JP2564031Y2 - 二液混合容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は二液混合容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

【考案が解決しようとする課題】二液混合容器として、
第１の容器の口部に中間筒部材の下部を螺合装着し、こ
の中間筒部材の上部に、下端をこの筒部材の座に係止さ
れた栓体で下部口部を封止した第２の容器を螺合装着
し、この第２の容器を中間筒部材から螺退させて前記栓
体を下部口部から下方に離脱脱栓させて第２の容器内の
液を第１の容器内に落下移注し二液混合を行う如く構成
した容器を本出願人は既に提案している（実公昭63-603
2 号）。この容器は、単に第２の容器を螺退させる操作
のみで、特別の混合用容器を用意することなく、面倒な
注入動作も必要無く混合でき、又、構成部品は少数で済
み、各部品を単に螺合、嵌合することにより最終製品を
組み立てできるので、構成が簡易であるとともに組み立
てに道具や手間を要さず便利である等種々の効果を有す
るものである。

【０００３】しかしながら、この容器は液充填に際し、
まず第１の容器に第１液を充填し、その後中間筒部材を
第１の容器の口頚部に螺合装着し、ついで下部口部に栓
体を嵌合閉栓した第２の容器をその螺条を螺溝に一杯に
螺合することにより中間筒部材に装着する。即ち、該装
着で栓体の周壁外周下端より突設した係止用突条は座の
内部周壁に強制的に押し込まれてこれを突き抜け、内部
周壁下端周面に上方への移動不能に係止、そして周壁の
下半部外周面は座の内部周壁内周面に対して僅かの間隙
を有して遊離状態にある。この状態にて第２の容器に液
を充填し、しかる後この容器上部口部にキャップを装着
して口部を封止する。

【０００４】従って、栓体の係止用突条を座の内部周壁
下端内面に僅かに突出させないと、強制的な押し込みが
行い難く、反面、僅かな突出では第１の容器を螺動上昇
させた際に、栓体が第１の容器と一緒に上昇して外れな
い不都合が生じる虞がある。

【０００５】又、栓体の係止用突条が座の内部周壁下端
内面にピッタリと係合しない場合には、誤って容器を倒
したり、二液混合後容器を傾倒させたりした際に、第１
の容器内の液がこの部分より上記隙間を介して第２容器
胴部と中間筒部材間を通り外部へ漏出する虞が生じる。
又、この様な不都合を解消するにはこの部分の各部材の
寸法精度を極めて高精度にしなければならず、製造が煩
雑化してそれに伴う設備も必要となる。

【０００６】又、第２の容器周壁下端外周と、座上方の
中間筒部内面とを液密且つ回動可能に嵌合させればこの
様な不都合を解消できる様に思われるが、上下に口部を
有する第１の容器の様な構造では、成形に割り型を使用
しなければ行えないため、その外周面に割り型間の隙間
によってわずか突条が生じて良好なシール性を得られな
い。

【０００７】本考案は上記した従来技術の欠点を解消し
た優れた二液混合容器を提案するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案容器は上記課題を
解決するため、胴部２ａ上端より口頚部２ｂを起立する
とともに、胴部２ａ外周に上下に走る縦突条２ｃを突設
してなる第１容器体２と、胴部３ａの上下端より各々上
部及び下部口頚部３ｂ，３ｃを突設してなる第２容器体
３と、上記第２容器体３の下部口頚部３ｃに下方からの
嵌着固定が可能な連結補助部材４と、該連結補助部材４
に下方からの螺着が可能で且つ第１容器体２への上方か
らの嵌着固定が可能な連結部材５とを有し、上記連結補
助部材４は、上記第２容器体の下部口頚部３ｃ外周に嵌
合させた嵌合筒部４ａ下端縁より内向きフランジを介し
て下部口頚部３ｃ内側にシール筒部４ｂを起立させ、且
つ嵌合筒部４ａ外面より延設した外向きフランジを介し
て外周面に螺条を有する螺筒部４ｃを二重筒状に延設し
てなり、上記螺筒部４ｃ内面上端に突設した上下に走る
縦突条４ｄと第２容器体胴部３ａ外周下端部に突設した
縦突条３ｄとを係合させて回動不能に且つ液密に第２容
器体３に装着させ、上記連結部材５は、上記螺筒部４ｃ
外面に内面上部を螺動下降が可能に螺着させるととも
に、内面下部を第１容器体胴部２ａ外周に嵌合させた外
筒部５ａと、上記連結補助部材４のシール筒部４ｂ内面
に液密且つ摺動可能に上部外周を嵌合させるとともに、
第２容器体胴部３ａ内へ上端を突出させ且つ下端外面を
第１容器体口頚部内周に液密に嵌合させた内筒部５ｃと
を、連結板部５ｂにより一体に連結させてなり、外筒部
５ａ内面下部に設けた縦突条５ｄを第１容器体２の上記
縦突条２ｃと係合させて回動不能に第１容器体２に装着
させ、上記連結部材５の内筒部５ｃ上端に外周縁を液密
に嵌着固定させて各容器体胴部内を液密に区画してなる
内キャップ６を設け、上記連結部材５を螺動下降させた
際、上記シール筒部４ｂ上端により内キャップ６外周縁
を上方へ押圧離脱可能に構成させた。

