JPH0415457B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、近距離照明用の集光系照明装置であ
つて、例えば電子複写機、フアクシミリ、OCR
（文字読取装置）などにおいて原稿を照明するた
めに好適に用いることができる集光系照明装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

例えば電子複写機において原稿を照明するため
に用いられる照明装置においては、最近省エネル
ギーの観点から光源として消費電力が小さい
LED（発光ダイオード）を用いることが研究され
ている。

LEDを用いた照明装置としては、従来、 (イ) LEDチツプを前面に半球状レンズを有する
プラスチツク或いはガラスで封止して形成した
LEDランプの複数を一列に並べて反射鏡と組
合せた構成、 (ロ) LEDチツプを一列に並べこれらの前方に半
円柱状のガラス製レンズを配置して反射鏡と組
合せたいわゆるLEDアレイと称される構成、 などが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の構成においては、レンズ
では臨界角範囲内の光軸近傍の光線を集光し、一
方反射鏡ではその開口幅で決まる光軸から離れた
部分の光線を集光するものであつて、離散して原
稿の照明に寄与しない光束が多くて集光効率が低
く、このため原稿面照度が低くて良好な照明を行
なうことができない問題点がある。

〔発明の目的〕

本発明は以上の如き事情に基いてなされたもの
であつて、その目的は、光源からの放射光を高い
効率で集光することができて光源の消費電力を小
さいものとしながら被照射面上における照度を高
くすることができる集光系照明装置を提供するこ
とにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本発明集光系照明装置は、光源と、その反射面
の断面が放物線でありこの放物線の焦点上に前記
光源が位置するよう配置した反射鏡と、前記光源
の前方において前記反射鏡の開口を塞ぐよう設け
た集光レンズとを具えてなる集光系照明装置であ
つて、前記集光レンズは、その入射面の断面形状
が円弧状の下部凸レンズと、この下部凸レンズの
前部に設けた前記反射鏡の開口に向かつて伸びる
透明柱状体と、この柱状体の前部に設けた、主と
して下部凸レンズからの光を集光する第１の凸レ
ンズと、この第１の凸レンズの外縁に設けたその
断面において当該第１の凸レンズよりは曲率半径
が大きく主として前記反射鏡からの反射光を集光
する第２の凸レンズとを有してなり、前記下部凸
レンズは、その断面において、前記放物線の焦点
Ｆから前記反射鏡の開口縁Ｂに至る直線FBと前
記焦点Ｆから光軸LAに直角に伸びて前記放物線
に交わる点Ｃから光軸LAに平行に伸びる直線CG
との交点Ａにおいて、前記直線FBに当該下部凸
レンズの円弧状入射面が接するよう配置されてい
ることを特徴とする。

斯かる構成によれば、光源からの放射光のう
ち、光源の前方側において反射鏡に向かつて進行
する光は反射鏡に反射されて光軸に平行に進み曲
率半径の大きい第２の凸レンズにより集光され、
反射鏡には向かわず反射鏡の開口面に直接向かつ
て進む光と光源の後方側において反射鏡に向かつ
て進行し反射鏡に反射された光は、下部凸レンズ
により一次集光されたうえさらに曲率半径の小さ
い第１の凸レンズにより集光され、この結果光源
の放射光の大部分を集光せしめることができる。

〔実施例〕

以下本発明を電子複写機の原稿照明装置に適用
する場合の一実施例について詳細に説明する。

第１図は集光系照明装置の概略図である。１は
長尺な樋状の反射鏡であり、この反射鏡１の反射
面１１は長手方向に直角な断面が放物線であり、
この放物線を導線とする放物柱面状に形成されて
いる。２はその詳細な後述する集光レンズ、３は
例えばLEDよりなる光源であり、この光源３の
複数が反射鏡１の焦点Ｆを結ぶ直線（以下「焦点
軸」という。）上に一列に並んで配置されている。
４は透明ガラス製の原稿台、５は投影光学機構、
６は回転ドラム状の感光体である。

