JP2563328Y2 - 雪止め具 - Google Patents

雪止め具

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JP2563328Y2 JP10863791U JP10863791U JP2563328Y2 JP 2563328 Y2 JP2563328 Y2 JP 2563328Y2 JP 10863791 U JP10863791 U JP 10863791U JP 10863791 U JP10863791 U JP 10863791U JP 2563328 Y2 JP2563328 Y2 JP 2563328Y2
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、屋根に設置される雪止
め具に関するものである。
【0002】
【従来技術】雪の急激な落下を防止するために屋根に配
設される雪止め具として、一般に図7及び図8に示すよ
うなものが知られている。この雪止め具は、ステンレス
鋼板等によって短冊状に形成した支持板Aの一端に屋根
表面への固定片Bを段下げして連設し、支持板Aの他端
にL字状を成す雪止め片Cを起立形成してある。
【0003】そして、上記雪止め具は、図8に見られる
ように、軒先近くに敷設したカラーベストなどの屋根葺
材の1段目D1の上端所定位置に固定片Bの段下げ部を
引っかけ、固定片Bを屋根表面に釘打ち等し、屋根葺材
の上面に載置された支持板Aと雪止め片Cのうち、支持
板Aの一部を2段目の屋根葺材D2の下面で押さえつけ
ることにより固定される。このようにして固定される雪
止め具は、必要な数だけ、屋根全体に2段あるいは3段
の千鳥状に配設される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た雪止め具の場合、雪止め片Cに受けられた雪の重さに
よって、上記一端を支点として支持板Aを屋根上方に弧
状に撓ませるようなモーメントが働き、上段の屋根葺材
D2に剥離方向への力が作用してしまう問題がある。
【0005】また、上記撓みを少なくして屋根葺材の剥
離を防止するために、支持板Aの板厚を増加させようと
すると、コストの上昇を招く。
【0006】本考案は従来の雪止め具が抱えるこうした
問題点に鑑み、雪止め具を固定する屋根葺材にこれを剥
離させるような力が強く作用することがなく、かつ安価
に製造できる雪止め具を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記した目的
を達成するために、一端に屋根に固定される取付け部が
設けられた支持部材の他端に雪止め部を起立形成し、上
記取付け部と、支持部材の取付け部寄りの部分とを下段
の屋根葺材の上面と上段の屋根葺材の下面とに挟持させ
る一方、上記雪止め部と、支持部材の雪止め部寄りの部
分とを下段の屋根葺材の上面に露出させて屋根上に取付
けられる雪止め具において、前記支持部材を、屋根葺材
によって挟持される非露出部分の曲げ剛性が屋根葺材の
上面に露出する露出部分の曲げ剛性よりも大きくなるよ
うに形成した点に特徴を有するものである。
【0008】支持部材の露出部分と非露出部分の曲げ鋼
性の違いは、両部分をその断面2次モーメントに差を生
じさせるような断面形状とすることによって達成し、あ
るいは弾性係数を異にする素材を用いることによって達
成するようにしても良い。
【0009】
【作用】本雪止め具では、屋根に雪が積もり、雪の重み
によって雪止め部材にこれを前方に倒れ込ませる方向の
モーメント力が作用すると、支持部材の露出部の方が先
に、かつ充分に撓んでこのモーメント力を消費してしま
い、支持部材の非露出部分を撓ませることがないので、
屋根葺材の剥離が防止される。
【0010】
【実施例】以下、本考案を図示した実施例に基づいて詳
説する。図1は、本考案の一実施例に係る雪止め具を示
している。図中符合1は先端に雪止め片4が取付けられ
た支持部材で、この支持部材1は長さ方向中途で2分さ
れて、基端側を固定部2、先端側を緩衝部3としてあ
る。緩衝部3は本雪止め具が屋根に取り付けられた際に
屋根葺材から露出する部分を、また固定部2は屋根葺材
