JP2564573B2 - エンジンの排気サイレンサー - Google Patents

エンジンの排気サイレンサー

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JP2564573B2
JP2564573B2 JP62268501A JP26850187A JP2564573B2 JP 2564573 B2 JP2564573 B2 JP 2564573B2 JP 62268501 A JP62268501 A JP 62268501A JP 26850187 A JP26850187 A JP 26850187A JP 2564573 B2 JP2564573 B2 JP 2564573B2
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英治 武口
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの排気の消音を行なう排気サイレン
サーに関するものである。
(従来技術) 従来から、拡張室等を設けるとともに排気流通経路を
工夫することによって排気消音効果の向上を図るように
したエンジンの排気サイレンサーは種々提案されてい
る。例えば実開昭61−101625号公報では、1つの入口管
と1つのテールパイプとの間に、入口管から比較的短い
通路を経てテールパイプに至る第1の経路(第1出口
管)と、入口管から複数の拡張室を通る比較的長い通路
を経て、上記テールパイプの近傍で上記第1の経路に合
流する第2の経路(第2出口管)とを備え、この両経路
の合流部に、第1の経路を開いて第2の経路を閉じる状
態と第1の経路を閉じて第2の経路を開く状態とに切替
作動する切替弁を設けたサイレンサーの構造が開示され
ている。このサイレンサーにおいては、上記切替弁がエ
ンジン回転数等に応じて切替作動されることにより、高
速域での排圧の低減、低速域での消音効果の向上等が図
られている。
このような従来のサイレンサーでは、消音効果を高め
て排気音を低減するように工夫されているものの、排気
音を完全になくすことができるわけではなく、また、音
質を変更するというようなことは考慮されておらず、サ
イレンサーから出る音が耳障りにならないようにするた
めには改善の余地があった。
(発明の目的) 本発明は上記の事情に鑑み、充分な消音効果を持たせ
ることができるとともに、耳障りな音を除去して走行感
覚等にマッチした好ましい音を与えるというような音質
の変更、チューニングも可能なエンジンの排気サイレン
サーを提供するものである。
(発明の構成) 本発明のエンジンの排気サイレンサーは、吸音材を有
する吸音材式通路を主要部とする第1経路と、拡張室を
主要部とする第2経路とを備え、この各経路の終端部に
個別にテールパイプを設け、この各テールパイプの上流
で上記両経路を連通する連通路を設けるとともに、上記
連通路による連通箇所より上流の一方の経路に開閉弁を
設けたものである。
この構成によると、開閉弁の開閉の切替に応じて音量
および音質が変えられるとともに、2本のテールパイプ
によって音質が調整されることとなる。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例によるサイレンサーの具体
的構造を断面図で示し、第2図はこのサイレンサーの排
気経路の構成を示し、第3図(a)(b)はさらにこの
サイレンサーの排気経路を展開した形で後記開閉弁を開
いた場合と閉じた場合とについて模式的に示している。
これらの図において、サイレンサーのケース1内に突入
した入口管2には、図外のエンジンから排気が流入する
ようになっており、この入口管2から第1経路3と第2
経路4とが分岐し、この各経路3,4の終端部には個別に
それぞれテールパイプ5,6が装備されている。
上記第1経路3は、吸音材を有する吸音材式通路を主
要部とするもので、例えば経路途中とテールパイプ5と
に吸音材7,8が装備されている。第1図に示した具体構
造では、この第1経路3の上流側通路9が入口管2と略
直角に配置されてその一端が入口管2に接続され、この
通路9の他端にこれと略直角な通路10が接続され、この
通路10のケース1外方に臨む端部にテールパイプ5が接
