保さ
れゲージ寿命の長い限界ゲージを得ることができる。
また、ゲージ12には、硬質粒子20の一部が露出してい
るのに対応してその周囲に凹所が存在しており、被検査
部材の表面に付着していたバリや汚れ等による細かい夾
雑物が検査時において上記凹所内に入り込んで一時的に
収容されるため、摺動時にそれらの夾雑物が噛み込まれ
て被検査部材に傷をつけたり、検査精度が低下したりす
ることが良好に回避される。
また、本実施例のプラグゲージ10は、基材18に切削加
工性のよい合金工具鋼を用い、比較的高価な硬質粒子20
を基材18の外周側に1粒子層分設けるだけでよいので材
料コストが低く抑えられる利点がある。
また、上述した本実施例の製造方法によれば、良好に
切削加工された基材18に対して前記粒子固定工程により
硬質粒子20を電着により固着させ、前記転圧工程により
その寸法調整を行うという比較的簡単な処理を施すだけ
で、従来のように硬質物質層を研削およびラッピングに
より再仕上げすることなく、高耐摩耗性を備えたプラグ
ゲージ10を容易且つ安価に製造することが可能となるの
である。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、前述の
実施例と共通する部分については、同じ符号を付して説
明を省略する。
第3図は、本発明方法により製造された限界ゲージの
一つである雌ねじ用プラグゲージ30を示す斜視図であ
る。この雌ねじ用プラグゲージ30は、ねじ山が連続した
ねじゲージ面32が形成された検査ねじ部34と、作業者等
によって把持されるシャンク部36とから構成されてい
る。ねじゲージ面32の外形形状は、検査しようとする雌
ねじの正規寸法に対してはめあい公差の上限あるいは下
限を加えた最大寸法あるいは最小寸法、すなわち上記雌
ねじの限界寸法に仕上げられており、最小寸法に形成さ
れたものは通り側ねじゲージとして用いられ、先端から
の規定の山数以降を最大寸法以上の寸法に形成されたも
のは止り側ねじゲージとして用いられる。
この雌ねじ用プラグゲージ30についても、検査ねじ部
34におけるねじゲージ面32付近の断面構造は、前述の実
施例と同様に構成されており、雌ねじ用プラグゲージ30
の基本形状を有する基材38のねじゲージ面32に対応する
ねじ山表面39上には、耐摩耗性を有する多数の硬質粒子
20がそれぞれ一部が露出した状態で電着金属24内に埋設
させられた1粒子層の厚みの硬質粒子層22が設けられて
いる。なお、硬質粒子20の基材38への固着および寸法調
整は、第2図に示す前述の工程と同様に行われるが、転
圧工程においては、ねじゲージ面32に対する反転作用面
を備えた転圧用ダイスが用いられる。また、硬質粒子層
22における硬質粒子20の露出部分の先端は検査ねじ部34
におけるねじ山形状に規定されており、寸法検査を行う
際には、各硬質粒子20の先端が雌ねじの表面に接触させ
られるようになっている。
本実施例の雌ねじ用プラグゲージ30においても、硬質
粒子20が基材38のねじ山表面39へ没入するように食い込
まされてそれらが把持される状態とされるとともに電着
金属24の組織が緻密にされるので、硬質粒子20の脱落が
生じにくく且つ局部的な衝撃に対しても耐久性が高めら
れることから、検査時において被検査物に対して摩擦摺
動させられても、従来のものに比較して高い耐久性が得
られる。また、ねじ切削に適した素材を用いて基材38を
加工することができるとともに、硬質粒子層22をねじ研
削により再仕上げするという比較的困難な加工を行う必
要がないので、高い精度にて比較的容易に製造され得
る。
第4図は、本発明方法により製造された限界ゲージの
一つであるテーパ穴用プラグゲージ40の要部を示す斜視
図である。このテーパ穴用プラグゲージ40は、テーパ状
のゲージ面42を有する検査部44を備えており、そのゲー
ジ面42のテーパ形状が、検査しようとするテーパ穴の限
界寸法に仕上げられている。このテーパ穴用プラグゲー
ジ40の検査部44におけるゲージ面42付近の断面構造は、
前述した2つの実施例と同様に構成されており、テーパ
穴用プラグゲージ40の基本形状を有する基材48のゲージ
面42に対応する表面49上には、それぞれの一部が外部に
露出した状態で電着金属24内に埋設させられた多数の硬
質粒子20からなる1粒子層の厚みの硬質粒子層22が設け
られている。
本実施例のテーパ穴用プラグゲージ40においても、前
記プラグゲージ10の場合と同様に、硬質粒子20が基材48
の表面49へ没入するように食い込まされてそれらが把持
される状態とされるとともに電着金属24の組織が緻密に
されるので、硬質粒子20の脱落が生じにくく且つ局部的
な衝撃に対しても耐久性が高められることから、ゲージ
面42に硬質粒子層22による充分な耐摩耗性が確保されて
いる。
次に、本発明の製造方法の他の実施例を説明する。な
お、前述の実施例と共通する部分および共通する工程に
ついては、同じ符号および名称を用いて説明を省略す
る。
第5図(a)乃至(e)に示す製造方法は、第2図に
示す製造方法に対して、粒子固定工程の前処理である下
地電着工程と、転圧工程の後処理である外表面電着工程
とを追加したものである。
第5図(a)の基材形成工程に続いて第5図(b)に
示す下地電着工程においては、硬質粒子20が転圧によっ
て食い込み易くなるように、基材18の表面にニッケルや
銅などの軟質金属による下地電着層26が電気鍍金処理に
よって形成される。なお、この場合の硬質粒子層22の厚
