JP2563676Y2 - 照明光学系 - Google Patents

照明光学系

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JP2563676Y2
JP2563676Y2 JP492992U JP492992U JP2563676Y2 JP 2563676 Y2 JP2563676 Y2 JP 2563676Y2 JP 492992 U JP492992 U JP 492992U JP 492992 U JP492992 U JP 492992U JP 2563676 Y2 JP2563676 Y2 JP 2563676Y2
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克重 柳沢
保雄 小松
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株式会社三協精機製作所
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、凹凸パターンの読み取
り装置に適用される照明光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】近来一般に普及した各種のカードは一般
に合成樹脂で形成され、カードの持ち主の名前や番号が
エンボス加工等により、カード表面の凹凸として記録さ
れている。
【0003】これらのカード等の文字、その他の画像情
報(以下読み取り対象物という)を自動的に読み取り、
凹凸パターンの照合等を行う手段として凹凸パターン読
み取り装置が提案されている。
【0004】凹凸パターンの自動読み取りに際しては、
照明光学系からの光を凹凸パターンの像に照射し、その
反射光をCCD等の撮像素子の受光面に結像させて行う
が、凹凸パターンを際立たせるために、凹凸パターンに
対する照明は、凹凸パターンの形成された面に対して斜
めに光を当てる、所謂「暗視野照明」が行われる。
【0005】かかる凹凸パターンの照明光学系として
は、次の構成のものがある。
【0006】.読み取り対象物を中心にして、その周
囲を囲むようにしてリング状に光源を配設するリング照
明手段とするもの。
【0007】.図10に示すように、XYZの3軸直
交座標系を想定したとき、XY軸を含む平面に平行な基
準面に当接又はごく近接して、この基準面に沿ってY軸
方向へ送られる読み取り対象物の表面に形成されている
凹凸パターンを、光源1と反射板2との組合せにより、
2方向から照明するもの。
【0008】.図14に示すように、光源1と反射板
2の間に無方向性の透過拡散板5を介在させたもの。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】前記の照明光学系で
は、読み取り対象物からみて照明光の方向性がなく、凹
凸模様のエッジは全体が均一に明るくなるので、読み取
り対象物が多少傷んでいても、また、その向きが不定で
も、正しい画像認識が可能であるが、その反面、リング
照明では比較的大きな設置空間を必要とし、装置も大が
かりとなるので、これを採用することは実際的でないと
の問題がある。
【0010】前記の照明光学系では、リング照明に比
べて設置空間は少なくて済むが、照明に方向性を生じる
のとの難点がある。つまり、読み取り対象物の凹凸パタ
ーンを仮に円形の凸パターンとして図11に符号3で示
す如きものとすると、図12に破線で示す部分にだけ光
が集中して、照明の片寄りによる明暗を生じ、図13に
実線で示す三日月状部分の形状認識しかできない。
【0011】又、光源1をライン状に配列すると、図1
6に示すように破線で囲んだ光照射領域同士の間に影の
部分を生じるし、図17における曲線4の如く光源ごと
の光量むら、所謂シェーディングを生じてしまう。
【0012】前記の照明光学系では、無方向性拡散板
の働きにより、前記の照明光学系で問題となったシェ
ーディングの発生はなくなるが、照明の方向性は多少残
り(図15参照)、また、照明光は不特定の方向に向か
うので照明光量は激減し、光源パワーを強力にしなけれ
ばならないとの問題がある。
【0013】従って、本考案の目的は、簡単かつコンパ
クトな構成で読み取り対象物を満遍なく照射することの
できる照明光学系を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本考案においては、 (1).平行光束を出射する複数個の光源をライン状に
配列し、このライン方向が所定方向と直交する関係にあ
るとともに基準面と対向配置してなる光源部と、光源に
対向した拡散板であって、等ピッチで連続する多数の溝
部を有し、その1つの溝部が、光源からの平行光束を直
進光と、この直進光に対し広がる2光束の、合わせて3
つの成分に分けて出射する拡散板と、拡散板からの前記
3つの各出射光束を、これら各出射光束が前記基準面に
対して傾いて入射されるように偏向させる平面状の反射
板を有し、これら光源部、拡散板、反射板の組を前記基
準面を間にして2組対向配置した(請求項1)。
【0015】(2).(1)において、拡散板は平面状
をなし、その表面に形成された溝部の方向は所定方向と
平行であり、溝部の配列方向は所定方向と直交する関係
とすることができる(請求項2)。
【0016】(3).(1)乃至(2)において、拡散