に押さえつけられて屋根表面から隠れる非露出部分を形
成する。
【0011】固定部2は、例えば厚さ0.8mm、幅10mm程
度のステンレス製の帯板材から成り、平面略コ字状の後
端部2aから前方に2条の帯板片2b,2bが平行に延
びている。後端部2aはその板面にビス孔2cが穿設さ
れて屋根面への取付け部を成す。また2条の帯板片2
b,2bは、その中途にカラーベスト等の屋根葺材の厚
さに相当する分の段差が形成されている。
【0012】緩衝部3は、例えば線径0.8mm程度の細径
の線材をその前部3aにおいて略コ字状に折り返し、そ
の両端を上記固定部2の2条の帯片2b,2bの前端に
溶着してある。緩衝部3と上記固定部2とのそれぞれの
断面2次モーメントI2,I3の大きさを比較すると、I
2>I3となり、両部2,3の弾性係数が許容できる程度
に同等とすると固定部2の曲げ鋼性(EI)が大きくな
るために、緩衝部3が固定部2に比べて極めて撓み易い
特性を有する。緩衝部3と固定部2とのこうした断面2
次モーメント値の違いは、この他、例えば図2に示すよ
うに固定部12を1枚の平板状にし、緩衝部13を上記
実施例と同様な線材によって形成することによっても達
成される。尚、同図において、図中符合10は支持部
材、14は雪止め片を示す。
【0013】緩衝部3の前部3aに取り付けられる雪止
め片4は、薄板鋼材あるいは合成樹脂材などによって正
面板4aと両側面板4b,4bとを有する平面略コ字状
に形成されており、正面板4aと両側面板4b,4bと
によって囲まれた部分が雪受け空間を構成する。雪止め
片4は、両側面板4b,4bと正面板4aの下辺にそれ
ぞれホルダー溝部4cを有し、このホルダー溝部4cに
緩衝部3のコ字状を成す前部3aが嵌着される。
【0014】本雪止め具は、図3に示すように、1段目
の屋根葺材5aの上端に固定部2の段差部を引っかけ、
固定部後端のビス孔2cにビスを打ち込むことにより、
屋根面に固定され、段差部から前方の固定部上面を2段
目の屋根葺材5bによって覆うことにより、緩衝部3と
雪止め片4とが1段目の屋根葺材5aの上面に露出して
取り付けられるものである。
【0015】屋根に雪が積もり、雪止め片4に雪が止め
られ始めると、この雪の重みが雪止め片4を介して緩衝
部3と固定部2とに作用する。しかし、緩衝部3の曲げ
剛性が固定部2と同等でなく、これよりも小さいため
に、このモーメント力は緩衝部3を図4の波線で示すよ
うに撓ませることで消費され、固定部2、特に1段目と
2段目の屋根葺材5a,5bによって挟持されている部
分を撓ませることはない。このため、2段目の屋根葺材
5bにはこれを剥離させるような力が作用せず、屋根葺
材5の剥離現象が解消される。
【0016】支持部材の固定部は、上下段の屋根葺材に
よって挟持される部分の曲げ剛性が緩衝部よりも大きい
ものであれば良く、したがって、図5に示すように固定
部22の後端の取付け部22aは緩衝部と同様な線材に
よって形成するようにしても良い。この取付け部22a
は、後端をフック状に屈曲させ、あるいはループを部分
的に形成することによりビス固定を図ることができる。
また、鋼製などの薄板材を被せてその板面に設けたビス
孔にビスを通して屋根面に固定する構造としても良い。
【0017】図6は本考案の別の実施例を示している。
この実施例では、支持部材31の露出部分と非露出部分
とをそれぞれ弾性係数の異なる部材によって形成してあ
る。雪止め片34が取り付けられる露出部分の緩衝部3
3は例えば厚さ2mm、幅10mmのゴム製の帯板材によっ
て、また非露出部分の固定部32は上記緩衝部33と同
厚、同幅の硬質合成樹脂あるいはステンレス材等によっ
て形成されており、両部は段違いや重合などの態様によ
り接合されている。
【0018】従って、この雪止め具は、固定部32と緩
衝部33の弾性係数が大きく異なるため、両者の曲げ剛
性に大きな差が生じ、緩衝部33の方が固定部32より
も極めて撓み易い。
【0019】このように、本考案は、同じ断面形状であ
っても材料の選択によって支持部材の露出部と非露出部
との間に曲げ剛性の差を生じさせるようにしても良い。