みt′は、上記下地電着層26の厚みを含めたものであ
り、前記基材形成工程においては、ゲージ寸法D0からこ
の厚みt′だけ差し引いた寸法D2に基材18が予め形成さ
れている。本実施例では、基材18および下地電着層26が
金属製本体に相当する。
続く第5図(c)の粒子固定工程では、前述の実施例
と同様に、耐摩耗性を有する多数の硬質粒子20に下地電
着層26の表面が覆われた状態でニッケルやクロム等によ
る電着処理が行われることにより、高密度な1粒子層と
なるように硬質粒子20が基材18上に均一に固着される。
さらに第5図(d)の転圧工程では、前述の実施例と
同様に、転圧用ダイスに押圧されることにより硬質粒子
20が下地電着層26に食い込まされ、その高さが上記厚み
t′に揃えられて先端がゲージ面12に一致させられる。
そして、第5図(e)に示す外表面電着工程において
は、寸法調整された後の硬質粒子20の上から電気鍍金処
理によって外表面電着層28が形成され、各硬質粒子20が
外表面電着層28の外周表面より僅かに露出した状態とな
るまで硬質粒子20間に外表面電着層28が充填される。こ
の外表面電着層28により、硬質粒子20の固定がさらに強
固とされる。
なお、上記合計3段の電着(電気鍍金)処理に用いら
れる電着金属は、互いに同一金属であってもよいし、ニ
ッケル、銅、クロムなどの異種金属の組み合わせでもよ
い。
このように、本実施例の製造方法によれば、軟質の金
属で構成された下地電着層26が形成されているので硬質
粒子20を容易に没入させることができ、限界ゲージを一
層簡単に製造することができる。また、転圧工程の後の
外表面電着工程において外表面電着層28が形成されるた
め、転圧が加えられることに起因して硬質粒子20の表面
に隙間が生じても、外表面電着層28に埋められることに
より充分な固着力が得られ、確実に硬質粒子20の脱落が
防止される。
以上、本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明は
他の態様で実施することもできる。
たとえば、前述の各実施例においては、穴用限界ゲー
ジであるプラグゲージ10、雌ねじ用プラグゲージ30、お
よびテーパ穴用プラグゲージ40の場合であったが、これ
ら以外にも、たとえば、軸の外径を検査する軸用限界ゲ
ージであるリングゲージや挟みゲージ、或いは雄ねじを
検査する雄ねじ用限界ゲージなどについても同様に本発
明を適用することが可能である。
また、前述した第2図および第5図の実施例において
は、硬質粒子層22内に埋設された硬質粒子20の露出部分
に対してなんら仕上げ加工が行われていないが、精度を
さらに高めるなどの目的で、研削加工やラッピング加工
が追加して施されても差支えない。
また、前述の実施例においては、粒径の異なる硬質粒
子20が用いられていたが、粒径の比較的均一な硬質粒子
が用いられてもよく、この場合、粒径が均一であるほど
転圧処理が軽度で済むことになる。
また、前述した第2図および第5図の実施例において
は、粒子固定工程および転圧工程の他に基材形成工程や
下地電着工程および外表面電着工程が含まれていたが、
これらの工程は、ゲージの加工に要求される条件によっ
て適宜付け加えられ得るものであり、必ずしも不可欠な
ものではない。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において当業者
の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法により製造された限界ゲージの一
実施例であるプラグゲージを示す斜視図である。第2図
(a)乃至(c)は、第1図のプラグゲージが好適に製
造される本発明方法の一実施例を説明する図であり、ゲ
ージ面付近における断面構造を工程順に示す図である。
第3図は、本発明の他の実施例である雌ねじ用プラグゲ
ージの斜視図である。第4図は、本発明の他の実施例で
あるテーパ穴用プラグゲージの斜視図である。第5図
(a)乃至(e)は、本発明方法の他の実施例を説明す
る第2図に相当する図である。 10:プラグゲージ(限界ゲージ) 12:ゲージ面、18:基材(金属製本体) 19:表面、20:硬質粒子 22:硬質粒子層、24:電着金属 26:下地電着層(金属製本体) 30:雌ねじ用プラグゲージ(限界ゲージ) 32:ねじゲージ面(ゲージ面) 38:基材(金属製本体)、39:ねじ山表面 40:テーパ穴用プラグゲージ(限界ゲージ) 42:ゲージ面、48:基材(金属製本体) 49:表面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐摩耗性を有する多数の硬質粒子をその一
    部が露出した状態で埋設した硬質粒子層をゲージ面に備
    えた限界ゲージを製造する製造方法であって、 前記耐摩耗性を有する多数の硬質粒子を電着することに
    より、該硬質粒子がその一部が露出する状態で電着金属
    内に埋設された1粒子層の厚みの硬質粒子層を金属製本
    体の前記ゲージ面に対応する表面に形成する粒子固定工
    程と、 前記硬質粒子層において前記多数の硬質粒子の先端が前
    記ゲージ面と一致するように該硬質粒子および電着金属
    に転圧を加える転圧工程と を含むことを特徴とする限界ゲージの製造方法。
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