続されている。そして上記上流側通路9には、多孔板
(パンチメタル)からなる内筒9aとその周囲を囲繞する
外筒9bとの間にグラスウール等の吸音材7が装填され、
テールパイプ5にも、多孔板からなる内筒5aとその周囲
を囲繞する外筒5bとの間にグラスウール等の吸音材8が
装填されている。
また、第2経路4は、拡張室を主要部とするもので、
例えば経路途中に3つの拡張室11,12,13を備えている。
第1図に示す具体例では、ケース1内に、仕切り壁14,1
5,16で区画された拡張室11,12,13が、排気通過順にいえ
ばこれらのうちで図の右側が1番目の拡張室11、左側が
2番目の拡張室12、その間が3番目の拡張室13となるよ
うに配設されるとともに、1番目の拡張室11の右側に共
鳴室17が形成され、これら各拡張室11,12,13および共鳴
室17を連通するように第2経路4が形成されている。す
なわち、第1経路3の上流側通路9と並行した第2経路
4の上流側通路18の一端が入口管2に接続され、その通
路18の他端に、1番目の拡張室11が連通するとともにパ
イプ19を介して共鳴室17が連通し、上記1番目の拡張室
11にパイプ20を介して2番目の拡張室12が連通し、さら
に2番目の拡張室12に仕切り壁14を貫通するパイプ21を
介して3番目の拡張室13が連通している。そして、3番
目の拡張室13に連通する通路22のケース外方に臨む端部
に、テールパイプ6が接続されている。なお、図に示す
実施例では、拡張室を主要部とする第2経路4でも補助
的に吸音材による吸音作用を持たせるため、その上流側
通路18が多孔板からなる内筒18aと外筒18bとの間に吸音
材23を有する構造とされるとともに、テールパイプ6
も、多孔板からなる内筒6aと外筒6bとの間に吸音材24を
有する構造とされている。
また、第1経路3と第2経路4とはテールパイプ5,6
の直上流において連通路25を介して互いに連通され、第
1図の具体構造では、両テールパイプ5,6の直上流部分
の通路10a,22が多孔板で形成されることにより、その間
のケース1内の空間が連通路25とされている。
上記連通路25による連通箇所より上流の第1経路3に
は開閉弁30が設けられている。この開閉弁30は、上記連
通箇所の近傍の通路10内に配置され、駆動機構31により
開閉駆動されるようになっている。
上記駆動機構31は、例えば第4図および第5図に示す
ように、開閉弁30の軸30aの一端に取付けられたレバー3
2と、このレバー32を閉方向に付勢するスプリング33
と、レバー32に接続されたワイヤ34と、ストッパ35とを
備えている。そして、アクチュエータ36により上記ワイ
ヤ34を介して上記レバー32が作動され、上記アクチュエ
ータ36は、例えば加速検出信号38等を受ける制御部37に
より制御されるようになっている。
上記駆動機構31はケース1内の共鳴室17の側方に配置
されることにより、ケース1で防護されるとともに、共
鳴室17を構成する空間での断熱作用で排気熱による影響
が避けられるようにしている。
以上のような当実施例のサイレンサーの作用を、第3
図(a)(b)に基づいて説明する。
第1経路3に設けられた上記開閉弁30が開かれた状態
では、第3図(a)に矢印で示すように、入口管2に流
入した排気が、第1経路3と第2経路4とに分流し、そ
れぞれ各経路3,4を連通してテールパイプ5,6から排出さ
れる。そして、第1経路5を連通する排気は、上流側通
路9の吸音材7およびテールパイプ5の吸音材8によっ
てわれ音および気流音等の吸音作用を受ける。
上記開閉弁30が閉じられることによって第1経路3が
その途中で遮断された状態では、第3図(b)に矢印で
示すように、排気が第2経路4を通過する。この場合、
前記のように各テールパイプ5,6の直上流の通路10a,22
が多孔板で形成され、連通路25を介して互いに連通され
ていることにより、第2経路3を通過した排気がその終
端側のテールパイプ6から排出されるとともに連通路25
を通って第1経路3の終端側のテールパイプ5からも排
出されるので、片側のテールパイプからだけ排気されて
不自然な感じを与えるといった事態が防止され、かつ、
後述のように音質を変更、調整する作用が保たれる。
そして、このように開閉弁30が閉じられた状態にある