板から出射された光束は、基準面上の任意の1点に着目
したとき、該基準面とのなす角度が鋭角状でかつ、互い
の関係が略60゜の角度ピッチで集光する略等しい光強
度の6つの光束からなるものとすることができる(請求
項3)。
【0017】(4).(3)において、光束が基準面と
なす角度を15゜乃至45゜とすることができる(請求
項4)。
【0018】
【作用】光源からの出射光は、拡散板により特定の方向
に別れて進み、かつ、反射板により偏向させられること
によって、読み取り対象物を所期の態様で照射する。
【0019】
【実施例】図1において、XYZの3軸直交座標軸を想
定したとき、符号6は透明なカバーガラスを示し、XY
軸を含む平面に平行に設けられている。このカバーガラ
ス6の上面は読み取り用の基準面を構成し、この基準面
上に読み取り対象物が置かれ、適宜の送り手段によりY
軸方向に送られる間に、凹凸パターンが読み取られる。
【0020】カバーガラス6の下方位置、つまりZ方向
の対向位置には、Z軸方向に、照明光として役割を果す
ための平行光束を出射する光源7が複数個、カバーガラ
ス6と対向して、かつ、X軸方向と平行に等ピッチでラ
イン状に配列されて、光源部8を構成している。
【0021】光源部8とカバーガラス6との間には、光
源部8に近い方から拡散板9、反射板10が順次配置さ
れている。これら拡散板、反射板はそれぞれ矩形板状を
なし、その長手寸法は光源部8に合わせてある。
【0022】拡散板9は、XY軸を含む平面に平行に設
けられており、光源部8に対向する面には、等ピッチで
連続する多数の溝部11が形成されている。
【0023】この溝部11の形成方向はY軸と平行であ
り、Y軸方向から見るとき、ラック状をしており、その
配列方向はX軸と平行である。
【0024】図2、図4に示すように、この溝部11は
1つの溝部に着目するとき、光源7からの光を直進光L
1、L2と、この直進光に対しψの角度(図9参照)で
広がる2つの屈折光L3、L4の合わせて3つの成分に
分けて出射する機能を有している。
【0025】反射板10は、前記拡散板からの直進光L
1、L2と屈折光L3、L4を、これらの各光がカバー
ガラス6の上面たる基準面にφの角度(図8参照)で入
射されるように、偏向するもので、そのように配置され
ている。
【0026】これら光源部8、拡散板9、反射板10は
1つの組を構成し、この組が2組、カバーガラス6を間
にして対向配置されている。
【0027】以上が本考案にかかる照明光学系の基本的
な構成である。
【0028】図1の構成をX軸の方向からみると、図3
のようになる。かかる構成において、図9に示す角度ψ
を略60゜に設定すると、図5、図6に示すように読み
取り対象物の凸パターンは略60゜の角度ピッチで集光
する6つの光束により照射されることになる。
【0029】また、反射板10の傾き角度を選択するこ
とにより、光束を基準面に対して鋭角状に入射させて、
暗視野照明を実現することができる。
【0030】この結果、読み取り対象物の凸パターン3
は、図7に白抜きの領域で示すように輪郭の全体が満遍
なく照明されるので、情報パターンの的確な読み取りが
可能となる。
【0031】すなわち、1枚の拡散板9によって照明光
を3方向に分けたことで、凹凸形状の情報パターンを6
方向から等間隔に照明でき、従来の2方向からの照明に
比べ、大幅に照明の片寄りを改善できる。
【0032】また、拡散板9は、従来の無方向性の拡散
板5に比べ、撮像素子14方向にしか光を拡散させない
ので、光量のロスは少ない。
【0033】また、拡散板9の溝部設計により、3方向
の光量を等しくでき、更に、反射による光量減衰も全体
で15%以下にできる。
【0034】また、光源ごとのシェーディングは、微小
ピッチの3方向拡散光を重ね合わせるため、図17に符
号15で示すように小さくなる。
【0035】次に、実施に適する溝部の諸元及び角度
φ、角度ψ等について説明する。
【0036】1.拡散板により分けられた光の各光量を
等しくするための要件 図において、溝部の寸法をAi、Bi、Ci、Diと
し、これらの各寸法領域を透過した各光の透過率、つま
り、屈折光L3の透過率をTa、直進光L1の透過率を
Tb、屈折光L4の透過率をTc、直進光L2の透過率
をTdとする。
【0037】ここで、寸法AiからDiまでの領域まで
満遍なく同量の光が入射したとき、屈折光L3の光量は
Ai・Taに比例する。同様に直進光L1、直進光L
2、屈折光L4はそれぞれ、Bi・Tb、Ci・Tc、
Di・Tdに比例する。
【0038】ここで、屈折光L3と、屈折光L4と、直
進光L1+L2はそれぞれ同じ光量であることが条件で
あるから、 Ai・Ta=Ci・Tc=Bi・Tb+Di・Td ところで、Tb=Tdであるから、 Ai・Ta=Ci・Tc=(Bi+Di)Tb となるように、Ai、Ci、Bi+Diを設定すればよ
い。
【0039】2.拡散板の透過率を80%に維持し、か
つ、読み取り対象物に対し6方向からの等角度ピッチ光
を以って、暗視野照明を実現するための要件 .6方向からの等角度ピッチの光を得るとの要請から
は、ψ=60゜が最適であるが、60゜の近辺、具体的
にはψ=60゜±10゜なら実使用上問題ない。
【0040】.暗視野照明の要請からは、φ=0゜〜
20゜が最適であるが、そのようにすると、非常に大き
なパワーを有する照明光源が必要となるか、或いは、撮