また、本考案では、支持部材の後端に設けられる取付け
部と、雪止め片と、支持部材前端への雪止め片の取付け
部は、その構造のいかんを問うものではない。
【0020】
【考案の効果】以上述べたように本考案によれば、一端
に屋根への取付け部が、他端に雪止め部材が設けられる
雪止め具の支持部材を、屋根葺材の上面に露出する露出
部分と上下段の屋根葺材によって挟持される非露出部分
とで、前者の曲げ剛性が後者の曲げ剛性よりも小さくな
るように形成したので、積雪重量によって雪止め部材と
支持部材に作用するモーメント力を支持部材の露出部分
の撓み変形によって吸収でき、支持部材の非露出部分に
上記モーメント力が及ぶことがなくなって屋根葺材の剥
離を防止することができる。
【0021】また、本考案によれば、材料費の低減化に
よって、安価な雪止め具の製造に貢献できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る雪止め具の斜視図。
【図2】支持部材の固定部を板物とした例を示す雪止め
具の斜視図。
【図3】屋根への取付け状態を示す斜視図。
【図4】雪の重量によって生じるモーメント力の作用を
示す説明図。
【図5】支持部材後端の取付け部の他例を示す斜視図。
【図6】本考案の別の実施例を示す斜視図。
【図7】従来の雪止め具を示す斜視図。
【図8】従来の雪止め具の使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1,11,31・・・・・・・・・・支持部材 2,12,22,32・・・・・・・固定部 3,13,33・・・・・・・・・・緩衝部 4,14,34・・・・・・・・・・雪止め片 5a・・・・・・・・・・・・・・・1断面の屋根葺材 5b・・・・・・・・・・・・・・・2段目の屋根葺材 2a,22a・・・・・・・・・・・取付け部

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端に屋根に固定される取付け部が設けら
    れた支持部材の他端に雪受け部を起立形成し、上記取付
    け部と、支持部材の取付け部寄りの部分とを下段の屋根
    葺材の上面と上段の屋根葺材の下面とに挟持させる一
    方、上記雪受け部と、支持部材の雪受け部寄りの部分と
    を下段の屋根葺材の上面に露出させて屋根上に取付けら
    れる雪止め具において、 前記支持部材を、上記した下段の屋根葺材の上面に露出
    する露出部分の曲げ剛性が上下段の屋根葺材によって挟
    持される非露出部分の曲げ剛性よりも小さくなるように
    形成した、 ことを特徴とする雪止め具。
  2. 【請求項2】前記支持部材は、下段の屋根葺材の上面に
    露出する露出部分の曲げ剛性が上下段の屋根葺材によっ
    て挟持される非露出部分の曲げ剛性よりも小さくなるよ
    うに、断面2次モーメントに差を生じさせる断面形状と
    したことを特徴とする請求項1に記載の雪止め具。
  3. 【請求項3】前記支持部材は、屋根葺材によって挟持さ
    れる非露出部分が帯板材によって形成され、屋根葺材の
    上面に露出する露出部分が線材によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の雪
    止め具。
  4. 【請求項4】前記支持部材の露出部分を非露出部分より
    も曲げ鋼性の小さな素材によって形成し、非露出部分と
    露出部分との弾性係数を大きく異にするようにした請求
    項1に記載の雪止め具。
  5. 【請求項5】前記雪止め部は、鋼製の薄板材の両側を同
    一方向に折曲することにより正面板と両側板とより成る
    断面略コ字状に形成されており、正面板と両側板とによ
    って囲まれた雪止め空間が前記支持部材の他端の取付け
    部側を向くようにして起立した状態で支持部材前部に固
    定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に
    記載の雪止め具。
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