場合、第2経路4を通過する排気が、各拡張室11,12,13
による広い周波数域にわたる排気音の減衰作用と、吸音
材23,24による吸音作用と、共鳴室17による特定周波数
成分の除去作用を受ける。さらに、上記開閉弁30が第1
経路をその上流側通路9より下流で閉鎖するので、この
開閉弁30より上流の通路9が共鳴部の役目を果し、この
部分でも特定周波数成分を除去する作用が得られる。
このような作用が排気音の音量、音質に及ぼす効果
を、第6〜9図によって説明する。
第1経路3の開閉弁30が閉じられたときに、上記実施
例と同様の第1,第2経路3,4を備えた通路構成で、仮に
第6図(a)のように開閉弁30を第1経路3の上流端部
分に設けた構造とした場合と、第6図(b)に示すよう
に第1経路の上流側通路9より下流に開閉弁30を設けた
場合とを比較すると、各種周波数における音圧減衰量
は、前者の場合は第6図(c)に破線で示すようになる
のに対し、後者の場合は同図に実線で示すようになる。
つまり、開閉弁30の上流の第1経路3に共鳴部の役目を
果す通路9を有する第6図(b)の構造によると、第6
図(a)の構造と比べ、特定の中間周波数域Aで音圧減
衰量が大きくなる。
また、第1経路3の開閉弁30が閉じられたときに、第
7図(a)のように開閉弁30より上流の通路9が単なる
パイプである場合と、第7図(b)のように通路9に外
筒9bが設けられて拡張されている場合とを比較すると、
音圧減衰量が前者の場合は第7図(c)に破線で示すよ
うになるのに対し、後者の場合は同図に実線で示すよう
になって、特定の中間周波数域Bでの音圧減衰量が高め
られる。
従って、第7図(b)の構造、つまり前記実施例の構
造によると、開閉弁30が閉じられたときに、その上流
の、吸音材7を装備した通路9を利用して、中間周波数
域の音圧減衰効果を高めることができる。
一方、開閉弁30が開かれたときに、第8図(a)のよ
うに第1経路3の上流側通路9が吸音材7を有しない場
合と、第8図(b)のように通路9に吸音材7が装備さ
れている(前記実施例に相当する)場合とを比較する
と、音圧減衰量が前者の場合は第8図(c)に破線で示
すようになるのに対し、後者の場合は同図に実線で示す
ようになって、比較的高い周波数域Cでの音圧減衰量が
高められる。従って、開閉弁30が開かれたときに上記の
吸音材7を有する通路9は、高周波数域の音圧減衰効果
を高める作用をなす。
第9図は、前記実施例の構造において、各種周波数に
おける音量(dB)を、開閉弁30を閉じたとき(破線)と
開いたとき(実線)とについてそれぞれ示している。こ
の図のように、開閉弁30を閉じたときと開いたときとで
は、全体的な音量が異なるだけでなく、開閉弁30を閉じ
たときは比較的低い周波数域で音量がピーク(符号X部
分)となって感覚的にマイルドな音となり、開閉弁30を
開いたときは閉じたときと比べて高い周波数域(符号Y
部分)で音量がピークとなることにより感覚的にスポー
ティな音となるというように、音質も変化する。この場
合、各テールパイプ5,6を通過した排気音の音質はテー
ルパイプ5,6の形状、内径等に応じた音響特性にも関係
するので、例えば第1経路3側のテールパイプ5の内径
を第2経路4側のテールパイプ6の内径よりも小さくし
ておく等、テールパイプ5,6の音響特性の設定によって
も音質を調整することができる。
このように開閉弁30の開閉に応じて排気音の音質を変
化させることができるので、上記開閉弁30を駆動機構31
およびアクチュエータ36を介して制御する前記制御部37
により、例えば通常走行時には開閉弁30を閉じて加速時
に開閉弁30を開くように制御すれば、走行感覚に適合し
た心地良い音を得ることができる。なお、開閉弁30の開
閉の切替は必ずしもこの例に限らず、エンジン回転数等
に応じて開閉弁30が切替えられるようにしてもよく、ま
た、制御部の代りに手動で開閉弁が切替えられるように
してもよい。
また、上記各テールパイプ5,6は取替え可能とし、第1
0図(a)〜(g)に示すような音響特性が異なる各種
テールパイプ51〜57を要求に応じて選択的に用いるよう
にすることもでき、このようにすれば音質を随意に調整
することができる。これらの図において、第10図(a)