【０００９】

【作用】図１の状態から、連結部材５を回動下降させる
と、それに伴って、該部材５の内筒部5c上端に嵌着した
内キャップ６も下降し、その外周下端縁が連結補助部材
４のシール筒部4b上端に当接係止して上方へ押圧されて
外れ、各容器体胴部2a，3a内が連通して二液の混合を行
える。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１１】図１は本考案の一実施例を示すもので、図
中１は二液混合容器を示す。該容器１は、第１容器体２
と、第２容器体３と、連結補助部材４と、連結部材５
と、内キャップ６とを主要部材として構成している。

【００１２】第１容器体２は、円筒状の胴部2a上端より
肩部を介して口頚部2bを起立させて構成しており、胴部
2aの上部は若干縮径してその縮径部分外周に回り止め用
の上下に走る縦突条2cを複数突設している。

【００１３】又、第２容器体３は、上記第１容器体胴部
と略同径の外径を有する胴部3aの上端中央より上部口頚
部3bを立設し、又、胴部3a下端部を二段に縮径するとと
もに、縮径部分下端より肩部を介して下部口頚部3cを垂
設させている。又、上記下方の縮径部外周には回り止め
用の上下に走る縦突条3dを複数突設している。

【００１４】又、連結補助部材４は、上記下部口頚部3c
外周に螺合させる嵌合筒部4a下端縁より内向きフランジ
を介して上方へシール筒部4bを立設させ、又、嵌合筒部
4a上端より外方へ延設させた外向きフランジを介して、
二重筒状に螺筒部4cを延設させている。又、この螺筒部
4cの外周面には螺条を、内周上部には上下に走る複数の
縦突条4dを各々周設させている。そして、上記下部口頚
部3cの下方からその嵌合筒部4aを下部口頚部3c外周に螺
着させるとともに、上記縦突条4dを第２容器体の縦突条
3dと係合させて回動不能に第２容器体に装着させてい
る。この際、上記下部口頚部3c下端と上記外向きフラン
ジ上面との間にはパッキン７を介在させて液密に嵌合さ
せている。又、上記各突条3d，4dは、連結補助部材４の
螺動上昇時に相互に乗り越え回動させて係合させてい
る。

【００１５】連結部材５は、円筒状の外筒部５ａの内面
上下方向中央部分より延設させた内向きフランジ状の連
結板部５ｂ内周縁に円筒状の内筒部５ｃ外面を二重筒状
に連結させており、内筒部５ｃは外筒部５ａの略半分の
丈を有し、外筒部の上端部分に位置して構成している。
又、外筒部５ａの内周上部には螺条を、又、内周下部に
は回り止め用の上下に走る複数の縦突条５ｄを周設して
いる。そして、上記螺筒部４ｃ外面に外筒部５ａの内面
上部を螺動下降が可能に螺着させるとともに、内筒部５
ｃの外周上部を上記シール筒部４ｂ内面に液密且つ摺動
可能に嵌合させ又、その上端を第２容器体胴部３ａ内に
突出させて、連結補助部材４に上端を連結させ、又、外
筒部５ａの内面下部を第１容器体胴部２ａ外周に嵌合さ
せるとともに、内筒部５ｃの外面下部を第１容器体口頚
部２ｂ内面に液密に嵌合させ、更に、縦突条５ｄを第１
容器体の縦突条２ｃと係合させて下端を回動不能に第１
容器体に装着させている。