像素子への受光時間を長くするなどして、受光量で稼ぐ
しかないが、これらはいずれも現実的でない。LED光
源を用いて高速CCD処理を行う場合を考えると、φ=
35゜〜45゜が実用の範囲となる。
【0041】.以上より、ψ=60゜±10゜とし、
かつ、φ=35゜〜45゜とすると、透過光の屈折角度
εは一義的に決定される。
【0042】.さらに、拡散板の材質から屈折率nが
定まるので、屈折の法則により、溝部の山、谷の角度θ
も次のように決定される。
【0043】 ε=sin?1〔n・sin{θ−sin?1(1/n・sinθ)}〕 .こうして、ψ、φ、ε、n、θ、等を固定すること
で、透過率も決まる。
【0044】そこで、これらの要素のうち、ψ、φを目
標の値に近づけるように。θを変えて、試算したとこ
ろ、以下に示すグループ(I)、グループ(II)のデ
ータを得た。これらの何れのケースも、実用可能の範囲
にあり、何れを選択するかは自由である。
【0045】 (I)グループ ψ φ ε n θ Ta=Tc 58゜ 35゜ 52.2 1.58 65゜ 80.2% 63゜ 45゜ 52.2 1.58 65゜ 80.2% (II)グループ ψ φ ε n θ Ta=Tc 54゜ 40゜ 45.4 1.58 60゜ 84.2% 57゜ 45゜ 45.4 1.58 60゜ 84.2% 以上の条件下では、屈折光の透過率は80%以上を確保
できるし、Ai・Ta=Ci・Tc=(Bi+Di)T
bとなるように、Ai、Ci、Bi+Diを決めること
で、各光の光量を等しくでき、また、屈折光、直進光の
全体についてのトータルの透過率は、最悪の場合でも8
5%となし得る。
【0046】
【考案の効果】本考案によれば、簡単かつコンパクトな
構成で、読み取り対象物を満遍なく照射することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる照明光学系を凹凸パターンの読
み取り装置と共に説明した概略斜視図である。
【図2】光が分かれて進む状態を説明した斜視図であ
る。
【図3】図1の装置を具体的に示した正面図である。
【図4】拡散板において、光が分かれる態様を説明した
図である。
【図5】読み取り対象物に光が6方向から集まる状態を
反射板との関係で説明した図である。
【図6】読み取り対象物に光が6方向から集まる状態を
説明した図である。
【図7】読み取り対象物に対する光の照射領域を説明し
た図である。
【図8】暗視野照明を実現する反射板の傾き角度につい
て説明した図である。
【図9】直進光に対する屈折光の開き角度について説明
した図である。
【図10】従来技術に関する照明光学系の斜視図であ
る。
【図11】従来技術に関する読み取り対象物への照射状
態の説明図である。
【図12】従来技術に関する読み取り対象物への照射状
態の説明図である。
【図13】従来技術に関する読み取り対象物への照射状
態の説明図である。
【図14】従来技術に関する照明光学系の構成図であ
る。
【図15】従来技術に関する読み取り対象物への照射状
態の説明図である。
【図16】従来技術に関する光源と照射領域との関係を
説明した図である。
【図17】光源ごとのシェーディング状態を、従来技術
と本考案の場合について比較して説明した図である。
【符号の説明】
8 光源部 9 拡散板 10 反射板 11 溝部 L1 直進光 L2 直進光 L3 屈折光 L4 屈折光 Y 所定方向

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準面に当接又はごく近接して、前記基準
    面に沿った所定方向へ送られる読み取り対象物の表面に
    形成されている凹凸パターンを読み取るための照明光学
    系において、 平行光束を出射する複数個の光源をライン状に配列し、
    このライン方向が前記所定方向と直交する関係にあると
    ともに前記基準面と対向配置してなる光源部と、 前記
    光源に対向した拡散板であって、等ピッチで連続する多
    数の溝部を有し、その1つの溝部が、前記光源からの平
    行光束を直進光と、この直進光に対し広がる2光束の、
    合わせて3つの成分に分けて出射する拡散板と、 前記拡散板からの前記3つの各出射光束を、これら各出
    射光束が前記基準面に対して傾いて入射されるように偏
    向させる平面状の反射板を有し、 これら光源部、拡散板、反射板の組を前記基準面を間に
    して2組対向配置したことを特徴とする照明光学系。
  2. 【請求項2】請求項1において、拡散板は平面状をな
    し、その表面に形成された溝部の方向は所定方向と平行
    であり、溝部の配列方向は前記所定方向と直交する関係
    にあることを特徴とする照明光学系。
  3. 【請求項3】請求項1乃至請求項2において、拡散板か
    ら出射された光束は、基準面上の任意の1点に着目した
    とき、該基準面とのなす角度が鋭角状でかつ、互いの関
    係が略60゜の角度ピッチで集光する略等しい光強度の
    6つの光束からなることを特徴とする照明光学系。
  4. 【請求項4】請求項3において、光束が基準面となす角
    度が15゜乃至45゜であることを特徴とする照明光学
    系。
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