第２図に集光レンズの詳細を示す。この第２図
は反射鏡１の焦点軸に直角な切断面を示し、集光
レンズ２は、その入射面の断面形状が円弧状で反
射鏡１の長手方向に伸びる柱状で反射鏡１に対し
て特定の位置に配置された下部凸レンズ２１と、
この下部凸レンズ２１の前部に設けられ反射鏡１
の開口に向かつて伸びる導光用の透明柱状体２２
と、この柱状体２２の前部に設けられ出射面の断
面形状が円弧状で反射鏡１の長手方向に伸びる柱
状で主として下部凸レンズ２１からの光を集光す
る第１の凸レンズ２３と、この第１の凸レンズ２
３の外縁に設けられ出射面の断面形状が第１の凸
レンズ２３よりは曲率半径の大きい円弧状で反射
鏡１の長手方向に伸びる柱状で主として反射鏡１
からの反射光を集光する第２の凸レンズ２４とよ
りなる。

前記下部凸レンズ２１は、その円弧柱面状の入
射面が反射鏡１の反射面１１に対して特定の位置
関係となるよう配設されている。即ち、第２図に
示した断面において説明すると、反射面１１の輪
郭である放物線の焦点Ｆから反射面１１の開口縁
Ｂに至る直線FBと焦点Ｆから光軸LAに直角に伸
びて放物線に交わる点Ｃから光軸LAに平行に伸
びる直線CGとの交点Ａにおいて、下部凸レンズ
２１の円弧状入射面が前記直線FBに接するよう
当該下部凸レンズ２１を配設する。そしてこの下
部凸レンズ２１の入射面の端縁はＡ点に一致し、
柱状体２２の側縁２２１は点Ａから光軸LAに平
行に伸びている。第１の凸レンズ２３の外縁は柱
状体２２の側縁２２１の延長上にある。第２の凸
レンズ２４は反射鏡１の開口を覆うようその端縁
が開口縁Ｂまで伸びており、この第２の凸レンズ
２４の入射面は光軸LAに直角な平坦面である。
そして下部凸レンズ２１の屈折率ｎは、当該下部
凸レンズ２１の円弧状の入射面の中心Ｅと点Ａと
を結ぶ直線EAと直線CGとの交角βとの関係にお
いて β＝arc sin１／ｎを満足するように選定する。

第３図は上記構成の照明装置の配光を示す説明
図であり、この図から理解されるように、光束の
集光性が著しく高いものである。即ち、焦点Ｆ上
に位置された光源３からの放射光のうち光源３の
前方側において反射鏡１に向かつて進行する光は
反射鏡１で反射された後光軸LAに平行に進み曲
率半径の大きい出射面を有する第２の凸レンズ２
４により集光されるようになり、一方反射鏡１に
向かわず反射鏡１の開口面に直接向かつて進む光
と、光源の後方側において反射鏡１に向かつて進
行し反射鏡１で反射された光は、下部凸レンズ２
１に入射してこれにより一次集光されながら柱状
体２２を通りさらに曲率半径の小さい出射面を有
する第１の凸レンズ２３により集光され、そして
焦点Ｆから開口縁Ｂに向かう光は下部凸レンズ２
１との接点Ａにおいて屈折されて光軸に平行に進
み第１の凸レンズ２３により集光され、これによ
り原稿台４上に細帯状の照明領域７が形成され
る。

以上の構成によれば、反射鏡１が放物柱面状の
反射面１１を有し、集光レンズ２が反射鏡１の反
射面１１に対して既述の如き特定の位置に配置さ
れた下部凸レンズ２１と、この下部凸レンズ２１
よりの光を導光する柱状体２２と、この柱状体２
２の前部に設けた曲率半径の小さな第１の凸レン
ズ２３と、この第１の凸レンズ２３の外縁におい
て反射鏡１の開口を塞ぐよう設けた曲率半径の大
きな第２の凸レンズ２４とを有し、複数の光源を
放物柱面状の反射面１１の焦点軸上に一列に並べ
て配置した構成であるから、光源３からの放射光
のほとんどが細帯状の照明領域７に集光されるよ
うになり、この結果光源３として消費電力の小さ
いものを用いながら照明領域７における照度を高
くすることができ、良好な原稿照明を達成するこ
とができる。そしてこのように照明領域７におけ
る照度を高くすることができることから、省エネ
ルギー化を図りなから高速走査による原稿照明が
可能となり、高速複写機に適用する場合に好適で
ある。