【００１６】内キャップ６は、上記連結部材５の内筒部
5c上端に外周縁を液密に嵌着固定させて装着させ、各容
器体胴部2a，3a内を液密に区画させている。

【００１７】尚、図中８は第２容器体上部口頚部3bに嵌
着固定させたノズル、９は、上部口頚部3bに着脱自在に
装着させたキャップをそれぞれ示す。又、上記各部材は
全て合成樹脂により形成する。

【００１８】上記の如く構成した容器１に液を充填する
際は、例えば、先ず連結部材５の外筒部５ａ内面上端に
連結補助部材４の螺筒部４ｃ外面を螺合させて装着す
る。この際、連結補助部材４の内向きフランジ上面には
パッキン７を載置させておく。次いで、内筒部５ｃ上端
に内キャップ６を装着させ、しかる後第２容器体３の下
部口頚部３ｃを嵌合筒部４ａ内周に螺合させて第２容器
体下部口頚部を液密に閉塞させる。次に、第２容器体内
に液を充填した後ノズル８及びキャップ９を装着させ
る。一方、第１容器体２内に液を充填させ、その上方か
ら上記液を充填した各部材装着の第２容器体を、その内
筒部５ｃを第１容器体口頚部２ｂ内周に、又外筒部５ａ
を第１容器体胴部２ａ外周に嵌合させて装着する。この
際、外筒部５ａ内周の縦突条５ｄと、第１容器体胴部外
周の縦突条２ｃとを係合させて回動不能に装着させる。

【００１９】

【考案の効果】以上説明した如く本考案容器は、既述構
成としたことにより、各連結部分を無理無く液密に嵌合
連結させることが出来、二液の混合或いは混合後の混合
液の注出に当たり液が漏出する虞はなく、良好なシール
性を有するものである。

【００２０】又、使用に当たって二液の混合を確実且つ
容易に行え、使用操作も簡単である。

【００２１】更に、特別の混合容器を用意することな
く、面倒な注入動作も必要無く混合出来、各部品を単に
螺合、嵌合することにより最終製品を組み立てできるの
で、組み立てに道具や手間を要さず便利である点はこの
種従来容器と同様の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す半断面図である。

【符号の説明】

２ 第１容器体 ３ 第２容器体 ４ 連結補助部材 ５ 連結部材 ６ 内キャップ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部２ａ上端より口頚部２ｂを起立すると
   ともに、胴部２ａ外周に上下に走る縦突条２ｃを突設し
   てなる第１容器体２と、胴部３ａの上下端より各々上部
   及び下部口頚部３ｂ，３ｃを突設してなる第２容器体３
   と、上記第２容器体３の下部口頚部３ｃに下方からの嵌
   着固定が可能な連結補助部材４と、該連結補助部材４に
   下方からの螺着が可能で且つ第１容器体２への上方から
   の嵌着固定が可能な連結部材５とを有し、上記連結補助
   部材４は、上記第２容器体の下部口頚部３ｃ外周に嵌合
   させた嵌合筒部４ａ下端縁より内向きフランジを介して
   下部口頚部３ｃ内側にシール筒部４ｂを起立させ、且つ
   嵌合筒部４ａ外面より延設した外向きフランジを介して
   外周面に螺条を有する螺筒部４ｃを二重筒状に延設して
   なり、上記螺筒部４ｃ内面上端に突設した上下に走る縦
   突条４ｄと第２容器体胴部３ａ外周下端部に突設した縦
   突条３ｄとを係合させて回動不能に且つ液密に第２容器
   体３に装着させ、上記連結部材５は、上記螺筒部４ｃ外
   面に内面上部を螺動下降が可能に螺着させるとともに、
   内面下部を第１容器体胴部２ａ外周に嵌合させた外筒部
   ５ａと、上記連結補助部材４のシール筒部４ｂ内面に液
   密且つ摺動可能に上部外周を嵌合させるとともに、第２
   容器体胴部３ａ内へ上端を突出させ且つ下端外面を第１
   容器体口頚部内周に液密に嵌合させた内筒部５ｃとを、
   連結板部５ｂにより一体に連結させてなり、外筒部５ａ
   内面下部に設けた縦突条５ｄを第１容器体２の上記縦突
   条２ｃと係合させて回動不能に第１容器体２に装着さ
   せ、上記連結部材５の内筒部５ｃ上端に外周縁を液密に
   嵌着固定させて各容器体胴部内を液密に区画してなる内
   キャップ６を設け、上記連結部材５を螺動下降させた
   際、上記シール筒部４ｂ上端により内キャップ６外周縁
   を上方へ押圧離脱可能に構成させたことを特徴とする二
   液混合容器。