のテールパイプ51はストレート管で形成したもの、第10
図(b)のテールパイプ52は内径が先広がりの二重構造
としたもの、第10図(c)のテールパイプ53は二重構造
で内筒53aを多孔板で形成したもの、第10図(d)のテ
ールパイプ54は第10図(c)の構造に加えて内筒54aと
外筒54bとの間に吸音材54cを装填したもの、第10図
(e)のテールパイプ55は第10図(d)の構造における
吸音材54cに代えて多孔室焼結金属55cを装備したもの、
第10図(f)のテールパイプ56は第10図(d)に示すも
のよりも吸音材56cの装填部分を薄肉にして内径を大き
くしたもの、第10図(g)のテールパイプ57は内筒57a
をテーパ状としてこれと外筒57bとの間に吸音材を装填
したものである。
(発明の効果) 以上のように本発明は、吸音材式通路を主要部とする
第1経路と、拡張室を主要部とする第2経路との各終端
部に個別にテールパイプを設け、テールパイプ上流で上
記両経路を連通するとともに、連通箇所より上流の一方
の経路に開閉弁を設けているため、充分な消音効果を持
たせることができるとともに、上記開閉弁の開閉の切替
によって音質の変更を行なうことができ、また2本のテ
ールパイプを利用してその形状等の選定により音質の調
整も容易になり、耳障りな音を除去して好ましい音を与
えることが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による排気サイレンサーの構
造を示す断面図、第2図は上記構造の模式図、第3図
(a)(b)は上記構造をさらに展開した形で開閉弁が
開いた状態と閉じた状態とについて示す模式図、第4図
は開閉弁の駆動機構を示す断面図、第5図は同側面図、
第6図(a)〜(c)および第7図(a)〜(c)は開
閉弁の配置を変えた場合および開閉弁上流の通路構造を
変えた場合において、開閉弁を閉じたときの音圧減衰効
果を比較するための、各模式図と音圧減衰量の特性図、
第8図(a)〜(c)は開閉弁上流の通路構造を変えた
場合において、開閉弁を閉じたときの音圧減衰効果を比
較するための、各模式図と音圧減衰量の特性図、第9図
は開閉弁を開いた場合と閉じた場合の音量の特性図、第
10図(a)〜(g)はテールパイプの各種変更例を示す
断面図である。 3……第1経路、4……第2経路、5,6……テールパイ
プ、7,8……吸音材、11〜13拡張室、25……連通路、30
……開閉弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 宜久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 畑 秀二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−187318(JP,U) 実開 昭60−157920(JP,U) 実開 昭61−58611(JP,U) 実開 昭62−117216(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸音材を有する吸音材式通路を主要部とす
    る第1経路と、拡張室を主要部とする第2経路とを備
    え、この各経路の終端部に個別にテールパイプを設け、
    この各テールパイプの上流で上記両経路を連通する連通
    路を設けるとともに、上記連通路による連通箇所より上
    流の一方の経路に開閉弁を設けたことを特徴とするエン
    ジンの排気サイレンサー。
JP62268501A 1987-10-23 1987-10-23 エンジンの排気サイレンサー Expired - Lifetime JP2564573B2 (ja)

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JP5091183B2 (ja) * 2009-04-24 2012-12-05 本田技研工業株式会社 消音器
CN104213955A (zh) * 2013-05-31 2014-12-17 佛吉亚排气控制技术开发(上海)有限公司 内燃机排气系统的双模式消声器

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