因みにコンピユータによるシミユレーシヨンを
行なつたところ、上記構成によれば２mm幅の照明
領域において集光率は約82％と著しく高くなるこ
とが確認された。一方単純な円柱レンズを用いた
構成において同様のシミユレーシヨンを行なつた
ところ２mm幅の照明領域において集光率は約43％
とかなり低いものであつた。

以上の実施例は細帯状の照明領域を形成する照
明装置であるが、例えばフアクシミリなどの原稿
照明装置におけるようにスポツト状の照明光が必
要とされる場合には、スポツト状の照明領域を形
成するために、反射鏡１の反射面１１を回転放物
面状とし、この回転放物面の焦点に光源３を配置
し、半球状の下部凸レンズ２１と、円柱状の柱状
部２２と、外縁が円形の第１の凸レンズ２３及び
第２の凸レンズ２４とよりなり、第２図に示した
断面における条件を満足する集光レンズ２を設け
て照明装置を構成してもよい。

前記集光レンズ２は、プラスチツク或いはガラ
スなどにより一体的に形成してもよいし、または
複数の部材の組合せによつて構成されていてもよ
い。

前記光源３としては、LEDの他に小型白熱電
球を用いてもよい。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明は、光源
と、その反射面の断面が放物線でありこの放物線
の焦点上に前記光源が位置するよう配置した反射
鏡と、前記光源の前方において前記反射鏡の開口
を塞ぐよう設けた集光レンズとを具えてなる集光
系照明装置であつて、前記集光レンズは、その入
射面の断面形状が円弧状の下部凸レンズと、この
下部凸レンズの前部に設けた前記反射鏡の開口に
向かつて伸びる透明柱状体と、この柱状体の前部
に設けた、主として下部凸レンズからの光を集光
する第１の凸レンズと、この第１の凸レンズの外
縁に設けたその断面において当該第１の凸レンズ
よりは曲率半径が大きく主として前記反射鏡から
の反射光を集光する第２の凸レンズとを有してな
り、前記下部凸レンズは、その断面において、前
記放物線の焦点Ｆから前記反射鏡の開口縁Ｂに至
る直線FBと前記焦点Ｆから光軸LAに直角に伸び
て前記放物線に交わる点Ｃから光軸LAに平行に
伸びる直線CGとの交点Ａにおいて、前記直線FB
に当該下部レンズの円弧状入射面が接するよう配
置されていることを特徴とする集光系照明装置で
あるから、光源からの放射光を高い効率で集光す
ることができて光源の消費電力を小さいものとし
ながら被照射面上における照度を高くすることが
できる集光系照明装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示す概略図、第２図は反射
鏡及び集光レンズの詳細を示す説明用断面図、第
３図は配光特性を示す説明図である。 １……反射鏡、２……集光レンズ、３……光
源、４……原稿台、５……投影光学機構、６……
感光体、１１……反射面、２１……下部凸レン
ズ、２２……柱状体、２３……第１の凸レンズ、
２４……第２の凸レンズ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光源と、その反射面の断面が放物線でありこ
   の放物線の焦点上に前記光源が位置するよう配置
   した反射鏡と、前記光源の前方において前記反射
   鏡の開口を塞ぐよう設けた集光レンズとを具えて
   なる集光系照明装置であつて、 前記集光レンズは、その入射面の断面形状が円
   弧状の下部凸レンズと、この下部凸レンズの前部
   に設けた前記反射鏡の開口に向かつて伸びる透明
   柱状体と、この柱状体の前部に設けた、主として
   下部凸レンズからの光を集光する第１の凸レンズ
   と、この第１の凸レンズの外縁に設けたその断面
   において当該第１の凸レンズよりは曲率半径が大
   きく主として前記反射鏡からの反射光を集光する
   第２の凸レンズとを有してなり、 前記下部凸レンズは、その断面において、前記
   放物線の焦点Ｆから前記反射鏡の開口縁Ｂに至る
   直線FBと前記焦点Ｆから光軸LAに直角に伸びて
   前記放物線に交わる点Ｃから光軸LAに平行に伸
   びる直線CGとの交点Ａにおいて、前記直線FBに
   当該下部凸レンズの円弧状入射面が接するよう配
   置されていることを特徴とする集光系照明装置。